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触手は本体では無い話
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「お兄様、表情が豊かになりましたね。それに僕に関心無さそうだったのに……そんなに見つめられると勘違いしちゃいそうです」
手で突っぱねていたのに、見かけによらず力の強いリンフィに抱き締められた。
「サテュリ草……自分で栽培なんてしちゃって……癖になっちゃった?」
「??」
「覚えてない?ここに……たくさん塗ってあげたじゃないですか」
……っ!!リンフィの指がお尻をツッと撫で、思い出した……あの時……中に塗り込まれた薬。
「真っ赤になっちゃって、お兄様ったら可愛い~!!あの時はテトロ薬で麻痺させてて反応見られなかったけど……可愛く啼いてくれそう……ひっ!!」
ひ?
俺の顔を撫でていたリンフィの顔が青ざめて固まった。変わりに俺の顔を撫でてくる、アスの触手。
「リンフィ?」
触手が怖いのかな?
「アスの触手は良い子だし、怖くないよ?」
俺に危害を加えなければだけど……。
「ひぃ!!」
アスの触手がリンフィの体に触れるとリンフィは小さく悲鳴をあげた。
人にはそれぞれ苦手な物があるだろうし、俺だってこの子がアスの触手でなければこんなに可愛く思えないだろうしな。
触手には悪いが大人しくしててと、背中に戻ってもらってリンフィはやっと落ち着いた。
リンフィにはこの実の事を聞きたかったんだよね。
「ねぇリンフィ。この実って何の実なの?」
「すごく美味しそうに実ってますね。さすがお兄様!!大切に育ててくれたんだぁ」
水あげてただけだけどね。
て言うか、食べられるんだ。
「美味しいの?」
「美味しいよぉ。エルフの果実って言ってね。普通はエルフの隠れ里でしか実をつけないんだけど、この土地ならと思ってたんだ。当りだね」
エルフの果実ってそのままだったのか。
スキルを疑ってたよ。
リンフィは実を一つ取ると笑顔で俺に差し出す。
「お兄様に食べて貰いたくて……元々長命のエルフにとってはただの実なんだけど……人間達からは長寿の実って呼ばれてる」
「長寿?」
「お兄様人間でしょ?いくら不思議な力を持っていても100年足らずで死んでしまうんでしょ?僕お兄様にはもっと長生きしてもらって僕と遊んでもらいたいなって思ってぇ~」
「これ食べると長生きできるの?」
悪魔族と人狼族の寿命は知らないけど……きっと長生きで……いつか俺は彼らを置いて死ぬんだろうと漠然と思っていた。
……この実を食べれば長くアス達と一緒に居られる?
「長生きって言うか、身体の成長を止めるんだよ。今の可愛いお兄様のまま、1個食べれば1年はそのままかな?お兄様の事情は知らないけどあの人狼とその触手の恋人なんでしょ?食べ続ければいつまでも一緒に居られるよ?」
触手は本体じゃ無いけど……。
「ありがとう、リンフィ!!御礼になるかわからないけどご馳走するから上がってって」
リンフィの手を引いて旅館に戻った。
人狼いない?とビクビクしていたけどヒュウガは留守だと言うと安心して寛いでいる。
本当にヒュウガは何をしたんだろう?
軽くシャワーを浴びて泥を落として食堂へ向かうとリンフィがパンケーキを食べていた。美少女にパンケーキ。よく似合う。
「何か食べたいものあったら作ろうと思ってたんだけど……それで良かったの?」
「いろいろメニューも増えてたから見てたら食べたくなっちゃって」
テーブルの上にはパンケーキとカットされたフルーツがお皿にのっている。
「キッチン借りちゃった。エルフの果実、剥いたから食べて?」
「あ……ありがとう」
リンフィの向かいの席に座ってカットされたエルフの果実をフォークに刺して口に入れた。味はリンゴっぽい。
咀嚼して飲み込んでみるけど、何かが変わった気はしないな?
「ぷっ……あははははっ!!」
リンフィがお腹を抱えて笑いだした。
「ど……どうしたの?」
「お兄様、何の疑いもなく食べるんだもん!!素直すぎるでしょ!!」
え?俺騙されたの?
じゃあ何の実を食べたんだろう?
「前に僕に薬を盛られたの忘れた?ダメだよぉ?あんまり他人を信用しちゃ……」
リンフィがニヤリと笑った。
体が麻痺して、意識が遠のく……なんて事はなく、いたって普通。
自分の手をグーパーしてみても体を見ても何の変化もない?
首をかしげながら、
「俺、何食べたの?」
「ふふ……それは本物のエルフの果実だよ。効能もホント。あんなことをした僕の言うことを全く疑わないんだもん、ちょっとからかってみただけ。安心して全部食べちゃって?」
リンフィに促されて、お皿に盛られたエルフの果実をすべて食べた。
「……?あんまり実感無いんだけど……これで長生きになったんだよね?」
リンフィは笑顔でそうだよぉ~と頷く。
これで……アスとヒュウガと少しでも長く一緒にいられるんだ。
「ありがとう!!リンフィ!!御礼は……どうしよう?」
ご馳走しようかと思っていたけど、もうパンケーキを買って食べちゃってたし。
「気にしないで、お兄様に恩をうってその体を楽しませて貰おうと思ってるだけだからぁ~」
リンフィはにこにこ楽しそうに笑って正直過ぎる打算を答えてくれた。
手で突っぱねていたのに、見かけによらず力の強いリンフィに抱き締められた。
「サテュリ草……自分で栽培なんてしちゃって……癖になっちゃった?」
「??」
「覚えてない?ここに……たくさん塗ってあげたじゃないですか」
……っ!!リンフィの指がお尻をツッと撫で、思い出した……あの時……中に塗り込まれた薬。
「真っ赤になっちゃって、お兄様ったら可愛い~!!あの時はテトロ薬で麻痺させてて反応見られなかったけど……可愛く啼いてくれそう……ひっ!!」
ひ?
俺の顔を撫でていたリンフィの顔が青ざめて固まった。変わりに俺の顔を撫でてくる、アスの触手。
「リンフィ?」
触手が怖いのかな?
「アスの触手は良い子だし、怖くないよ?」
俺に危害を加えなければだけど……。
「ひぃ!!」
アスの触手がリンフィの体に触れるとリンフィは小さく悲鳴をあげた。
人にはそれぞれ苦手な物があるだろうし、俺だってこの子がアスの触手でなければこんなに可愛く思えないだろうしな。
触手には悪いが大人しくしててと、背中に戻ってもらってリンフィはやっと落ち着いた。
リンフィにはこの実の事を聞きたかったんだよね。
「ねぇリンフィ。この実って何の実なの?」
「すごく美味しそうに実ってますね。さすがお兄様!!大切に育ててくれたんだぁ」
水あげてただけだけどね。
て言うか、食べられるんだ。
「美味しいの?」
「美味しいよぉ。エルフの果実って言ってね。普通はエルフの隠れ里でしか実をつけないんだけど、この土地ならと思ってたんだ。当りだね」
エルフの果実ってそのままだったのか。
スキルを疑ってたよ。
リンフィは実を一つ取ると笑顔で俺に差し出す。
「お兄様に食べて貰いたくて……元々長命のエルフにとってはただの実なんだけど……人間達からは長寿の実って呼ばれてる」
「長寿?」
「お兄様人間でしょ?いくら不思議な力を持っていても100年足らずで死んでしまうんでしょ?僕お兄様にはもっと長生きしてもらって僕と遊んでもらいたいなって思ってぇ~」
「これ食べると長生きできるの?」
悪魔族と人狼族の寿命は知らないけど……きっと長生きで……いつか俺は彼らを置いて死ぬんだろうと漠然と思っていた。
……この実を食べれば長くアス達と一緒に居られる?
「長生きって言うか、身体の成長を止めるんだよ。今の可愛いお兄様のまま、1個食べれば1年はそのままかな?お兄様の事情は知らないけどあの人狼とその触手の恋人なんでしょ?食べ続ければいつまでも一緒に居られるよ?」
触手は本体じゃ無いけど……。
「ありがとう、リンフィ!!御礼になるかわからないけどご馳走するから上がってって」
リンフィの手を引いて旅館に戻った。
人狼いない?とビクビクしていたけどヒュウガは留守だと言うと安心して寛いでいる。
本当にヒュウガは何をしたんだろう?
軽くシャワーを浴びて泥を落として食堂へ向かうとリンフィがパンケーキを食べていた。美少女にパンケーキ。よく似合う。
「何か食べたいものあったら作ろうと思ってたんだけど……それで良かったの?」
「いろいろメニューも増えてたから見てたら食べたくなっちゃって」
テーブルの上にはパンケーキとカットされたフルーツがお皿にのっている。
「キッチン借りちゃった。エルフの果実、剥いたから食べて?」
「あ……ありがとう」
リンフィの向かいの席に座ってカットされたエルフの果実をフォークに刺して口に入れた。味はリンゴっぽい。
咀嚼して飲み込んでみるけど、何かが変わった気はしないな?
「ぷっ……あははははっ!!」
リンフィがお腹を抱えて笑いだした。
「ど……どうしたの?」
「お兄様、何の疑いもなく食べるんだもん!!素直すぎるでしょ!!」
え?俺騙されたの?
じゃあ何の実を食べたんだろう?
「前に僕に薬を盛られたの忘れた?ダメだよぉ?あんまり他人を信用しちゃ……」
リンフィがニヤリと笑った。
体が麻痺して、意識が遠のく……なんて事はなく、いたって普通。
自分の手をグーパーしてみても体を見ても何の変化もない?
首をかしげながら、
「俺、何食べたの?」
「ふふ……それは本物のエルフの果実だよ。効能もホント。あんなことをした僕の言うことを全く疑わないんだもん、ちょっとからかってみただけ。安心して全部食べちゃって?」
リンフィに促されて、お皿に盛られたエルフの果実をすべて食べた。
「……?あんまり実感無いんだけど……これで長生きになったんだよね?」
リンフィは笑顔でそうだよぉ~と頷く。
これで……アスとヒュウガと少しでも長く一緒にいられるんだ。
「ありがとう!!リンフィ!!御礼は……どうしよう?」
ご馳走しようかと思っていたけど、もうパンケーキを買って食べちゃってたし。
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リンフィはにこにこ楽しそうに笑って正直過ぎる打算を答えてくれた。
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