50 / 60
龍宮城の乙姫は…
裏5話
しおりを挟む
「っ!!」
俺を見るなり鯛谷は俺の頬を殴った。
殴り飛ばされた体を襟首を持ち上げられて立たされる。
「ご自分が何をしたか、わかっていますよね?」
ニッコリ笑いながら殴りつけてくる。
抵抗する気もないが……やっぱり強いよな、敵わないな……。
「落ち着け鯛谷。それよりも今は凛ちゃんを早く運んでやろう」
平山に止められて、鯛谷は俺を離して自分のブレザーをその体に掛けると凛の体を抱き上げた。
「乙真さん、貴方は凛太郎さんの荷物を拾ってから来て下さい」
ーーーーーー
目が覚めた時、俺を見てどういう反応をするかわからないからと、平山と生徒会室の隣の資料室で待機する。
凜と鯛谷がどんな話をしているのか気になる。
鯛谷から平山だけ声をかけられて、平山だけ出て行く……俺は……?
やはり凛はもう、俺の顔など見たくも無いだろう……。
こんな学校は辞めて……仕事でも……いや、俺が行くべき場所は刑務所か。
和亀は……まあ、あいつなら一人でもうまくやっていけるだろ、親も人を雇うなり知人に預けるなりするだろ。
しかし……部屋の中の様子が気になるのでドアに耳をあてて様子を伺う。
「凛ちゃん……乙真がごめんね」
「龍宮城の乙姫は帰っていった浦島太郎を浮気出来ないように……老人にしてしまうほど嫉妬深くて、腹を空かせた獰猛な鮫だって言ったのに……」
凜に変な事を吹き込みやがって!
「誰が獰猛な鮫だ!!凛以外は……あ」
勢いよく部屋から飛びだしてしまったが、驚いた顔の凛と目が合って……。
「凛ちゃん……もう顔も見たくないかも知れないけど……こんなどうしようもない奴だけど、乙真は親友なんだ……お願い、話をさせてあげて?」
何時ものヘラリとした姿ではなく、真面目な顔……親友と思われていたのか……下僕ぐらいかと……。
「平山先輩……」
頭を下げた平山に凛は慌てて起き上がろうとして、うずくまる。
「いつっ!!」
俺が無茶をした体が痛んだのだろう……倒れかける凛の体を慌てて支えてしまった。
「凛っ!!」
「……龍宮先輩」
つい手を出してしまったが……俺に触られて嫌な思いをしているだろう。
ソファーにゆっくり寝かせて急いで離れ、深々と頭を下げる。
「凜……松浦君、ごめんなさい……俺の勘違いで君を傷つけて……」
謝って許されるとは思っていないが、謝らずにはいられない。
受け入れてくれようと、くれまいと……謝罪の気持ちだけは伝えたい。
凛は大きく息を吸い込んで、意を決したように話しだした。
「初めて……龍宮先輩の事を怖いと思いました。痛かったし怖かった……」
全部自分のせい……でも……分かっていても凛に責められるのは辛いな。
「ごめんなさい……龍宮先輩に嫌われててもこんな風に扱われても……俺やっぱり龍宮先輩の事が……どうしようもなく好きなんです…………好きになって、ごめんなさい」
そうだよな……嫌いだよな……んん?
想像してた台詞と……違う?
「俺の事……まだ好き……って、ちょっと待って!?嫌いって何!?」
凛の言っている意味が分からず、ガッと肩を掴んでしまった。
「つっ!!」
凛の顔が苦痛に歪む。
「あっ……!!ごめん!!」
慌てて手を離すがどうして良いかわからずオロオロしていると鯛谷がため息を吐いた。
「乙真さん、いろいろ行き違いがあるのがわかりましたか?乙真さんは昔からすぐ突っ走るからこんな事になるんです。落ち着いて話し合って下さい」
鯛谷はそう言って肩を叩くと、平山の腕を掴んで歩きだした。
「もう大丈夫ですよね?俺たちがいない方がゆっくりお話できるでしょう」
にっこり笑うと平山を連れて出ていってしまった。
「……………………」
「……………………」
長い沈黙に堪えきれず、見切り発車でしどろもどろと話はじめた。
「あの……何から話していいか……昨日の夜……君の寝顔を見ていたら、無防備に寝ている君に……卑怯だとは思ったけど、君に名前を呼ばれて……我慢出来なくて手を出してしまって……でも松浦君から好きだと言われて俺の気持ちに答えてくれたんだと……舞い上がってしまって……ごめん」
凛は本当に夢だと思っていたのか……そわそわと落ち着き無く顔を俯かせた。
「ずっと好きだった……まさか君から好きだなんて言ってもらえると思ってなくて……なのに君はあの時、俺じゃなく……鯛谷を呼んで……それで……それで……嫉妬してしまって、頭に血が上って……」
鯛谷の名前でなければ、あそこまで我を忘れたりはしなかったかもしれない……。
俺の中に巣食う鯛谷に対する劣等感……。
「生徒会の美化清掃に毎回参加してくれて……いつも真面目に頑張ってくれている姿を見てて……気付いたら好きで仕方がなくて……」
凛の顔をチラリと見ると、笑顔を向けてくれている。
もう二度と向けられる事は無いと覚悟していたのに……。
「龍宮先輩……俺も……生徒総会で……司会をしている姿を見てから……ずっと好きでした」
凛が伸ばしてきた手に指を絡ませて握りあう。
「副会長の姿は演じていただけで、本当の俺は君が思っているような人間じゃない……」
きっと凛が好きだと言ってくれているのは、平山や鯛谷によって作られた自分……
本当の自分は、どうしようもない程、嫉妬深くて情けなくて……
「俺だって……龍宮先輩が思っているような人間じゃないです。美化清掃に参加していたのだって、龍宮先輩に近づきたかっただけで……」
俺に?
全く俺の方なんて見てくれていなかったのに?
「俺?平山や鯛谷じゃなくて?」
凛が困った様に笑う。
「俺は龍宮先輩の事、好きでいても良いんでしょうか?」
「好きになってくれて嬉しい……」
近くなる二人の距離を一気に縮めて、凛が俺の唇にキスをしてくれた。
ーーーーーー
「凜~可愛い、食べちゃいた~い」
俺の家のシャンプーを使って、俺と同じ匂いになってる凛の髪の匂いを嗅ぐ。
「あの……龍宮先輩……邪魔です」
和亀とゲームで対戦している後ろから抱き締めているととても邪魔そうに顔をしかめられる。
どんな自分でも好きだと言ってくれた凛に、隠す事無く地でいられる。
邪険に扱われても、もう凛に愛されているって自信があるから平気。
「「兄貴、邪魔。凜兄も嫌がってんじゃん離せよ」
「うるせぇよ、凜は俺の事が好きなんだよ。お前が向こうに行ってろ」
和亀と睨みあう。
週末の度に家に引きづりこんでいるので、和亀も既に素で過ごしている。
「凜兄、兄貴なんてやめて俺にしなよ」
和亀が凛の腕にしがみつく。
「ざけんな!!凜に触れんな!!しめるぞ」
凛を挟んでケンカをする俺達に、凛が最終兵器を持ち出す。
「ケンカするなら、俺は帰ります」
そんなぁ~……今日こそはあの時の事を乗り越えて少しだけ先に進もうと思ってたのに……あの事件の後、自分でした事とはいえ……怖くて凛に手が出せないでいる。今日はキスぐらいと思っていたのに。
「凜、ごめん。凜の好きな海老フライも用意したんだよ~食べてってくれる約束でしょ~?」
「凜兄、明日休みだからお泊まりしてくれる約束でしょ~?」
こうして今日も、優しい凛は龍宮家から帰る事は出来ないまま1日が過ぎていく。
俺を見るなり鯛谷は俺の頬を殴った。
殴り飛ばされた体を襟首を持ち上げられて立たされる。
「ご自分が何をしたか、わかっていますよね?」
ニッコリ笑いながら殴りつけてくる。
抵抗する気もないが……やっぱり強いよな、敵わないな……。
「落ち着け鯛谷。それよりも今は凛ちゃんを早く運んでやろう」
平山に止められて、鯛谷は俺を離して自分のブレザーをその体に掛けると凛の体を抱き上げた。
「乙真さん、貴方は凛太郎さんの荷物を拾ってから来て下さい」
ーーーーーー
目が覚めた時、俺を見てどういう反応をするかわからないからと、平山と生徒会室の隣の資料室で待機する。
凜と鯛谷がどんな話をしているのか気になる。
鯛谷から平山だけ声をかけられて、平山だけ出て行く……俺は……?
やはり凛はもう、俺の顔など見たくも無いだろう……。
こんな学校は辞めて……仕事でも……いや、俺が行くべき場所は刑務所か。
和亀は……まあ、あいつなら一人でもうまくやっていけるだろ、親も人を雇うなり知人に預けるなりするだろ。
しかし……部屋の中の様子が気になるのでドアに耳をあてて様子を伺う。
「凛ちゃん……乙真がごめんね」
「龍宮城の乙姫は帰っていった浦島太郎を浮気出来ないように……老人にしてしまうほど嫉妬深くて、腹を空かせた獰猛な鮫だって言ったのに……」
凜に変な事を吹き込みやがって!
「誰が獰猛な鮫だ!!凛以外は……あ」
勢いよく部屋から飛びだしてしまったが、驚いた顔の凛と目が合って……。
「凛ちゃん……もう顔も見たくないかも知れないけど……こんなどうしようもない奴だけど、乙真は親友なんだ……お願い、話をさせてあげて?」
何時ものヘラリとした姿ではなく、真面目な顔……親友と思われていたのか……下僕ぐらいかと……。
「平山先輩……」
頭を下げた平山に凛は慌てて起き上がろうとして、うずくまる。
「いつっ!!」
俺が無茶をした体が痛んだのだろう……倒れかける凛の体を慌てて支えてしまった。
「凛っ!!」
「……龍宮先輩」
つい手を出してしまったが……俺に触られて嫌な思いをしているだろう。
ソファーにゆっくり寝かせて急いで離れ、深々と頭を下げる。
「凜……松浦君、ごめんなさい……俺の勘違いで君を傷つけて……」
謝って許されるとは思っていないが、謝らずにはいられない。
受け入れてくれようと、くれまいと……謝罪の気持ちだけは伝えたい。
凛は大きく息を吸い込んで、意を決したように話しだした。
「初めて……龍宮先輩の事を怖いと思いました。痛かったし怖かった……」
全部自分のせい……でも……分かっていても凛に責められるのは辛いな。
「ごめんなさい……龍宮先輩に嫌われててもこんな風に扱われても……俺やっぱり龍宮先輩の事が……どうしようもなく好きなんです…………好きになって、ごめんなさい」
そうだよな……嫌いだよな……んん?
想像してた台詞と……違う?
「俺の事……まだ好き……って、ちょっと待って!?嫌いって何!?」
凛の言っている意味が分からず、ガッと肩を掴んでしまった。
「つっ!!」
凛の顔が苦痛に歪む。
「あっ……!!ごめん!!」
慌てて手を離すがどうして良いかわからずオロオロしていると鯛谷がため息を吐いた。
「乙真さん、いろいろ行き違いがあるのがわかりましたか?乙真さんは昔からすぐ突っ走るからこんな事になるんです。落ち着いて話し合って下さい」
鯛谷はそう言って肩を叩くと、平山の腕を掴んで歩きだした。
「もう大丈夫ですよね?俺たちがいない方がゆっくりお話できるでしょう」
にっこり笑うと平山を連れて出ていってしまった。
「……………………」
「……………………」
長い沈黙に堪えきれず、見切り発車でしどろもどろと話はじめた。
「あの……何から話していいか……昨日の夜……君の寝顔を見ていたら、無防備に寝ている君に……卑怯だとは思ったけど、君に名前を呼ばれて……我慢出来なくて手を出してしまって……でも松浦君から好きだと言われて俺の気持ちに答えてくれたんだと……舞い上がってしまって……ごめん」
凛は本当に夢だと思っていたのか……そわそわと落ち着き無く顔を俯かせた。
「ずっと好きだった……まさか君から好きだなんて言ってもらえると思ってなくて……なのに君はあの時、俺じゃなく……鯛谷を呼んで……それで……それで……嫉妬してしまって、頭に血が上って……」
鯛谷の名前でなければ、あそこまで我を忘れたりはしなかったかもしれない……。
俺の中に巣食う鯛谷に対する劣等感……。
「生徒会の美化清掃に毎回参加してくれて……いつも真面目に頑張ってくれている姿を見てて……気付いたら好きで仕方がなくて……」
凛の顔をチラリと見ると、笑顔を向けてくれている。
もう二度と向けられる事は無いと覚悟していたのに……。
「龍宮先輩……俺も……生徒総会で……司会をしている姿を見てから……ずっと好きでした」
凛が伸ばしてきた手に指を絡ませて握りあう。
「副会長の姿は演じていただけで、本当の俺は君が思っているような人間じゃない……」
きっと凛が好きだと言ってくれているのは、平山や鯛谷によって作られた自分……
本当の自分は、どうしようもない程、嫉妬深くて情けなくて……
「俺だって……龍宮先輩が思っているような人間じゃないです。美化清掃に参加していたのだって、龍宮先輩に近づきたかっただけで……」
俺に?
全く俺の方なんて見てくれていなかったのに?
「俺?平山や鯛谷じゃなくて?」
凛が困った様に笑う。
「俺は龍宮先輩の事、好きでいても良いんでしょうか?」
「好きになってくれて嬉しい……」
近くなる二人の距離を一気に縮めて、凛が俺の唇にキスをしてくれた。
ーーーーーー
「凜~可愛い、食べちゃいた~い」
俺の家のシャンプーを使って、俺と同じ匂いになってる凛の髪の匂いを嗅ぐ。
「あの……龍宮先輩……邪魔です」
和亀とゲームで対戦している後ろから抱き締めているととても邪魔そうに顔をしかめられる。
どんな自分でも好きだと言ってくれた凛に、隠す事無く地でいられる。
邪険に扱われても、もう凛に愛されているって自信があるから平気。
「「兄貴、邪魔。凜兄も嫌がってんじゃん離せよ」
「うるせぇよ、凜は俺の事が好きなんだよ。お前が向こうに行ってろ」
和亀と睨みあう。
週末の度に家に引きづりこんでいるので、和亀も既に素で過ごしている。
「凜兄、兄貴なんてやめて俺にしなよ」
和亀が凛の腕にしがみつく。
「ざけんな!!凜に触れんな!!しめるぞ」
凛を挟んでケンカをする俺達に、凛が最終兵器を持ち出す。
「ケンカするなら、俺は帰ります」
そんなぁ~……今日こそはあの時の事を乗り越えて少しだけ先に進もうと思ってたのに……あの事件の後、自分でした事とはいえ……怖くて凛に手が出せないでいる。今日はキスぐらいと思っていたのに。
「凜、ごめん。凜の好きな海老フライも用意したんだよ~食べてってくれる約束でしょ~?」
「凜兄、明日休みだからお泊まりしてくれる約束でしょ~?」
こうして今日も、優しい凛は龍宮家から帰る事は出来ないまま1日が過ぎていく。
38
あなたにおすすめの小説
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる