狂った勇者が望んだこと

夕露

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第一章 召還

78.「殺してやる……っ!」

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一番最初に目に飛び込んできたのは真っ赤な絨毯だった。
広い空間を分断するように敷かれた長い絨毯は奥にある椅子へと続いている。鎧に身を包んだ兵士たちがそんな絨毯を挟んで立ち、置物のように動かない。
話して動いているのは兵士の後ろでパーティーを楽しむ城の奴らで、豪華な食事をつまみながらこれから起こるだろう召喚について花を咲かせている。
まだ王様とやらの席は空いたままだった。

「ねえ早く召喚しちゃおうよ」
「……翔太様、もうしばらくお待ちくだされ」

高い天井に差すステンドグラスの光を見上げていたら転移の目印になってくれた翔太が暇そうに老齢の男、キューオに話しかけていた。駄々っ子はキューオに口を尖らせ悪態をついている。
そんなことをする前に自分の失態に気がつくべきだ。
こんな簡単に転移の目印つけられてどうすんだよ。お陰ですんなり召喚の場所に来れたからいいんだけど。

「もう魔力は足りてるんでしょ」
「はい。翔太様のお陰で召喚に必要な魔力がこんなにも早く揃いました。すべて翔太様のお陰ですな」
「まあ別にいいよ。出来る人がいないならしょうがないしね」

翔太は笑ってメイドが持ってきたワインらしきものを口に含んだ。それは苦手なのかえらく眉が寄っている。分かりやすい姿に肩すかしのようなものを覚えるけれど、同情のような気持ちが勝った。

それで、どうでもよくなった。

魔法をかける。コイツが魔力を提供して召喚を早めたのなら、コイツに召喚を邪魔させよう。召喚に魔力を流した経由で魔力を回収しろよ。それを私が有効活用してやる。
……なにがいいか。ああ、召喚を使えないようにする魔法でいいか。
普通に生活するのに必要な魔力以外はすべて使うように設定しよう。期限は召喚なんて方法がなくなるまでだ。こうすれば翔太も召喚できないし、この世界の奴らも召喚できないだろう。召喚に集められる魔力を上回る魔法で抵抗されたら難しいけれど、そのときはそのときだ。

それまでせいぜい頑張ってほしい。

魔法が解けることがないよう錯覚魔法を保険にかけておく。それなりに私の魔力を食ったけれどこれで召喚が防げるんだと思ったら安いものだ。召喚されて数日じゃこんな魔法は魔力が足りなくて使えなかっただろう。そう考えたらあんなに悩んだ時間も無駄じゃなかったんだと思う。
魔法をかけた瞬間、翔太は勘づいたかのように動きを止めた。けれど少し眉を寄せたあとはまた先ほどと同じように始まらない召喚に文句を言い始める。
自信のなさを埋めようと威張る姿を見ていたら、図書館で私に悪態をついていたときの顔を思い出す。

魔法を使えなくなったのが分かったら、そうしたのが私だって分かるんだろうな。

そのときは追いかけてくるだろうか……あんまり想像つかない。なんとなくコイツは追いかけてこない気がした。するなら自分じゃなくて誰かを使うだろう。
……まあ、フィラル王国からもなんらかのアクションがあるだろうし別にいいか。
考えることが面倒臭くなったから翔太のことは忘れることにする。代わりに召喚場所であるここにまた来れるよう人目のつかない場所に印をつけにいく。
絨毯の上に転移しているもんだから兵士たちが邪魔で好きな場所に動けない。私の姿は見えていないものの触れたら分かる。そう思えば翔太とキューオしかいない赤い絨毯の上は安全なのかもしれないけれど、いつ両サイドにいる兵士たちが立てて持っている槍をおろすかと思ったら心臓に悪かった。

赤い絨毯。

足下に感じていた柔らかな感触がなくなって石畳の堅い感触が足に伝わる。壁からそう離れていないところで絨毯は途切れていた。振り返れば小さくみえるほど遠くにいるキューオと翔太の後ろ姿。連なる兵士、ドレスに身を包んだ城の奴ら――おかしい。
考えに飲み込まれそうになったとき、談笑する人がすぐ隣を通ってはっとする。とりあえず人が来ない場所に移動して目的の目印をつけた。
気持ちを落ち着けてもう一度、この建物の全体を見渡す。
思い出したのは召喚されたときのことだ。あのとき私は赤い絨毯の上に立っていたけれど、いま歩いたなかでそんないかにもな場所なんてなかった。例えば契約に使った文様のようなものも、なにも。おかしいと感じる場所さえ。
可能性が不安をつれてきたとき、陰ができた。
私の隣にできた人影。
息をのんで、顔を上げる。


「遅かったですね、サクさん」


普段と変わらぬ口調でそう話しかけてきたのは、ロナルだった。胡散臭くニコニコ笑うロナルは私と同じように壁を背にして立ちつつも、狐のように目元を緩ませて私を横目で見ている。同時に思い出したのはジルドだった。

「大丈夫ですよ。俺はジルド兵長の代理で来ています。ジルド兵長はここに来ていませんし、他のかたにはバレていませんから」

今のところ私を捕まえるというわけではないらしい。
こいつはなにがしたい。
城側の立場なら城側の監視下におかれてる奴がこんなところに忍び込んでいたら捕まえるもんだろう。コイツの考えが読めない。私の混乱をよそにロナルは続ける。

「ジルド兵長はですね、勇者召喚が大変お嫌いなんですよ。自分たちが住む世界のことは自分たちで解決すべきとね。まあ、本人はそんな大袈裟なことは言っていませんでしたが。自国は自分たちで守るべきとは常におっしゃっていますよ。それに父君のことを見て育ってきましたからね、父君のようなかたを増やしたくないんでしょう」

ちょっと意外な話に驚けば、ロナルは「おや?」と私を見て笑った。

「あの人はね、意外と可愛いんですよ。脳筋ですが」
「最後は多分いらんかったと思うけど」
「なんのことでしょう?」

気が抜けて壁にもたれたら、そんな私を一瞥してロナルはまた前に視線を移した。

「ジルド兵長はこの国が父君に害をなさないようこの国で武を奮う。この国の兵として、この国のために……だからですね、サクさん。あなたのような人と手を組めたらと思っていました」

ドキリとしてロナルを見る。

「個人的に俺はあなたのことを応援しているんですよ。あなたとジルド兵長はよく似ています。少し夢も見ました」
「夢って」
「個人的な話です。サクさん、これだけは覚えておいてください。この国があなたを追うとしたならきっとジルド兵長も使うでしょう。そしてジルド兵長も父君のために……それとあなたと戦うことを楽しみにあなたを追うでしょう。
それでも私はあなたの味方です。立場上敵対となるかと思いますのでそれなりの行動をとりますが、私はあなたの味方です。表だって動けないでしょうがジルド兵長の父君、アルド町長も同じです――おそらくアルド町長との連絡手段はお持ちなのでしょう?それはなくされませんように」

嘘か本当か分からないロナルの言葉がぐるぐる頭の中をまわる。
これは私がフィラル王国を出る前提の話だ。形式上自分たちの国であるフィラル王国をこの国と嗤い立場を提示する。そして、手を組めたらって……?
余計に話が分からなくなってくる。これは罠だろうか。こいつのことだからニコニコ笑いながら情報を聞き出したあと捕まえてきそうな感じがする。
私の警戒を読み取ったようにロナルは穏やかに私を呼んだ。


「サクさん。おそらくあなたは勇者召喚を妨害しにきたのでしょう。ですが勇者召喚は既に行われました」


思いがけない言葉にロナルの腕を掴んで目を合わせる。哀れみ。そんな言葉を思い出してしまう表情をして、ロナルは私を見下ろす。

「今から始まるのはただ勇者召喚を盛り上げるための遊戯のようなものです。王の号令でこの中にいる全員が魔力を掲げ既に召喚が決定されている勇者を呼ぶんです。召喚されるまでにタイムラグはありませんでしたか?」

呆然としながら思い出せたのは時間が止まったあの瞬間。
車も雲も人も梅も止まって動かなくなった。

「じゃあその、今から始まる遊戯ってやつを止めれば召喚されないってことか?」
「召喚はされます。今勇者召喚にかけている魔法は、召喚の時間を遅らせるためだけのものです。勇者たちがこの場に現れるのを抑えているだけで、遊戯はそれを解くための魔法。「皆で勇者を召喚した」などというくだらない満足感を得るためだけのものですよ」

じゃあ次の召喚は防げたけど、結局、今回の勇者召喚は防げなかったってことか。
重たい気持ちが心を埋めるけれど、もう、しょうがない。終わったことだ。
さっさと次を考えよう。どっちにしろこのままこの国にはいられないし、用も終わったんだ。ならすることはもう1つなだけで。
ああ、道理で私がこの国を出る前提で話をする訳だ。
中立よりの協力者、なあ……。

「これ、俺の連絡球です。万が一のためにサクさんからしか連絡がとれないようにしてます。気が向いたら連絡してくださいね」
「どーも」

万が一ってので浮かんだのは奴隷魔法だ。ジルドがこの国にアルドさんを人質のようにとられているのならその直属の部下であるロナルとディーゴもなんらかの制約が当たり前にあるのかもしれない。
連絡球をポーチに仕舞えば、古都シカムのときのようにじっと私のポーチを見ていたロナルがはあっと大きな溜め息を吐いた。

「やっぱりそれ、欲しいなあ」
「あげません」
「ひどいなあ。ああ、そうです。今ならこのまま誰にも気がつかれずにここを出られますよ――もう始まるみたいなので」

ロナルの指さすほうを見れば高らかな呼び声とともに拍手が聞こえた。フィラル王だ。
顔は見えなかった。
けれどフツフツと沸いた怒りは本物で、苛立ちに拳が震える。元凶の一人。


――え?


遠くに遠くに見えるフィラル王。
赤い絨毯。
キューオと翔太の小さな後ろ姿。連なる兵士、ドレスに身を包んだ城の奴ら――そこに突然人が現れた。本当に一瞬だった。きっとあの人たちは今回の勇者。転移のようになんの前触れなく彼らは召喚された。

遊戯の後に召喚されるんじゃなかったのか……?

疑問を抱いたのは私だけじゃなかったらしい。彼らを見た全員が驚きに声をあげた。兵士でさえ驚いて石のようだった身体を動かし、剣を構えだす。
そんなのは恐怖しか呼ばないわけで。
召喚された彼らはあのときの私のように状況がつかめないんだろう。声は聞こえずとも戸惑って声を上げているのが分かる。彼らは全員学生のようで懐かしい服を着ていた。セーラー服やブレザーが懐かしく思えたもんだから笑える。特に愛着なんてなかったのに――


「おかしいですね。魔法が解かれてる……?サクさん、なにかしましたか?」


前例がないだろう事態にロナルが人の目も気にせず私のほうを向いた。
声は聞こえていた。
でも、身体が動かなかった。

「サクさん?」

顔をのぞき込んで視界を塞いだロナルを押しのける。そしてまたよく見えるようになった視界に悲しいんだか嬉しいんだか悔しいんだか分からない感情が交ざってぐちゃぐちゃになって――怒りを覚えた。



「あいつら殺してやる……っ!」
「サクさんっ」



ロナルが伸ばした手をよけて走る。どよめく喧騒、あがる悲鳴、興奮に沸いた歓声、泣きそうな声、ハプニングにうろたえる声。
そんななか感情をなくしたように立ち尽くす姿。




――梅。




梅が、そこにいた。





 
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