8 / 23
第一章
4
しおりを挟む翌日。
日曜日の朝遅く、昼前まで寝坊を楽しんでからヒロキはベッドから飛び起きた。
「俺は最高のアホになるところだった!!」
慌ててベッド横の床の上に座るタイプのテーブルから印刷した書類数枚を取り上げる。
数年前?
正確には何年前だ!?
「四年前じゃねーか。
しかも、相続人は二人。
せいらは妹だ‥‥‥。
あの画像は姉の奏多? かなたって呼ぶのか。
姉が妹の手帳を勝手に使ってたんじゃねーのか?
それならいま20歳か。
なんか調べる方法ねーかな‥‥‥あっそうか。
SNSだ。使わねーから忘れてたわ」
Twitter、インスタグラム、フェイスブック。
その他もろもろ。
ネット検索かけたら多くが出てくる、出てくる。
かなたの名前だと地方掲示板で、デリヘルだの、ソープだの、
お水から風俗、果てはホスト絡みまで。
「とんでもねー女だな‥‥‥でもなんで、せいらって言ってたんだ?
身バレ防ぐためか?」
試しにとせいらの名前で検索をかけたら、twitterアカウントが出てきた。
それにフェイスブックも。
ハヤテ君はこれもまた山ほど。
「つまり、ハヤテ&かなたコンビに、せいらがうまく使われてる???」
twitterアカウントでの日々の友人たちとの会話や、リンク先のインスタの投稿画像。
フェイスブックには家族との写真が数枚。
「三人揃いはないな。でも、赤ん坊をこれせいらの方が背が低いのか。
せいらが今は黒髪で、かなたがブロンドに染めてる、と。
ハヤテ君はーーおー‥‥‥イカツイ。
夏の海で、入れ墨みせたらだめでしょ‥‥‥」
こりゃーまともな家族じゃないな。
そんな気がしてきた。
神林家と葛城家は、裏の稼業の家柄かもしれない。
三人で騙しにくる可能性もある。ただ、二人の姉妹は少しだけしか背が変わらない。
不思議なのは、かなたはこの夏のインスタ画像では水着で過ごしている。
しかし、せいらは上から何かを羽織っていることだ。
インスタをずっとせいら版を追いかけていくがどれも長袖長ズボン。
あの春の投稿でタトゥーが最初に見られた頃からってことになる。
「妻というよりは、あの画像の主は全部せいら本人で年齢も16歳。
ただ、投稿に関しては姉の身分証明書を使ってるってことか?」
風俗系の掲示板には、いまあるデリヘルの店で、ゆか。
そんな名前で登録して働いているとあった。
日曜日、か。
呼ぶのなら、あちらの街へと行かないといけない。
何より、来週の日曜日。
来るのがもし、せいらでなくかなただとしたら?
「まあ、お互いまともな状況では終われないよな。
ここで会うのは自殺行為だ。
さて、どうするかね‥‥‥こんなときに頼りになる誰か。
思い当たるのは、師匠か‥‥‥。
ぶん殴られないかな、俺?」
一年前に肝不全で末期だと他の弟子から聞いて依頼、連絡を取っていなかったが。
四歳だけ年上の師匠は、果たして生きているのか。
ヒロキはスマホを手に、約二年ぶりの電話番号の発信ボタンを押した。
0
あなたにおすすめの小説
『階段対策会議(※恋愛)――年上騎士団長の健康管理が過剰です』
星乃和花
恋愛
【完結済:全9話】
経理兼給仕のクラリスは、騎士団で働くただの事務員――のはずだった。
なのに、年上で情緒に欠ける騎士団長グラントにある日突然こう言われる。
「君は転倒する可能性がある。――健康管理対象にする」
階段対策会議、動線の変更、手をつなぐのは転倒防止、ストール支給は防寒対策。
全部合理的、全部正しい。……正しいはずなのに!
「頬が赤い。必要だ」
「君を、大事にしたい」
真顔で“強い言葉”を投下してくる団長に、乙女心を隠すクラリスの心拍数は業務超過。
さらに副団長ローレンは胃薬片手に「恋は会議にするな!!」と絶叫中!?
これは健康管理?それとも恋愛?
――答え合わせの前に、まず“階段(概念)“をご確認ください。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる