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第二章 婚前旅行編
17 父襲来
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魔王城近くの広大な訓練場に、半球の薄い膜が展開される。膜は魔力で淡く発光していて、幻想的な美しささえ感じる。
「防御陣を展開させていただきましたので、両人、試合が終わるまでは陣から出ないでください。一方が降伏した時点で試合を終了します」
「待ってください」
緊迫した空気の中、ミリアのおっとりとした声が割って入る。
「……どうされました? ミリア様」
「父は参ったと言わせる前にルーカスさまの魔核を破壊しかねませんから、膝をついたら負け、にしてくれませんか?」
魔核は魔物のような魔力を持つ生き物の心臓とも言えるものだ。
さも当然といったミリアの言葉に、ルーカスは怯えこそしないが寒気を覚え、相対するミリアの父、ローランドから距離を取った。
ウィルは神妙に頷く。
「分かりました。勝敗条件は一方の膝を地につけること。では、始め!」
ウィルの声を皮切りに、ローランドが動く。
一瞬にしてルーカスの足元の地面が崩れた。
抉れた、といってもいいかもしれない。
ちなみにローランドは素手である。彼の拳は大地をも砕く破壊力を誇るのだ。
突然の崩落に束の間呆然としていたルーカスだが、すぐに風の魔法で体勢を立て直す。
魔法で土を隆起させ、眼前に迫ったローランドの侵攻を阻んだ。
のっけから迫力たっぷりの激闘を眺めながら、安全な場所に避難したミリアはウィルに語りかける。
「この防御陣、ここまでやっても壊れないって相当な強度ですね」
「伊達に訓練で鍛えてないですから。けれど、いつまで持つことやら」
ウィルは戦いを見守る。脳裏には「娘を誑かした男を出せ! 捻り潰してくれるわ‼︎」と叫びながら城の前で暴れるローランドの姿が過った。
破壊活動を続けられては叶わないので、一先ず訓練場へと連れて行ったのだ。
ローランドには後で修繕費を請求しなければ――いやルーカスに魔法で直してもらおうなどと考えを巡らせた。
その間にも、ルーカスは氷の礫をローランドに向かって放つが、ローランドは素手で全て握りつぶし、一気に間合いを詰めて回し蹴りをした。間一髪、ルーカスは仰け反って避けるも風圧で吹き飛ばされる。
「……父は魔法が効かないっていうか、どんな魔法も素手で掴めてしまうので、『魔導師殺し』とも呼ばれていました」
敵を燃やし尽くす火の魔法や、対象を切り刻む風の魔法は握り潰せるものではないはずなのだが、ローランドはそんな常識を完全に覆している。
「魔法相手に拳なんて最も相性が悪いはずなんですけどね……」
「父が得意とするのは格闘術です。あの人はその気になれば魔物の身体も引きちぎれますよ」
かつてドラゴンの尻尾をもぎ取った父の姿が蘇る。
「ミリア様が話しているのは人間の話ですよね? 新種の化け物の話じゃないですよね?」
ウィルの表情は引きつったものに変わった。
ミリアの言葉を一笑に付すことができないのは、現にすぐそこでローランドが絡みついた強靱な蔦をちぎったからだ。あれは以前、ギルバートがどうあがいても逃げられなかった魔法だ。
ミリアはほう、と息を吐く。
「わたし、世が世なら父が魔王を倒した勇者だったと思うんですよね……欲目かしら」
「いや、確かにローランド様は勇者様より強いと思います」
勇者だって一人で魔王を倒したわけではないが、ローランドなら一人で勝てそうだ。
ウィルはちら、とミリアを横目で見る。
(ミリア様がお強いのも納得がいくな)
この細腕のどこにそんな力がと思っていたが、この親にしてこの子ありだ。
ミリアとウィルが観戦している間に、両者満身創痍になっているが、闘志が消えていないのはその目を見れば明らかだ。
ルーカスは今までで最大規模の――訓練の時でさえ見たことがないような――炎を出し、ローランドもそれに臆する事なく、人の頭ほどの大きさの岩を投擲しながら飛び込んでいく。
ウィルは青褪めた。防御陣が揺らぎ出したからだ。維持しようとすると、魔力がごっそり抜けていく。
「そろそろ防御陣が保たなさそうなんですが……」
「仕方ないですね」
ミリアは二人が交錯する直前に彼らの元に辿り着き、目にも留まらぬ速さで二人の顔に平手打ちした。
何が起こったか分からず脱力する二人に、ミリアは聖母のように微笑みかける。
「二人とも、防御陣を破壊しようとしたとして失格、引き分けです。頭を冷やしたらいかがですか?」
(結局、最強なのはミリア様ですよね)
ウィルは心の中で独り言ちた。
「お父さま、いつまで拗ねているつもりですか?」
「……だって、ミリアが俺より先にそのどこの馬の骨とも分からぬ男の治療をするなんて…………ぐすっ」
「馬の骨なんかじゃないです。立派な魔王さまです」
「そんな男! 認めないからな‼︎」
心の弱い人間なら死んでしまいそうなほど殺意のこもった視線を向けられるが、ミリアが先に看病してくれたのが嬉しいルーカスは全く気にしなかった。むしろ勝ち誇った顔をする。
ルーカスの折れた肋骨やら腕やらを治したミリアは、うるさい父親の治癒を始めた。
「初めてお父さまと互角に渡り合えた方なんですから、認めてくださいよ」
「だいたい、ミリアが嫁に行くのも早すぎる!」
「早くないです。十八を過ぎたら遅いくらいなんですから、二十歳のわたしはお父さまのせいで立派な嫁き遅れです」
ミリアは童顔、低身長も相まって見た目十四、五歳であるが、歴とした成人女性だ。
意趣返しに反治癒魔法もかけるが、ローランドはどこか嬉しそうなのでやめる。
「義父上、彼女との結婚は――」
「誰が義父だ! 出会ってそれほど経ってないのに結婚など許せるわけないだろう! せめて十年後――」
「お父さま?」
息巻くローランドは、ミリアの怒気に怖気付き言葉を止める。
「い、一年はお互いに知る時間を設けるべきだ! そこは譲れん!」
「次来たらまた勝負を挑むから、鍛え直しておけ」と言って、ローランドは去って行った。どうやらミリアの手紙を読むなりすぐにこちらに来たようで、仕事も何もかも放置しているらしい。
嵐が去り、ルーカスは大きくため息を吐いた。
「人間とは思えん強さだな……」
「うちの父がすみません」
「いや、それはいいのだが、勝てなかったことが心残りだ」
ルーカスは名残惜しげにミリアの薄桃色の唇を見つめた。
視線に気づいたミリアは、ルーカスの額に口づける。
「そうですね。唇はお預けです」
嬉しくもあり残念でもあり、複雑な思いを抱えたルーカスは、赤らんだ顔を背けて隠しながら、どうすればお預けが解除されるか考え始めた。
(何か彼女に認められるような功績を上げればいいのではないか?)
ルーカスは何か解決すべき問題はないかと手近な資料に手を付ける。
その様子を、ミリアは微笑ましそうに見つめるのだった。
「防御陣を展開させていただきましたので、両人、試合が終わるまでは陣から出ないでください。一方が降伏した時点で試合を終了します」
「待ってください」
緊迫した空気の中、ミリアのおっとりとした声が割って入る。
「……どうされました? ミリア様」
「父は参ったと言わせる前にルーカスさまの魔核を破壊しかねませんから、膝をついたら負け、にしてくれませんか?」
魔核は魔物のような魔力を持つ生き物の心臓とも言えるものだ。
さも当然といったミリアの言葉に、ルーカスは怯えこそしないが寒気を覚え、相対するミリアの父、ローランドから距離を取った。
ウィルは神妙に頷く。
「分かりました。勝敗条件は一方の膝を地につけること。では、始め!」
ウィルの声を皮切りに、ローランドが動く。
一瞬にしてルーカスの足元の地面が崩れた。
抉れた、といってもいいかもしれない。
ちなみにローランドは素手である。彼の拳は大地をも砕く破壊力を誇るのだ。
突然の崩落に束の間呆然としていたルーカスだが、すぐに風の魔法で体勢を立て直す。
魔法で土を隆起させ、眼前に迫ったローランドの侵攻を阻んだ。
のっけから迫力たっぷりの激闘を眺めながら、安全な場所に避難したミリアはウィルに語りかける。
「この防御陣、ここまでやっても壊れないって相当な強度ですね」
「伊達に訓練で鍛えてないですから。けれど、いつまで持つことやら」
ウィルは戦いを見守る。脳裏には「娘を誑かした男を出せ! 捻り潰してくれるわ‼︎」と叫びながら城の前で暴れるローランドの姿が過った。
破壊活動を続けられては叶わないので、一先ず訓練場へと連れて行ったのだ。
ローランドには後で修繕費を請求しなければ――いやルーカスに魔法で直してもらおうなどと考えを巡らせた。
その間にも、ルーカスは氷の礫をローランドに向かって放つが、ローランドは素手で全て握りつぶし、一気に間合いを詰めて回し蹴りをした。間一髪、ルーカスは仰け反って避けるも風圧で吹き飛ばされる。
「……父は魔法が効かないっていうか、どんな魔法も素手で掴めてしまうので、『魔導師殺し』とも呼ばれていました」
敵を燃やし尽くす火の魔法や、対象を切り刻む風の魔法は握り潰せるものではないはずなのだが、ローランドはそんな常識を完全に覆している。
「魔法相手に拳なんて最も相性が悪いはずなんですけどね……」
「父が得意とするのは格闘術です。あの人はその気になれば魔物の身体も引きちぎれますよ」
かつてドラゴンの尻尾をもぎ取った父の姿が蘇る。
「ミリア様が話しているのは人間の話ですよね? 新種の化け物の話じゃないですよね?」
ウィルの表情は引きつったものに変わった。
ミリアの言葉を一笑に付すことができないのは、現にすぐそこでローランドが絡みついた強靱な蔦をちぎったからだ。あれは以前、ギルバートがどうあがいても逃げられなかった魔法だ。
ミリアはほう、と息を吐く。
「わたし、世が世なら父が魔王を倒した勇者だったと思うんですよね……欲目かしら」
「いや、確かにローランド様は勇者様より強いと思います」
勇者だって一人で魔王を倒したわけではないが、ローランドなら一人で勝てそうだ。
ウィルはちら、とミリアを横目で見る。
(ミリア様がお強いのも納得がいくな)
この細腕のどこにそんな力がと思っていたが、この親にしてこの子ありだ。
ミリアとウィルが観戦している間に、両者満身創痍になっているが、闘志が消えていないのはその目を見れば明らかだ。
ルーカスは今までで最大規模の――訓練の時でさえ見たことがないような――炎を出し、ローランドもそれに臆する事なく、人の頭ほどの大きさの岩を投擲しながら飛び込んでいく。
ウィルは青褪めた。防御陣が揺らぎ出したからだ。維持しようとすると、魔力がごっそり抜けていく。
「そろそろ防御陣が保たなさそうなんですが……」
「仕方ないですね」
ミリアは二人が交錯する直前に彼らの元に辿り着き、目にも留まらぬ速さで二人の顔に平手打ちした。
何が起こったか分からず脱力する二人に、ミリアは聖母のように微笑みかける。
「二人とも、防御陣を破壊しようとしたとして失格、引き分けです。頭を冷やしたらいかがですか?」
(結局、最強なのはミリア様ですよね)
ウィルは心の中で独り言ちた。
「お父さま、いつまで拗ねているつもりですか?」
「……だって、ミリアが俺より先にそのどこの馬の骨とも分からぬ男の治療をするなんて…………ぐすっ」
「馬の骨なんかじゃないです。立派な魔王さまです」
「そんな男! 認めないからな‼︎」
心の弱い人間なら死んでしまいそうなほど殺意のこもった視線を向けられるが、ミリアが先に看病してくれたのが嬉しいルーカスは全く気にしなかった。むしろ勝ち誇った顔をする。
ルーカスの折れた肋骨やら腕やらを治したミリアは、うるさい父親の治癒を始めた。
「初めてお父さまと互角に渡り合えた方なんですから、認めてくださいよ」
「だいたい、ミリアが嫁に行くのも早すぎる!」
「早くないです。十八を過ぎたら遅いくらいなんですから、二十歳のわたしはお父さまのせいで立派な嫁き遅れです」
ミリアは童顔、低身長も相まって見た目十四、五歳であるが、歴とした成人女性だ。
意趣返しに反治癒魔法もかけるが、ローランドはどこか嬉しそうなのでやめる。
「義父上、彼女との結婚は――」
「誰が義父だ! 出会ってそれほど経ってないのに結婚など許せるわけないだろう! せめて十年後――」
「お父さま?」
息巻くローランドは、ミリアの怒気に怖気付き言葉を止める。
「い、一年はお互いに知る時間を設けるべきだ! そこは譲れん!」
「次来たらまた勝負を挑むから、鍛え直しておけ」と言って、ローランドは去って行った。どうやらミリアの手紙を読むなりすぐにこちらに来たようで、仕事も何もかも放置しているらしい。
嵐が去り、ルーカスは大きくため息を吐いた。
「人間とは思えん強さだな……」
「うちの父がすみません」
「いや、それはいいのだが、勝てなかったことが心残りだ」
ルーカスは名残惜しげにミリアの薄桃色の唇を見つめた。
視線に気づいたミリアは、ルーカスの額に口づける。
「そうですね。唇はお預けです」
嬉しくもあり残念でもあり、複雑な思いを抱えたルーカスは、赤らんだ顔を背けて隠しながら、どうすればお預けが解除されるか考え始めた。
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