上 下
8 / 67

イタズラ開始

しおりを挟む
「これで正常なら勃起したらどうなるわけ? つーか侍みたいとは思ったけど、股間に仕込み刀ぶら下げてるとか」
 想像を超えた兵藤の下腹部に、慶はここまでに至る疲れも吹き飛び若干興奮気味だった。
 ゲイである慶は多くのイチモツを目にしてきている。大きさが自慢の男とベッドを共にしたこともあった。それでも兵藤の股間に勝てるモノは見たことがない。まさにキング、兵藤ならば殿様サイズとでも言うべきか。
 慶はごくりと、何度目かの唾を飲み込む。
 兵藤とどうこうなるつもりは全くない。だが純粋に男として、この股間がどこまで成長するのか興味があった。大きいものに憧れを抱くのは、男のさがなのだ。
 慶は兵藤の様子を確認する。気持ち良さそうに眠る兵藤は規則的に寝息をたてており、起きる気配はまるでない。
「酔っ払ってるし……ちょっとくらい悪戯しても大丈夫、だよな?」
 全然大丈夫じゃないだろうと慶の良心が訴えかける。だが好奇心には勝てない。
 慶は恐る恐る兵藤の股間へと手を伸ばし、下着の上からそれをやんわりと握った。
 熱い。酒を飲んで体温が上がっているのだろうか。それはやけに熱を帯びているように感じた。更に特筆すべきなのは、そのどっしりとした重量感だ。今までの股間にはない重みと迫力が兵藤のモノにはある。
「はー。すっげーもん持ってるな、コイツ。堅物にこれは宝の持ち腐れだろ」
 実際に兵藤が童貞なのかは分からないが、性格上、性に奔放ではないだろう。排泄行為でしか使用していないとしたら、それは実にもったいない。
 股間を握られているにも関わらず、兵藤は目を覚ます素振りがまるでなかった。これならばもう少し悪戯をしても平気かと、慶は緩く刺激を与え始める。
 本人の意識はないのにも関わらず、そこはぴくりと反応した。じれったくなるほど緩い愛撫だというのに、ソレは慶の手の中でぐんぐんと成長し、存在感を増していっている。泥酔状態では勃ちにくいと聞くが、兵藤には関係ないようだ。
「それにしても、すごい」
 慶は思わず真顔でそう呟いてしまう。
 手の中のモノが完全状態か分からないが、現時点で相当の大きさと重量を感じる。凄まじき暴れん棒だ。男として完全敗北なのだが、悔しさなど微塵も感じない。圧倒的過ぎて畏怖の念すら抱いてしまう。
「いいもん見させてもらったわ……」
 慶は手を合わせ、兵藤の股間に向かって讃えるように拝んだ。間抜けな光景なのは慶も自覚していたが、手を合わせずにはいられないほど、ソレは神がかっていたのだ。
 満足した、と慶は何事もなかったように、眠る兵藤に布団をかけてやろうとする。だが慶が布団をかける前に、異変は起きた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ロリコンな俺の記憶

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:5,197pt お気に入り:16

その愛は契約に含まれますか?[本編終了]

BL / 連載中 24h.ポイント:205pt お気に入り:1,529

VRMMOで神様の使徒、始めました。

SF / 連載中 24h.ポイント:426pt お気に入り:2,176

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

BL / 連載中 24h.ポイント:53,963pt お気に入り:5,032

婚約破棄署名したらどうでも良くなった僕の話

BL / 完結 24h.ポイント:2,651pt お気に入り:2,146

堅物監察官は、転生聖女に振り回される。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,379pt お気に入り:150

妻が遺した三つの手紙

恋愛 / 完結 24h.ポイント:2,655pt お気に入り:46

勘違いしちゃってお付き合いはじめることになりました

BL / 完結 24h.ポイント:2,960pt お気に入り:550

処理中です...