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1.異世界転生したらしい

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 ――あ~……。マジ、うぜぇ。


「この世界に蔓延る悪よ! 我が光の声を聞け!! 正義の鉄槌を――ぎゃああああっっ!!?」
「長い」


 THE、勇者です! みたいな風貌の男が吹っ飛んで行った――――。


「勇者ーーーっ!! き、貴様! 卑怯だそ!! 悪の核よ! お前は存在してはいけないのだと、よく分かった! ――――光輝く道を照らせっ! この我が手にぃいーー!? ふぎゃああああーーーーーっっ!!!?」
「うるさい」


 THE、魔法使いです! みたいな風貌の男も吹っ飛んで行った――――。


 そして、その2人は『覚えてろよ! いつか、必ず……!』と息も絶え絶えに、この場所から去って行く。


 ――マジで、勘弁してくれよ……。


 俺は、何故こんなことに……とそうなってしまった己の過去へと意識を飛ばす。



 △▼△▼△▼△▲


「んん……? ――あれ? ここ何処だ……?」


 暗い洞窟のような所で、俺は目を覚ました。


「はあ……? 何? 俺は、確か――」


 俺は、意識を落とす前。たまたま通った道で、たまたま目についた公園で、たまたま蛇を苛めている子供達を見付けた。

 いや、ムカつくだろ?

 いくら子供達だってさ、弱ってる蛇を集団で苛めてて……。しかも、笑ってるんだぞ?

 マジで、そいつらの先行きが怖すぎるわ。

 だから、俺は子供達に『今、警察呼んだからな(嘘)! こんなことをしてたお前らは、全員逮捕されちゃうな~』って脅したんだ。

 そうしたらそいつ等は、何をとち狂ったのか蛇を掴んで逃げて。その公園から直ぐの、車の従来が激しい道路に蛇を放りやがった。

 俺は、慌ててその蛇を掴んだところまで、覚えているが……その後の記憶はない。

 恐らく、俺は死んだのかもしれない。


 ――ヴゥー……ン。

 何かディスプレイみたいなのが、目の前に現れる。


「何だ、これ……?」


 よく分からないが。何気なく、それに触れてみると――――。


 ――ピピッ。


 --------


 ――ダンジョン核・レベル1


 攻撃力・35
 防御力・45
 魔法攻撃力・43
 魔法防御力・57
 素早さ・81
 幸運・∞


 --------


「はあ……?」


 んん? まさかとは思うが。これって、異世界転生みたいなやつか?

 友達が、ファンタジーな世界に転生して~っと言ってる奴がいたし……。そういう漫画も、そいつに無理やり見せられてたから、記憶に新しい。


 俺は、そのディスプレイをじっと眺める。


 レベル1だから、こんなものかと思い。下のステータスを見て目を見開く。


 ――幸運・∞……?

 何だそれ?


 初め、8かと思っていたが。素早さが81だからそれが比較になっている為に、違うものだろうと分かった。


 俺が、首を傾げている時――ディスプレイに【!!!】と警告表示が出た。


「はあ? だから、何なんだよ一体……」


 俺は、意味が分からなくて。そのまま動けないでいると……――爆発音が辺りに響き渡った。


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