39 / 105
私の心は、春の足音に翻弄されます
レティシアとの関係 5
しおりを挟む
ベルンハルトからレティシアの帰郷を告げられ、一週間もすれば徐々に雪の舞う日が減ってきた。暖かい日差しに、庭に積もった雪が溶け始める。
顔を覗かせ始めた芝生や、せっかちな植物たちを手入れするヘルムートの姿が窓の外に見えた。
レティシアは未だにリーゼロッテの前に現れては、いくつかのやり取りをして、突然姿を消す。
その様子を受け入れ始めたのは、近く別れが迫っているからか、それともレティシアのこと以上にリーゼロッテの心を重たくさせるものがあるからか。
「リーゼロッテ王女様」
「またいらしたんですか? レティシア様」
「だって、暇なんですもの。ベルンハルトはちっとも相手をしてくれないし」
レティシアの頬が拗ねたように膨れる。
その様子に、リーゼロッテも思わず笑顔をこぼした。
結局ベルンハルトからレティシアを第二夫人にするという話は聞かされていない。
それどころか、最近は邪魔にしている様にも見える。
『世話になっている』と言っていたのはどうなったのだろうか。
邪険に扱っているようにも見えるベルンハルトの態度に、リーゼロッテも困惑していた。
「そしたら、お庭に降りてみますか?」
ふてくされたようなレティシアに、リーゼロッテから提案を持ちかけた。
「私が? 王女様と? 何で……」
(今日もお断りになられるのだわ)
リーゼロッテがレティシアと関わりを持とうと提案をしたのは初めてじゃない。
頻繁に顔を合わせる相手に、ライバルといえども親しみが湧いてしまったのだ。
それでもレティシアがその提案に乗ることはなく、『何で私が!』と文句を言いながら帰っていく。
「ま、まぁ、たまには付き合ってあげてもいいけど」
レティシアのその言葉に驚いたのはリーゼロッテだ。
「えぇ?!」
「え? って何よ。貴女が誘ったんでしょ」
「まさか受けてもらえるとは思ってもいませんでしたので」
「誘っておきながら……気が向いたのよ。今日だけよ」
「わかりました。それでは参りましょう。まだ寒いかもしれませんし、厚着してくださいね」
「厚着って……気候制御すればいいでしょ。まぁ私にはそれも必要ないけど」
「うふふ。それもそうですね。それではわたくしだけ」
「だから、気候制御は?」
「わたくし、魔法が使えませんので」
リーゼロッテの言葉に今度はレティシアが驚かされたようだ。目をまん丸に見開いて、リーゼロッテを見つめた。
「使えないって噂だけじゃなかったのね」
「はい。わたくし、お役に立てないんです」
「役にって……少し魔法が使えたぐらいじゃベルンハルトの役には立たないだろうけど。それにしても、その髪の色で?」
「えぇ。何にも」
「ふーん」
レティシアが考えごとをするように宙を見上げた。
彼女が何を考えているのか、リーゼロッテには何も察することはできず、久しぶりの庭に心を馳せた。
「ヘルムートさん!」
「奥様。と、レティシア様?!」
思いがけない組み合わせの二人に、さすがのヘルムートも驚いた様に声を上げた。
「うふふ。今日はお誘いに乗っていただけたのよ。お庭を見てくるから、そしたらお茶を淹れて下さる?」
「もちろんでございます。奥様、寒くはありませんか?」
「大丈夫。レティシア様、行きましょう」
仲良さげに肩を並べて歩く二人の姿は、ヘルムートだけでなく、ここまで来る間に出会った他の使用人達のことも存分に驚かせた。
「うふふ。ヘルムートさんのあのお顔。本当に驚いていらっしゃったわ」
「楽しそうね」
「えぇ。いつも澄ました顔をされていらっしゃるもの。それなのに……うふふ」
「こんなことぐらいで、そんなに楽しそうにできるなんて」
「レティシア様は楽しくないのですか?」
「楽しく……ないこともないわね。それにしても、貴女変わってるわ。私のこと、嫌じゃないの?」
楽しそうに笑っていたリーゼロッテは、レティシアの言葉に足を止める。
そして、真っ直ぐにレティシアの顔を見つめて口を開いた。
「嫌よ。嫌で嫌で仕方ないわ」
「はっきり言うわね」
「だって、聞かれたんだもの。ちゃんと答えないと失礼でしょう?」
「嫌って言う方が失礼じゃない?」
「嫌じゃないはずがないわ。突然やってきて、ベルンハルト様に馴れ馴れしくして。その上あの図々しい態度」
「言い過ぎ」
「でもね、嫌だけど嫌いじゃないの。レティシア様はベルンハルト様のことを想っていらっしゃるし、ベルンハルト様もレティシア様には心を許していらっしゃる。それなら、わたくしも仲良くさせていただいた方が良いじゃない?」
「そういうこと……」
「レティシア様の裏表のないはっきりした性格は好きよ。わたくしも見習いたいぐらい」
「ふふっ。ふふふっ。貴女やっぱり変わってる。私にそんな風に言うことができるなんて。龍族の中にもいないわ」
リーゼロッテの言葉を受けて、レティシアが笑う。
本当は怖くて怖くて仕方なかった。
ベルンハルトと一緒に魔獣を討伐に行く龍族の長。その強さはリーゼロッテの想像を絶するものだろう。
その相手に嫌いだと告げるなんて、愚かな者のやることだ。
レティシアに見られないように、後ろに組んだ手は震えて、寒いはずのこの季節に似合わない大量の汗が流れる。
それでも、言わずにはいられなかった。
レティシアのせいで疲れ切った心が、自分の口を理性が止めるのを止めた。
それで消されてしまっても構わないと、レティシアに尋ねられた時、つい思ってしまった。
顔を覗かせ始めた芝生や、せっかちな植物たちを手入れするヘルムートの姿が窓の外に見えた。
レティシアは未だにリーゼロッテの前に現れては、いくつかのやり取りをして、突然姿を消す。
その様子を受け入れ始めたのは、近く別れが迫っているからか、それともレティシアのこと以上にリーゼロッテの心を重たくさせるものがあるからか。
「リーゼロッテ王女様」
「またいらしたんですか? レティシア様」
「だって、暇なんですもの。ベルンハルトはちっとも相手をしてくれないし」
レティシアの頬が拗ねたように膨れる。
その様子に、リーゼロッテも思わず笑顔をこぼした。
結局ベルンハルトからレティシアを第二夫人にするという話は聞かされていない。
それどころか、最近は邪魔にしている様にも見える。
『世話になっている』と言っていたのはどうなったのだろうか。
邪険に扱っているようにも見えるベルンハルトの態度に、リーゼロッテも困惑していた。
「そしたら、お庭に降りてみますか?」
ふてくされたようなレティシアに、リーゼロッテから提案を持ちかけた。
「私が? 王女様と? 何で……」
(今日もお断りになられるのだわ)
リーゼロッテがレティシアと関わりを持とうと提案をしたのは初めてじゃない。
頻繁に顔を合わせる相手に、ライバルといえども親しみが湧いてしまったのだ。
それでもレティシアがその提案に乗ることはなく、『何で私が!』と文句を言いながら帰っていく。
「ま、まぁ、たまには付き合ってあげてもいいけど」
レティシアのその言葉に驚いたのはリーゼロッテだ。
「えぇ?!」
「え? って何よ。貴女が誘ったんでしょ」
「まさか受けてもらえるとは思ってもいませんでしたので」
「誘っておきながら……気が向いたのよ。今日だけよ」
「わかりました。それでは参りましょう。まだ寒いかもしれませんし、厚着してくださいね」
「厚着って……気候制御すればいいでしょ。まぁ私にはそれも必要ないけど」
「うふふ。それもそうですね。それではわたくしだけ」
「だから、気候制御は?」
「わたくし、魔法が使えませんので」
リーゼロッテの言葉に今度はレティシアが驚かされたようだ。目をまん丸に見開いて、リーゼロッテを見つめた。
「使えないって噂だけじゃなかったのね」
「はい。わたくし、お役に立てないんです」
「役にって……少し魔法が使えたぐらいじゃベルンハルトの役には立たないだろうけど。それにしても、その髪の色で?」
「えぇ。何にも」
「ふーん」
レティシアが考えごとをするように宙を見上げた。
彼女が何を考えているのか、リーゼロッテには何も察することはできず、久しぶりの庭に心を馳せた。
「ヘルムートさん!」
「奥様。と、レティシア様?!」
思いがけない組み合わせの二人に、さすがのヘルムートも驚いた様に声を上げた。
「うふふ。今日はお誘いに乗っていただけたのよ。お庭を見てくるから、そしたらお茶を淹れて下さる?」
「もちろんでございます。奥様、寒くはありませんか?」
「大丈夫。レティシア様、行きましょう」
仲良さげに肩を並べて歩く二人の姿は、ヘルムートだけでなく、ここまで来る間に出会った他の使用人達のことも存分に驚かせた。
「うふふ。ヘルムートさんのあのお顔。本当に驚いていらっしゃったわ」
「楽しそうね」
「えぇ。いつも澄ました顔をされていらっしゃるもの。それなのに……うふふ」
「こんなことぐらいで、そんなに楽しそうにできるなんて」
「レティシア様は楽しくないのですか?」
「楽しく……ないこともないわね。それにしても、貴女変わってるわ。私のこと、嫌じゃないの?」
楽しそうに笑っていたリーゼロッテは、レティシアの言葉に足を止める。
そして、真っ直ぐにレティシアの顔を見つめて口を開いた。
「嫌よ。嫌で嫌で仕方ないわ」
「はっきり言うわね」
「だって、聞かれたんだもの。ちゃんと答えないと失礼でしょう?」
「嫌って言う方が失礼じゃない?」
「嫌じゃないはずがないわ。突然やってきて、ベルンハルト様に馴れ馴れしくして。その上あの図々しい態度」
「言い過ぎ」
「でもね、嫌だけど嫌いじゃないの。レティシア様はベルンハルト様のことを想っていらっしゃるし、ベルンハルト様もレティシア様には心を許していらっしゃる。それなら、わたくしも仲良くさせていただいた方が良いじゃない?」
「そういうこと……」
「レティシア様の裏表のないはっきりした性格は好きよ。わたくしも見習いたいぐらい」
「ふふっ。ふふふっ。貴女やっぱり変わってる。私にそんな風に言うことができるなんて。龍族の中にもいないわ」
リーゼロッテの言葉を受けて、レティシアが笑う。
本当は怖くて怖くて仕方なかった。
ベルンハルトと一緒に魔獣を討伐に行く龍族の長。その強さはリーゼロッテの想像を絶するものだろう。
その相手に嫌いだと告げるなんて、愚かな者のやることだ。
レティシアに見られないように、後ろに組んだ手は震えて、寒いはずのこの季節に似合わない大量の汗が流れる。
それでも、言わずにはいられなかった。
レティシアのせいで疲れ切った心が、自分の口を理性が止めるのを止めた。
それで消されてしまっても構わないと、レティシアに尋ねられた時、つい思ってしまった。
23
あなたにおすすめの小説
普段は地味子。でも本当は凄腕の聖女さん〜地味だから、という理由で聖女ギルドを追い出されてしまいました。私がいなくても大丈夫でしょうか?〜
神伊 咲児
ファンタジー
主人公、イルエマ・ジミィーナは16歳。
聖女ギルド【女神の光輝】に属している聖女だった。
イルエマは眼鏡をかけており、黒髪の冴えない見た目。
いわゆる地味子だ。
彼女の能力も地味だった。
使える魔法といえば、聖女なら誰でも使えるものばかり。回復と素材進化と解呪魔法の3つだけ。
唯一のユニークスキルは、ペンが無くても文字を書ける光魔字。
そんな能力も地味な彼女は、ギルド内では裏方作業の雑務をしていた。
ある日、ギルドマスターのキアーラより、地味だからという理由で解雇される。
しかし、彼女は目立たない実力者だった。
素材進化の魔法は独自で改良してパワーアップしており、通常の3倍の威力。
司祭でも見落とすような小さな呪いも見つけてしまう鋭い感覚。
難しい相談でも難なくこなす知識と教養。
全てにおいてハイクオリティ。最強の聖女だったのだ。
彼女は新しいギルドに参加して順風満帆。
彼女をクビにした聖女ギルドは落ちぶれていく。
地味な聖女が大活躍! 痛快ファンタジーストーリー。
全部で5万字。
カクヨムにも投稿しておりますが、アルファポリス用にタイトルも含めて改稿いたしました。
HOTランキング女性向け1位。
日間ファンタジーランキング1位。
日間完結ランキング1位。
応援してくれた、みなさんのおかげです。
ありがとうございます。とても嬉しいです!
妹が聖女に選ばれました。姉が闇魔法使いだと周囲に知られない方が良いと思って家を出たのに、何故か王子様が追いかけて来ます。
向原 行人
ファンタジー
私、アルマには二つ下の可愛い妹がいます。
幼い頃から要領の良い妹は聖女に選ばれ、王子様と婚約したので……私は遠く離れた地で、大好きな魔法の研究に専念したいと思います。
最近は異空間へ自由に物を出し入れしたり、部分的に時間を戻したり出来るようになったんです!
勿論、この魔法の効果は街の皆さんにも活用を……いえ、無限に収納出来るので、安い時に小麦を買っていただけで、先見の明とかはありませんし、怪我をされた箇所の時間を戻しただけなので、治癒魔法とは違います。
だから私は聖女ではなくて、妹が……って、どうして王子様がこの地に来ているんですかっ!?
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
【完結】婚約者と仕事を失いましたが、すべて隣国でバージョンアップするようです。
鋼雅 暁
ファンタジー
聖女として働いていたアリサ。ある日突然、王子から婚約破棄を告げられる。
さらに、偽聖女と決めつけられる始末。
しかし、これ幸いと王都を出たアリサは辺境の地でのんびり暮らすことに。しかしアリサは自覚のない「魔力の塊」であったらしく、それに気付かずアリサを放り出した王国は傾き、アリサの魔力に気付いた隣国は皇太子を派遣し……捨てる国あれば拾う国あり!?
他サイトにも重複掲載中です。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
【完結】白い結婚で生まれた私は王族にはなりません〜光の精霊王と予言の王女〜
白崎りか
ファンタジー
「悪女オリヴィア! 白い結婚を神官が証明した。婚姻は無効だ! 私は愛するフローラを王妃にする!」
即位したばかりの国王が、宣言した。
真実の愛で結ばれた王とその恋人は、永遠の愛を誓いあう。
だが、そこには大きな秘密があった。
王に命じられた神官は、白い結婚を偽証していた。
この時、悪女オリヴィアは娘を身ごもっていたのだ。
そして、光の精霊王の契約者となる予言の王女を産むことになる。
第一部 貴族学園編
私の名前はレティシア。
政略結婚した王と元王妃の間にできた娘なのだけど、私の存在は、生まれる前に消された。
だから、いとこの双子の姉ってことになってる。
この世界の貴族は、5歳になったら貴族学園に通わないといけない。私と弟は、そこで、契約獣を得るためのハードな訓練をしている。
私の異母弟にも会った。彼は私に、「目玉をよこせ」なんて言う、わがままな王子だった。
第二部 魔法学校編
失ってしまったかけがえのない人。
復讐のために精霊王と契約する。
魔法学校で再会した貴族学園時代の同級生。
毒薬を送った犯人を捜すために、パーティに出席する。
修行を続け、勇者の遺産を手にいれる。
前半は、ほのぼのゆっくり進みます。
後半は、どろどろさくさくです。
小説家になろう様にも投稿してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる