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4.ヤバい奴に執着された

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「何だ……? 随分な挨拶だな、お前は――うわっ! ちょっ!? ……くっ!!」

 その赤髪の男が、無言のまま。更に凄い量の、拘束魔法を放って来た。


 すげぇ~背筋がゾクゾクしてるから。多分、あの赤髪の魔法を食らったらヤバいだろう。

 おいおい、俺の幸運スキルどうした!? ちゃんと機能してんのかっ!?


「おいっ! ふざけんなよ!!」


 俺はここに転生してから始めて。自ら、攻撃のスキルを練り。

 それを、その赤髪に向けて撃つ――。


「――グッ!!」


 よし、ちゃんと当たったようだ。


「おい、お前。一体、何の真似……うわっと!!?」


 こいつ、性懲りもなく。また拘束魔法を向けて来やがって!!

 つか、顔こえ~っ! 目が血走ってんじゃねぇか!?

 それから、長い時間。こいつは俺に拘束魔法をバンバカ撃って来やがった。

 そして、魔力切れをしたのかバッタン!! とぶっ倒れたのだ。


「死んでねぇ……よな?」


 ――ツンツン……と、そいつの身体を足でつつく。


「うん、放り出しておこう」


 赤髪をダンジョンの外へと、ポイッと放り出した。



 △▼△▼△▼△▼


 ――ゾワワワッ!!


「うっ……! また、来たなっ!?」


 俺は、あの赤髪に執着されてしまった。

 ダンジョンの外に放り出したことで、あいつの怒りに火をつけたのか……?

 いや、こっちは理由も分からず拘束されそうになったんだし。そんなの、可愛いもんだよな?


 それと、こいつに限ってだけ。幸運スキルは、殺気を感じる以外の機能を止めているらしい。

 一番ヤバい奴に対して、マジで何さぼってんだよって思うわ。


「はあ~……。いい加減にしろよな……」


 俺が避けたその場所に、最・拘束魔法が放たれていた。


「お前、何したいんだよ? 仮に、拘束出来たとして……どうするつもりなんだ?」
「…………」


 また、だんまりか。こいつ、口ついてるよな……?

 他の奴らみたいに、気持ち悪いことをペラペラ話されるのもウザイが。こいつは、意味が分からな過ぎて……逆に恐怖を感じる。

 俺の輝石を取りたいなら、こんなまどろっこしいことをせず。攻撃魔法や、その腰に差している剣をたくさん使えばいいのに……。

 考えたくはないが。こいつだったら、万が一の可能性だってあるかもしれない。


「はぁ~。じゃ、また魔力切れになるまで付き合ってやるよ」


 馬鹿にしたように、笑みを浮かべると。赤髪は、刺すような目つきで俺を見ていた――。


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