47 / 139
36.
しおりを挟む
本格的に厳しい冬が到来した。街の中は薄い結界が施してあるようであまり雪は積もってない。しかし門の外は2mの雪が積もっていた。シシリーの門は閉ざされ、モグリベルからの来訪もない。
それでもリアは街とツリーハウスの往復をしていた。雪の魔法円が人気になったのだ。街の中はそれほど必要ではなくても森で生きている人や農家の人などには雪の上を歩ける魔法円は重宝がられた。
当初、時間設定は30分であったが仕事をしていると30分では足りないと要望があり、1時間、3時間、6時間の設定を売り出した。
時間設定が長くなれば長くなるほど金額も上がるのだが、それでも入手困難になるくらいには売れた。レシピを公開し、他の魔術師たちも作成できるようにした。それからはリアのヴァイには勝手に金額が入るようになった。
雪の上を歩く魔法円は「スノースパイク」と呼ばれ人気になった。
リアはスノースパイクから解放され、魔法陣に取り掛かる。しかし、魔法陣は複雑で難しく、高いインクと羊皮紙と魔石がまあまあ無駄になった。
「ああ、魔法陣はやっぱり難しいや」
背伸びをしてリアは厚手のローブを羽織ると外に出た。昼間だというのに薄暗く雪が激しく降っている。ツリーハウスの周辺も結界が張っているのでそこまで雪は積もっていはいない。それでも少し雪かきをする。
そうだ、雪かきの魔法円ってあったかな。と思いなんの呪文がいいか雪の上に書き出した。
『魔法陣の勉強はどうしたのじゃ』
魔法陣の勉強をやめて雪かきもやめて、雪の上に落書きを始めたリアにモジャは話しかけた。
「魔法陣はひどく難しいのよ。学園では魔法円までしか習わなかったし、陣は学院レベルなのよ。いくらいい本があっても独学はね…私頭悪いし全然理解できない」
『それはなにをしているのじゃ?』
「これ?これは雪かきを楽にする魔法円を作成中よ。儲ける事に関しては頭が回るのよね」
『なるほどのぉ…』モジャはちょっと呆れている。
「儲ける事は大事でしょう。それに雪かきって街中で暮らすとあまり必要じゃないから雪かきの魔法円を作る人もいなかったと思うのよね。でも街の外で暮らす人だって大勢いるんだから必要な事でしょう?」
雪かきの魔法円は意外に難しかった。少しの雪かきをしても意味はない。家の周りか、はたまた長い1本道での雪かきなのか、試行錯誤してようやく出来上がった。1枚は家の周りのみ特価させた。2枚目は30mの1本道のみで仕上げた。しかしあと、数枚で羊皮紙もなくなり、インクもなくなる。リアは出来上がった2枚の魔法円を持って街まで行くことにする。
次の日リアが商人ギルドの魔術部に訪ねると部長のギルが対応してくれた。以前の事があるかもしれないからだろうか。
「スノースパイクはどんどん魔術師により作成され、売れ行きも好調ですよ。そのため低価格になっては来ていますけどね。ま、開発したリアさんには変わらず利益が出ますから、心配はいりません」
「低価格になってどんどん使われたら私も儲かりますし、雪で困っていた人も助かりますから作成してよかったです」
「確かに、なぜ今まで誰も思い付かなかったのか疑問ですよ、まったく」
「今日は新たな雪のお助けグッズの魔法円を持ってきました」
「ほう、何ですか?」
「雪かきです。調べましたけどまだ魔法円ではないですよね。魔法陣ではあるようですが値段がすごく高くて日常品ではないと聞いています」
アルディの本に載っていたのを言ってみた。
「…雪かきは難しいのですよ。範囲も異なりますし、幅に高さなど設定が複雑になり単純な魔法円では呪文が入りきれません。魔法陣になれば容易いですが複雑になって値段が上がり雪かきの魔法陣は貴族しか買えません」
「簡単に改良しました。見て貰えますか?家の周りでも試したので大丈夫だと思いますけど」
「拝見します」
リアの雪かきの魔法円はなにも指定しておらず、雪が消えるのみの呪文だけだった。魔石の量を細かく計り、その魔石分のみの量の雪を溶かすものだった。家周辺では円の記号、1本道では縦の記号を使い、十字路は+の記号を使うなどの補足も入れた。四角にしたければ□の記号を使えばいいのだ。
それでもリアは街とツリーハウスの往復をしていた。雪の魔法円が人気になったのだ。街の中はそれほど必要ではなくても森で生きている人や農家の人などには雪の上を歩ける魔法円は重宝がられた。
当初、時間設定は30分であったが仕事をしていると30分では足りないと要望があり、1時間、3時間、6時間の設定を売り出した。
時間設定が長くなれば長くなるほど金額も上がるのだが、それでも入手困難になるくらいには売れた。レシピを公開し、他の魔術師たちも作成できるようにした。それからはリアのヴァイには勝手に金額が入るようになった。
雪の上を歩く魔法円は「スノースパイク」と呼ばれ人気になった。
リアはスノースパイクから解放され、魔法陣に取り掛かる。しかし、魔法陣は複雑で難しく、高いインクと羊皮紙と魔石がまあまあ無駄になった。
「ああ、魔法陣はやっぱり難しいや」
背伸びをしてリアは厚手のローブを羽織ると外に出た。昼間だというのに薄暗く雪が激しく降っている。ツリーハウスの周辺も結界が張っているのでそこまで雪は積もっていはいない。それでも少し雪かきをする。
そうだ、雪かきの魔法円ってあったかな。と思いなんの呪文がいいか雪の上に書き出した。
『魔法陣の勉強はどうしたのじゃ』
魔法陣の勉強をやめて雪かきもやめて、雪の上に落書きを始めたリアにモジャは話しかけた。
「魔法陣はひどく難しいのよ。学園では魔法円までしか習わなかったし、陣は学院レベルなのよ。いくらいい本があっても独学はね…私頭悪いし全然理解できない」
『それはなにをしているのじゃ?』
「これ?これは雪かきを楽にする魔法円を作成中よ。儲ける事に関しては頭が回るのよね」
『なるほどのぉ…』モジャはちょっと呆れている。
「儲ける事は大事でしょう。それに雪かきって街中で暮らすとあまり必要じゃないから雪かきの魔法円を作る人もいなかったと思うのよね。でも街の外で暮らす人だって大勢いるんだから必要な事でしょう?」
雪かきの魔法円は意外に難しかった。少しの雪かきをしても意味はない。家の周りか、はたまた長い1本道での雪かきなのか、試行錯誤してようやく出来上がった。1枚は家の周りのみ特価させた。2枚目は30mの1本道のみで仕上げた。しかしあと、数枚で羊皮紙もなくなり、インクもなくなる。リアは出来上がった2枚の魔法円を持って街まで行くことにする。
次の日リアが商人ギルドの魔術部に訪ねると部長のギルが対応してくれた。以前の事があるかもしれないからだろうか。
「スノースパイクはどんどん魔術師により作成され、売れ行きも好調ですよ。そのため低価格になっては来ていますけどね。ま、開発したリアさんには変わらず利益が出ますから、心配はいりません」
「低価格になってどんどん使われたら私も儲かりますし、雪で困っていた人も助かりますから作成してよかったです」
「確かに、なぜ今まで誰も思い付かなかったのか疑問ですよ、まったく」
「今日は新たな雪のお助けグッズの魔法円を持ってきました」
「ほう、何ですか?」
「雪かきです。調べましたけどまだ魔法円ではないですよね。魔法陣ではあるようですが値段がすごく高くて日常品ではないと聞いています」
アルディの本に載っていたのを言ってみた。
「…雪かきは難しいのですよ。範囲も異なりますし、幅に高さなど設定が複雑になり単純な魔法円では呪文が入りきれません。魔法陣になれば容易いですが複雑になって値段が上がり雪かきの魔法陣は貴族しか買えません」
「簡単に改良しました。見て貰えますか?家の周りでも試したので大丈夫だと思いますけど」
「拝見します」
リアの雪かきの魔法円はなにも指定しておらず、雪が消えるのみの呪文だけだった。魔石の量を細かく計り、その魔石分のみの量の雪を溶かすものだった。家周辺では円の記号、1本道では縦の記号を使い、十字路は+の記号を使うなどの補足も入れた。四角にしたければ□の記号を使えばいいのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
492
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる