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甘美なる夢と共に
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いよいよ女神に召される日がやって来た。
日の出と共に起き出したヘルマンは、隣で一緒に寝ていた筈の犬の姿がない事に驚いて、しばらく探し回ったが見つからなかった。
お別れの挨拶ができなかったのが、とても残念だ。
荷物の整理をしていても、不思議と実感がわいてこない。
今日が本当に人生最後の日だなんて。
そう考えて過ごしていると、脳裏には彼の姿が思い浮かぶ。
ずっと彼を想って生きてきた。焦がれ続けて……。
昼を迎えた頃、疲労感から少し仮眠を取る事にした。
ヘルマンは色鮮やかな庭園の中にいた。
足元の周りに花が咲き誇っている。
天国か、と思い考え込んでいると、誰かが前から歩いてやってくるのが見えた。
その人物に心底驚く。ずっと焦がれていた人だからだ。
長い金髪を風に揺らし、翡翠の瞳でヘルマンを見据えている。
リーヌスが頬を緩めて手を差し伸べてきた。
――ああ、これは私の夢なのだから理想とする世界なんだな。
なら、甘えてもいいか……。
ヘルマンはリーヌスの手を取った。
そのまま引き寄せられて、唇を重ねられる。
ああやはり夢だ、とヘルマンは思った。
歳を食った醜い男に、こんな恋人のような口づけをするはずがない。
ゆっくりと花の上に押し倒された。
咽せるほどの甘い香りにめまいさえ覚える程だ。
衣服を剥ぎ取られていく過程がとてつもなく恥ずかしくて、瞳を閉じていると、頬に優しく触れられて目をうっすらと開く。
リーヌスが優しい眼差しで見つめていた。
……彼が、自分を求めてくれている。
剥きだしになった肌に柔らかく唇を落とされ、指でまさぐられて敏感な部分を愛撫される。
快感よりも触れられるたびに心が震えて、呼吸が苦しくなり、いつの間にか涙を流していた。
もう充分幸せだったが、リーヌスは一つになってくれた。
秘部に彼の熱を受け入れると、魂が喜びに震えているのがわかった。
リーヌスの背中に腕を回し、爪を立てて喘ぎ続ける。
感じる場所を擦られ突き上げられると、快感が頭のてっぺんまで走り抜けて絶頂し、ペニスから白濁を飛び散らせた。
まだ快楽を感じる事ができる己に驚いたのと同時に、歓喜にただただ身悶える。
「……はぁ……ひあん……あ、ふう……」
「ヘルマン……気持ちイイか?」
「あ、あふう……りーぬすうう……!」
名前を呼ぶと、中に埋まる彼自身がまた大きくなるのを感じて、自分のかすれた声で興奮してくれたのだと思うと、素直に嬉しかった。
お互いに昂り、やがて名前を呼び合いながら同時に絶頂を迎えた。
人生最後の日に見れた夢は、ヘルマンに至上の喜びを与えてくれたのだった。
すうっと目を開けると、身体が冷たいのを感じた。
それに何も聞こえない。
目の前には見覚えのある男の背中と、人の形をした、光の渦の存在が相対していた。
男の方は金髪を振り乱し、必死に光に向かって剣で攻撃をしかけているようだった。
ヘルマンは、男が誰なのか頭では分かっていたのだが、意識が沈んでいく現実に抗えず、とうとう世界は真っ暗になった。
日の出と共に起き出したヘルマンは、隣で一緒に寝ていた筈の犬の姿がない事に驚いて、しばらく探し回ったが見つからなかった。
お別れの挨拶ができなかったのが、とても残念だ。
荷物の整理をしていても、不思議と実感がわいてこない。
今日が本当に人生最後の日だなんて。
そう考えて過ごしていると、脳裏には彼の姿が思い浮かぶ。
ずっと彼を想って生きてきた。焦がれ続けて……。
昼を迎えた頃、疲労感から少し仮眠を取る事にした。
ヘルマンは色鮮やかな庭園の中にいた。
足元の周りに花が咲き誇っている。
天国か、と思い考え込んでいると、誰かが前から歩いてやってくるのが見えた。
その人物に心底驚く。ずっと焦がれていた人だからだ。
長い金髪を風に揺らし、翡翠の瞳でヘルマンを見据えている。
リーヌスが頬を緩めて手を差し伸べてきた。
――ああ、これは私の夢なのだから理想とする世界なんだな。
なら、甘えてもいいか……。
ヘルマンはリーヌスの手を取った。
そのまま引き寄せられて、唇を重ねられる。
ああやはり夢だ、とヘルマンは思った。
歳を食った醜い男に、こんな恋人のような口づけをするはずがない。
ゆっくりと花の上に押し倒された。
咽せるほどの甘い香りにめまいさえ覚える程だ。
衣服を剥ぎ取られていく過程がとてつもなく恥ずかしくて、瞳を閉じていると、頬に優しく触れられて目をうっすらと開く。
リーヌスが優しい眼差しで見つめていた。
……彼が、自分を求めてくれている。
剥きだしになった肌に柔らかく唇を落とされ、指でまさぐられて敏感な部分を愛撫される。
快感よりも触れられるたびに心が震えて、呼吸が苦しくなり、いつの間にか涙を流していた。
もう充分幸せだったが、リーヌスは一つになってくれた。
秘部に彼の熱を受け入れると、魂が喜びに震えているのがわかった。
リーヌスの背中に腕を回し、爪を立てて喘ぎ続ける。
感じる場所を擦られ突き上げられると、快感が頭のてっぺんまで走り抜けて絶頂し、ペニスから白濁を飛び散らせた。
まだ快楽を感じる事ができる己に驚いたのと同時に、歓喜にただただ身悶える。
「……はぁ……ひあん……あ、ふう……」
「ヘルマン……気持ちイイか?」
「あ、あふう……りーぬすうう……!」
名前を呼ぶと、中に埋まる彼自身がまた大きくなるのを感じて、自分のかすれた声で興奮してくれたのだと思うと、素直に嬉しかった。
お互いに昂り、やがて名前を呼び合いながら同時に絶頂を迎えた。
人生最後の日に見れた夢は、ヘルマンに至上の喜びを与えてくれたのだった。
すうっと目を開けると、身体が冷たいのを感じた。
それに何も聞こえない。
目の前には見覚えのある男の背中と、人の形をした、光の渦の存在が相対していた。
男の方は金髪を振り乱し、必死に光に向かって剣で攻撃をしかけているようだった。
ヘルマンは、男が誰なのか頭では分かっていたのだが、意識が沈んでいく現実に抗えず、とうとう世界は真っ暗になった。
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