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砂漠の国の殿下…まさかの再会
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ガヤガヤ ガヤガヤ
何を争っているのかしら……
「殿下!!!なぜいつもいつも単独の行動をなさるのですッ!!!!」
「そら、何処かに出掛けたい時にお前が側にいないし、いちいち一言言う時間があるなら転移でぱぱっと行って帰って来れるだろ?」
ふむふむ ふむふむ
すんごい分かる!!!!
つい…自然とうんうんと頷くティアナ
「大体!殿下といったって、第4王子だし、別に取り分け治安が悪い訳では無いだろ??周りが敏感になりすぎなんだよな」
うんうん 分かるわかる!!!!
ん??話している殿下にじぃぃぃっと見られているような…………。
「おい、そこの女」
ざわつく周囲……女???女が居るのか!?街に????
そう言えば…この国街に女性や女の子はいなかったなぁ……。いくら少ないとは言え、ここまで一人もいないのは不自然だわ……。
自分を指差すとうんうんと頷く殿下
あ~これ…嫌な予感??
もしかして………
「そこの女は何者だ??この国の者ではないだろ?肌の色も違うしなにより、天使のように愛らしい……コホン」
なんだか…顔を赤らめている…
「ティアナ!!!!お前は!?何を勝手に行動をしているだ!!っと……ああ……なんだか…この後の展開が既に読めた俺……」
「ええ…そうですね…」
「さすがティアね…」
「ごめんなさい…なんか自然に足がふらふらっと……」
「創世神様の導きか………厄介な…」
「シュウ……聞かれていますよ創世神様に…」
「………ああ…」
「おい、そこの!!俺を無視して話を進めるな!!」
「あ………すみません俺はこの姫君の婚約者なので…」
「私もこの姫君の護衛件婚約者なので…」
「私は親友なので」
ざわつく周囲………それもそのはず…
この国は女性は大切に大切に屋敷や家の中で基本外に出ることなく男達が甲斐甲斐しく世話をし、欲しい物は男たちが取り寄せたり、買いに
出たりと家から出ることがない。
出るのは、大抵屋敷の庭位だ。
「ここでは目が付きすぎるので、移動しませんか?」
シュウが殿下と侍従に提案をする。
「ああ、そうだな…」
「それが良いですね」
「では私が転移魔法を使いますので宜しいですか?」
「「はい」」
そして、本日ドームテントを置く予定地に殿下と侍従を含め転移をした。
ティアナはマジックバッグから
ドームテントを出した。
もちろんウッドデッキも!
「なっ!?なんだこれは!?」
「家ですか??」
「これは、この規格外が作った、テントですよ。さ、中に入りましょうか」
ぞろぞろと全員中に入り、椅子やソファーに座る。
ティアナは紅茶をそれぞれに入れて
空間にしまっておいたマドレーヌやクッキーも添えて出した。
「改めて、わたくしは、ストーン王国筆頭公爵家、ルイが子ティアナ.ロゼ.ローゼリアと申します。一応王位継承があり、叔父が国王陛下、祖父が前国王、そして第2王子殿下が婚約者におります、あとこちらにいる2名も婚約者になりますが、国に他にも婚約者がおります」
「なるほど……ストーン国の姫君だったか……」
「ええ、貴方の意見につい…その…賛同してしまい…お恥ずかしいですわ」
ニコッ
「お互い……一人では行動出来ないものな……」
「ええ、皆過保護で、特にこのシュウは……」
「はあぁぁ??お前が規格外でいつもやらかすからだろ!!!どれだけいつも皆が心配していると思っているんだ!!」
「は、はい……ごめんなさい…」
「殿下もですよ!!!」
「はい、すみません…です…」
ティアナも殿下もしゅぅぅと小さくなる…苦笑
「俺はこの砂漠の国、サンドーナ国の第4王子で、名はムーンライト.サンドーナという」
ん??ムーンライト???なんか英語……ちっくな…名前ね……
「その……ストーン国のティアナ姫君と言うことはその…あのティアナ商会と何か繋がりがあるのか??」
は???こんな遠い国にまでうちの店が知られているの??
「え!?あの、あそこの商品は全てわたくしが考えて作ったものです…」
「なっ!?それはまことか!!」
ムーンライトは瞳を見開く
「はい……」
「これから!少しでいいから母上に会って貰えないだろうか!!!」
「なっ!?王妃様にですか??」
なぜ…突然……
「我が前にその…転移でストーン国のあの店でお煎餅というものを買って帰って母上に渡したら…突然懐かしいと泣き出して……」
「なっ!?」
もしかして……王妃様は転生者か…転移者なのかしら……
「その…母上は稀人なのだ……日本国という所から突然飛ばされて来たらしい…」
「分かりましたわ…王妃様にお会いしてお話してみますわ」ニコッ
「あ、ありがとう!!!」
「そのかわり、ここに居るわたくしの婚約者2名と親友も共に宜しいですか?」
「ああ!もちろんだ!!ならこのまま転移して行こう!!」
「ええ、分かりましたわ」
6人で手を繋いで城に転移をした。
わぁ~砂漠の国という感じのお城ね~素敵だわ。
ムーン様も褐色の肌に彫りの深い顔立ちに青い瞳で髪の毛は金髪とても美形で素敵だけど……。
「なぁ…これ絶対導きだろ?」
コソコソとシュウがティアナの耳元で囁く。
「わ、分からないけど……素敵だなとは思うけど……」
「導きだろそれ…」
「なのかな……」
サイフォンとシュウは苦笑している。
「母上、客人を連れてきました」
「どうぞ、入って」
ガチャ
王妃様がこちらを向いた……
は????なんで……どうして……
春がいるの???
涙が自然とティアナの顔をつたう。
「あら…どうしたのかしら?」
王妃様がティアナの涙をハンカチでぬぐってくれる。
「春……」
「え…!?」
王妃の目が見開く
「なぜ…その名をしっているのかしら…わたくし…この世界では…その名はつかっていないのよ…」
「うううっ……春ぅ~一緒にお花見する約束守れなくてごめん~はるぅ」
王妃の瞳からもポロポロと涙が流れる……
「お花見って……もしかして…もしかして咲良なの???嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ~うわぁ~んはるぅ~」
二人は抱き合ってわんわん泣いた。
まわりはあ然と見守るだけだ…。
二人は落ち着くと、ソファーに座り…お互いのことをゆっくりゆっくり話した。
そして、蓮と響介もこの世界に転生していて咲良の婚約者だと知ると
笑いながら相変わらずねと言っていた。
春は転移して…不安な所を街で偶然この国の王太子と知り合って恋愛結婚したのだそう。
あと、お煎餅の店が咲良の店だと知るととても喜んでまた買うわ!と張り切って言っていた苦笑
春にも、飴大瓶2個と、桜餅と
サンダル二足、マッサージ機
この国用に作った服を一式
入浴剤、ヘアクリーム、美容クリーム、日焼け止めをテーブルに並べて
プレゼントすると泣いて喜んだ。
あと、いつでも話せるように春だけが使えるように組み直して、魔導フォンもこっそり渡しておいた。
「ねぇ、咲良」
「なに?春」
「うちのこの子を貰ってやってくれない?」
「ムーンライト殿下を??」
ムーンライトは顔を真っ赤に染めた
「ええ、見ての通りどうやら貴女に惚れたようなのよ…今まで他の令嬢を紹介されても…嫌の一点張りだったのに…女性が少ない世界だからこの子の結婚は諦めていたの…」
「そう……ムーンライト殿下はどのようなお気持ちなのですか?」ニコッ
「俺は……その…ティアナ姫に…心を奪われて…その…婚約者にお願い致します」頭も下げるムーンライト
目配せでシュウとサイフォンを見ると頷く。
やっぱり導きよね…。
「ええ、お受け致しますわ」ニコッ
「ありがとう、今はティアナというのね、ティアナ。それと…あともう一人お願いしたいの…」
「は??あともう一人ってなに?春」
「この子の双子の兄なのだけど…多分貴女に惚れると思うの」苦笑
「え!?そんなの分からないじやわない!!」
「分かるわよ……ねぇ、ムーン」
「はい…間違いなく…チェリーは…」
「チェリーというお名前なの??」
「ふふ、貴女の名前を貰って、チェリーブロッサムというの、ちなみに第一王子は、サクラーノというのよ」ふふ
「春……どれだけ私が好きなのよ……」
「咲良が事故で死んで、失意のまま、同じ世界に飛ぶくらい大切で大好きな親友よ」ニコッ
「春……突然死んでごめんなさい…」
「本当よね、きっと蓮と響介も私と同じ失意で転生したのね」
「でも、蓮のほうが先に亡くなったのよ……」
「あら?貴女の記憶はそうなの??事実は違うけれど…」
「え!?」
⟨⟨今はまだその話はする必要はない、
人間の娘春よティアナにはいずれ話す時が訪れる、それまで胸に秘めておけ⟩⟩
「え!?今の声は…??」
「創世神様よ……私は愛し子なの…創世神様と女神様…そして、ラファエロ大天使様の祝福も受けているのよ」
「………相変わらずの規格外なのね」
クスクス
「相変わらずってなに??」
「貴女は前世でも、あれだけの家事をこなしながら、常に成績はトップで運動神経もよくて、皆を惹きつけられるカリスマ性もあって規格外だったじゃない?」クスクス
「……………やっぱりティアナはティアナなんだな…」シュウも苦笑
「ええ、お嬢様はお嬢様ですね」
サイフォンも苦笑
「ふふ、本当、ティア大好きよ」
「あら、貴女は今の咲良の親友なのね」
「はい!」
「今後はお互い咲良の親友としてこの規格外の姫君を協力して守っていきましょうね」
「はい!!王妃様!!」
なぜか…春とカリンが熱く握手を交わしている。
トントン
「母上お呼びですか?」
ムーンとは少し違う顔立ち。
何処となく春に似ていて褐色で
瞳はムーンと同じブルーの瞳で金髪
顔立ち以外はよく似ている。
ムーン殿下は男らしい顔立ちだけど、チェリー殿下は中性的な顔立ちなのね。
「この姫君はわたくしのとても大切で大好きな親友なの、そしてムーンが一目惚れして婚約を受けてくれたのよ」
チェリーはティアナを一目見ると顔を真っ赤にして固まってしまった。
分かりやすい……とても…
「ね、私のいった通りでしょ?」
「ええ…そうね…」
シュウとサイフォン、カリンとムーンも頷く。
「母上!!!私も!!この姫君の婚約者になりたい……です…」
「わたくしに言わず、直接ティアナ姫にお願いなさいな…」
「ティアナ姫君、私はこの国の第三王子で、名前がチェリーブロッサム.サンドーナも申します。得意な事は魔法です…。あと、魔導具作りを…もし良ければ…私の婚約者になって頂けないでしょうか、その…一目みた瞬間稲妻な様な物が走りまして…」
100%導きじゃねーかという…
シュウとサイフォンの心の声が聞こえそうね……。
「ええ、喜んでお受け致しますわ。その私には…婚約者が沢山おりますの…皆私の家に住んでいるのですが…どうなさいますか??」
「咲良、婚約者って何人いるの??」
「12人よ…」
「ティアナの婚約者は全員王族及び貴族です」
シュウが補足する。
「そう、その愛らしさと美しさ、咲良の頃からの規格外を持ち合わせた上に愛し子なら理解できるわね」クスクス
「ふふ、この双子も宜しくね親友」
「ええ、こちらこそ宜しくね親友」
ふふっと二人で微笑む
「母上とその…姫君は親友なのですか??」
チェリーは不思議そうな顔で聞く
「ええ、姫君の前世がわたくしと同じ場所で親友だったのよ、というか今も親友ね」ニコッ
「そうですか…」
「あ、そうだわ…ムーンとチェリーと呼んでもいい?」
「「もちろん!!」」
「なら、わたくしのこともティアかティアナと呼んで」ニコッ
「「はい!!」」
「で、この男性用のサンダルをそれぞれどうぞ」ニコッ
「こ、これは靴なのですか?!」
「ええ、そうよ。日焼け防止効果をつけてあるから素足で履いてね」
早速素足で履いている二人
「うわぁ……これはいいですね…」
「涼しくて…最高です…」
「あと、この冷風がでるショールもどうぞ、あ!春にはさっき服と一緒に渡したわよ!」
「ありがとう咲良、あらほんと!!冷たい風が出るのね~最高!!」
「こっちの世界エアコンないから…そのうち作る予定よ…」
「!?絶対欲しい!!!!」
春の瞳がキラキラしてる。
「クスクス、とりあえずじゃ、商品登録したからこれをあげるわ。今頃うちの商店で売り出してる頃だしね」
「こ、これは!!!扇風機!!!」
「ええ、そうよ!一応タイマーはついてて、魔石がはいっているから魔力を流せば使えるのだけど、春は魔力あるの??」
「ないの………」
「空の魔石ある?」
「ある!!」
バタバタと春は走って空の魔石をたん盛りもってきた…
「ずいぶんすごい量ね」クスクス
それに手を添えて一気に魔力を流した…一瞬で大量の魔石が魔力満タンになる。
王子2名は絶句である。
「クスクス、この姫君は規格外でね…魔力が無限なんだ」
「「なっ!?」」
「魔石全部に魔力MAXにしておいたからあと90年位はもつと思うわよ」クスクス
「ありがとう~咲良!!!!!」
ぎゅぅぅっと抱きつく春
「ふふ、どう致しまして、この魔石があればマッサージ機も扇風機も使えるわよ。」
「ううっ、嬉しい…ありがとう」
「あ、あと…お腹空いてる?」
「……そう言えば少し??」
春の前のテーブルに…空間から
唐揚げ、ハンバーグ、ポテトサラダ
あと、オムライスも出した。
味噌汁も。
空間なので、出来立てホヤホヤである。
「なっ!!!!!咲良の!!!手料理!!」
「そうそう、米もゲットしたのよ」
「えーーーー羨ましい!」
「魔導炊飯器も作ったの、ふふ」
「いいなぁ……魔導炊飯器はあるんだけど、米が私自分で栽培しているのよね…たまに転移で持ってきてあげるわよ」
「!?嬉しいぃ…咲良~」
「さ、温かいうちに食べてね」ニコッ
「いただきます…んーーー美味しいぃーーお米だぁ~唐揚げもあるぅ」
春は嬉しそうに食べていた。
二人の殿下も初めての料理に目をキラキラさせて食べていた。
シュウ…サイフォン…カリン…
そんな目をしなくても…テントに戻ったら出すわよ…。もう!
何を争っているのかしら……
「殿下!!!なぜいつもいつも単独の行動をなさるのですッ!!!!」
「そら、何処かに出掛けたい時にお前が側にいないし、いちいち一言言う時間があるなら転移でぱぱっと行って帰って来れるだろ?」
ふむふむ ふむふむ
すんごい分かる!!!!
つい…自然とうんうんと頷くティアナ
「大体!殿下といったって、第4王子だし、別に取り分け治安が悪い訳では無いだろ??周りが敏感になりすぎなんだよな」
うんうん 分かるわかる!!!!
ん??話している殿下にじぃぃぃっと見られているような…………。
「おい、そこの女」
ざわつく周囲……女???女が居るのか!?街に????
そう言えば…この国街に女性や女の子はいなかったなぁ……。いくら少ないとは言え、ここまで一人もいないのは不自然だわ……。
自分を指差すとうんうんと頷く殿下
あ~これ…嫌な予感??
もしかして………
「そこの女は何者だ??この国の者ではないだろ?肌の色も違うしなにより、天使のように愛らしい……コホン」
なんだか…顔を赤らめている…
「ティアナ!!!!お前は!?何を勝手に行動をしているだ!!っと……ああ……なんだか…この後の展開が既に読めた俺……」
「ええ…そうですね…」
「さすがティアね…」
「ごめんなさい…なんか自然に足がふらふらっと……」
「創世神様の導きか………厄介な…」
「シュウ……聞かれていますよ創世神様に…」
「………ああ…」
「おい、そこの!!俺を無視して話を進めるな!!」
「あ………すみません俺はこの姫君の婚約者なので…」
「私もこの姫君の護衛件婚約者なので…」
「私は親友なので」
ざわつく周囲………それもそのはず…
この国は女性は大切に大切に屋敷や家の中で基本外に出ることなく男達が甲斐甲斐しく世話をし、欲しい物は男たちが取り寄せたり、買いに
出たりと家から出ることがない。
出るのは、大抵屋敷の庭位だ。
「ここでは目が付きすぎるので、移動しませんか?」
シュウが殿下と侍従に提案をする。
「ああ、そうだな…」
「それが良いですね」
「では私が転移魔法を使いますので宜しいですか?」
「「はい」」
そして、本日ドームテントを置く予定地に殿下と侍従を含め転移をした。
ティアナはマジックバッグから
ドームテントを出した。
もちろんウッドデッキも!
「なっ!?なんだこれは!?」
「家ですか??」
「これは、この規格外が作った、テントですよ。さ、中に入りましょうか」
ぞろぞろと全員中に入り、椅子やソファーに座る。
ティアナは紅茶をそれぞれに入れて
空間にしまっておいたマドレーヌやクッキーも添えて出した。
「改めて、わたくしは、ストーン王国筆頭公爵家、ルイが子ティアナ.ロゼ.ローゼリアと申します。一応王位継承があり、叔父が国王陛下、祖父が前国王、そして第2王子殿下が婚約者におります、あとこちらにいる2名も婚約者になりますが、国に他にも婚約者がおります」
「なるほど……ストーン国の姫君だったか……」
「ええ、貴方の意見につい…その…賛同してしまい…お恥ずかしいですわ」
ニコッ
「お互い……一人では行動出来ないものな……」
「ええ、皆過保護で、特にこのシュウは……」
「はあぁぁ??お前が規格外でいつもやらかすからだろ!!!どれだけいつも皆が心配していると思っているんだ!!」
「は、はい……ごめんなさい…」
「殿下もですよ!!!」
「はい、すみません…です…」
ティアナも殿下もしゅぅぅと小さくなる…苦笑
「俺はこの砂漠の国、サンドーナ国の第4王子で、名はムーンライト.サンドーナという」
ん??ムーンライト???なんか英語……ちっくな…名前ね……
「その……ストーン国のティアナ姫君と言うことはその…あのティアナ商会と何か繋がりがあるのか??」
は???こんな遠い国にまでうちの店が知られているの??
「え!?あの、あそこの商品は全てわたくしが考えて作ったものです…」
「なっ!?それはまことか!!」
ムーンライトは瞳を見開く
「はい……」
「これから!少しでいいから母上に会って貰えないだろうか!!!」
「なっ!?王妃様にですか??」
なぜ…突然……
「我が前にその…転移でストーン国のあの店でお煎餅というものを買って帰って母上に渡したら…突然懐かしいと泣き出して……」
「なっ!?」
もしかして……王妃様は転生者か…転移者なのかしら……
「その…母上は稀人なのだ……日本国という所から突然飛ばされて来たらしい…」
「分かりましたわ…王妃様にお会いしてお話してみますわ」ニコッ
「あ、ありがとう!!!」
「そのかわり、ここに居るわたくしの婚約者2名と親友も共に宜しいですか?」
「ああ!もちろんだ!!ならこのまま転移して行こう!!」
「ええ、分かりましたわ」
6人で手を繋いで城に転移をした。
わぁ~砂漠の国という感じのお城ね~素敵だわ。
ムーン様も褐色の肌に彫りの深い顔立ちに青い瞳で髪の毛は金髪とても美形で素敵だけど……。
「なぁ…これ絶対導きだろ?」
コソコソとシュウがティアナの耳元で囁く。
「わ、分からないけど……素敵だなとは思うけど……」
「導きだろそれ…」
「なのかな……」
サイフォンとシュウは苦笑している。
「母上、客人を連れてきました」
「どうぞ、入って」
ガチャ
王妃様がこちらを向いた……
は????なんで……どうして……
春がいるの???
涙が自然とティアナの顔をつたう。
「あら…どうしたのかしら?」
王妃様がティアナの涙をハンカチでぬぐってくれる。
「春……」
「え…!?」
王妃の目が見開く
「なぜ…その名をしっているのかしら…わたくし…この世界では…その名はつかっていないのよ…」
「うううっ……春ぅ~一緒にお花見する約束守れなくてごめん~はるぅ」
王妃の瞳からもポロポロと涙が流れる……
「お花見って……もしかして…もしかして咲良なの???嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ~うわぁ~んはるぅ~」
二人は抱き合ってわんわん泣いた。
まわりはあ然と見守るだけだ…。
二人は落ち着くと、ソファーに座り…お互いのことをゆっくりゆっくり話した。
そして、蓮と響介もこの世界に転生していて咲良の婚約者だと知ると
笑いながら相変わらずねと言っていた。
春は転移して…不安な所を街で偶然この国の王太子と知り合って恋愛結婚したのだそう。
あと、お煎餅の店が咲良の店だと知るととても喜んでまた買うわ!と張り切って言っていた苦笑
春にも、飴大瓶2個と、桜餅と
サンダル二足、マッサージ機
この国用に作った服を一式
入浴剤、ヘアクリーム、美容クリーム、日焼け止めをテーブルに並べて
プレゼントすると泣いて喜んだ。
あと、いつでも話せるように春だけが使えるように組み直して、魔導フォンもこっそり渡しておいた。
「ねぇ、咲良」
「なに?春」
「うちのこの子を貰ってやってくれない?」
「ムーンライト殿下を??」
ムーンライトは顔を真っ赤に染めた
「ええ、見ての通りどうやら貴女に惚れたようなのよ…今まで他の令嬢を紹介されても…嫌の一点張りだったのに…女性が少ない世界だからこの子の結婚は諦めていたの…」
「そう……ムーンライト殿下はどのようなお気持ちなのですか?」ニコッ
「俺は……その…ティアナ姫に…心を奪われて…その…婚約者にお願い致します」頭も下げるムーンライト
目配せでシュウとサイフォンを見ると頷く。
やっぱり導きよね…。
「ええ、お受け致しますわ」ニコッ
「ありがとう、今はティアナというのね、ティアナ。それと…あともう一人お願いしたいの…」
「は??あともう一人ってなに?春」
「この子の双子の兄なのだけど…多分貴女に惚れると思うの」苦笑
「え!?そんなの分からないじやわない!!」
「分かるわよ……ねぇ、ムーン」
「はい…間違いなく…チェリーは…」
「チェリーというお名前なの??」
「ふふ、貴女の名前を貰って、チェリーブロッサムというの、ちなみに第一王子は、サクラーノというのよ」ふふ
「春……どれだけ私が好きなのよ……」
「咲良が事故で死んで、失意のまま、同じ世界に飛ぶくらい大切で大好きな親友よ」ニコッ
「春……突然死んでごめんなさい…」
「本当よね、きっと蓮と響介も私と同じ失意で転生したのね」
「でも、蓮のほうが先に亡くなったのよ……」
「あら?貴女の記憶はそうなの??事実は違うけれど…」
「え!?」
⟨⟨今はまだその話はする必要はない、
人間の娘春よティアナにはいずれ話す時が訪れる、それまで胸に秘めておけ⟩⟩
「え!?今の声は…??」
「創世神様よ……私は愛し子なの…創世神様と女神様…そして、ラファエロ大天使様の祝福も受けているのよ」
「………相変わらずの規格外なのね」
クスクス
「相変わらずってなに??」
「貴女は前世でも、あれだけの家事をこなしながら、常に成績はトップで運動神経もよくて、皆を惹きつけられるカリスマ性もあって規格外だったじゃない?」クスクス
「……………やっぱりティアナはティアナなんだな…」シュウも苦笑
「ええ、お嬢様はお嬢様ですね」
サイフォンも苦笑
「ふふ、本当、ティア大好きよ」
「あら、貴女は今の咲良の親友なのね」
「はい!」
「今後はお互い咲良の親友としてこの規格外の姫君を協力して守っていきましょうね」
「はい!!王妃様!!」
なぜか…春とカリンが熱く握手を交わしている。
トントン
「母上お呼びですか?」
ムーンとは少し違う顔立ち。
何処となく春に似ていて褐色で
瞳はムーンと同じブルーの瞳で金髪
顔立ち以外はよく似ている。
ムーン殿下は男らしい顔立ちだけど、チェリー殿下は中性的な顔立ちなのね。
「この姫君はわたくしのとても大切で大好きな親友なの、そしてムーンが一目惚れして婚約を受けてくれたのよ」
チェリーはティアナを一目見ると顔を真っ赤にして固まってしまった。
分かりやすい……とても…
「ね、私のいった通りでしょ?」
「ええ…そうね…」
シュウとサイフォン、カリンとムーンも頷く。
「母上!!!私も!!この姫君の婚約者になりたい……です…」
「わたくしに言わず、直接ティアナ姫にお願いなさいな…」
「ティアナ姫君、私はこの国の第三王子で、名前がチェリーブロッサム.サンドーナも申します。得意な事は魔法です…。あと、魔導具作りを…もし良ければ…私の婚約者になって頂けないでしょうか、その…一目みた瞬間稲妻な様な物が走りまして…」
100%導きじゃねーかという…
シュウとサイフォンの心の声が聞こえそうね……。
「ええ、喜んでお受け致しますわ。その私には…婚約者が沢山おりますの…皆私の家に住んでいるのですが…どうなさいますか??」
「咲良、婚約者って何人いるの??」
「12人よ…」
「ティアナの婚約者は全員王族及び貴族です」
シュウが補足する。
「そう、その愛らしさと美しさ、咲良の頃からの規格外を持ち合わせた上に愛し子なら理解できるわね」クスクス
「ふふ、この双子も宜しくね親友」
「ええ、こちらこそ宜しくね親友」
ふふっと二人で微笑む
「母上とその…姫君は親友なのですか??」
チェリーは不思議そうな顔で聞く
「ええ、姫君の前世がわたくしと同じ場所で親友だったのよ、というか今も親友ね」ニコッ
「そうですか…」
「あ、そうだわ…ムーンとチェリーと呼んでもいい?」
「「もちろん!!」」
「なら、わたくしのこともティアかティアナと呼んで」ニコッ
「「はい!!」」
「で、この男性用のサンダルをそれぞれどうぞ」ニコッ
「こ、これは靴なのですか?!」
「ええ、そうよ。日焼け防止効果をつけてあるから素足で履いてね」
早速素足で履いている二人
「うわぁ……これはいいですね…」
「涼しくて…最高です…」
「あと、この冷風がでるショールもどうぞ、あ!春にはさっき服と一緒に渡したわよ!」
「ありがとう咲良、あらほんと!!冷たい風が出るのね~最高!!」
「こっちの世界エアコンないから…そのうち作る予定よ…」
「!?絶対欲しい!!!!」
春の瞳がキラキラしてる。
「クスクス、とりあえずじゃ、商品登録したからこれをあげるわ。今頃うちの商店で売り出してる頃だしね」
「こ、これは!!!扇風機!!!」
「ええ、そうよ!一応タイマーはついてて、魔石がはいっているから魔力を流せば使えるのだけど、春は魔力あるの??」
「ないの………」
「空の魔石ある?」
「ある!!」
バタバタと春は走って空の魔石をたん盛りもってきた…
「ずいぶんすごい量ね」クスクス
それに手を添えて一気に魔力を流した…一瞬で大量の魔石が魔力満タンになる。
王子2名は絶句である。
「クスクス、この姫君は規格外でね…魔力が無限なんだ」
「「なっ!?」」
「魔石全部に魔力MAXにしておいたからあと90年位はもつと思うわよ」クスクス
「ありがとう~咲良!!!!!」
ぎゅぅぅっと抱きつく春
「ふふ、どう致しまして、この魔石があればマッサージ機も扇風機も使えるわよ。」
「ううっ、嬉しい…ありがとう」
「あ、あと…お腹空いてる?」
「……そう言えば少し??」
春の前のテーブルに…空間から
唐揚げ、ハンバーグ、ポテトサラダ
あと、オムライスも出した。
味噌汁も。
空間なので、出来立てホヤホヤである。
「なっ!!!!!咲良の!!!手料理!!」
「そうそう、米もゲットしたのよ」
「えーーーー羨ましい!」
「魔導炊飯器も作ったの、ふふ」
「いいなぁ……魔導炊飯器はあるんだけど、米が私自分で栽培しているのよね…たまに転移で持ってきてあげるわよ」
「!?嬉しいぃ…咲良~」
「さ、温かいうちに食べてね」ニコッ
「いただきます…んーーー美味しいぃーーお米だぁ~唐揚げもあるぅ」
春は嬉しそうに食べていた。
二人の殿下も初めての料理に目をキラキラさせて食べていた。
シュウ…サイフォン…カリン…
そんな目をしなくても…テントに戻ったら出すわよ…。もう!
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