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第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?
第12話 リリアとロルフのラブラブ同棲生活!
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「リリア、そろそろ起きろ。朝食の準備ができたぞ?」
「ん~……ロルフ、おはよう」
あくびをしながらほにゃっと微笑むリリア。何度も目をこすりながら必死で起きようとするが、またウトウトとして眠たそうにしている。清潔なシーツに包まれたフカフカのベッドは想像以上に素晴らしい寝心地だと喜んでいたが、ついつい寝過ごしてしまうのが難点のようだ。
「はぁ、朝弱いのは相変わらずだな。ほら、いくぞ」
ロルフはリリアをひょいっと横抱きに抱えると、テーブルのそばに置かれたソファーに運ぶ。これもいつものことだ。
「ほら、口開けろ。あーん。うまいか?」
「んん、おいし。ロルフの料理すき……」
「ふふ、なら良かった。リリアはちっせーからな、いっぱい食べて早く大きくなれよ?」
ロルフはリリアを膝に抱えたまま、嬉しそうに食事を口に運んでいる。リリアはウトウトしたまま口だけを動かしている状態だ。頭の半分くらいが寝ておりぽやーっとしているためほとんど無意識で咀嚼しているようだ。
3人で暮らすようになってから、ロルフの生活はがらりと変わった。リリアは朝が弱いため朝食の支度はロルフの担当だ。ロルフは一人暮らしが長いので一通りの家事は問題なくできるが、可愛い番のためと思うとよりいっそう力が入る。普段は恥ずかしがってしてくれない「あーん」も、朝の寝ぼけているうちならしてくれることもわかった。(ほとんど意識がとんでいるので)ロルフはリリアを甘やかしたくてしょうがないのだが、真っ赤になって逃げる姿もまた愛らしいので悩むところだ。
「ほら、口の周り垂れてるぞ。しょうがないなぁ……」
とかいいつつ親指で拭ってやると、ようやく意識がはっきりしてきたリリアが慌てて膝から降りようと
する。
「はっ!ろ、ろ、ろ、ロルフ!?いつの間に!?」
「おはよ。ほら、残すなよ?」
「あ、あ、ありがと……ってちょっと!自分で食べるからいいかげん離してってばっ!」
ぷくーっとほっぺたをふくらませるリリアをロルフは笑いながら解放する。そのとろけそうな笑顔に一瞬ドキッとしてしまう。最近なんというか、こう、甘いのだ。ロルフが。ロルフから流れ出るオーラがいかにも幸せそうでうれしくはあるのだが、こう、照れてしまうことのほうが多くて戸惑ってしまう。
「リリア、おはよう~!」
リリアが起きたのを見て、それまでソファーの足元でおとなしく待っていたフェンが膝に飛び乗ってくる。
「おはようフェン~今日ももふもふだね~♪」
首のとこを掻いてやるとやるとうっとりと目を細める様子が愛らしい。ついでにほっぺをすりすりしながらもふもふを堪能するのも忘れない。朝からもふもふ。最高である。
フェンは家の中では基本フェンリルの姿で過ごしている。もともとの姿なので人型でいるよりもリラックスできるそうだ。一応フェンの部屋も用意したのだが、リビングのソファーがお気に入りのようで、ここで丸くなって寝ていることが多い。お母さんや兄弟たちと離れて寂しがるのでは、と心配していたが、すっかりロルフの家での暮らしに慣れたようだ。
「今日も冒険はお休み?」
「そうだな。冒険者の森は今国が特別チームを組んで調査に当たってるからしばらく立ち入れそうにないな。今日はフェンの服でも買いに行こう」
「いいねっ!とびっきり素敵なの選んであげる!」
「わーい!楽しみです!」
ここ最近魔物の異常発生があったらしく、冒険者の森での冒険者活動が中止されている。主に冒険者の森でクエストをこなす予定だったリリアは開店休業状態だ。ロルフ達とパーティーを組むことになってからギルドの雑用係も引退したため、冒険に出られないときは基本的に家で過ごしたり街に出かけたりして過ごしている。ロルフとしてもリリアと過ごす時間が増えて大満足だ。街の様子が珍しいのか、街に出かけるのはフェンも喜ぶため、たびたび三人で出かけるようになった。
こうしてその日も、三人は意気揚々と街に繰り出したのだった。
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