拾った彼女が叫ぶから

彼方 紗夜

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2. 近付く彼女

本当の気持ち2

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「なんでここなのよ」
「約束したからじゃないですか、これが最後なんでしょう? この場所」
「そうだけど!」

 からからと笑うルーファスにマリアはまたペースを狂わせられた気がして、どっと肩が重くなった。
 サロンでわけのわからない問いかけをされた後、ルーファスは笑って「上に行きましょう」と誘ったのだ。上、とはもちろん屋根の上である。
 ここはマリアの屋敷のはずなのに、彼は我が物顔で先を歩き、するすると屋根上まで上がってしまった。
 何となくぼうっとした頭のままマリアはしぶしぶ付いてきたわけだが。
 ちゃっかり自分の隣に座っているのがまた腹立たしい。そんなマリアには頓着せず、ルーファスは抜かりなくサロンにあったひざ掛けまで持ってきていて、それを彼女の膝に掛けてくれる。
 
 腹が立つやら、嬉しいやら。そしてこれが最後だと思うと寂しくもある。
 どんな顔をしていいかわからず、胸の中がぐちゃぐちゃに散らかっていて整理もつかない。自分の気持ちで手一杯で、ナァーゴがせっかく屋敷にいたのに連れてくることも忘れていた。
 いくらまだ陽の高い時間でも、もう初冬だ。ふるりと寒さに身を震わせると、ルーファスがマリアの肩を抱いた。それが思いのほか暖かくて、つんと鼻の奥が痛くなる。マリアはぎゅっと目を瞑った。

「マリアは普段、我慢しすぎです」

 唐突だった。だけど柔らかな声音は決してマリアを咎めるものではない。

「我慢が身に沁みているから、言いたいことも素直に言えないんでしょう。ここなら少しは素直になるかなと思ったんですが」
「言ってるわよっ……」
「じゃあさっきのは何ですか? マリアは僕に騙されたから泣いたと言いましたけど、僕は知ってます。マリアはガードナー公に騙されたときは泣かなかった」

 どきりとした。確かにあのとき、自分は最後まで泣かなかったと思う。
 ルーファスがじっとこちらを見るから、葉の落ちた木々の様子も、低く遠くへ抜ける淡い水色の空も眺めることができない。
 目の前から視線を逸らすことができない。

「彼と、僕との違いはなんですか」
「それは」
「彼の時は心に納めたものが、僕の時は納まらなかったからあんなに泣いたんじゃないですか?」

 ルーファスの指先が、目元をなぞる。ぴくりと肩が跳ねた。
 悔しいくらいに、その通りだと思った。

「ル、ルーファスだって」

 負けじとばかり、見返す。こんなときでも素直になれない自分をつくづくだめだと思いながら、でも彼にはとうにバレているとも思い直す。

「いつも何を考えてるのかわからない。へらへら笑ってばかりで、わかりたいと思うのに見せてくれないじゃないの」

 触れられた目元が熱くなる。きっとルーファスから見れば赤くなっているに違いなかった。そう気付くと余計に鼓動が忙しなく脈打つ。
 バレてるなら追い詰めないで欲しい、と心の中でじりじりと後ずさる自分を想像する。いたたまれない。この場から逃げ出したい。ルーファスの目が退路を塞いでいるように見えて焦る。
 何に対して焦るのか──心を暴かれる気がするからだ。

「僕が欲しいのは一つだけです。それから一言、かな」

 彼の指先が触れるところが、熱を帯びていく。目元から頬へ、頬から耳、首筋。骨ばった指先がするりと肌を撫でるたびに、胸がきゅっと締め付けられる。
 
「これだけ言っても、まだ何を考えているのかわからないですか? それはマリアが……わかりたくないからではないですか? 知れば、逃げられなくなるから」
「……っ」

 図星だった。思わず手を振り上げたマリアの手首は、いともあっさりと捉えられた。

「はい、僕を見て。王子じゃない僕を見たら、答えはすぐに出るでしょう?」

 憎たらしいほどに会心の笑みだ。
 だめだ、これはマリアの負けだ。ここまで追い詰められたら、マリアもさすがに認めざるを得ない。これがルーファスに仕組まれたことだと思うと悔しい。やっぱり意地が悪いし、ろくでもない男だ。わかっていてこんなことして。
 だけど、彼が王子だとか、自分が純潔を失っているだとか、平民だとか。本来ならこうして隣にいられるような立場でないことも。
 王都を離れなければならないことも、ダンスの練習に終わりがくることも、全部全部。彼女にまとわりつくいくつもの分厚い膜を、一つずつ引き剥がして取り去った後に残るのは。
 誤魔化しようもない。ただ一つ、本当の気持ち。
 
「──ねえ、覚悟はできてるの?」
「ん? 何のです、か……!?」

 受けて立とうじゃないの。
 とっておきの場所で二人きりという、甘い雰囲気になるには最高のシチュエーションで、だがマリアの内心はまるで戦いを挑む戦士そのものだ。

 身を捩り、ルーファスの肩に手を置く。ぐっと力を込め、半ば睨みつけるようにルーファスの琥珀色の目を捉えると、マリアは伸び上がって唇を彼のそこにぶつけた。勢いあまって歯がガチリと当たったけれど、そんなことはどうでもよかった。
 冬の空、屋根の上でのキスは、想像以上にひんやりする。
 寒くて、凍えそうで、だけど熱かった。
 
 面食らった様子のルーファスに、してやったりと得意になったけど、そんなのほんの一瞬だった。
 ルーファスの片手が、屋根についた方のマリアの手に重なった。ごつごつとした手に包まれて、どくんと心臓が跳ねる。

「ルーファスが、仕向けたんだからね」

 ──もう、引いてなんかやらないんだから。
 大きな音を打った鼓動にさえ毒付いて、マリアは自ら舌を差し出した。
 冷んやりとかさついた唇の表面とは裏腹に、ルーファスの口の中は燃えるようだ。
 マリアの舌がすぐに絡め取られる。夢中になってその舌に吸い付いた。口を大きく開き、何度も角度を変えてキスを繰り返す。
 互いの指が絡まる。ルーファスのもう一方の手が肩から下りて、ぐっとマリアの腰を引き寄せる。促されるまま更に身を乗り出し、マリアも片腕をルーファスの首に回す。するりと膝掛けが落ちた。

「嬉しいな、マリアが積極的で」

 目だけで返事して、またひたすらルーファスの唇を求める。身体全体が火照り出す。何も考えることなどできなくて、ただ全身で彼を求めるだけ。
 それがたまらなく気持ちよくて、くらくらする。
 こんな男なのに。
 出会いからへらへらしてつかみ所がなくて。マリアが何をいっても堪えることもなくて。その度に腹立たしくなったけれど、本当は最初から。

「ん……っ」

 ますます頭の中が甘く痺れて、艶めいた吐息になって唇からこぼれていく。
 それが合図かのように唇が離れる。西の空が茜色をまとい始める。その光を受けてか、ルーファスの唇がさっきよりも色っぽい。きっと彼女の唇も今は腫れぼったくなっている気がする。
 今更ながら、大胆なことをしてしまった。じわりと首筋が熱くなる。絡めたままの指も、抱き寄せられた腰も。

 ルーファスがマリアの肩口に顔を埋めたとほぼ同時に、ちり、とその場所に痛みが走る。鎖骨の上の柔らかなくぼみの辺りに、きっと今しるしをつけられた。
 ──これ、本当の。

 いつか、一夜の火遊びでこの印をつける人もいるのかとルーファスのことを呆れたこともあったけれど、違う。
 本当に、求められているのがわかる。ずっと求められていて、マリアが応えるのを待っていてくれたのだ。

「はっ……もっと」

 熱に浮かされたみたいに催促の言葉が口をついて出てしまって、マリアはばっと手を突っ張った。

「あっ、うそうそっ、だめっ」
「何で?」
「何でって、こんなの見えちゃう!」
「見せたら良いじゃないですか。その方が僕も安心です」
「違う違う! 私が安心できない! お母様に見つかったら、何してたのって聞かれるから!」
「何ってそりゃあここまできたら後は」
「ストップ!!」

 慌ててルーファスの唇に手を当てる。すると今度はその手のひらにちろりと舌を這わされた。

「んっ」
「マリア……」

 唇と手のひらのほんのわずかな隙間を、マリアの名前が甘く抜ける。

「部屋に戻りましょう。ここは冷えますから」
「ん……」

 ルーファスがとびきりの笑みで、マリアを促した。





 出窓からマリアの部屋へ戻る。それが合図だった。
 ルーファスの唇を受けながら、マリアもまた彼にしがみついた。何度も何度も角度を変えて少しの隙間も許さないとばかりに互いの舌を絡ませ合う。
 とろとろと頭が溶けてきて、太ももの間が疼き出す。
 彼が心得たようにマリアを抱え上げた。赤子を抱っこするように抱えられる間も、少しも離れていたくなくてキスが止められない。音が立つのにも構わず、何度もキスをねだった。

 ルーファスはベッドまで来ると、マリアを下ろしその上に手を突いてまたがった。
 キスは続けたまま。
 でも彼の動きに合わせて唇がずれる度に、そこから唾液がつうと糸を引いた。

「抱きたい」
「ん……」
「マリア……マリア……」

 母親もいるのに、という羞恥心が頭の中にあるのに、キスをやめることができない。
 ルーファスの手がマリアの背に潜り込んで、ワンピースのボタンを器用に外していく。

「いいですか?」
「訊く前から触ってるくせにっ……」
「でも聞きたい。マリアは僕のこと好きですか……?」
「い、ま、言わなきゃダメ……?」

 あらわになった乳房を揉まれると、途端に意識がどろどろに溶けそうになった。
 待ってたんだ、と思い知る。
 ずっとこの手に触れられたいと、思っていたのだ。
 絶妙な強さで揉まれて、頂をいじられて、たまらなく気持ちいい。ルーファスの手だから気持ちいいのだ。

「言って?」

 ちう、と頂に吸いつかれてマリアは腰を跳ねさせた。

「ルー、ファス……んっ」
「僕はマリアがいい……マリアが好きです。やっと抱ける……僕の、マリア」
「や、あんたのなんかじゃ」
「じゃあマリアは誰のもの? ここを僕に触らせるのは何で? 他の奴にも触らせるんですか?」
「そんなわけ、ない。あんただか、ら」
「ほら、それってどういうことですか?」

 ルーファスがくすりと笑って胸の先を甘噛みした。ぴりりとした痛みとも痺れともつかないものが背中を走って、マリアは思わず身をよじった。
 反射的にルーファスの腕を掴むと、その手を取られてまた指を絡ませられる。荒れてかさつきのあるマリアの手を、彼の手がぐっと深く握る。
 離さないと言われているみたいで、どんどん身体が熱く溶けていく。

「ルーファスっ……やだ、恥ずかしい」
「マリアはまたそうやって気持ちを隠すんだから……こっちに聞いてみましょうか」

 ルーファスが苦笑気味に、もう一方の手をするりと彼女のドレスに掛ける。あっと思う間も無く、ドレスの下から太腿を撫で上げられた。

「んぁっ」
「ここ、濡れてますよ。どうしてですか?」
「やっ、違う、言わないで」

 相変わらず意地の悪い訊き方をされて、思わず否定してしまう。でも、本当は否定できないということを、マリア自身気づいてしまっていた。それがまた恥ずかしい。

「見せましょうか?」

 ルーファスがドロワーズを引き下ろす。そしてしとどに濡れた場所に指を潜らせた。

「あ、あっ」
「ほら、ね? 見てください、僕の指が濡れて光ってるでしょう? これがマリアの言葉ですよ。こっちは素直なのに、その唇は強情ですね」

 ルーファスがマリアに見せつけるように指をちろりと舐める。カっと頬に熱が昇った。
 彼がもう一度マリアの秘所に指を沿わせる。はしたない音がするそこを、繰り返しなぞられる。
 恥ずかしい。これが自分の言葉だと言われると尚更、淫乱だと告白しているみたいでたまらない。
 でもルーファスの指だと意識するだけでそうなってしまうのだ。あの指が、マリアの恥ずかしい場所を触っていると思うだけで、気持ち良さが何倍にも膨らむ気がする。
 頭の中が真っ白に弾けそう。

「あっ、あっ」
「マリア……綺麗ですよ」
「あっ、はぁっ、んっ……」
「イッていいですよ? 僕だけに見せて?」
「あっ、はあっ、や、ルーファス、ルーファスっ……!」

 声を上げちゃ駄目だと思うのに、堪えきれずに漏れてしまう。必死で唇を引き結ぶ。
 背中が大きくしなる。ルーファスは余裕然としているのに、容赦のない指のお陰で自分だけが高みに駆け上がっていく。マリアは愉悦の逃し場所を求めてぎゅっとシーツを握りしめた。
 ルーファスが指を中に入れたまま覆い被さり、マリアの嬌声を唇で塞いだ。もう一度片手が彼女の手を握る。
 喘ぐように、マリアからその手に指をきつく絡めた。
 中が激しくうごめいて彼の指を深く深く引き込んだ。水音が激しさを増す。マリアはつま先をきゅっと丸めて達した。

「まだまだ、今日はマリアの気持ちを教えてもらいますからね」
「ん、んんっ……」

 マリアはたまらず髪を振り乱した。息も乱れる。
 ルーファスの追い詰め方は周到で、とうにマリアの気持ちなどわかっているだろうに笑顔で更に迫ってくる。
 全部露わになったら、あられもなく叫んでしまう。
 
「ナァー、ナァー」

 不意にすぐ近くで聞き慣れた鳴き声がして、心臓が止まった。
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