3 / 47
第二部屋 ……そして、脱出(前編)
しおりを挟む
◇
──目が覚めたら、そこはえっちしないと出れない部屋(絶対)でした……。
目を覚ましてから、いつも通りに天井を確認してみれば、そんな文言が貼ってある。確か昨日、帰ってからいちいち剥がして隅っこに置いたはずなのに、その甲斐は見られることなく、再びそこには書き初め用紙が貼られてある。しかも、三枚にも連なって。
『ここはえっちしないと出れない部屋です』
『マジでえっちしないと出れない部屋です』
『絶対にえっちしないと出れない部屋です』
以前見たときと同じように、筆での太文字でそれらが記されている書き初め用紙。ただ、三枚中二枚がどうにも上手く貼りつけられていないのか、かすかに開けている窓から届く風によって、今にも剥がれようとしている。俺はそんな紙のペラペラと靡く音によって目が覚めた。
……そして。
「……すやー、すやー」
──完全に寝たふりを決め込んでいる幼馴染である朱里が、昨日と同じようにベッドにもたれている姿を視界に入れる。
◇
「……またかよ」
俺は呆れてため息をついた。
時間帯はおおよそ六時頃。学校に行くにしては早い時間帯。いつもであれば目覚ましをつけているので、そのアラームによって目を覚ますはずなのだが、昨日から自室に違和を覚える状況が続いているせいか、なんとなく朝早くから目を覚ましていることが増えている気がする。
そして、これ見よがしとしか言えないくらいに、はっきりとアピールするように貼り付けられている例の文言。
『絶対にえっちしないと出れない部屋です』
特に、三枚の中の一枚であるその紙の、『絶対』という部分は感情がめちゃくちゃ込められているように、とても筆圧が強く、そして太い。
「今度は何の漫画にはまったんだよ……」
確実に寝ているふりをしている朱里に、俺はそれとなく聞いてみるけれ──。
「──んふ、……あっ、……すやー、すやー」
俺の幼馴染はそれでも無視を決め込んだ。……いや、確実に一瞬、俺の言葉に反応していたような気もするけれど、なんとなくその反射的な反応が間違いだと思ったのか、再び寝ているふりを決め込んでいるようだった。
「……ふーん」
俺は意味ありげな息を吐き出しながら、そうしてようやくベッドから身体を起こしていく。
夏というだけあって、もう太陽は既に明るい陽射しをこちらへと差し込んでいる。一応、まだ冷房の残り香、というか空気があるからか居心地については悪くはないけれど、それでもここに留まる意味はない。
早起きは三文の徳という。それは時間を無駄にしない、ということを人間の教訓として示したものだと俺は思う。
それならば、そうであるのならば──。
「さっさと朝の支度をしなきゃなあ──」
俺はそんな独り言(朱里に向けている時点で独り言ではないことはわかっているが)を呟きながら、ゆっくりと扉の方へと歩みを進めていく。
……が。
──がしっ。
「──えっ?」
「……すやー、すやー?」
──寝ているふりをしている朱里に、足をぎゅっと掴まれてしまった。
◇
「……おい」
「すやー、すやー」
「おいって」
「すやー、すやー?」
「おい朱里」
「すやー……、も、もう食べられないよぉ……」
そんなべた過ぎる寝言があるか、って大きな声でツッコミたくなったけれど、それでも俺はその衝動を堪えて、ふう、と息をついた。早朝だし、唐突に大声でツッコミを入れるのはご近所様に迷惑だからね、仕方ないね。
「いや、俺もう行くから」
結局、朱里は俺の声に返事をすることがなかったので、俺はそれでも掴まれている足を振りほどくようにして、扉の方へと向かう、……けれど。
「すやー、すやー」
──こいつ、思いのほか力が強ェ!
いや、文武両道の文だけを抜かしたような人間ではあると思っていたけれど、それでもこいつのフィジカルってここまでのものでしたっけ?!
というか、ここまでしているこいつの執念は何なんだよ! 意味わかんないんだけど!
「……はあ」
……さて、また時間はある。
きっと、これは俺の足を掴んでいる朱里が望むとおりに行動をしなければいけないわけではあるのだが、ここでえっち、という手段を取っていいのか、ということについては疑念、もしくは憂いが残る。
──だってこいつ、絶対えっちとかいう概念知らないし。
そもそも、ここは相場で言うのならばセ〇クスしないと出れない部屋だろうに。それをどうしてえっちだなんていう風に表記しているのか、ということを考えれば自ずと彼女が性知識を持っていないことを理解できるはずだ。
こいつの性知識のレベルについては小学校三年生くらい。う〇ちとかち〇ことか、そういうので笑うことをやめられたくらいのレベルでしかない。
もし、ここが本当に性的な行為をしなければ出られない部屋、というのならば仕方がない。昨日みたいに憂いを持つこともなく、慎重に朱里と、ええと、その。まあ、やる、というかなんというか。結ばれる、というか、まあ、うん。とりあえず、そんなことはしてみるけれど。
あくまでこれは現実なのだ。現実の上で、合意のない女性を、それも性知識のない人間と結ばれることは犯罪でしかない。いや、もし未必の故意というか、ある意味での合意があったとしても、それを朱里に行うことは、なんとも後ろめたい気持ちを抱えてしまう。
……あと、本音を言うのならば、クラスの女子が一番怖い。
◆
ある一場面にて。
『ほらあかりちゃん? 私のハンバーグ食べるぅ?』
『えっ!? いいのぉ?! 食べるぅ!』
◆
もしくは一場面にて。
『あかりちゃんって、好きな人とかいるのかなぁ?』
『え、うんっ! いるよぉ!』
◆
さらにあった一場面にて。
『あかりちゃんは、子ども何人ほしいのかなぁ?』
『え、そ、そうだなぁ。コウノトリさん、運ぶの大変そうだから、せめて二人くらいがいいなぁ!』
◇
──完全に純粋無垢、その上で人間というよりもマスコット扱いをされている朱里に対して、もし少しでも不埒な行為を働いてしまえば、自ずとどうなるかについては理解できてしまう。
『彰人くん、だっけ? 君、朱里ちゃんの幼馴染、とかなんだっけ? ……ふーん、だから手を出したんだ。へえ。……最悪だね、──このロリコン』
そんな誹謗中傷がクラスの女連中に言われる様なんて、想像に容易くない。誕生日だけなら朱里の方が早い、なんて言い訳をしても、彼女らは俺の言葉に耳を傾けることなんてないだろう。
……うん、マジで容易に冷たい目を浮かべるギャルたちが想像できちまう。ただでさえ朱里と弁当食べるときとか、めっちゃ視線怖いのに。
だから、俺は彼女に手を出すことは許されない。
……いや、許されたとしても俺は手を出す気なんてないんだけど。
──────────────────────────
後半へ続きます……。
それはそれとしてあほ可愛い幼馴染って、いいよね。
──目が覚めたら、そこはえっちしないと出れない部屋(絶対)でした……。
目を覚ましてから、いつも通りに天井を確認してみれば、そんな文言が貼ってある。確か昨日、帰ってからいちいち剥がして隅っこに置いたはずなのに、その甲斐は見られることなく、再びそこには書き初め用紙が貼られてある。しかも、三枚にも連なって。
『ここはえっちしないと出れない部屋です』
『マジでえっちしないと出れない部屋です』
『絶対にえっちしないと出れない部屋です』
以前見たときと同じように、筆での太文字でそれらが記されている書き初め用紙。ただ、三枚中二枚がどうにも上手く貼りつけられていないのか、かすかに開けている窓から届く風によって、今にも剥がれようとしている。俺はそんな紙のペラペラと靡く音によって目が覚めた。
……そして。
「……すやー、すやー」
──完全に寝たふりを決め込んでいる幼馴染である朱里が、昨日と同じようにベッドにもたれている姿を視界に入れる。
◇
「……またかよ」
俺は呆れてため息をついた。
時間帯はおおよそ六時頃。学校に行くにしては早い時間帯。いつもであれば目覚ましをつけているので、そのアラームによって目を覚ますはずなのだが、昨日から自室に違和を覚える状況が続いているせいか、なんとなく朝早くから目を覚ましていることが増えている気がする。
そして、これ見よがしとしか言えないくらいに、はっきりとアピールするように貼り付けられている例の文言。
『絶対にえっちしないと出れない部屋です』
特に、三枚の中の一枚であるその紙の、『絶対』という部分は感情がめちゃくちゃ込められているように、とても筆圧が強く、そして太い。
「今度は何の漫画にはまったんだよ……」
確実に寝ているふりをしている朱里に、俺はそれとなく聞いてみるけれ──。
「──んふ、……あっ、……すやー、すやー」
俺の幼馴染はそれでも無視を決め込んだ。……いや、確実に一瞬、俺の言葉に反応していたような気もするけれど、なんとなくその反射的な反応が間違いだと思ったのか、再び寝ているふりを決め込んでいるようだった。
「……ふーん」
俺は意味ありげな息を吐き出しながら、そうしてようやくベッドから身体を起こしていく。
夏というだけあって、もう太陽は既に明るい陽射しをこちらへと差し込んでいる。一応、まだ冷房の残り香、というか空気があるからか居心地については悪くはないけれど、それでもここに留まる意味はない。
早起きは三文の徳という。それは時間を無駄にしない、ということを人間の教訓として示したものだと俺は思う。
それならば、そうであるのならば──。
「さっさと朝の支度をしなきゃなあ──」
俺はそんな独り言(朱里に向けている時点で独り言ではないことはわかっているが)を呟きながら、ゆっくりと扉の方へと歩みを進めていく。
……が。
──がしっ。
「──えっ?」
「……すやー、すやー?」
──寝ているふりをしている朱里に、足をぎゅっと掴まれてしまった。
◇
「……おい」
「すやー、すやー」
「おいって」
「すやー、すやー?」
「おい朱里」
「すやー……、も、もう食べられないよぉ……」
そんなべた過ぎる寝言があるか、って大きな声でツッコミたくなったけれど、それでも俺はその衝動を堪えて、ふう、と息をついた。早朝だし、唐突に大声でツッコミを入れるのはご近所様に迷惑だからね、仕方ないね。
「いや、俺もう行くから」
結局、朱里は俺の声に返事をすることがなかったので、俺はそれでも掴まれている足を振りほどくようにして、扉の方へと向かう、……けれど。
「すやー、すやー」
──こいつ、思いのほか力が強ェ!
いや、文武両道の文だけを抜かしたような人間ではあると思っていたけれど、それでもこいつのフィジカルってここまでのものでしたっけ?!
というか、ここまでしているこいつの執念は何なんだよ! 意味わかんないんだけど!
「……はあ」
……さて、また時間はある。
きっと、これは俺の足を掴んでいる朱里が望むとおりに行動をしなければいけないわけではあるのだが、ここでえっち、という手段を取っていいのか、ということについては疑念、もしくは憂いが残る。
──だってこいつ、絶対えっちとかいう概念知らないし。
そもそも、ここは相場で言うのならばセ〇クスしないと出れない部屋だろうに。それをどうしてえっちだなんていう風に表記しているのか、ということを考えれば自ずと彼女が性知識を持っていないことを理解できるはずだ。
こいつの性知識のレベルについては小学校三年生くらい。う〇ちとかち〇ことか、そういうので笑うことをやめられたくらいのレベルでしかない。
もし、ここが本当に性的な行為をしなければ出られない部屋、というのならば仕方がない。昨日みたいに憂いを持つこともなく、慎重に朱里と、ええと、その。まあ、やる、というかなんというか。結ばれる、というか、まあ、うん。とりあえず、そんなことはしてみるけれど。
あくまでこれは現実なのだ。現実の上で、合意のない女性を、それも性知識のない人間と結ばれることは犯罪でしかない。いや、もし未必の故意というか、ある意味での合意があったとしても、それを朱里に行うことは、なんとも後ろめたい気持ちを抱えてしまう。
……あと、本音を言うのならば、クラスの女子が一番怖い。
◆
ある一場面にて。
『ほらあかりちゃん? 私のハンバーグ食べるぅ?』
『えっ!? いいのぉ?! 食べるぅ!』
◆
もしくは一場面にて。
『あかりちゃんって、好きな人とかいるのかなぁ?』
『え、うんっ! いるよぉ!』
◆
さらにあった一場面にて。
『あかりちゃんは、子ども何人ほしいのかなぁ?』
『え、そ、そうだなぁ。コウノトリさん、運ぶの大変そうだから、せめて二人くらいがいいなぁ!』
◇
──完全に純粋無垢、その上で人間というよりもマスコット扱いをされている朱里に対して、もし少しでも不埒な行為を働いてしまえば、自ずとどうなるかについては理解できてしまう。
『彰人くん、だっけ? 君、朱里ちゃんの幼馴染、とかなんだっけ? ……ふーん、だから手を出したんだ。へえ。……最悪だね、──このロリコン』
そんな誹謗中傷がクラスの女連中に言われる様なんて、想像に容易くない。誕生日だけなら朱里の方が早い、なんて言い訳をしても、彼女らは俺の言葉に耳を傾けることなんてないだろう。
……うん、マジで容易に冷たい目を浮かべるギャルたちが想像できちまう。ただでさえ朱里と弁当食べるときとか、めっちゃ視線怖いのに。
だから、俺は彼女に手を出すことは許されない。
……いや、許されたとしても俺は手を出す気なんてないんだけど。
──────────────────────────
後半へ続きます……。
それはそれとしてあほ可愛い幼馴染って、いいよね。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ
みずがめ
ライト文芸
俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。
そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。
渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。
桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。
俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。
……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。
これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる