人はそれを愛と呼び、彼は迷惑だと叫ぶ。

槇瀬陽翔

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1週間ぶりの再会

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今日、帰って来るって言ったけど何時に戻って来るかは聞いてない。


クソやろ。


気が付いたらとっくに昼休憩が終わって午後の授業が始まりそうだ。


「いつ来るんだよあいつは」
俺は一人でブツブツ言ってた。けど担当教師が入って来てそのまま授業が始まった。


何時まで経っても来ない菊池にイライラしながら授業受けて、気が付いたら全部の授業が終わり放課後になってた。


あの野郎!こねぇじゃねぇか!!!


って一人でブチ切れていたら


「梅ちゃん大変!!委員ちょ~がぁー!!」
なんて言いながら鍋谷が生徒会室に飛び込んできた。
「うるせぇクソ鍋谷。今度は何だよ!」
イラついたまま返事をしたら

「いいから、ちょっと来て梅ちゃん!!」
なんて言いながら俺を強引に連れ出しやがった。


「どこまで連れてくんだよ鍋谷」
風紀委員室とはまた違う方へ連れていかれる俺。意味が分からなくて、鍋谷に聞くけど返事はない。


クソが!なんだよ一体!


心ん中で文句言いながらついて行けば、乱闘をしてる声が聞こえた。


またこのパターンかよ。


なんて内心でうんざりしてれば


「隙だらけだな」
なんて突然、後ろから首に腕がかけられ腕を掴まれる。
「なっ」
驚いて、後ろを見ればそこには悪い顔をした菊池がいた。


「よっ、元気か?」
なんて言われて頭にきた。
「ふざけんなよテメェ。くんのおせぇんだよ」
だからあいてる方の手で殴り掛かったら

「おっと、相変わらず機嫌がわりぃな。ナベに聞かなかったのか?」
軽々とかわされた。クソが!
「聞いてねぇよ!いきなり連れてこられたわ!」
怒りのままに言い返して、もう一度殴り掛かった。

「あいつは…」
菊池は呆れながらも俺の攻撃をかわす。


クソが!憎たらしい!


それでも俺は殴る手を止めずに菊池に攻撃し続けてて、そのままの勢いのままで結構な力を込めた拳が菊池の背に入った。


「あっ」
菊池の背中を殴ったと気が付いて俺はその場に固まった。自然と自分の手を握りしめてその背から視線を逸らした。握りしめた手は小さく震えだす。その震えは何時しか全身にまで広がっていく。

「いってぇなぁ、マジで殴りやがって」
溜め息交じりに菊池の声にビクリと身体が飛び跳ねた。
「…ごめん…」
謝った声は小さかった。

「ヒナ、自分の目でちゃんと確かめろ」
その言葉の意味が分からない。拒むように首を横に振れば
「いいから見ろ」
今度は強く命令的に言われ、恐る恐る視線を上げ目の前にある男の背を見た。

「…あっ…」
そこには赤く染まった男の背はなかった。けど、殴ったその場所が少し赤く滲んでる。
「1週間で術後の傷が治るわけじゃねぇからな。殴られた場所はしょうがねぇ。だが、もう大丈夫だろ?」
振り返った菊池がポンと俺の頭を軽く叩き撫でていく。

その言葉に返事が出来なくて小さく頷いたら
「待たせて悪かったな。ちょっと先生と話してたら遅くなった。ただいまヒナ」
もう一度、俺の頭を撫でていく。
「…っ…お帰り…侑司っ…」
俺はそのまま菊池に抱き着いた。


「委員ちょ~イチャついてるところ悪いんですけどぉ~あれ沈めて欲しいです~」
なんて鍋谷の声がして、俺は反射的に鍋谷に殴りかかった。
「うわぁ~!梅ちゃん待ってぇ!なんでぇ~!!」
俺の突然の行動に驚きながらも避けるあたりさすがだな。

「ヒナ、俺はあっちを沈めてくるから、殺さねぇ程度にしとけよ」
「おう、頑張る」
菊池の言葉に返事をして俺は本気で鍋谷を沈めるために構えた。
「えぇぇ~!ちょ、委員ちょ~!酷くないっすかぁ~!」
鍋谷が菊池に助けを求めてるが

「幸永から聞いてるから諦めろ。一回お前は梅村にやられとけ。それでそいつの機嫌は直るからな」
なんて菊池はあっさりと言いのけてさっさと乱闘の方へ行ってしまった。
「覚悟しろよ鍋谷。許しはもらったからな」
俺はポキポキと指を鳴らし鍋谷にもう一度殴り掛かった。
「いやぁ~!!梅ちゃん許してぇ~!!委員ちょ~ヘルプ~!!!」
なんて、鍋谷の声が響いたが誰も助けに来るやつはいなかった。


否、助けに来れる奴がいなかった。といった方が正しいのかも…。



結局、最終的に菊池が俺を止めて、鍋谷はなんとか助かったのだった。ボロボロにしてやったがな。


その後、俺は菊池の部屋に上がり込み甘えさせてもらったのだった。


約束したんだ!いいだろ!



Fin

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