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第一章
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しおりを挟むデリヘル。
デリバリーヘルス。
略してデリヘル。
管轄の警察署に、登録して働く従業員の個人情報を都度、報告しないといけない。
その代わりに風俗の営業許可が降りる。
つまり、かなたは18歳以上であることは間違いないわけだ。
建前上は、だが。
そんなことを考えながら、あの後にすぐに店に予約を入れた。
ネットから予約をすると、こちらの電話番号が必須になる。
30分ほどして折り返しの電話をします。
そんなことを言われて待つこと20数分。
夜の20時に指定のラブホテルへ行くように連絡があった。
「で、自前の車でくるバカはいない、と」
電話も法人口座を開設した際に、プリカで購入できるスマホだ。
番号も何種類もある。
駅前のレンタカー屋で車を借りてここまで約3時間。
この辺りは師匠からの入れ知恵である。
ラブホテルはデリヘルの会社が提携しているところが多い。
渡されたキーを受け取り、部屋番号を相手の会社に伝える。
時間は19時30分。
だいたい1時間前後、待たされることになる。
そしてーー
ピンポン、と入り口のチャイムが鳴った。
「さて、作戦開始、だな」
身分証明書、その他もろもろの身元がわかるものは一切もって来ていない。
あるのは、スマホだけだ。
そして、スーツ姿。
さて、どうなることやら‥‥‥
扉を開けると、平均的なそれでも160前後。
茶髪の女性がいた。
大きなバッグを肩に担ぎ、さすがに秋、夜は寒いのか厚手のコートを着ていた。
予約した内容は、まず下着姿にコートでの出張コース。
代金は1時間で2万ちょっと。
「えっと???」
とりあえず、デリヘルは初めてだと伝えてあるから、相手も理解しているのか、
「--店のゆか、ですけど」
と名乗ってくれた。
「あ、ああ。
ごめん、こういうの初めてで‥‥‥」
初めて?
まさか。得意先の社長なんて、こういう業界も多い。
うちの広告載せたいの?
なら利用してよ、なんて話はザラだ。
それもあの副業の利益で、経費支払いができる。
世の中、金の使い方を知れ、とは師匠の教えだがまったくその通りだと思うヒロキだった。
「いいですよ、入っていいですか?
えっと‥‥‥安本様?」
「あ、そうです。週末まで出張でね、なんとも寂しくてさ」
独りは寂しいから、思い切って検索したら好みだったから。
呼んでみたよ、なんて多くを話してみる。
「あ、そうなんですね。
すいません、先にお会計いいですか?」
「え、ああ。
店から聞いてる、はい」
と、ATMで卸したばかりの一万円札を二枚。
銀行の封筒に入れて渡してやる。もちろん、札には触れないように手袋をして封筒には入れた。
「あ、ありがとうございます」
なんて言いながら、相手も確認して財布に入れようとするから
「ああ、捨てとくよ、それ」
と言いながら、封筒を回収する。
少なくとも、かなた(仮)の指紋はこれで手に入った。
ゴミ箱に捨てるフリをしてそっとスーツのポケットに戻す。
「いい身体してるねー‥‥‥」
16歳か20歳か。
どっちか判別がつかない下着姿がそこにはあった。
そして一つの発見も。
タトゥー、ないじゃないかよ‥‥‥
そう、ヒロキは心の中で毒づいた。
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