転生幼女の愛され公爵令嬢

気になる

「ちょっと書庫に行ってくる」
ティアナ


「はーい！私はツリーハウスに戻ってるね」
カリン　　


屋敷に戻り書庫に入りティアナは一目散に魔獣図鑑を取り出した。

図鑑をテーブルに置いて椅子に座りパラパラとお目当ての魔獣を探し出す。

あ！！あった！！

キングアントナー

蟻の大型S級魔獣

強い酸を口から出しありとあらゆる物を溶かす

弱点はキングアントナーの瞳を魔法で射抜くことだが目の水晶が強靭の為になかなか厳しい

瞳の水晶や肉体はそれぞれ薬や
武器として使える


うわーー。酸って………こわいなぁ。


「キングアントナーが気になるのですか？」


！？


「びっくりしたぁ……セドどうしたの？」
ティアナ



「先ほど書庫に入るティアナが見えたので……」
セド


「先ほどって……ならもっと早く声かけてくれてもいいのに」
ティアナ


「いえ…その…熱心に本を見ていたので邪魔かと思ったのですが……つい好奇心に負けて」苦笑
セド




「ふふ、キングアントナーは先ほど南の森に出現してお母様が要請されて森に向ったの」
ティアナ



「キングアントナーがですか……確かにそれならマリーナ様でないと難しいかもですね…」
セド



「そんなに強いの？」
ティアナ



「あれは魔法しかきかない魔獣で、しかも目が弱点ですがその目を正確に狙うのが非常に難しいのです」
セド



お母様……大丈夫なのかしら……


不安そうな顔をするティアナ



「大丈夫ですよ、王宮魔術師達はみな強いですから」
セド


「そうよね、それにお母様には守りの指輪を作って渡してあるから…なにかあったら結界が自動で発動するわ」
ティアナ


「そうですね」
セド


しかし…春でもないのになんで
冬眠しているはずのキングアントナーが……おかしいな……

誰かが故意に起こしたのだろうか……例えば素材欲しさに…。

あの魔獣の素材はかなり高価になるからなぁ…。

だとしても起こした張本人はもう生きてはいまい…。


「セド？どうかしたの？」
ティアナ


「いいえ、なんでも。それよりもう寝る時間では？ツリーハウスまで送りましょうか？」
セド


「ううん、今日はお母様が心配だし……屋敷の自室で寝るわ」
ティアナ


「では、部屋の前まで一緒にいきましょう」
セド


「ありがとう」ニコッ
ティアナ


「そう言えばティアナ」
セド


ティアナに一つのリボンがついた箱を渡すセド


「？」
ティアナ


「シュウのペアリングが羨ましくて私も用意してしまいました」
セド


「セドとペアなの？」
ティアナ


「はい、喜んで貰えますか？」
セド


「もちろん！！！すっごく嬉しい！ありがとう！！開けてもいい？」
ティアナ


「はい、もちろん」ニコッ
セド

箱を開けるとお揃いのブレスレットが入っていた。セドのエメラルド色の石とティアナの空色の石が仲良くふたつ並んでいるブレスレット。


「わぁ～綺麗！！ありがとう」
ティアナ


「良ければ私がティアナにつけてあげてもいいですか？」
セド


コクコク頷くティアナにニコッと微笑んでからティアナの右手首につけた。するとティアナも
セドの右手首に付けてくれた。


「きれーい！キラキラしてるね！！嬉しい～ありがとう」
ティアナ


「そんなに喜んで貰えるなんてこちらこそありがとうございます」ニコッ


二人で色んな話をしながら廊下を歩いているとあっという間にティアナの自室についてしまった。


「離れがたいですが、おやすみなさい」
セド

チュッとティアナのおでこにキスをする。



「おやすみなさいセド」
ティアナ


「いいですか？キングアントナーが見たくても行っては駄目ですよ？今日はぐっすり寝てくださいね」
セド


「うん！！約束する！」
ティアナ


セドと指切りをしてから部屋に入る。


お風呂を済ませて、ベッドに入る。自室のベッドは久しぶりだ…。

「お母様大丈夫かな……おやすみなさい。創世神様お母様をお守りください」
ティアナ


ティアナは疲れていたのかすぐきすやすやと寝息をたてて寝た。