最凶のダンジョンで宿屋経営

藤雪たすく

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ダンジョンで居を構える話

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今日からここは俺の場所にしよう。

ダンジョンとは思えないフカフカした芝生の上に寝転んだ。
ダンジョンなのに、ポカポカした陽の温もりが心地良い。
ダンジョンのくせに、そよそよと柔らかな風が頬を擽る。

見渡す限りの原っぱ。

ヤバい……広すぎて落ち着かない。

家が欲しいな。
俺だけの家。
夢のマイホーム。

居心地が良くて……そうだなぁ2LDKくらいで風呂トイレ別の綺麗な家。

家を建てるのにちょうど良さそうな木材とか落ちてないかな……辺りを見回すと木材は落ちていなかったけれど、平屋の家が建っていた。

門へ近づくと表札に『烏丸』と書いてある。

なるほど、俺の家か。
きっとそうだ、俺の家だな。

玄関を開けても人の気配はないし、真新しくて人が暮らしていた様な形跡もない。

靴を脱いであがって見ると、俺が想像した通りの間取り。
よし、やっぱり俺の家だ。

この世界は良くわからないが、きっと願うと望みが叶うんだな。
なんてすてきな世界だろう。

じゃあ何故あの魔物に処女を奪われる前に助けてくれなかったんだ?
何故、階段も昇れなかった?

う~ん……。


お腹空いたな。
何か食べてから考える事にしよう。

明るいキッチンへ移動して冷蔵庫を開けた。
すぐに食べられる物があれば良いんだけど。

冷蔵庫の中にお皿に乗ったショートケーキを見つけた。

これじゃない感を感じながらもよく冷えたケーキを美味しく頂いた。
電気は何処からきてるのかなんて、ここまできて今更大した不思議では無いと思う。


お風呂入りたいなぁ……あの魔物に犯されてボロボロの服とベタベタなままの体。
早く洗い流してしまいたい。

お風呂へ移動するとシャワーからは普通にお湯が出た。
シャンプー等も昔から使っていた物と同じ物が一通り揃っていて、何故か着替えまで用意されてある。
俺はボロボロの服を脱ぎ捨ててシャワーで体を流した。


シャワーを浴びてさっぱりすると、ドッと疲れが出て体が重くなった。

仕事帰りだったし、犯られちゃったし、ダンジョン中を歩き回ったし……。

この世界の事とか、これからの事とか、難しい事は明日考えよう。
今日はもう眠い。もしかしたら寝て目が覚めると夢オチでしたってなるかもしれない。

モソモソとベッドに入り込むと目を閉じた。

犯られた経験などないが、無理矢理に犯された割には体が痛くない。
ダンジョンの中を歩き回れるぐらいだったしな。

魔物のくせに思いのほか丁寧に扱ってくれたのかもしれない……犯されたのには変わりはなく、だからなんだって話なんだけど……。

俺を后にとか言ってたな……。

……甘い……声で俺を……呼んでた。

俺の……何が……良いん……だ……か……

………………………………

柔らかな布団は、すぐに俺の意識を沈ませて飲み込んでいった。
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