141 / 154
第141話 乙女? 新しい地獄
しおりを挟む
スリスリスリ。
オレはタオルケットをスリスリしながらあれこれ考える。
なんだろう灰谷のやつ。
オマエホントの後、なんだったんだろう。
アホ?自意識過剰?
つうかなんで妙な雰囲気になっちゃったんだろう。
灰谷が泊まるなんていつもの事なのに。
オレのせい?
…だな?
好きだって言っちゃったらなんかもう。
被ってた仮面が剥がれちゃったみたいで。
もう好きが止まんなくて。
家に帰るって言われたら、帰んの?とか言っちゃってるし、泊まって欲しい?なんて言われたら、うん!とか言っちゃいそうだし、いやそこは言わなかったけど。
一緒に布団敷いたり歯を磨いたりしてんのもなんか嬉しいし。
実際泊まってくれて隣りで今寝てんの嬉しいし。
嬉しいの隠すので、もう精一杯……。
なのに母ちゃんがあんな事言うし。
婿だの新婚夫夫だの~~。
でもさ、灰谷にしたら、オレ、キスした前科もあるし、ホントは何されるかわかんないって思われてたらとか思いだしたらもうさ……。
オレってこんなに乙女だったっけ。
まるで恋する乙女だよ~。
キモ~。
オレは足をバタバタさせた。
ハッ。灰谷に聞こえる。
この過剰反応~。
助けて~。
こんな気持ち知られて気持ち悪がられてもツライし。
はあ~どうしたらいいんだオレよ~。
いつも通りいつも通り。
つうか気持ち隠すのがいつもになっちゃってたから、逆にこれはいつもと違ういつもを構築しなければ……って、あ~~。
これが新しい地獄というやつかも。
地獄っぽくないけど地獄……。
ん~。片想いは果てがないな。
まるで蟻地獄……。
まぶし……と思ったら部屋の電気が点いていた。
「何?」
見れば灰谷が自分のカバンを何かゴソゴソやっている。
「灰谷、どうした?」
「真島」
手には小さな手提げ袋。
「真島、コレ」
灰谷が差し出した。
「何これ」
オレは受け取って中をのぞく。
カワイイ小さなリンゴ型のケースが入っていた。
パカッと開いて指輪とか入れとくような。
まるでプロポーズみてえ。
…ってプ、プロポーズ?
これって夢?
「結衣ちゃんからオマエに」
「結衣ちゃん?」
紙袋から出してフタを開けると、中にはピアス。
オレが結衣ちゃんにあげたクロムハーツのピアスが入っていた。
「これ……」
「オマエがいない間に店に来て。真島にとって多分すごく大事なものだから、渡して欲しいって」
「……そっか」
一気に現実に引き戻された。
わざわざケースに入れて、ホントに大事にしてくれてたんだ。
「ワリぃ、中身見ちゃったんだ。母ちゃんが勝手に開けちゃって」
「いいよ。別に」
一瞬浮かれた自分が恥ずかしくなった。
「結衣ちゃん、元気だった?」
「…ああ」
灰谷の顔を見て、そんな事なかったんだろうなと思う。
「そっか」
「自分が言うことじゃないってわかってるけど、真島の事よろしくって頼まれた」
「そっか」
なんて良い子なんだろう。
そんな良い子にオレのしてきた事と言ったら……。
「つけねえの?」
「ん?」
「ピアス」
「ああ……」
もう……オレってホントに……。
「貸せ。オレがつけてやる」
灰谷がオレの手からケースをうばった。
「いいよ」
「つけてやるって」
「いいから」
「つけろよ」
「いいから!」
オレは灰谷の手を払った。
ピアスが床に落ちた。
「……そのピアスつける資格、オレにはない」
灰谷はピアスを拾い上げた。
「そう思うなら、なおさらつけねえとな」
「なんでだよ」
「オマエが結衣ちゃんにした事、そんなオマエに結衣ちゃんがくれた気持ち。その気持ごと引き受けてかねえとな」
「……灰谷」
「泣くな。んで、もう自分にウソをつくな」
オレは涙をギュッとこらえた。
そうだった。
泣いちゃダメだ。
「耳貸せ」
「うん」
オレの右耳に灰谷がピアスをつける。
戻ってきたピアス。
オレと灰谷との、そして結衣ちゃんとの思い出のピアス。
自分にウソをつかない事。
その事で人を傷つけた事を忘れないように。
オレはタオルケットをスリスリしながらあれこれ考える。
なんだろう灰谷のやつ。
オマエホントの後、なんだったんだろう。
アホ?自意識過剰?
つうかなんで妙な雰囲気になっちゃったんだろう。
灰谷が泊まるなんていつもの事なのに。
オレのせい?
…だな?
好きだって言っちゃったらなんかもう。
被ってた仮面が剥がれちゃったみたいで。
もう好きが止まんなくて。
家に帰るって言われたら、帰んの?とか言っちゃってるし、泊まって欲しい?なんて言われたら、うん!とか言っちゃいそうだし、いやそこは言わなかったけど。
一緒に布団敷いたり歯を磨いたりしてんのもなんか嬉しいし。
実際泊まってくれて隣りで今寝てんの嬉しいし。
嬉しいの隠すので、もう精一杯……。
なのに母ちゃんがあんな事言うし。
婿だの新婚夫夫だの~~。
でもさ、灰谷にしたら、オレ、キスした前科もあるし、ホントは何されるかわかんないって思われてたらとか思いだしたらもうさ……。
オレってこんなに乙女だったっけ。
まるで恋する乙女だよ~。
キモ~。
オレは足をバタバタさせた。
ハッ。灰谷に聞こえる。
この過剰反応~。
助けて~。
こんな気持ち知られて気持ち悪がられてもツライし。
はあ~どうしたらいいんだオレよ~。
いつも通りいつも通り。
つうか気持ち隠すのがいつもになっちゃってたから、逆にこれはいつもと違ういつもを構築しなければ……って、あ~~。
これが新しい地獄というやつかも。
地獄っぽくないけど地獄……。
ん~。片想いは果てがないな。
まるで蟻地獄……。
まぶし……と思ったら部屋の電気が点いていた。
「何?」
見れば灰谷が自分のカバンを何かゴソゴソやっている。
「灰谷、どうした?」
「真島」
手には小さな手提げ袋。
「真島、コレ」
灰谷が差し出した。
「何これ」
オレは受け取って中をのぞく。
カワイイ小さなリンゴ型のケースが入っていた。
パカッと開いて指輪とか入れとくような。
まるでプロポーズみてえ。
…ってプ、プロポーズ?
これって夢?
「結衣ちゃんからオマエに」
「結衣ちゃん?」
紙袋から出してフタを開けると、中にはピアス。
オレが結衣ちゃんにあげたクロムハーツのピアスが入っていた。
「これ……」
「オマエがいない間に店に来て。真島にとって多分すごく大事なものだから、渡して欲しいって」
「……そっか」
一気に現実に引き戻された。
わざわざケースに入れて、ホントに大事にしてくれてたんだ。
「ワリぃ、中身見ちゃったんだ。母ちゃんが勝手に開けちゃって」
「いいよ。別に」
一瞬浮かれた自分が恥ずかしくなった。
「結衣ちゃん、元気だった?」
「…ああ」
灰谷の顔を見て、そんな事なかったんだろうなと思う。
「そっか」
「自分が言うことじゃないってわかってるけど、真島の事よろしくって頼まれた」
「そっか」
なんて良い子なんだろう。
そんな良い子にオレのしてきた事と言ったら……。
「つけねえの?」
「ん?」
「ピアス」
「ああ……」
もう……オレってホントに……。
「貸せ。オレがつけてやる」
灰谷がオレの手からケースをうばった。
「いいよ」
「つけてやるって」
「いいから」
「つけろよ」
「いいから!」
オレは灰谷の手を払った。
ピアスが床に落ちた。
「……そのピアスつける資格、オレにはない」
灰谷はピアスを拾い上げた。
「そう思うなら、なおさらつけねえとな」
「なんでだよ」
「オマエが結衣ちゃんにした事、そんなオマエに結衣ちゃんがくれた気持ち。その気持ごと引き受けてかねえとな」
「……灰谷」
「泣くな。んで、もう自分にウソをつくな」
オレは涙をギュッとこらえた。
そうだった。
泣いちゃダメだ。
「耳貸せ」
「うん」
オレの右耳に灰谷がピアスをつける。
戻ってきたピアス。
オレと灰谷との、そして結衣ちゃんとの思い出のピアス。
自分にウソをつかない事。
その事で人を傷つけた事を忘れないように。
0
あなたにおすすめの小説
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる