NTRれ請け負います。なぜか標的が彼女になった件。

星ふくろう

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第一章

6

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 デリヘル。
 デリバリーヘルス。
 略してデリヘル。
 管轄の警察署に、登録して働く従業員の個人情報を都度、報告しないといけない。
 その代わりに風俗の営業許可が降りる。
 つまり、かなたは18歳以上であることは間違いないわけだ。
 建前上は、だが。
 そんなことを考えながら、あの後にすぐに店に予約を入れた。
 ネットから予約をすると、こちらの電話番号が必須になる。
 30分ほどして折り返しの電話をします。
 そんなことを言われて待つこと20数分。
 夜の20時に指定のラブホテルへ行くように連絡があった。
「で、自前の車でくるバカはいない、と」
 電話も法人口座を開設した際に、プリカで購入できるスマホだ。
 番号も何種類もある。
 駅前のレンタカー屋で車を借りてここまで約3時間。
 この辺りは師匠からの入れ知恵である。
 ラブホテルはデリヘルの会社が提携しているところが多い。
 渡されたキーを受け取り、部屋番号を相手の会社に伝える。
 時間は19時30分。
 だいたい1時間前後、待たされることになる。
 そしてーー
 ピンポン、と入り口のチャイムが鳴った。
「さて、作戦開始、だな」
 身分証明書、その他もろもろの身元がわかるものは一切もって来ていない。
 あるのは、スマホだけだ。
 そして、スーツ姿。
 さて、どうなることやら‥‥‥
 扉を開けると、平均的なそれでも160前後。
 茶髪の女性がいた。
 大きなバッグを肩に担ぎ、さすがに秋、夜は寒いのか厚手のコートを着ていた。
 予約した内容は、まず下着姿にコートでの出張コース。
 代金は1時間で2万ちょっと。
「えっと???」
 とりあえず、デリヘルは初めてだと伝えてあるから、相手も理解しているのか、
「--店のゆか、ですけど」
 と名乗ってくれた。
「あ、ああ。
 ごめん、こういうの初めてで‥‥‥」
 初めて?
 まさか。得意先の社長なんて、こういう業界も多い。
 うちの広告載せたいの?
 なら利用してよ、なんて話はザラだ。
 それもあの副業の利益で、経費支払いができる。
 世の中、金の使い方を知れ、とは師匠の教えだがまったくその通りだと思うヒロキだった。
「いいですよ、入っていいですか?
 えっと‥‥‥安本様?」
「あ、そうです。週末まで出張でね、なんとも寂しくてさ」
 独りは寂しいから、思い切って検索したら好みだったから。
 呼んでみたよ、なんて多くを話してみる。
「あ、そうなんですね。
 すいません、先にお会計いいですか?」
「え、ああ。
 店から聞いてる、はい」
 と、ATMで卸したばかりの一万円札を二枚。
 銀行の封筒に入れて渡してやる。もちろん、札には触れないように手袋をして封筒には入れた。
「あ、ありがとうございます」
 なんて言いながら、相手も確認して財布に入れようとするから
「ああ、捨てとくよ、それ」
 と言いながら、封筒を回収する。
 少なくとも、かなた(仮)の指紋はこれで手に入った。
 ゴミ箱に捨てるフリをしてそっとスーツのポケットに戻す。
「いい身体してるねー‥‥‥」
 16歳か20歳か。
 どっちか判別がつかない下着姿がそこにはあった。
 そして一つの発見も。
 タトゥー、ないじゃないかよ‥‥‥
 そう、ヒロキは心の中で毒づいた。

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