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EP6_① 泡姫の竪琴
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チュン……チュンチュン……♪
「んむ?……ふわぁ~♪」
高らかに囀る鳥の声と、窓から差し込む陽光の眩しさに当てられて、セレアは目を覚ました。
可愛らしい欠伸と共に体を起こすと、掛け布団に覆われて隠されていた卑猥な上半身が、温かな日差しの元にまろび出る。
「昨日は途中で寝ちゃって……あらっ♡」
下腹部に異物感を覚えたセレアが目線を落とすと、彼女はヴィルを下敷きにしていた。
股ぐらに突き刺さったままの肉棒は、最盛期に比べると幾分か萎縮している。
だが、それでも強烈な巨根には違いない。だからこそ、眠っている最中も膣から抜けなかったのだ。
「んっ♡…………えいっ♡」
ゆっくりと、ヴィルを起こさぬように体を持ち上げたセレア。
膣内を擦れる快感に身を捩りながら腰を上げ、鞘に収まっていた魔剣を引き抜く。
「フフッ♡ 先にお風呂入ってるね……ちゅっ♡」
ヴィルの頬にキスをすると、ドアの方へと向かう。だが、出て行く寸前になってクルリと向きを変えた。
「……あら? これって、お風呂よね?」
扉の真横に別のドアがあり、開けるとそこはこじんまりとした風呂場だった。
普通の家屋にも存在する、ありふれた浴室。小さな鏡とシャワー、やや大きめのバスタブにタイル張りの壁と床。
(今日はここで良いや!)
昨日のように、"変な男"に乱入されては堪らないと思った彼女は、あえて小さな風呂に入る事にした。
~~~~~~~~~~
「あぁ~……やっぱり、小さいお風呂の方が落ち着くわ……♪」
頭からシャワーを被って、長く煌びやかな髪を洗い流すセレア。
止めどない色香を放ちながらも、どこか気品と母性を感じさせる女体。
その美しいシルエットを覆うように漂う湯気と、蒸気から生じた僅かな虹。
彼女の正体を知らぬ者が見れば、ソレは"泉で水浴びする女神"のように美しく、神々しい姿だった。
本人は必死になって"淫らな牝牛"に徹しているが、やはり王族として備わった"生来の品格"とも呼べる物は隠し切れないのだ。
「朝のシャワーが、いつにも増して気持ち良い……♪
はわぁ~……汗だくエッチの後はぁ~……お風呂に限るわぁ……♪」
セレアは正に「極楽極楽♪」と言わんばかりの、蕩け切った笑みを見せていた。
可愛らしい吐息と共に、"幸福な感情"を想うがままに口に出す。
何の変哲もないシャワーに、これほどの幸せを感じられる庶民派な感性もまた、彼女の魅力の一つだった。
(ヴィル君とのエッチ……とっても良かった……♡
思い出すだけでも胸がドキドキして、お腹がキュンキュンしちゃう……♡)
湯で逆上せたからか、それとも心がときめいたのか。彼女の頬は真っ赤に染まった。
(心無しか、体の調子が良いわ♪
いつもより体がポカポカして、肌のハリも良いもの♡)
思わず、「それは湯船の効能では?」と言いたくなるが、淫魔の場合は話が違う。
濃厚で上質な魔力を大量に摂取すれば、体調が変化して当然。今の彼女は、全身に生命力が漲っている。
(昨日の分、全部消化されてる……やっぱり、ヴィル君の精液は質が良いわね……。)
下腹部を探るように摩りながら、セレアは何かを確認した。それは、淫魔の"食性“と呼ぶべき物である。
簡単に言えば、淫魔の子宮は生殖器であると同時に、"消化器官"なのだ。
人間の精液がそこに流入すれば、魔力やタンパク質、アミノ酸などに分解し、体内に直接取り込む。淫魔は、そう言った形でもエネルギー変換が出来る。
そんな中、セレアの表情は少し曇った。
それもその筈、この性質は栄養補給が容易になる反面、彼女にとっては"悲しい要素"でもあるのだ――。
(ごめんねヴィル君……けど、これは仕方のない事だから……。)
子を成す為に送り込まれた命の種が、無残に食い荒らされる様子を思い浮かべると、些か申し訳なくなる。
ごく稀に食べられず、精液が胎内に残ったままになる事があるが、それで妊娠する事も無かった。
どちらにせよ、これまでに交わって来た夥しい数の人間の精液が、全て"無駄死に"して来たのが事実だ――。
「はぁ……。 便利だけど、不便な体だわ。 いっその事、出来ちゃった方が結婚も楽なのに……。」
セレアの恋愛対象は"上限"こそ高いが、"下限"も中々に低い。
正直、"真っ当な倫理観"と"頼りになる人間像"と"体の相性"という条件さえクリアしたなら、たとえブサメンでも結婚できる。
(居ないんだなぁ……これが……。)
だが、そんな相手は中々いない。
いかんせん、選り好み可能だからこそ、逆に婚活に苦労している。
いっその事、誰かの子を孕まされてしまえば、その男で妥協して幸せになれる筈なのだ。なのに、それすら出来ない。
(ヴィル君、セックスは伸び代あるし、とっても良い子なんだけど……頼りに……頼りに……う~ん……。)
正直、ヴィルは頼りない。
肥満気味な体型もそうだが、伴侶として子を設けるには"肝っ玉"が小さ過ぎる。
厳しい事を言うようだが、やはり彼と本気で結ばれるのは難しいだろう。と、彼女は思っていた。
(それに、そもそも赤ちゃんは出来ないし……。)
否、これは問題ではない。
そもそも彼女がハーフな時点で、彼女自身も知らない"抜け道"は存在する。
「あぁ~! もう良いや! あとで考えよっ!」
"クヨクヨ悩むのは自分らしくない"と考えたセレアは、湯に顔を埋めて思考を放棄する。
考えても、すぐに答えが出る物でもない。それ即ち、今考える事ではないのだ。
「大体! 淫魔のお腹は、ガードが硬すぎるわ!
食性だから仕方ないにしても、人間と赤ちゃんが作れないって、種として欠陥じゃないの……。
聞いてますか神様ぁ……。 貴方の作った体のせいで、私すごく困ってますぅ……。」
天井に向かって不平を叫び、セレアは憤慨する。
淫魔族の体を作った創造主に対して、「なんて事してくれたの!」と言わなければ気が済まないのだ。
そんな中ふと、セレアの中に"ガードが硬い"と言う単語に対する記憶が浮かぶ――。
(うわ、なんか"くだらない下着の広告"に出たの思い出しちゃった……。)
"防御力が高い下着"と言う魔法耐性が極限まで向上した下着の広告に、モデルとして出た時の話だ。
(キャッチコピーは……"あなたのスペル・魔法じゃ、私の宝は奪えない"……だったかな?
いや、くだらなすぎる……深夜テンション過ぎでしょ……///)
酔いが回った時に考えた謳い文句だったが、今思うと馬鹿馬鹿しいにも程がある。
冷静になって考え直すと、羞恥心が溢れ出して来た。変な笑いが込み上げて、赤面と共にニヤけてしまう。
だが同時に、虚しさも押し寄せてくる――。
「でも、正直奪って欲しい……と言うか、誰か奪ってください……。
私と赤ちゃんを作ってくれる素敵な旦那様は、一体どこに居るの……?」
セレアは不服そうに頬を膨らませると、鏡の中の自分を睨み付けた。
そしてすぐに「自分を見つけてくれない運命の相手」にも、「運命の相手を見つけられない自分」にも、同じように非があると思い、大きな溜息を吐く。
(全然居ないなぁ……運命の殿方……。)
まさか自分が、『運命の殿方』を思いっ切り"育成中"だとは、微塵も思っていないようだ――。
因みに、その数週間後――。
(セレアが買えって言うなら、買っちゃおう!!!)
広告に誘われた彼女の友人が、例の下着を購入した。
図らずもそれは、巨大な竜と戦闘する"友人の命を救う"事となり、広告としては大成功であった。
「んむ?……ふわぁ~♪」
高らかに囀る鳥の声と、窓から差し込む陽光の眩しさに当てられて、セレアは目を覚ました。
可愛らしい欠伸と共に体を起こすと、掛け布団に覆われて隠されていた卑猥な上半身が、温かな日差しの元にまろび出る。
「昨日は途中で寝ちゃって……あらっ♡」
下腹部に異物感を覚えたセレアが目線を落とすと、彼女はヴィルを下敷きにしていた。
股ぐらに突き刺さったままの肉棒は、最盛期に比べると幾分か萎縮している。
だが、それでも強烈な巨根には違いない。だからこそ、眠っている最中も膣から抜けなかったのだ。
「んっ♡…………えいっ♡」
ゆっくりと、ヴィルを起こさぬように体を持ち上げたセレア。
膣内を擦れる快感に身を捩りながら腰を上げ、鞘に収まっていた魔剣を引き抜く。
「フフッ♡ 先にお風呂入ってるね……ちゅっ♡」
ヴィルの頬にキスをすると、ドアの方へと向かう。だが、出て行く寸前になってクルリと向きを変えた。
「……あら? これって、お風呂よね?」
扉の真横に別のドアがあり、開けるとそこはこじんまりとした風呂場だった。
普通の家屋にも存在する、ありふれた浴室。小さな鏡とシャワー、やや大きめのバスタブにタイル張りの壁と床。
(今日はここで良いや!)
昨日のように、"変な男"に乱入されては堪らないと思った彼女は、あえて小さな風呂に入る事にした。
~~~~~~~~~~
「あぁ~……やっぱり、小さいお風呂の方が落ち着くわ……♪」
頭からシャワーを被って、長く煌びやかな髪を洗い流すセレア。
止めどない色香を放ちながらも、どこか気品と母性を感じさせる女体。
その美しいシルエットを覆うように漂う湯気と、蒸気から生じた僅かな虹。
彼女の正体を知らぬ者が見れば、ソレは"泉で水浴びする女神"のように美しく、神々しい姿だった。
本人は必死になって"淫らな牝牛"に徹しているが、やはり王族として備わった"生来の品格"とも呼べる物は隠し切れないのだ。
「朝のシャワーが、いつにも増して気持ち良い……♪
はわぁ~……汗だくエッチの後はぁ~……お風呂に限るわぁ……♪」
セレアは正に「極楽極楽♪」と言わんばかりの、蕩け切った笑みを見せていた。
可愛らしい吐息と共に、"幸福な感情"を想うがままに口に出す。
何の変哲もないシャワーに、これほどの幸せを感じられる庶民派な感性もまた、彼女の魅力の一つだった。
(ヴィル君とのエッチ……とっても良かった……♡
思い出すだけでも胸がドキドキして、お腹がキュンキュンしちゃう……♡)
湯で逆上せたからか、それとも心がときめいたのか。彼女の頬は真っ赤に染まった。
(心無しか、体の調子が良いわ♪
いつもより体がポカポカして、肌のハリも良いもの♡)
思わず、「それは湯船の効能では?」と言いたくなるが、淫魔の場合は話が違う。
濃厚で上質な魔力を大量に摂取すれば、体調が変化して当然。今の彼女は、全身に生命力が漲っている。
(昨日の分、全部消化されてる……やっぱり、ヴィル君の精液は質が良いわね……。)
下腹部を探るように摩りながら、セレアは何かを確認した。それは、淫魔の"食性“と呼ぶべき物である。
簡単に言えば、淫魔の子宮は生殖器であると同時に、"消化器官"なのだ。
人間の精液がそこに流入すれば、魔力やタンパク質、アミノ酸などに分解し、体内に直接取り込む。淫魔は、そう言った形でもエネルギー変換が出来る。
そんな中、セレアの表情は少し曇った。
それもその筈、この性質は栄養補給が容易になる反面、彼女にとっては"悲しい要素"でもあるのだ――。
(ごめんねヴィル君……けど、これは仕方のない事だから……。)
子を成す為に送り込まれた命の種が、無残に食い荒らされる様子を思い浮かべると、些か申し訳なくなる。
ごく稀に食べられず、精液が胎内に残ったままになる事があるが、それで妊娠する事も無かった。
どちらにせよ、これまでに交わって来た夥しい数の人間の精液が、全て"無駄死に"して来たのが事実だ――。
「はぁ……。 便利だけど、不便な体だわ。 いっその事、出来ちゃった方が結婚も楽なのに……。」
セレアの恋愛対象は"上限"こそ高いが、"下限"も中々に低い。
正直、"真っ当な倫理観"と"頼りになる人間像"と"体の相性"という条件さえクリアしたなら、たとえブサメンでも結婚できる。
(居ないんだなぁ……これが……。)
だが、そんな相手は中々いない。
いかんせん、選り好み可能だからこそ、逆に婚活に苦労している。
いっその事、誰かの子を孕まされてしまえば、その男で妥協して幸せになれる筈なのだ。なのに、それすら出来ない。
(ヴィル君、セックスは伸び代あるし、とっても良い子なんだけど……頼りに……頼りに……う~ん……。)
正直、ヴィルは頼りない。
肥満気味な体型もそうだが、伴侶として子を設けるには"肝っ玉"が小さ過ぎる。
厳しい事を言うようだが、やはり彼と本気で結ばれるのは難しいだろう。と、彼女は思っていた。
(それに、そもそも赤ちゃんは出来ないし……。)
否、これは問題ではない。
そもそも彼女がハーフな時点で、彼女自身も知らない"抜け道"は存在する。
「あぁ~! もう良いや! あとで考えよっ!」
"クヨクヨ悩むのは自分らしくない"と考えたセレアは、湯に顔を埋めて思考を放棄する。
考えても、すぐに答えが出る物でもない。それ即ち、今考える事ではないのだ。
「大体! 淫魔のお腹は、ガードが硬すぎるわ!
食性だから仕方ないにしても、人間と赤ちゃんが作れないって、種として欠陥じゃないの……。
聞いてますか神様ぁ……。 貴方の作った体のせいで、私すごく困ってますぅ……。」
天井に向かって不平を叫び、セレアは憤慨する。
淫魔族の体を作った創造主に対して、「なんて事してくれたの!」と言わなければ気が済まないのだ。
そんな中ふと、セレアの中に"ガードが硬い"と言う単語に対する記憶が浮かぶ――。
(うわ、なんか"くだらない下着の広告"に出たの思い出しちゃった……。)
"防御力が高い下着"と言う魔法耐性が極限まで向上した下着の広告に、モデルとして出た時の話だ。
(キャッチコピーは……"あなたのスペル・魔法じゃ、私の宝は奪えない"……だったかな?
いや、くだらなすぎる……深夜テンション過ぎでしょ……///)
酔いが回った時に考えた謳い文句だったが、今思うと馬鹿馬鹿しいにも程がある。
冷静になって考え直すと、羞恥心が溢れ出して来た。変な笑いが込み上げて、赤面と共にニヤけてしまう。
だが同時に、虚しさも押し寄せてくる――。
「でも、正直奪って欲しい……と言うか、誰か奪ってください……。
私と赤ちゃんを作ってくれる素敵な旦那様は、一体どこに居るの……?」
セレアは不服そうに頬を膨らませると、鏡の中の自分を睨み付けた。
そしてすぐに「自分を見つけてくれない運命の相手」にも、「運命の相手を見つけられない自分」にも、同じように非があると思い、大きな溜息を吐く。
(全然居ないなぁ……運命の殿方……。)
まさか自分が、『運命の殿方』を思いっ切り"育成中"だとは、微塵も思っていないようだ――。
因みに、その数週間後――。
(セレアが買えって言うなら、買っちゃおう!!!)
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