もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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35.

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 リアは雪が降る冬の間、たまに街に出るくらいでツリーハウスで過ごしていた。ツリーハウスにはアルディが残してくれたメモの他に貴重な本や高価な魔石、珍しいハーブや色々な乾燥された薬草がたくさん入った棚、自分ではなんの役に立つのか分からないものばかりだった。この中の物はいずれイケメン兵士に返す事になるだろうと思っているので、余程の事がない限り使う事はしないでおこうと決めていた。

「でもあのイケメン兵士と連絡を取る手段がないのよね…」
 モジャの周りを雪かきをしていたリアはボソッと言った。
『なんの事じゃ』
「ああ、えっと、アルディのお孫さんよ。私にこの場所の地図を渡してくれた人なんだけど」
『ああ、あの坊主か。昔何回かここに遊びに来ていたな』
「そうなの?」
『ああ、アルディがモグリベルの王都に行き来しておったときに、たまに孫も一緒にほうきに乗って連れて来とったぞい』
「ほうき…」
『ほうきに浮遊魔法を取り付けていると言っていたの』
「なるほど、アルディはなんでもできるのね」
『探究者じゃからな、その孫がどうした?』
「お礼を言っていないし、このハウスを正式に引き取りたいと思っているの」
『すでにアリアナの所有として、わしが認めている』
「ありがとう、モジャ。でもお孫さんからしたらここにある物は自分のおばあ様の遺産だし、やっぱりお孫さんにも納得して私が主としてここに住まわせて貰いたい」
『まだ言っておるのか?アルディがお主に託したのじゃそれでいいではないか』
「それは未来のモグリベルの王妃になるから一時的にここに逃げ込みなさいって事でしょう?でももう王妃になんてなりたくないから」
『アリアナが王妃になれば、モグリベルは安泰だと言っただけじゃろ。滅ぶなんてことは言ってなかったぞい。なりたくなければならんでいいだろう。気にしすぎじゃ』
「そうかもしれないけど…」

 やはり勝手に自分の物にはできない。ハウスの中には貴重な物もたくさんあるのだ。それはやはり遺族に返した方がいいと思う。

 あのイケメン兵士が私の行方を追ってシシリアキングスの王都に向かったのなら、私も家族を追って王都に行くとして、そこで会う事もあるかもしれない。やはり叔父さんに手紙を送ろう。メール便で送ると早く届く事が出来るが、お金が金貨1枚と高額なので普通郵便として送る。時間はかかってしまうが春になる事には返事が来るだろう。
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