NTRれ請け負います。なぜか標的が彼女になった件。

星ふくろう

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第一章

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 まあ、正直言ってサービスは最悪だった。
「あれ、タバコ吸うんだ?」
 コートとヒロキのジャケットをハンガーにかけてしまいこみ、
「どうします?
 湯、つかります?
 中でのサービスだとマットレスとかありますけど???」
 ああ、追加料金込みのやつな‥‥‥
 全身を観るには悪くない。
「なら、マットレスでお願いします」
「あ、じゃ、五千円追加でーー」
 なんて言うからまあ、こんなとこもあるだろうなと用意しておいた財布から五千円札を取り出す。
 普段じゃまったく使わないブランド物の財布に、高級時計。
 経費削減と思って買ったのが良かったのか。
 金持ちなんだー見たいな視線にいきなり変わりさくさく働きだす。
 湯が溜まる間に何か話をと思ったら、
「はあー‥‥‥」
 と一作業終えた。
 そんな感じでどっかりとソファーに座り込み、見た目も何もあったもんじゃない。
 下着姿で、あぐらかいて、タバコまで吸いだした。
 おいおい、未成年の設定じゃなかったか?
 店の紹介には18歳なんだかんだ。そう書かれていたはず。
 タバコ吸いませーん。
 なんて目線なしの写メ付きの投稿ブログを店のサイトで後から発見した時には苦笑いした。
「あれ、タバコ吸うんだ?」
 ヒロキが驚いたように言うと、
「あ、駄目でした?
 すいません、ついつい‥‥‥家だと旦那うるさいんで」
「あ、そ、そう。
 結婚してるんだーー」
 付き合いでヒロキも一本貰うが、せめて客に確認してからだろ、これ?
 店側の教育の悪さにもびっくりした。
 ヒロキの担当顧客の会社の子たちは愛想も、サービスももう少しまともで安いからだ。
「そうなんすよー。
 できちゃった婚?
 まあ、子供うるさいだけだし。
 旦那もさんざん文句言うんで」
「へえ、そりゃ大変ー」
 適当に話を合わせるが、こいつバカか?
 そう思われる節が多々ありすぎてどうにもまとまらない。
 この子が果たして、かなた、かすらも怪しいからだ。
「あ、できたみたい。
 じゃ、脱いでもらっていいすか?」
 脱がせないのか!!
 これで二万五千円はぼったくりだろ。
「あーいいよ、先行っててよ」
「うん‥‥‥あれ、凄いっすねーー」
「え、ああ。
 これ、な」
 若気の至りで、背中に彫り込んだ銀色の鷹のタトゥー。
 もう色あせてグレーくらいになってるが、いまでも黒いシャツは欠かせない。
「渋いーーお客さん、そっちの人?」
「なわけ‥‥‥もう十年以上前のだよ。遊び遊び」
「ですよねー‥‥‥」
 少し引かれた?
「湯舟で先どうぞ」
 そう言われてもなあ、これマットレスは?
 そんなもの無視で、相手も入ってくる。
 まあ、下に少し光るものは見えた。
 胸にも片方だけ、ピアスの後がある。
「ボディピ好きなんだ?」
「へ?
 ああ、これ‥‥‥旦那がそういうの好きで。
 拒否したら殴られたから」
 そこだけは本音だったらしい。
 視線の落とし方と背中に漂う重荷でなんとなくそうかな、と思えた。
「あーごめんね、下にも見えたから」
「え?
 見ます?」
「いいならー」
 そんな簡単に見せていいのか、おい?
 警戒心ゼロかよ!?
 叫びながら浴槽に立ち片足を上げて開いてみせてくれる。
「すげー‥‥‥初めて見た。
 両方で六連? 三連??
 痛くないの、これ?」
「取ると‥‥‥」
「ああ、殴られるんだ。
 旦那さん、恐いんだねー」
「うん、ちょっとお客さんより若いけど。全部入ってるから」
「え?
 全部ってこれだけでも百万ちょいかかってるよ?
 和彫りならもっといるでしょ?」
 どの程度の若さだよ、そう聞きたかった。
 タトゥーじゃなく、和彫りで全身は‥‥‥本物さんでもかなり上の人だよ。
 そう思ったからだ。
「ううん、タトゥーだけど。
 全部、消えてくからーはは、ごめん。
 あ、どうする?
 本番、する?」
「いや、それやったら捕まるって」
「うーん、後ろは痛いから。あんま、ね。
 店には内緒にしてくれたら、いいよ?」
 いや、それ掟破りだから。下手したら俺までヤバイやつ。
 誰にでも言ってるんだろうなあ。病気が怖いわ‥‥‥ヒロキはそれはお断りすることにした。
「あ、じゃあベッド、いこっか」
 そうは言いつつすでに一時間半以上経過。
 湯舟でこんなに時間使ったら、できるもんもできねーって。
 そうヒロキは毒づいていた。
「旦那さん、若いのにそんなに入れてんだ?
 俺でもまだ二十九なのに」
 少しだけサバを読ませてもらった。
「あ、うんいま二十一かな。あたしより、三つ上」
 旦那まではビンゴ。嫁はかなたではないかもしれない‥‥‥
「ああ、なんか大変そうだし。
 休憩していいよ。俺、週末までいるからさ。
 もうニ、三回呼ぶかも?」
 まあ、小遣いにしなよ、タバコ代ーー。なんて言いながら一万札を一枚。
「え、まじ?
 いいの‥‥‥??
 なんにもしない?
 痛いこととか?」
「したら怖いお兄さん出てくんじゃん、電話番号も知られてるのに。
 それ勘弁‥‥‥」
「だよねーー」
 そしてタイムアウト。
 帰り際に、タバコ臭いキスと名刺をくれた。
 裏には電話番号が手書きで。
「また、連絡して」
「え、店は?」
 ウインクして先にでる彼女。
「おいおい‥‥‥全部、アウトだよ。
 まあ、いいか。わけわからん収穫あったし」
 電話番号登録して出てきたline画像と、あのハヤテ君が送ってきたID検索で出た画像。
「こんなにすんなり、行きすぎだろ?
 てか、かなたさん。あんた何歳だよ???」
 あの法律文書の生年月日がおかしいのか。
 それよりも見たピアスの跡とあの送信されてきた画像を見比べる。
「全然、違うな‥‥‥」
 捜査は振り出しに戻りつつあった‥‥‥

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