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出会い
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「親切にありがとうね」
「いえ、では失礼します。」
そして、私は部屋へと戻った。
「はぁ……」
ため息が出てしまう。
「よく来たな!シュン王子よ」
父の声だ、さっきまで私に怒鳴っていた声とは別人の声だった……。
「初めまして、僕はシュンと言います。以後よろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、会えて光栄だ。」
「ところでシュン王子よ、要件とはなんだ?」父が尋ねる。
「はい、先日、話を済ましていたディスア令嬢との結婚についてのことですが…」
「ああ、覚えてるとも。それで、答えは決まったかね?」
父はニヤリと笑う。
「はい、僕の願いを聞き入れていただき感謝しております。是非、結婚させて頂きたいと思います。」
「おお、それはよかった!早速手続きに入ろうではないか!」
「はい!」
シュン王子は弾んだ声で喜んでいた。何がいいんだろう?こんな性格の悪い女と結婚することが……
「おい!リリアーナ!いるならさっさと手続きしろ!」
父の声だ、なんで私にばかり命令するのだろうか?一応令嬢だよ?私?
「ほら!早くしろ!!」
「はい……」
私は渋々父の元へと向かった。
「すみません、シュン王子。一家の恥を見せてしまって。」
父がシュン王子に謝罪している。
「いえ…全然大丈夫ですよ…。」
シュン王子は少し引いている様子だった、そりゃそうだ、こんな胸糞悪い現場を見て、当たり前と思うほうがおかしい。
………だから私は……おかしいのかな?
「そう言ってくれて助かるよ。この馬鹿娘のせいで君の結婚が遅れてしまったからな。申し訳ない。」
「いえいえ、気にしないでください。」
本当に最悪な父親だな……多分これ、私は母親似だな。
「では、早速だが一週間後に結婚式を始めようじゃないか!」
「はい」
シュン王子はとても嬉しそうな顔をしている。そんなに嬉しいのかな……
「リリアーナ!お前は早く準備しろ!」
また父に怒鳴られる。もう嫌になってくる。
「はい……」
私はしぶしぶ返事をして、部屋に戻った。
「グスっ……」
涙が出てきた。どうして私が……
すると扉が開いた。
「えっ……」
入ってきたのはシュン王子だった、しかも私に近づいてきたのだ。私はびっくりして、転んでしまった。
「ふふっ、ドジだね」
笑われた……恥ずかしいなぁ……
「す、すみません……」
謝ることしかできなかった。
「ねぇ、君はあんなことされて、悔しいとか、辛いとか、思わないの?」
唐突な質問だなと思ったが、答えることにした。
「はい…………辛くはないです。慣れてしまいました。」
「そっか……」
「あの……シュン王子は……なぜ、私のところへ来たんですか?私なんかよりディスア姉様のところに行ったほうが…」
「君は、自分が役立たずって思ってる?」
「はい、そう思います。」
役立たずだから、結婚できないんだって思った。伝統とかも私を貶める嘘だって考えたこともある……そういうところが役立たずなんだけどね…
「違うよ、役立たずじゃない。君は優しい人だ。」
「えっ……」
急に褒められて、驚いた。
「言っちゃ悪いけど、あの親父はクソだね、最低って感じ。」
「あ、ありがとうございます……。」
正直、嬉しかった。今まで私の存在を認めてくれた人は、いなかったからだ。
「君のことは、僕に任せてくれ。」
「えっ?」
どういう意味なんだろう?
「必ずここから逃げ出せるようにするよ」
なんで…私なんかに…役立たずなのに…初対面なのに、なんでここまで…私は泣いていた。
「いえ、では失礼します。」
そして、私は部屋へと戻った。
「はぁ……」
ため息が出てしまう。
「よく来たな!シュン王子よ」
父の声だ、さっきまで私に怒鳴っていた声とは別人の声だった……。
「初めまして、僕はシュンと言います。以後よろしくお願いいたします。」
「こちらこそ、会えて光栄だ。」
「ところでシュン王子よ、要件とはなんだ?」父が尋ねる。
「はい、先日、話を済ましていたディスア令嬢との結婚についてのことですが…」
「ああ、覚えてるとも。それで、答えは決まったかね?」
父はニヤリと笑う。
「はい、僕の願いを聞き入れていただき感謝しております。是非、結婚させて頂きたいと思います。」
「おお、それはよかった!早速手続きに入ろうではないか!」
「はい!」
シュン王子は弾んだ声で喜んでいた。何がいいんだろう?こんな性格の悪い女と結婚することが……
「おい!リリアーナ!いるならさっさと手続きしろ!」
父の声だ、なんで私にばかり命令するのだろうか?一応令嬢だよ?私?
「ほら!早くしろ!!」
「はい……」
私は渋々父の元へと向かった。
「すみません、シュン王子。一家の恥を見せてしまって。」
父がシュン王子に謝罪している。
「いえ…全然大丈夫ですよ…。」
シュン王子は少し引いている様子だった、そりゃそうだ、こんな胸糞悪い現場を見て、当たり前と思うほうがおかしい。
………だから私は……おかしいのかな?
「そう言ってくれて助かるよ。この馬鹿娘のせいで君の結婚が遅れてしまったからな。申し訳ない。」
「いえいえ、気にしないでください。」
本当に最悪な父親だな……多分これ、私は母親似だな。
「では、早速だが一週間後に結婚式を始めようじゃないか!」
「はい」
シュン王子はとても嬉しそうな顔をしている。そんなに嬉しいのかな……
「リリアーナ!お前は早く準備しろ!」
また父に怒鳴られる。もう嫌になってくる。
「はい……」
私はしぶしぶ返事をして、部屋に戻った。
「グスっ……」
涙が出てきた。どうして私が……
すると扉が開いた。
「えっ……」
入ってきたのはシュン王子だった、しかも私に近づいてきたのだ。私はびっくりして、転んでしまった。
「ふふっ、ドジだね」
笑われた……恥ずかしいなぁ……
「す、すみません……」
謝ることしかできなかった。
「ねぇ、君はあんなことされて、悔しいとか、辛いとか、思わないの?」
唐突な質問だなと思ったが、答えることにした。
「はい…………辛くはないです。慣れてしまいました。」
「そっか……」
「あの……シュン王子は……なぜ、私のところへ来たんですか?私なんかよりディスア姉様のところに行ったほうが…」
「君は、自分が役立たずって思ってる?」
「はい、そう思います。」
役立たずだから、結婚できないんだって思った。伝統とかも私を貶める嘘だって考えたこともある……そういうところが役立たずなんだけどね…
「違うよ、役立たずじゃない。君は優しい人だ。」
「えっ……」
急に褒められて、驚いた。
「言っちゃ悪いけど、あの親父はクソだね、最低って感じ。」
「あ、ありがとうございます……。」
正直、嬉しかった。今まで私の存在を認めてくれた人は、いなかったからだ。
「君のことは、僕に任せてくれ。」
「えっ?」
どういう意味なんだろう?
「必ずここから逃げ出せるようにするよ」
なんで…私なんかに…役立たずなのに…初対面なのに、なんでここまで…私は泣いていた。
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