4 / 11
欲望に支配された獣からは逃れられない
しおりを挟むルネリクスはアロルフの欲情の気にあてられ、めまいを覚えた。
「あ……」
足元がふらついて籠を落としてしまい、倒れかけたところを、アロルフが腰に豪腕を回して抱きとめる。
鎧越しでもわかる筋骨隆々とした肉体に、ルネリクスは息を飲み、目を見開いた。
視線が交わると腕を掴まれ、寝室へと引きずり込まれてしまい、寝台に放り投げられてしまった。
「あう!?」
寝台が勢いで軋み、じりじりと歩み寄ってくる欲望に支配された獣を見上げた。
鎧を脱ぎ捨て、覆い被さってくる。
「ひいい!」
「そう怯えるな神官殿。悪いようにはせん」
「……い、いや」
――やはり、私を辱めるつもりなんだ……!
危機感に焦燥に駆られ、寝台から這い出ようともがくが、ローブに手を掛けられてしまい、びりびりと破かれていく。
背筋が恐怖で震え上がり、悲鳴をあげる事しかできない。
「いやあ! やめ、やめてくださいいい!!」
「女のようにわめくな。少しは男としていや、神官として気丈にふるまえ? 犯されたとしても孕むことなどないのだからな」
「け、穢されたら私は神官ではいられなくなります!! どいて下さい!! どいて!!」
もはや大神官に告げ口をされるだとかはどうでも良くなっていた。
触手と交わったのは、あくまでも神託を受けたからだ。
こんな形で男と繋がり穢れてしまえば、神託を守る力がなくなってしまうかもしれない。
それだけは避けなくては!!
ルネリクスの想いは欲情しきったケダモノには通用せず、身体を丸太のような腕と大きな手によって押さえつけられてしまえば、身動きできなくなってしまった。
荒い吐息が頬に当たり、男クサさに鼻腔がひくつく。
数多の戦場を駆け抜けてきた戦士のニオイだ。
「や、やめてください」
――もう逃げられない。
小さな声にはそんな絶望が滲んでいる。悟ったアロルフが愉悦の笑みを浮かべて、舌なめずりをする。
「想像通りのうまそうな身体だ、触手にやるなんてもったいない!!」
アロルフが顔を近づけて、突き出した分厚い舌で頬をべろりとなめあげた。
「くひ?」
生々しい肉の感触に、大げさなほどに身体が跳ねて変な声をあげてしまう。
恥じらっている余裕などなく、ただただこれから受ける屈辱の時間を思い、絶望に苛まれる。
――神よ、お救いください。私は、神託を守り抜きたいのです!!
「た、たすけてください」
「まだ観念してないか? いや、もうわかっているのだろう? 俺からは逃げられん!!」
「ど、どうしてこんな真似を」
「美しい自分を呪え!!」
「そ、んな……」
ケダモノが牙をむく様を見つめ、ルネリクスはもう反抗する気力がわかなかった。
0
あなたにおすすめの小説
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた
やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。
俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。
独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。
好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け
ムーンライトノベルズにも掲載しています。
挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)
同室のアイツが俺のシャワータイムを侵略してくるんだが
カシナシ
BL
聞いてくれ。
騎士科学年一位のアイツと、二位の俺は同じ部屋。これまでトラブルなく同居人として、良きライバルとして切磋琢磨してきたのに。
最近のアイツ、俺のシャワー中に絶対入ってくるんだ。しかも振り向けば目も合う。それとなく先に用を済ませるよう言ったり対策もしてみたが、何も効かない。
とうとう直接指摘することにしたけど……?
距離の詰め方おかしい攻め × 女の子が好きなはず?の受け
短編ラブコメです。ふわふわにライトです。
頭空っぽにしてお楽しみください。
卵を産んでしまったハーピィ男子の話
志田
BL
ハーピィのヒューイは相棒の天族のディオンに片想いをしていた。ある日、卵を産めるようになったのをきっかけに、こっそりディオンの子どもを作ろうと衝動的に計画するが…。異種族×異種族。おバカ受。
禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる