転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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久しぶりのお父様

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パッ

「うぉ?!ん?ティアナ」

「んー、成功成功。お父様こんな時間にすみません」

「いや、時間はまだ8時前だし大丈夫だが、今日はどうした?」

「お話する前にビアンカを呼んで貰えますか?」

「ビアンカかブラウン、ビアンカを呼んでくれ」

「かしこまりました。」
「じぃ、ありがとう」

パタン
お父様とソファーに座る
「さてと、ティア学園はどうだい?」

「友達も出来てとても充実していますわ」

「そう、それは安心だな」

トントン
「旦那様、ビアンカを連れてまいりました。」
「入ってくれ。」

カチャ

「!お嬢様!!?どうされたんですか?学園で何かございましたか??」

「ビアンカ落ち着いて、とりあえず座って」ティアナは苦笑いをする。
「はい、取り乱してすみません」

「で、ティアナ今日はビアンカまで呼んでどうしたんだい?」

「実は私カリンナとお友達になりましたの」

ガタンッ
「カリンナとですか!!!何か嫌な思いでもなさいました?!」

ん?

「なんで、カリンナとお友達になったと話したらすぐそういう話になるのかしら?」

「え…いえ…。」

「カリンナはとても素直で優しい子ですわ。」

「ええ、そうなのですが、とても誤解されやすい子なので…ずっと心配をしていて…。」

「そう…。」

「それで、ティアナはそのカリンナさんの事で来たのかな?」

「ええ…そうなのです。」

「カリンナの事と申しますとどうかされましたか?」ビアンカが心配そうにティアナに聞く。

「カリンの事を地味だと、姉の方が良かったとか暴言をはく婚約者をどうにかして頂けないかしらお父様?」

「ん、ティアナの友達にそんなひどい婚約者がいるのかい?」
「ええ…そうなのです。昔からそう言われていると、とても悲しそうに話していました。私はこういう時にこそ、権力を使うべきだと任せてほしいと言って出てきたのですわ」

「なるほど。ティアナにとってその友達はとても大切なんだね」

「ええ。とても大切な大事な友達です。」

「ビアンカはその事を知っていたのかい?」

「…………はい。。」

「カリンは、お姉様の婚約者はとても優しく優秀だと。」

「……その通りです。」

「ビアンカは、カリンが嫌いなのかしら?私にとってビアンカは姉のような存在で私にはとても優しく時には助言もしてくれる。とても頼もしい人なのに。」

正直とてもショックだった。

「実は…。カリンナは知らない事なのですが…。私の母とカリンナの母は違うのです。」

「この女性が少ない世界で…カリンナのお母様がビアンカのお父様の後妻ということなの?」
後妻をむかえるのはこの世界ではとても珍しい事だった。なぜなら女性が少ないからだ。
ましてや、ビアンカの所には父違いの兄達がいる。

「私の母は、私の父を含め兄達の父四人の夫がいたのです。しかし、私の母は元々体が弱く、私が17の時に亡くなってしまいました。母が亡くなった翌日…。父は6歳の娘と今の母を連れて突然屋敷に来たのです。まぁ、私はティアナ様のお側に常にいられましたし、こちらのお屋敷のメイドや侍女用の住居に移れたので良かったのです。私は…母に隠れて浮気をしていた父が許せません。もちろんカリンナにはなんの罪もありません。それは理解しているのですが…。正直まだ複雑なのです。」

そんな事情が…。

「そして、その事実は従兄弟や兄達も知っているのです。」それって…もしかして…。

「ええ…お嬢様の考えている事であっています。従兄弟も兄達も母がとても大好きでした。優しくて、お花がとても大好きだったお母様…。その母を裏切った父と、その相手のお母様。そしてその結果のカリンナを、みんな大変嫌っているというか…憎んでいるという方が近いですわね…。」

「……そんな事が…。」

「人の気持ちは複雑だからね。」

「私は…。優しいカリンが大好きなのです。大人達の事実はわかりませんわ。それでも。カリンには…そんな大人達の事情など一つも関係ないと思います!!生まれてくる場所は自分では選べないのです!!」バンッ

「そ、そうですね…。」

「ああ…そうだな。」

「カリンの婚約を全て解消してください。本人が望んでいます。カリンには、大人たちの思惑関係なく、望まれて幸せになってもらいます。私が守りますわ!!」

「お嬢様…。」


「ティアナの気持ちは分かった。私もティアナの友達には幸せになってもらいたいよ。今度会わせてくれるかい?」
「ええ、もちろんですわ」

「お嬢様…すみません。私…。分かっていたのに…。心の中では…。あの子を宜しくお願い致します。」
ビアンカは泣いていた。

「さて、どうするかな…。婚約解消かぁ…。この一件私に任せてくれるかい?」

「旦那様にお任せ致します。妹を宜しくお願い致します。」ビアンカは頭を下げる。

「お父様宜しくお願い致します。またフォンでご連絡お願い致します。」

「ああ、分かった。」

「ビアンカ、カリンは多分ビアンカのことが好きだと思うわ。次会うときは、親とか何も考えずに接してみて貰えたら私は嬉しいわ…。ごめんなさい。貴女の気持ちは痛いくらいわかるのだけど…。」

「はい、お嬢様…板ばさみみたいな事になってしまって。申し訳ありませんでした。」
また頭を下げる。
「もう、頭を下げる必要はないわ。じゃぁ、私はもう行くわね。では失礼致しますわ」

「ああ、ティアナまたね」
「お嬢様ありがとうございました。」

ティアナは二人に手を振った。
「フルール」
パッ
「ふぅ~。ただいま。シトリン、トパーズ」

「おかえりー」

「おかえりにゃん」

「なんか、人生色々あるんだね~。なかなか難しいわぁ…。」

「ティア…まだ10歳なのにその発言はどうかと思う。」

「すでに人生を分かった物言いだにゃん」

「だってさ、子供は親を選べないのよ。」ティアナはベッドに横になる。
私の前世の幼なじみ。蓮だって。もし親を選べたらあんな死にかたしなかったはずだわ。
あー、嫌なことを思い出したわ。
お風呂にお湯を入れてきましょ。

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