転生した?!

山海陸

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副会長 19

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 「迷子になっちゃった。場所はやっぱりちゃんと聞いておくべきだ。この学校は広すぎる。」

 燐はやはり方向音痴なようだ。

 でもそれはしょうがないと言えると思う。

 中学校と比べ物にならないくらいの広さだ。全寮制だからってのはちょっとわかるけど、校舎が3つあるのがよくわからない。

 それにしてもつくりが複雑すぎる。生徒会の場所がよくわからない。

 生徒会室が分かりにくいことには理由がある。生徒会は普通の生徒にはわからないような場所にあるからだ。

 生徒会の人気がとにかくすごいからだ。生徒会室まで押し寄せるほどのことがあった。生徒会の役員から仕事ができないと理事長に苦情が殺到した。それから誰も知らない場所を生徒会室にするようにした。

 「呼び出すなら場所の指定をして欲しい。」

 滅多に言うことのない文句を言い続ける。今日で何回迷子になればすむんだ、まったく。

 文句を言い続けること何分だ?随分歩いたと思う。まだ着かないそろそろ本気で帰ろうとしていた、その時

 「あなたが一条燐ですか?」

 急に後ろから話しかけられて驚いた。

 「は、はいそうですけど…誰ですか?」

 初めて会った人に話しかけられた。少し怖いけど、よく見るとこの人とても綺麗な顔をしている。これがいわゆる美形というものだろう。

 「……。ふ、ふふふ。」

 なぜか知らないけど笑われた。何かおかしいことを言っただろうか。

 「失礼。」
 「何か面白いことを言ったでしょうか。」
 「いえ、ふふ。すみません。まずは挨拶からですね。僕の名前は、物部生田です。実は僕、生徒会副会長をしていて、入学式の時挨拶したはずなんですけど、覚えていないようですね。」

 あ、そう言われれば。していたような気がしなくもない。

 「僕は自分で言うのは少しアレなんですが、顔が整っていて、人気があるのですぐに人に覚えてもらえているので、新鮮すぎる反応に少し笑ってしまいました。
 でもいいですね、その反応は。気に入りました。これからよろしくお願いしますね。」

 何故だか気に入られてしまった。

 まあ、僕もこんな美形な人を間近で見たらもう忘れることは無いと思う。

 「よ、よろしくお願いします。あ、あのすみません。入学式の時少し考え事をしてまして。それで、生徒会室ってどこですか?」

 「ああ教えるのを忘れてました。なにせ放送で言うわけにはいかなかったので。じゃあ行きましょう。ついてきてください。」
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