結婚できないからって虐待されていた私が、王子に拾われ、スローライフを送ることになりました

2キセイセ

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過酷な日常

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「よしっ……」

そう言って、私は部屋の中で一日を過ごした。

次の日、朝起きてから、すぐにシュン王子の部屋に向かった。

コンッコンッ!

「はーい」

「シュン王子、いますか?」

「おお、リリアーナか、入っていいよ」

「失礼します」

と言って中に入る。

「おっ、来たね」

シュン王子は私を歓迎してくれた。

「はい、来ました」

私も答える。

「昨日の続きだけど……」

そう言うと、王子は私に近づき、私の手を握りながら言った。

「君をここから出して、俺の国に住まわせるよ。」

えっ……そんなことできるの?そっか王子だもんね。

「あの……それはどういう意味です?」

思わず聞いてしまった。

「そのままの意味だよ。君はここで一生を過ごすつもりかい?」

「いえ……できればそうしたくありません。」

「だよね、なら決まりだね。」

「え?」

「ちょっといろいろ忙しいから、一週間待っておいてくれる?」

一週間後?どうしてだろう……

「わかりました」

私は疑問に思いながらも答えた。するとシュン王子は立ち上がり、扉の方へ向かった。

「それじゃあね!」

そう言い残し、シュン王子は出て行った。

さて…今日も仕事か…私はそう思って部屋に戻ることにした。
その日の夜、父はいつものようにお酒を飲んでいた。

「リリアーナ!さっさと酒を持ってこい!」

「はい……ただいま」

私は仕方なく、父の元に向かう。

「遅いぞ!グズめ!」

「すみません……今持ってきますね」

私は急いで厨房に向かい、お酒を取りに行く。

「はぁ……はぁ……」

疲れたな……早く戻ろう。

そう、父の元へと行く時だった。

「ねえ…リリアーナ」

ディスアが私の名前を呼んだ。

「はい……なんでしょう」

「あなた…私の婚約者を取るつもりじゃ無いでしょうね?」

何を言っているんだ……この人は……。

理解不明なのはいつものことだ。大体言いがかり、迷惑。

「いえ、違いますよ。そもそも結婚なんて……」

「嘘つかないで!私見たのよ!昨日、シュン様の部屋に入っていくところ!」

見られていたのか……はぁ………面倒なことになりそうだ

「それはですね……」

私は正直に話そうとしたが、

「それに何!?シュン様に気に入られようと必死になって、気持ち悪いわよ!!」

気持ち悪い…か、今更何を言っているのか、よくわからない。もう慣れたけど。

「はい、すみませんでした。」

私は適当に返事をする。

「本当最低な女ね!!あなたなんかがシュン様の側にいるだけで不愉快だわ!」

正直な話、しっかり謝罪しても、しっかり謝罪しなくても、殴られるのは確定なんだし。精神面では謝罪しないほうが楽だったりするかもしれない。それでも、反射的に出てしまう。

「本当に申し訳ございませんでした。」

この謝罪の言葉が。

「本当に反省してるの?あなたの態度見てると腹が立つんだけど!!」

「はい、本当に申し訳ございません」

「ふんっ!もういいわ!」

と言って、部屋から出ていった。

そしてまたいつもの流れが始まる。私は部屋の隅でじっとしている。
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