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第3章 おてんば姫の冒険録
31 冒険者ギルド再び!
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♢♢♢
「よし。こっちは大体落ち着いたな。出発前に、少し王都のギルドに寄ってもいいか?」
森での作業を終え、荷物をまとめたティアラたちは、アデルの言葉に頷いた。
「もちろん。この国の冒険者たちの様子も気になってたしね」
アデルからことの顛末を聞き、街の様子が気になっていたティアラはすぐさま同意する。
「そうですな。森がこの有り様ですからのう。できれば街の様子も見ておきたいですな」
「私は神殿の様子も気にかかりますね」
セバスとエリックの言葉に、ジャイルとミハエルも思慮深く頷く。
「この国を今実質的に支配してる奴が誰か、見極める必要があるよね」
「ああ。調達部隊が丸ごと駐留してる可能性もあるな」
それぞれが気になる所も多いようだ。
「よし。じゃあ取り敢えず首都のギルドに一緒に向かう。この後は状況を見て判断する。いいな?」
「了解。あ、カミールお兄様にはアデイラお姉ちゃんが沢山の獣人たちを連れて帰るって連絡入れておいたよ……アデイラお姉ちゃんが森の王で、獣人達が王様として慕ってるって言ったらすっごくびっくりしてたけど」
「……だろうな」
慌てるカミールを思い浮かべて苦笑いを浮かべるアデル。しかし、元々獣人達の受け入れをアリシア王国が断ることはない。まして愛する妻を王と仰ぐ森の民の一族ならなおのこと。カミールはエスドラドの獣人達に最善の環境を用意してくれるだろう。
「さーてと。アイツらもちゃんと言いつけ通り大人しくしてっかなぁ」
♢♢♢
「アリステアの貴族どもをぶちのめせーーーー!!!」
「おーーー!!!」
「神殿を焼き払えーーーー!!!」
「いえーーーーいっ!」
冒険者ギルドに入るなり、アデルは頭を抱えた。
手に手に武器を持った冒険者達が、勇ましく鬨の声を上げているからだ。
「おい、これは何の騒ぎだ」
「おお!勇者のお出ましだっ!」
ギルドに再び姿を現したアデルにますます盛り上がる冒険者たち。しかし、森であった五人組の大男は、その後ろに控えるティアラの姿をみるなりガタガタと震えだした。
「ひ、ひいいい!ば、化け物女!」
「お、お許しを!改心いたしましたので!命ばかりはお許しを!」
うずくまってガクガクと震える冒険者たちをゴミを見るような目で見るティアラ。
「……アデルお兄様?どうしてコイツらがまだここにいるのかしら?いくら脅されてたとはいえ、獣人達を酷い目に会わせたのよ。投獄したんじゃなかったの?」
「あー、まぁ、そうだな。よし、お前ら全員地下牢獄に入っとけ。お前たちのしたことは重罪だ。どさくさに紛れてちゃっかりお前たちの罪が許されると思うなよ」
「「「そ、そんなぁぁぁぁ」」」
がっくうと膝から崩れ落ちる冒険者たちを見て、仲間の冒険者たちがこそこそとささやき合う。
「凄い美少女だけどおっかないな。何者だ」
「Sランク冒険者さんの仲間じゃないか?」
ティアラは震える五人組の冒険者たちをキッと睨みつける。
「トムに酷い言葉を投げつけたこと、絶対に忘れないんだからねっ!」
ティアラの言葉に、肩を落とす冒険者たち。
「本当に悪かったよ……信じて貰えねぇのは百も承知だが、ああやって、人間は本当に怖い存在なんだって、アイツらに伝えたかったんだ」
「ただ、脅しに行っただけなんだ」
「そんなの信じられないわ」
冒険者たちの漏らす言葉を、腕組みをしながら胡乱な目で見るティアラ。しかし、
「あ、あの!ディランさんたちの言うことは、本当なんです!」
「よし。こっちは大体落ち着いたな。出発前に、少し王都のギルドに寄ってもいいか?」
森での作業を終え、荷物をまとめたティアラたちは、アデルの言葉に頷いた。
「もちろん。この国の冒険者たちの様子も気になってたしね」
アデルからことの顛末を聞き、街の様子が気になっていたティアラはすぐさま同意する。
「そうですな。森がこの有り様ですからのう。できれば街の様子も見ておきたいですな」
「私は神殿の様子も気にかかりますね」
セバスとエリックの言葉に、ジャイルとミハエルも思慮深く頷く。
「この国を今実質的に支配してる奴が誰か、見極める必要があるよね」
「ああ。調達部隊が丸ごと駐留してる可能性もあるな」
それぞれが気になる所も多いようだ。
「よし。じゃあ取り敢えず首都のギルドに一緒に向かう。この後は状況を見て判断する。いいな?」
「了解。あ、カミールお兄様にはアデイラお姉ちゃんが沢山の獣人たちを連れて帰るって連絡入れておいたよ……アデイラお姉ちゃんが森の王で、獣人達が王様として慕ってるって言ったらすっごくびっくりしてたけど」
「……だろうな」
慌てるカミールを思い浮かべて苦笑いを浮かべるアデル。しかし、元々獣人達の受け入れをアリシア王国が断ることはない。まして愛する妻を王と仰ぐ森の民の一族ならなおのこと。カミールはエスドラドの獣人達に最善の環境を用意してくれるだろう。
「さーてと。アイツらもちゃんと言いつけ通り大人しくしてっかなぁ」
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「アリステアの貴族どもをぶちのめせーーーー!!!」
「おーーー!!!」
「神殿を焼き払えーーーー!!!」
「いえーーーーいっ!」
冒険者ギルドに入るなり、アデルは頭を抱えた。
手に手に武器を持った冒険者達が、勇ましく鬨の声を上げているからだ。
「おい、これは何の騒ぎだ」
「おお!勇者のお出ましだっ!」
ギルドに再び姿を現したアデルにますます盛り上がる冒険者たち。しかし、森であった五人組の大男は、その後ろに控えるティアラの姿をみるなりガタガタと震えだした。
「ひ、ひいいい!ば、化け物女!」
「お、お許しを!改心いたしましたので!命ばかりはお許しを!」
うずくまってガクガクと震える冒険者たちをゴミを見るような目で見るティアラ。
「……アデルお兄様?どうしてコイツらがまだここにいるのかしら?いくら脅されてたとはいえ、獣人達を酷い目に会わせたのよ。投獄したんじゃなかったの?」
「あー、まぁ、そうだな。よし、お前ら全員地下牢獄に入っとけ。お前たちのしたことは重罪だ。どさくさに紛れてちゃっかりお前たちの罪が許されると思うなよ」
「「「そ、そんなぁぁぁぁ」」」
がっくうと膝から崩れ落ちる冒険者たちを見て、仲間の冒険者たちがこそこそとささやき合う。
「凄い美少女だけどおっかないな。何者だ」
「Sランク冒険者さんの仲間じゃないか?」
ティアラは震える五人組の冒険者たちをキッと睨みつける。
「トムに酷い言葉を投げつけたこと、絶対に忘れないんだからねっ!」
ティアラの言葉に、肩を落とす冒険者たち。
「本当に悪かったよ……信じて貰えねぇのは百も承知だが、ああやって、人間は本当に怖い存在なんだって、アイツらに伝えたかったんだ」
「ただ、脅しに行っただけなんだ」
「そんなの信じられないわ」
冒険者たちの漏らす言葉を、腕組みをしながら胡乱な目で見るティアラ。しかし、
「あ、あの!ディランさんたちの言うことは、本当なんです!」
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