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一章

女の子の部屋でドキドキゲーム時間《タイム》3

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 えっと、葵さん?その、めちゃくちゃ怖いんですけど?その、なにかありました?

「悠くん?隣にいるかわいい女の子、だれ?」

 たしかに、見た目だけでの話なら、かわいいと俺も思う。
 けど、俺はこいつの裏の?顔を知ってるし、あれは全然かわいくない。
 というか、怖い。だって、空を飛んでるカラスを見てたら食べたくなったやつだぞ?
 しかも、人肉も食べてみたいと言ってたし......。
 て、それより、今は葵だった。
 俺は、もう一度葵を見てみると、「どうしたの?早く教えて?」とでも言いたげに、こっちを優しくほほ笑みながら見ている。
 その笑みが怖いんだよな~。

「えっと、その──」

 少し声を震わせながら説明しようとすると、そこで赤里が俺の言葉を引き継ぐように話しだした。

「私は、赤里鈴音といいます」

 おい、猫かぶってんじゃねー!
 と、言おうとしてるのにでも気づいたのか、俺の方を見て、「なにも言わないで?」と、目で物語っている。
 なぜだろうか?俺の周りには、勘の鋭いやつが多すぎはしないだろうか?

「えっと、悠くんとはどういう関係なの?」

です」

「本当に?それじゃ、なんでそんなに仲がよさそうなの?」

「きっと、それは気のせいです。私は、こんな人となんて、一緒に居たいと思いませんので」

「悠くん、本当?」

 ただの知り合いかと聞かれたら、絶対違うだろ?
 いや、知り合いがあんなことをするか?するわけないだろ!
 それなのに、俺の存在は知り合い扱いですか......。
 いや、別にいいけどな?
 それに、赤里は「早く同意してくれる?」と目で俺に訴えかけてきている。
 ここで同意しておかないと、後でなにをされるかわからないからな。(どっちも)

「あ、ああ。ただの知り合いだよ......」

「ふ~ん。............まあ、悠くんがそういうんだったら、信じるけどさ。それで、私もご一緒させてもらっていい?」

 俺としては問題はない。
 というよりも、葵が居てくれた方が、俺としては心強い。
 それに、それなら俺と赤里を見て、彼氏彼女だと思うやつもいないだろう。
 ただ、その考えが甘かったのだと、俺はつぎの日知ることになる。

 それでも、一応、赤里に確認しようと思うと、

「私は別にいいですよ?私は、あなたとも仲良なりたいですから」

 猫をかぶってる赤里がそう言った。
 ヤバい、ちょっとずつこの赤里に対して、気持ち悪さを覚えてきたんだが。

「悠くんもいい?」

 おい。その頼み方は反則だろ?
 そんな上目遣いで頼まれたら、断われる男なんているわけないだろ?まあ、もともと断るつもりもなかったんだけどな。
 葵の、あまりにも破壊力のある頼み方に、俺はこう言うしかなかった。

「もちろん」


「悠、ちょっと......」

 赤里はそう言うと、俺のを漁りだした。
 そして、を取ると、「ありがとう」とそう言って離れた。
 ちなみに、その何かとは、だ。値段?もちろん高かった。
 なんでそんなものを買ったのか?
 それは、俺がボロを出しそうになった瞬間に、ためと言っていた。
 つまり、あのとき掛かってきた電話は、偶然じゃなかったわけだ。
 と、そんなことを考えていると、この場にいるもう一人の美少女が、冷え切った声で、

「二人とも、仲いいんだね......」

 そう言った。
 なんでだろう。相変わらず笑顔なのに、その笑顔がとても怖い。
 というか、葵のその言葉が別の意味の言葉にしか聞こえないんですがっ......!?

「あら、葵さんはご冗談がお上手ですね。私とさんはただの知り合いですから」

 見える。俺には見える。この二人が今、バチバチなのが見えるっ......!
 てか、なんでこんな空気になるんだよ!
 どこにこんな空気なる要素があったんだよ!
 お前らただ自己紹介しただけだろ!
 どうして俺がこんな目に合わなきゃいけないんだよ......。
 今は普通の下校風景なはずだろ!楽しい楽しい、下校の時間のんじゃないのか!
 なのに、なんでこんなことに!
 と、ふと俺は葵の方を見てしまった。
 そこには、あり得ないぐらいニコニコで、笑顔な葵がこっちを見ていた。
 てか、怒ってる?感情と顔が真逆な気がするんですがっ......!?

「あっ、そうだった......!実は悠くんに話があったんだった」

 なんでだろう。めちゃくちゃ嫌な予感がするんだけど......。
 だから、俺は恐る恐るそう訊いた。

「えっと、なに?」

「その、今からに遊び来ない?もちろん、さんも」

 なんか、赤里は渋々といった感じだったような気がしなくもないが、たぶん気のせいだろう。気のせいだと信じたい。

「えっと、俺は別に構わないよ?このあとは、特に用事があるわけでもないし、せっかくだから」

「あの、誘って頂けたのはとても嬉しいのですが、すいません。私は用事があるので......」

 どうやら、赤里は来ないようだった。
 本当に用事があるのかということは、ちょっと気になるところではあるが、来られたら来られたで大変なことになりそうだから、それでよかったのかもしれない。
 と、俺は緊張が解けたからなのか、それとも空気が変わったからなのか、「はぁ......」と、思わず大きなため息を吐いてしまった。

ピロリン//

 そこで、俺の携帯が鳴る。
 俺は、少しバツの悪い気持ちになりながらも、誰からの連絡か確認する。
 それは、からの連絡だった。
 いや、すぐそこにいるんだから、直接話せばいいだろ!なんで、わざわざ連絡してきたんだよ!
 と、そんなことを思いながらも、連絡の内容を確認してみる。
 そこには、『言ったら......わかってるわよね?』ということだった。
 いや、こわっ......!普通にこれは、怖すぎるんだけど。
 てか、俺への信用はゼロかよ。
 いや、さっき響鬼に言おうとしてた俺が言えることではないけどもさ。
 でもさ、少しぐらい信用してくれてもよくないか?俺だって、約束ぐらい守れるっての。
 いや、まあ言いそうになることはあるけどもさ。
 と、そこで、赤里が俺の方を見ていることに気づいた。
 だから、コクコクと俺は頷いた。
 赤里は満足したのか、視線をもとに戻した。
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