テイマーなのに獣人ばかりにモテすぎて困ってます!~彼女はまだツンデレ獣人に番認定されたことに気付いてない~

しましまにゃんこ

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第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?

第8話 一緒に暮らそう?

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 ◇◇◇

「はぁ、緊張した。凄い人達がいるねぇ」

 ギルドでフェンの冒険者登録をした後、リリアたちはロルフの部屋で冒険の準備を整えていた。フェンに持たせる装備を手際よく準備しながらロルフは肩をすくめる。

「気のいい奴らだからそんなに気を使わなくても大丈夫だ」

「いや、緊張するなとか無理だから。姫に王子よ?おとぎ話の中でしかあったことないからね?」

「女神様がいましたー!」

 冒険者ギルドでは借りてきたネコのようにおとなしかったフェンだが、ロルフの部屋に入るなり興奮して目をキラキラさせながら走り回っている。

「えっ?女神様ってティアラ姫様のこと?」

「はい!女神様の御前で緊張しましたー!」

「ふふ、フェンも男の子なんだねー」

「女神様、すごかったですー!」

「でも確かにすっごく可愛いかったよね!あんな可愛い子みたの生まれてはじめてでびっくりしちゃった!それでみんな女神様って呼んでたのかな?」

「ティアラ姫は回復魔法の使い手だからな。冒険者たちが騒いでたのはそのせいだろう。」

「あ、ああ、そういえばそんなこと言ってたよね。凄いなぁ、回復魔法かぁー」

 リリアの言葉にフェンはぴたりと止まると首を傾げる。

「回復魔法ならリリアも使えるです」

「は?」

「リリアは聖魔法を使えるはずです。だから回復魔法も使えます」

 フェンの言葉に驚くリリア。

「え、私そんな魔法使えたことないよ?ね、ロルフ」

 ロルフは少し考え込むとフェンのために準備した短剣でいきなり自分の腕を切りつけた。みるみる左腕に血がにじんでいく。

「ちょっ!ロルフ!何してるの!?」

「心配ない。ちょっと傷つけただけだ。リリア、手をかざしてみてくれるか?」

「え?ええー?無理だって。でも、うわ、痛そう。えーと、痛いの痛いの飛んでいけー」

 リリアがロルフの傷にそっと手をかざすと、手のひらから淡い白い光があふれだす。

「えっ……」

 次の瞬間、ロルフの傷は跡形もなく癒されていた。

「ほらね!リリアは神獣の巫女ですからっ!こんなのチョチョイのチョイです!」

「は、はぁ!?嘘でしょ……」

 リリアは自分がしたことが信じられなくてポカンと口をあけたまま両手を眺めている。

「おかしいとは、思ってたんだ……」

「ロルフ?」

「俺の傷は、そう簡単に癒せるような傷じゃなかった。死にかけてたんだ。田舎の神官の手に負えるような傷じゃなかったはずだ」

「あのとき……」

「リリア、やっぱりお前が俺を助けてくれたんだな……」

 ロルフがリリアをぎゅっと抱きしめる。

「お前が、俺の女神だ」

 リリアはロルフに抱きしめられて真っ赤になるが、

「え、いや、なんかよくわからないんだけど。でも、ロルフの役にたってたならいっか……っていうか、良かった」

「リリア……」

 見つめ合う二人をフェンがじーっと見つめている。

「わ、わわっ!ど、どうしたのフェン?」

「リリアとロルフは番同士ですよね?僕たち三人、ここで一緒に暮らすんですか?」

「ん?いや、リリアと俺は別々に暮らしてるぞ。フェンは俺と一緒に暮らすか?」

「僕はリリアから離れるわけにはいきませんっ!」

「そっかぁ。でも私が借りた部屋女性専用の一人部屋だしなぁ。お金がなかったからそうとうボロいし。獣化したとしてもフェンを連れて行ったら大家さんに追い出されちゃうかも……」

「そ、そうか、困ったな……」

「僕邪魔ですか?」

 ウルウルするフェンにリリアは慌てて首を振る。

「そんなわけないよ!いずれは従魔たちと一緒に暮らせる家を借りる予定だったから、今は単なる借りぐらしなの!フェンと一緒に暮らせる広い部屋を借りるから安心してっ!」

 リリアの言葉にロルフはしばらく考え込んでいたが、次の瞬間爆弾発言をした。

「一緒に暮らそうか?」

「は、はいー!?」

「ここなら部屋も広いし、三部屋あるから三人で暮らせる」

「え、え?でもロルフ、普段私が部屋に来るのとか嫌がるじゃん」

「お前が近くにいて襲わない自信がないからな」

「んなっ!」

「まぁでも、フェンがいるなら大丈夫だろ」

「襲っちゃ駄目なんですか?」

「今はな?」

 ニヤリと笑うロルフにリリアは倒れそうになる。しかし、ロルフの提案は非常に魅力的だ。

「ほ、本当にいいの?」

「ああ、リリアは嫌か?」

「いや、あの、うん。イヤじゃないです。ロルフの家のほうが快適だし」

「それだけ?」

 妙に色っぽい流し目をくれるロルフを思わずぶん殴りたくなるがぐっと我慢する。

「僕は嬉しいです!それに番を見つけたらずっと一緒にいないとダメだって母上も言ってました!ぼくの父上と母上もいつもとっても仲良しです!」

「そ、そっか。えっとじゃあ、よろしくね?ロルフ」

 ロルフは赤くなりながら上目遣いでもじもじするリリアを思わずガッと抱きしめる。

「ななっ!」

「いや、今のはリリアが悪い。急に可愛い顔すんな」

「はぁーーーーー!?」

「ふふ、二人も仲良しです!僕安心しました!はやく赤ちゃんのお世話したいです!」

 変なテンションのロルフと爆弾発言をするフェンを前に、早まったかな?と思いつつ、思わずロルフの腕をガジガジとかじるリリアだった。
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