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第一章
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しおりを挟む翌朝。
少しだけ早い時間に出勤すると、ヒロキは午前中の営業先回りを終わらせた。
途中で自分の車を購入した中古車販売店に寄とナンバーを変えたい時の方法を詳しく聞いてみる。
「なるべくなら自分でした方が金かかんないからな」
そう店主は言うと陸運局でのやり方などを教えてくれる。
「これ、代理人でする場合は?」
必要な書類と、車検証コピー、あとは委任状に印鑑、身分証明書。
車検証を手に入れるには?
これをこうする。無くしたなら発行に行けばいいなどなど。
管轄であれば、出来る。
そう教えてくれた。
なるほど。
数時間で着く距離なんだがなあ、どうしたものか。
トラブルを招くのもめんどくさい。
必要なのは、あの少女が本当は誰なのか、だ。
養子縁組などしているのか、戸籍を知りたかった。
なら、あれがある。
裁判所などから日々発行している公示の電子版だ。
年間数万払えば、誰でも閲覧ができる。
弁護士なんかがよく利用する国が運営するサイトに登録してクレジットカード決済を済ます。
葛城せいら‥‥‥せいらは、星來、か。
過去20年間の裁判記録を確認すると遺産相続で数年前に記録が残っている。
「両親が他界で拾われた、それは嘘じゃなかったわけか。
ついでに神林疾風君‥‥‥いろいろ出るなあ。
若い頃から、出入りしてたってことか。
最近だと、なんだ?
税金滞納で市から訴訟されてるな。
戸籍住所と現住所、連絡先‥‥‥丸わかりって恐ろしいもんだな。
数万で分かるんだから。おまけにまだ22歳かよ。
26歳どこ行った?
せいらさんは家族なし、だな。
さすがに出産記録までは分からんし。戸籍関連は本人か代理人でないとな‥‥‥」
気になったのはあの、ハヤテが送信してきた最後の動画が今年の春で終わっていることだ。
いまはもう秋も近くなり始めている。
子供が産まれたのがいつかは分からないが、14歳で拾ったなら1歳前後。
貰った投稿雑誌のバックナンバーをネット通販で買いこみ、週末はそれを写真と照らし合わせてみた。
「あるな‥‥‥一年前にも。
この時は腹が少しでてる。夏か。
それに冬、大きくなってるな。この春辺りに産まれたか二月までか。
その時期に投稿がない。
しかし、ひでーなこれ。
落書き体にし放題‥‥‥ピアスとかまで開けてる画像もある。
母乳出るのか、こんなにめちゃくちゃされても行く当てがない。
そんな感じか。遠隔バイブ好きなやつだな、他の投稿者と張り合ってる感がある。
で、最新号‥‥‥黒髪どこ行った?
刺青ってかタトゥーも肩口に股のとこに‥‥‥これじゃ薄着なんかできんだろ」
これ以上踏み込むべきか。
どうする?
俺は喧嘩もなんにも強くない。
最悪、壁の中だ。
人生にやり直しはないんだよなあ。
「あの裁判記録に、親戚の名前が何人かあったな。
高校か‥‥‥」
いまは土曜日。
月曜日なら誰かわかるやついるかもな。
どこで足元踏み外すかわかんねーなこれ。
頭痛がしながらも、何かをしなきゃこの母娘は救われないな。
そんな気がずっと心の底にはりついていた。接着剤のようにベットリと‥‥‥
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