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ストーカーライフ
30. 謎の穴
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「うひょー!」
「ボスどうですか?」
「すげーいいね!」
「兄貴今度オラの上に――」
「いや、ボスは渡さないぞ!」
俺はというと……今コボルトの上で風に当たって楽しんでいる。
さっきから二人は俺の取り合いをしていた。
さすがに抱きかかえられるのは恥ずかしかったため、試しに頭に乗せてもらったら心地良くてハマってしまった。
ただ問題点は……コボルトの頭に毛が全くないから掴むところがないのだ。
脱毛症の付与を解除したが毛根から毛が抜けているため、生えるのか若干心配なぐらいツルツルだ。
そういえば、隠れて森にいたコボルトにも脱毛症を付与することにした。
ストレスで毛が抜け落ちたとギルドにも話しているからだ。
王都に近づくとゴブリンが急に立ち止まった。
「兄貴、ここに穴がありますよ!」
目線の先には大きな穴が空いていた。
大型の魔物が掘ったような穴で、俺達三人が並んで入っても通れそうな穴だ。
「ボスこれはなんの穴ですか? 拙者みたいな未熟者が掘った穴ですか?」
コボルトは穴掘り職人でも目指しているのだろうか。
対抗して隣に穴を掘っている。
穴の中を覗いて見たが、穴というよりは掘ったような坑道に近い。
「いやー、王都の近くに採掘場ってあったか?」
稀に金属や宝石を採掘するために山や地面を掘った場所はいくつか存在している。
ただ、王都に採掘場があるという話は聞いたことはない。
「んー、とりあえず埋めておくか? こんなところに穴があったら危ないしな」
「ここは拙者にお任せください!」
コボルトは土属性魔法で土を出すと、慣れた手つきでいつものように穴を埋め始めた。
穴掘り職人より穴埋め職人の方が向いているだろう。
今日から俺の中では[職業]穴埋め職人に転職した。
それにしても器用に土属性魔法をコントロールしているところを見ると、かなりスキルレベルは上がっているのだろう。
「兄貴! 今度はオラの上にどうですか?」
穴を埋めている間にゴブリンは次は自分の肩に乗らないかと勧めてくる。
俺はゴブリンに近づくと、肩車するように飛び乗った。
「ゴブリンは角が生えているから乗りやすいな」
ゴブリンには小さな角が生えているため、しっかりと持ち手になり乗りやすいのだ。
どこかの誰かと比べたら、掴むところあるだけで乗り心地がだいぶ違う。
「はぁ!? ボスそれは浮気なのねん!」
「いや……浮気もなにも――」
「浮気なのねん!」
俺はゴブリンと顔を見合わせると仕方なくゴブリンの頭から降りた。
最近何かある度にコボルトは浮気という言葉を使うようになった。
付き合っているわけでもないのにな……。
「ボス穴を埋めましたよ!」
「ああ」
「ボス! 拙者が穴を埋めましたよ!」
「チラッ……チラチラ!」
褒めて欲しいのかコボルトはチラチラと俺の顔を見ていた。
実際に口で音も再現している。
「なんだ?」
「拙者頑張りましたよ?」
コボルトの後ろには大きな尻尾がぶんぶんと振っていた。ただそこにも毛はなかった。
俺はどうすればいいのか迷っているとゴブリンが耳元で何か話しかけてきた。
「兄貴、ここは撫でてあげてください。このままじゃずっとめんどくさいですよ」
「ああ、そうか」
頭を強く差し出してくるため、仕方ないと思い軽く頭を撫でてやった。
ああ、毛がないと手触りが悪いな……。
「さすがコボルトだな!」
「ぬふっ! ぬふふふふ」
ゴブリンを見ると彼も納得していた。これが正しかったのだろう。
その後の移動も俺の股にいるコボルトの笑い方は気持ち悪かった。
「ボスどうですか?」
「すげーいいね!」
「兄貴今度オラの上に――」
「いや、ボスは渡さないぞ!」
俺はというと……今コボルトの上で風に当たって楽しんでいる。
さっきから二人は俺の取り合いをしていた。
さすがに抱きかかえられるのは恥ずかしかったため、試しに頭に乗せてもらったら心地良くてハマってしまった。
ただ問題点は……コボルトの頭に毛が全くないから掴むところがないのだ。
脱毛症の付与を解除したが毛根から毛が抜けているため、生えるのか若干心配なぐらいツルツルだ。
そういえば、隠れて森にいたコボルトにも脱毛症を付与することにした。
ストレスで毛が抜け落ちたとギルドにも話しているからだ。
王都に近づくとゴブリンが急に立ち止まった。
「兄貴、ここに穴がありますよ!」
目線の先には大きな穴が空いていた。
大型の魔物が掘ったような穴で、俺達三人が並んで入っても通れそうな穴だ。
「ボスこれはなんの穴ですか? 拙者みたいな未熟者が掘った穴ですか?」
コボルトは穴掘り職人でも目指しているのだろうか。
対抗して隣に穴を掘っている。
穴の中を覗いて見たが、穴というよりは掘ったような坑道に近い。
「いやー、王都の近くに採掘場ってあったか?」
稀に金属や宝石を採掘するために山や地面を掘った場所はいくつか存在している。
ただ、王都に採掘場があるという話は聞いたことはない。
「んー、とりあえず埋めておくか? こんなところに穴があったら危ないしな」
「ここは拙者にお任せください!」
コボルトは土属性魔法で土を出すと、慣れた手つきでいつものように穴を埋め始めた。
穴掘り職人より穴埋め職人の方が向いているだろう。
今日から俺の中では[職業]穴埋め職人に転職した。
それにしても器用に土属性魔法をコントロールしているところを見ると、かなりスキルレベルは上がっているのだろう。
「兄貴! 今度はオラの上にどうですか?」
穴を埋めている間にゴブリンは次は自分の肩に乗らないかと勧めてくる。
俺はゴブリンに近づくと、肩車するように飛び乗った。
「ゴブリンは角が生えているから乗りやすいな」
ゴブリンには小さな角が生えているため、しっかりと持ち手になり乗りやすいのだ。
どこかの誰かと比べたら、掴むところあるだけで乗り心地がだいぶ違う。
「はぁ!? ボスそれは浮気なのねん!」
「いや……浮気もなにも――」
「浮気なのねん!」
俺はゴブリンと顔を見合わせると仕方なくゴブリンの頭から降りた。
最近何かある度にコボルトは浮気という言葉を使うようになった。
付き合っているわけでもないのにな……。
「ボス穴を埋めましたよ!」
「ああ」
「ボス! 拙者が穴を埋めましたよ!」
「チラッ……チラチラ!」
褒めて欲しいのかコボルトはチラチラと俺の顔を見ていた。
実際に口で音も再現している。
「なんだ?」
「拙者頑張りましたよ?」
コボルトの後ろには大きな尻尾がぶんぶんと振っていた。ただそこにも毛はなかった。
俺はどうすればいいのか迷っているとゴブリンが耳元で何か話しかけてきた。
「兄貴、ここは撫でてあげてください。このままじゃずっとめんどくさいですよ」
「ああ、そうか」
頭を強く差し出してくるため、仕方ないと思い軽く頭を撫でてやった。
ああ、毛がないと手触りが悪いな……。
「さすがコボルトだな!」
「ぬふっ! ぬふふふふ」
ゴブリンを見ると彼も納得していた。これが正しかったのだろう。
その後の移動も俺の股にいるコボルトの笑い方は気持ち悪かった。
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