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第90話
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リアとモズは王都を出発した。
リアは女性の旅路の服装も観察して真似た。冒険者ではないが旅路に在った服装を選んだ。夏である事からブラウスに夜のための上着やストール、スカートは動きやすいように裾の広い、ボタンを留めればパンツにもなるなかなか便利なものだ。と、言っても女性や子供は稀だった。この日もリア以外は1人しかいなかった。
その女性も家族連れだ。リアも一人ではなくモズがいる。と心が温かく気持ちになるリアだった。
「住まわせて貰っている人も来るかと思っていたのに俺だけなのかい?」
「えっと、実は…森の住民の家で居候しているっていうのは、嘘なの。ごめんなさい」
「え?でも、じゃあ森でどうしていたんだい?」
「あ、えっと…」
「リア、話してくれ」
「あぅ…その…」
「リア…」
「わかったわ、でも引かないでね」
「え?」
「実は私にはオーロがいるでしょう?だから小さなテントで暮らしていたの」
「森でテント?そんな所で何週間も過ごしていたのかい?」
「ええ、宿には何泊も泊まるのは禁止だったから…仕方なく…」
またモズにウソを言ってしまった。
「通りで分からなかったわけだ…」
「え?」
「いや、何でもない」
リアはちょっとだけ違和感を感じた。
旅は順調に進み、中間地点の集落まで来た。あと半分だ。この10日間はすごく楽しかった。馬車の人たちとも交流を持ち、キャンプのような事して楽しんだ。食べ物は各自で持ってきていたので他の人たちと交え物々交換をした。
そしてテント広場の近くには屋台も出ていた。旅は面倒で疲れるだけだと思っていたリアはモズと一緒に旅が出来て幸せを感じていた。
屋台ではパンや甘味、串焼きなど彩っていた。リアとモズは屋台で串焼きを買って食べながら歩いていたとき、リアはその幸せを壊す人物を発見してしまった。
オレンジ頭のマオがいた。ガロと一緒だ。オレンジの色はとても映える。遠くからでもすぐに分かってしまった。リアは心臓が飛び出しそうなほど焦った。
モズの腕を引っ張り来た道を引き返した。そしてテント広場に逃げ込み、急いで魔法円でテントを広げ、モズを中に押し込み、リアも入った。モズは何も言わずリアの必死の形相に驚きつつ、それに付き合った。
たくさんのテントの中からリア達を見つけるのはマオの2つの目を持ってしてもムリだろうと思った。あまりマオ達に意識をせずに通り過ぎるのを待った。この中間点にいるという事はコスモポリタンに向かっているのだろうと思われた。
コスモポリタンに行くのか…嫌な予感…何しに行くのだろう。と、リアがテントの中で思っていると、
「マオ、どうした?」ガロの声が聞こえた。
「いや、なんだか知っている気の奴がいると思って…ドクがいればはっきり分かるんだが…」
「昔の知り合いでもこのテントの中に紛れているんだろう。のんびりし過ぎた。行こう」
「はぁ、そんなに急ぐ旅路ではないだろう。そもそもコスモポリタンのような大きくもない街に何の調査に行くんだよ」
「コスモポリタンは税収の滞りがない」
「滞りがないなんて、いい街じゃないか?」
「ああ、いい街だ。だがなんで高い税収の滞りがないんだ。おかしいだろう?」
「払っても払わなくてもいちゃもんを付けるのか…貴族が嫌われるわけだな…」
「貴族とはそんなものだ…」
なんの話をしていたかは聞こえなかったが、やはりコスモポリタンに向かっているようだった。
「知り合いかい?」
テントから顔を出し、マオ達が通り過ぎたのを確認しているリアにモズが聞いた。
「え?」
「さっきの…」
「…ええ、関わり合いたくない知り合いよ」
見えなくなったのを確認してテントを回収した。
「だから隠れたのか?」
「そうなの、ごめんさない。急に引っ張りして…」
「それはいいが…コスモポリタンに向かうって言ってたな。どう見ても普通の冒険者には見えなかったが…」
「なにかの調査って言ってたわね」
「ああ、まぁ心配はいらないと思うけどな。ちょいちょい王都から監査が入る。ちょっと最近時空間バックを売り過ぎていたかもしれないな…そうか…鉱山も取られて王家は新たな財源が必要としているのかもしれないな、色々と探っているのか」
モズはふうとため息を吐く。
「ギルマスには伝えておこう」
そう言うとモズはメール便を飛ばした。
マオはリアに気が付いたのだろうか。このまま王都に行っていいのか、コスモポリタンに戻った方がいいのか、リアは分からないでいた。
「モズ、コスモポリタンに戻った方がいいのではないかしら?」
「さっきの人達って、貴族だろう?」
「え?ええ、そうだけど…」
「なら兄に任せておけばいい。兄もボンクラじゃない」
モズは大丈夫だと言い、王都に向かう予定は変更しなかった。王都にマオやガロがいない事はわかったので少し安心するリアだった。
リアは女性の旅路の服装も観察して真似た。冒険者ではないが旅路に在った服装を選んだ。夏である事からブラウスに夜のための上着やストール、スカートは動きやすいように裾の広い、ボタンを留めればパンツにもなるなかなか便利なものだ。と、言っても女性や子供は稀だった。この日もリア以外は1人しかいなかった。
その女性も家族連れだ。リアも一人ではなくモズがいる。と心が温かく気持ちになるリアだった。
「住まわせて貰っている人も来るかと思っていたのに俺だけなのかい?」
「えっと、実は…森の住民の家で居候しているっていうのは、嘘なの。ごめんなさい」
「え?でも、じゃあ森でどうしていたんだい?」
「あ、えっと…」
「リア、話してくれ」
「あぅ…その…」
「リア…」
「わかったわ、でも引かないでね」
「え?」
「実は私にはオーロがいるでしょう?だから小さなテントで暮らしていたの」
「森でテント?そんな所で何週間も過ごしていたのかい?」
「ええ、宿には何泊も泊まるのは禁止だったから…仕方なく…」
またモズにウソを言ってしまった。
「通りで分からなかったわけだ…」
「え?」
「いや、何でもない」
リアはちょっとだけ違和感を感じた。
旅は順調に進み、中間地点の集落まで来た。あと半分だ。この10日間はすごく楽しかった。馬車の人たちとも交流を持ち、キャンプのような事して楽しんだ。食べ物は各自で持ってきていたので他の人たちと交え物々交換をした。
そしてテント広場の近くには屋台も出ていた。旅は面倒で疲れるだけだと思っていたリアはモズと一緒に旅が出来て幸せを感じていた。
屋台ではパンや甘味、串焼きなど彩っていた。リアとモズは屋台で串焼きを買って食べながら歩いていたとき、リアはその幸せを壊す人物を発見してしまった。
オレンジ頭のマオがいた。ガロと一緒だ。オレンジの色はとても映える。遠くからでもすぐに分かってしまった。リアは心臓が飛び出しそうなほど焦った。
モズの腕を引っ張り来た道を引き返した。そしてテント広場に逃げ込み、急いで魔法円でテントを広げ、モズを中に押し込み、リアも入った。モズは何も言わずリアの必死の形相に驚きつつ、それに付き合った。
たくさんのテントの中からリア達を見つけるのはマオの2つの目を持ってしてもムリだろうと思った。あまりマオ達に意識をせずに通り過ぎるのを待った。この中間点にいるという事はコスモポリタンに向かっているのだろうと思われた。
コスモポリタンに行くのか…嫌な予感…何しに行くのだろう。と、リアがテントの中で思っていると、
「マオ、どうした?」ガロの声が聞こえた。
「いや、なんだか知っている気の奴がいると思って…ドクがいればはっきり分かるんだが…」
「昔の知り合いでもこのテントの中に紛れているんだろう。のんびりし過ぎた。行こう」
「はぁ、そんなに急ぐ旅路ではないだろう。そもそもコスモポリタンのような大きくもない街に何の調査に行くんだよ」
「コスモポリタンは税収の滞りがない」
「滞りがないなんて、いい街じゃないか?」
「ああ、いい街だ。だがなんで高い税収の滞りがないんだ。おかしいだろう?」
「払っても払わなくてもいちゃもんを付けるのか…貴族が嫌われるわけだな…」
「貴族とはそんなものだ…」
なんの話をしていたかは聞こえなかったが、やはりコスモポリタンに向かっているようだった。
「知り合いかい?」
テントから顔を出し、マオ達が通り過ぎたのを確認しているリアにモズが聞いた。
「え?」
「さっきの…」
「…ええ、関わり合いたくない知り合いよ」
見えなくなったのを確認してテントを回収した。
「だから隠れたのか?」
「そうなの、ごめんさない。急に引っ張りして…」
「それはいいが…コスモポリタンに向かうって言ってたな。どう見ても普通の冒険者には見えなかったが…」
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モズはふうとため息を吐く。
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そう言うとモズはメール便を飛ばした。
マオはリアに気が付いたのだろうか。このまま王都に行っていいのか、コスモポリタンに戻った方がいいのか、リアは分からないでいた。
「モズ、コスモポリタンに戻った方がいいのではないかしら?」
「さっきの人達って、貴族だろう?」
「え?ええ、そうだけど…」
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