投棄姫~氷の国の令嬢は不遇な我が身を呪い、自由を夢想する~

星ふくろう

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北の子悪党たち

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「で、アスラン。
 多少は儲かる話を持ってきたのか?」
 所長のゲーダムは前回の護送時よりも更に丸みを増した腹を撫でながら所長席に深く腰掛けてアスランを眺め見る。
 頭部の退行も腹に増して進んでいるようで、磨けば陽光をさぞや反射して周囲をまぶしがらせるだろうなとアスランは笑いをこらえながら彼の席に歩み寄った。
 ここは通称、北壁と呼ばれるレベンルグ刑務所の所長室である。
 地下に広がる囚人たちの寝泊まりする房と作業場とは逆に、ここは地上二階建ての監視塔の一階にある。
 このあとの季節からは雪に閉ざされるレベンルグ山脈の峰々も、ここだけは特別だ。
 海からの風とレブウン氷河のもたらす気流がこの場所だけを雪から守っている。
「そうですね……。
 まあ、収穫はイルバーニ学園の制服と、貴族のご婦人の身に着けていた宝石が多少。
 ですかね」
「イルバーニ……?」
 ゲーダムは眉を持ちあげると不可解な顔をする。
「あそこは名門貴族の子弟ばかりではなかったか?」
 中央の政権争いにでも負けた貴族の子弟でも流されてきたか……?
 そういうと、普段は滅多に広げない囚人名簿をパラパラとめくる。
「これか?」
 言って、マイラムやシェスカの名前と囚人番号、刑の詳細な内容が書かれたページを指さす。
「そうそう、それですよ」
 んー……とゲーダムはシェスカ、アイニ、サティナと目を通していく。
「ん? 
 身分詐称?」
 アスランは少し頬を引き上げた。
 気づいた、というような感じだ。
「イルバーニ学園ってさあ、どうなんだ?」
 それはつまり、身分詐称しては入れるほど入学審査は甘いのか、という意味だろう。
「いやー……。
 どうと言われましても、叔父さんの方が詳しいでしょ?」
「ここでは所長と呼べと言ってるだろう」
「すいません、ゲーダム所長」
「まったく」
 とゲーダムは残り少ない頭髪を撫でつけながらため息をつく。
「ここレベンルグは我々ウルスフェーゼンの者にとって、残された数少ない領地なんだぞ?
 なあ、アスラン。お前の小遣い稼ぎもー」
 わかってますよとアスランは片手を持ちあげてゲーダムの言葉を止めた。
「ただねえ、所長。
 どうなんですか? あいつ」
「ふうむー」
 ゲーダムはその出過ぎた腹を据えるには小さく見える椅子に深く腰掛けた。
 椅子の方が彼よりも小さく見えてアスランには椅子が気の毒に思えた。
「そうだな、アスラン。
 まず、王家からの子弟もいく場所だ。
 その意味では、このーグレイエルフか。
 土民が身分詐称で入るのは珍しいというか、難しいだろうなあ」
 グレイエルフ、土民。かゲーダムは報告書を読み込む。
「しかし」
「しかし?」
 これだ。
 マイラムの貴族階級は子爵だ。
 爵位でいえば、下から二番目。
 よくも無く、悪くもない。
 武勲を上げた騎士や優れた業績を残した文官が取り立てられるのが叙二位と言われる。
 それより下の階級だから貴族としては悪くはないと言えるだろう。
「子爵にグレイエルフがなるというのはなかなか珍しい」
「まあ、そうですね」
「あるとすれば、初代僧門王が土民を征した際に協力した土民の王族か豪族の可能性が高いが……」
 叔父さん、とアスランは続ける。
「所長だ」
「その家名、どうですか?」
「家名?」
 言われてゲーダムは初めて気づいたという顔をする。
「ほう、シワク家か。
 賢識の覇者の家系を偽っての入学ともなればまあ、死罪は免れんな」
「でしょ?
 それが身分詐称だけでここに来るってのはどうなんです?」
「まあ、そういう処遇になることもあるだろう。
 誰かがそう手心を加えれば、な」
 ゲーダムはそういうと、隣に立つ秘書にもう一杯、と紅茶を持ってくるように促した。
 二人だけになった所長室でゲーダムは、さて、と本題を切り出す。
「で、どの程度の約束をしたんだ?」
 また妙な思い入れをしとらんだろうな?
 そう突っ込まれる。
「あーああ……。
 まあ。今回は当たりさわりなく三階層行きということで。
 基布あたりにつけていただければ、と」
「あのなあ、アスラン。
 お前月に二回ここに連れてくる女囚人のうち、数回に一回は誰か一人は基布へと言っとるが。
 三階層には堕とされた貴族連中もおるんだ。
 あんまり多くと行かせたらお前の不正もなー?」
 誰がどこで聞いているかは分からない、と言いたそうだ。
「盗賊もいるようだし、今回は基布は無理だな。
 基布は基本的に貴族の御姫様たちの労働だ。
 配布に回ってもらうことにしよう」
「配布?
 それじゃ俺の約束がー」
 慌てるアスランをゲーダムはにらみつける。
「お前の小遣い稼ぎの尻拭いをわたしにさせる気か?」
「いや、そういうわけじゃないが……」
 参ったなと頭を抱えるアスラン。
 まさか裏切られたと呪いを発動されないかと安心はできなかった。
「どうした?
 何か問題があるのか?」
「いや、いい。
 なんでもないよ。配布は重労働だが、まあ、いいだろ」
 多分、ね。
 自分の命が簡単に掻き消えるかもしれない危機だが、まあ仕方ない。
「ではアスラン。
 今回持ち帰るものは用意しておいた。
 まあ、女どもは男どもとは分けるようにはしておいてやるよ。
 それでいいだろう?」
 物のように人のことを言う叔父を知らない人間を見るような目つきで見てしまう。
 だが、アスランはそれを忘れることにした。
「ああ、それでいいよ。所長」
「積荷は間違いなく持ち帰るようにな。
 罪人の護送という便利な手段を用意してくれた中央に感謝しなければならん」
「それは聞かれたらまずいでしょ?」
 ふざけていうアスランをゲーダムはにらみつける。
「我がウルスフェーゼン氏族の再興がかかっておるのだ。
 こんな北の局地でもどうにかやっていける時代では無くなってきたからな……」
「オルビオの政治的圧力、ですか」
「そうだな。
 大陸からの移民には……、ここは冷たい」
 侵略者として大陸から七の国ハイフを征服した初代の僧門王とその臣下はー。
「いつか還らん、砂塵の舞う我が愛しきかの地へ、ですか」
「そうだ。
 その為にはここは捨ててはならん」
 ゲーダムは強く言い切った。


「いつか還らん……か。
 そんな数百年前の土地を望んだって今更なあ」
 所長室をあとにしてアスランはあきれ顔になる。
 土民たちの王は既にその子々孫々に至るまで抹殺されたし、土民側の最大戦力だった精霊使いたちもその全てが抹殺された。
 いま、このハルフゲインと呼ばれる世界でハイフの王族とその臣下が使役したという、灰狼の魔獣や大樹の精霊を扱える存在はいないはずだ。
 少なくとも、表向きは、だが。
 アスランたちの祖先はかつて央国イシュアの砂漠と草原地帯に広く住み、鉄鉱石などを用いた独自の製鉄技術と騎馬民族としての機動性も併せ持つ大帝国を築いていたという。
 しかし、魔法や精霊などの加護を得るには大地の素材を加工して武器にする彼らは歓迎されなかった。
 シズラムのドワーフ族はミスリルなどのまた別の素材から加工した武器をハルフゲイン全土に多く輸出している。
 だがその鉱石は彼らの主神によって与えられたものだから、加護を受けれるのだという。
 現在の央国イシュアはかれらを追い出した魔導国家群により支配されている。
「この国だけで満足できないのかねえ……我らが僧門王は」
 そうぼやくと、自分の変えるべき飛空艇の方へと進む出口を目指した。


 ◇


 シェスカに抱き起されてわたしはどうにか床に立つことができた。
 下腹部はまだ痛いけど動けないと言えば何をされるか分からない。
 この上空から放り出されては元も子もない。
 何が起きてもこの飛空艇の中ではあの男、アスランの思いのままに出来る可能性が高かった。
「大丈夫、マイラム?」
「大丈夫じゃ……ないけど。
 いいわーありがとう」
(マイラム……)
 影の中からセッカが心配そうに声をかけてくる。
(大丈夫よ、いまはそこにいて)
 わたしは滅多に使わない思念でセッカと会話をした。
 これをすると他の人からの声や音が遮断されるからあまり使いたくないのだ。
 セッカは不満そうなうなり声を上げるが、そのまま黙ってしまった。
 アスランの暴行にまだ腹を立てているようだ。
 もし、彼に復讐する機会があればセッカは容赦せず、その牙を突き立てるだろう。
 でもそれはして欲しくないことだ。
 魔獣は人の血を味わうと狂気に駆られることがあるという。
 制御できなくなった彼を見たくはなかった。
 とはいえ、わたしと彼は主従でも契約や盟約の友でもない。
 もっと深いもの。
 言ってみれば、あの浮気者の元婚約者アスバルと同じ立ち位置だといえば早いかもしれない。
 わたしはいずれ人間かエルフかそれ以外かもしれないが夫を迎え、それとは別に黒狼の子を宿すことになる。
 これはおばあ様より続いてきたシワク家に生まれた女の宿命だった。
 そんなセッカはわたしのある意味、恋人であり、夫であるわけだ。
 わたしがアスランにあんな扱いを受けたとすれば、セッカが黙っているわけがなかった。
(こんな時におばあ様がいてくれたら……ね、セッカ)
(そうだな。マキナがいればこうはならなかったかもしれん。
 とはいえ、私も彼女に会ったことはないからな)
(セッカが産まれたのはわたしより少し前だもんね……)
(私の父はマキナの連れていた祖父の名を私に付けたと聞いたことがある)
(そういえば、そんな話を聞いた気もするわ。
 アオハ叔父様が言っていた)
 アオハとはセッカの父親。私の母親の盟約の黒狼の名前だ。
 黒狼は代々、オスしか生まれない。
 その子供はウテメの女しか宿せない。
 ウテメ家の始祖、マキナははるかな異世界で彼らと契約を交わしたのだという。
(しかしー……)
 セッカが不満げな声を出す。
「何よ」
 つい、声がでてしまった。
「え?」
 隣にいたイエニがきょとんとした顔をする。
「あ、ごめん。
 痛みでもうろうとしてて……」
「ああ、無理して立つからだ。
 座っていろ」
 イエニは優しい声をかけてくれた。
 昨夜からわたしたちには妙な連帯感が出来ていた。
 このまま北壁で人生を終わらすことになっても……この連帯感は守っていきたかった。
 それよりも、影で微妙な意識を放ってくる彼にいまは少しだけ怒っていた。
(すまん。
 だが、これは抑えようがないのだ)
(わかってるけどー……。
 これからは無理だって理解してるでしょ?)
(そうだな。
 痛みがある中にすまん)
 そう言ってセッカは引っ込んでしまう。
 アスバルと同棲していた時も、どうにか目を盗んで彼を慰めていた。
 彼らは魔獣。
 人やグレイエルフとは違う。
 周期的に訪れるそれは、本能的に抑えきれないものだ。
 彼を受け入れることは問題はない。
 ただ、今は怒りの方が強かった。
(そう怒るな……)
 セッカが申し訳なさそうに言う。
(仕方ないでしょ。
 あなたの、アスバルのより……痛いんだから)
 あの時の痛みと今の痛みがついつい重なってしまう。
 オスになったセッカは激しい。
 それは悪くないのだが……。
 わたしが影に入って受け入れるとしても、彼をこちらに呼び出すとしても。
 これからは始終監視の目があるのだ。
 夜の闇に紛れてバレないようにそれが出来る自信がわたしにはなかった。
 同時に、そろそろなのだ。
 セッカの子を宿すように身体が変化を終えるのは。
 ここで妊娠したまま、脱出を目指すのは不可能なことのように思えた。
「……ラム、マイラム」
 えっ? とわたしは我に返った。
「外を見ろと放送があった。
 見てみろ」
 アイニが肩を貸してくれて、窓際に連れて行ってくれる。
「え、上昇してない?」
「そうなんだ。
 なにを見せたいー……?」
 その疑問は直ぐに晴れた。
「なんだ、これ……」
 窓の外は最初、一面の岸壁だった。
 それが数分続くと、岸壁が晴れその向こうには一面の大海が広がっていた。
「すごい……」
 シェスカが感嘆の声を上げた。
 朝日の昇るその光景は雄大というよりはこの世のものと思えない光景だった。
「最後の手向け、ということなのかな……?」
 シェスカが言う。
「いや、それはどうかな」
 アイニが訝しんで首を傾げた。
「さっきまでわたしたちは岩肌が続く光景ばかり見てきた。
 北壁がこの岩壁の向こうにあるなら話は別だが」
 確かに、窓から見える限りでは海面以外の陸地が見えなかった。
 この真下にあるなら理解できるが、アスランを始め刑務兵たちは何を見せたいのだろう。
ーこれから降下しながら転回する。よく見とくんだな。
 また放送が伝声管から流れてくる。
 降下しながら転回?
 どういう意味なのかわたしたちにはわからなかった。
 しばらく張り出した窓から上下を数人で観測して、わたしたちはようやくその意図に気づくことになる。
「見てあれ……」
「あれってー」
 窓の遥か上空まで巨大な岩肌が続いている。
 雲が邪魔して全ては視界に入ってこないがそれは巨大な山だということは理解できた。
「見て、下のあれ」
 張り出した窓の下には広大な水が流れていた。
「これ、まさか北のレブウン大河じゃあ?」
「ならさっきの海は北海ってこと?」
「じゃあの山は???」
 初代僧門王がこのハイフを攻め落とした際に、最後まで抵抗したグレイエルフの王と盟約の魔獣の一族。
 灰狼王とその臣下たち、そして樹霊の精霊が最後に戦った場所。
 今でも山頂から噴煙を吐き出している霊峰チャンドラ。
「最悪だな……」
 そうアイニが呟く。
 そうだ、この状況で地下の刑務所とはいえ逃げることを考えるものはいないだろう。
 しばらく絶望感とチャンドラの威圧感を感じながら外を眺めていると、ふと人工物が見えたような気がした。
「なにかしら」
 サティナとシェスカも見えたらしい。
 それはチャンドラの岸壁を大きくえぐり取ったような、広い自然の棚地がそこにあり、確かに建物のようなものと棚自体を広く覆う高い壁が見えてきた。
「あれが……」
「北壁ー……レベンルグ刑務所、だな」
 アイニが諦めかけた口調で言った。



 □



「どうだ?
 なかなかいい眺めだっただろう?」
 監視塔に連行されるマイラムたちをアスランは建物の入り口で待ち受けていた。
 得意げな笑みを浮かべてマイラムに言う。
「なにがいい眺めよ、このーっ」
 せめて文句だけでも言ってやろうとしたが。
 首と手足に繋がる枷を繋ぐ鎖を別の看守に引っ張られマイラムは倒れこみそうになった。
「おいおい、列を乱したら独房行きだぞ。
 きちんとルールは守らんとな」
 また下腹部を蹴られるかと身構えたがそれはアイニが庇ってくれた。
「旦那、もういいだろ?」
「おい、無駄口を叩くな!」
 数人いる看守に鎖を引かれ、二人は喉を強く圧迫されて息に詰まる。
「この、人でなし!」
 本当は根性なしと罵りたかったが、そこまで言うとまた蹴られそうな気がして控えておいた。
「それだけ元気なら、まあ、やっていけるだろう。
 おい、フーシェ」
 アスランは馴染みなのだろう。
 看守の中でも一つ上等な制服を着た男に声をかけた。
「どうした。
 アスラン殿、揉め事は困る」
「まあ、そういうな看守長補佐殿」
 さあ、歩けと引き立てられるまま列に従うマイラムはその会話が気になった。
「で、なんだ?
 また頼み事なら所長にだな……」
 横目でみた限り、フーシェ看守長補佐は補佐という役の割には気弱そうな人物だった。
 体格は周囲の部下たちより一回り大きいのになんだかその様は滑稽にマイラムたちの目には映った。
「あのさっきの娘だがな」
「どの娘だ?」
 フーシェは建物の中に入っていく一団に視線をやる。
「黒髪のグレイエルフの娘だ。
 俺に暴言を吐いた。
 しばらく独房行きにしておいてくれ」
「しばらくって……どの程度だよ」
 そうだな、とアスランは面白そうな顔をする。
「次に俺が来るまでだ。
 第三房辺りがいいな」
 第三房?
 そう聞いてフーシェの顔が渋くなる。
「あそこは四層の奥地だぞ。
 わざわざ暖かい独房を用意してやる馬鹿があるか」
 それもそうだな、とアスランは考えをめぐらす。
「なら第七房にしよう。
 あそこなら、暖かくはあるまい」
 フーシェが呆れた顔をした。
「極端なやつだなお主は。
 気に入った色(愛人のようなもの)かと思えば、男の虜囚でも根を上げる地上の独房を言うとはな……。
 なんだ、何かあったのかあの中で」
 と飛空艇を指さした。
「まあ、なんだ。
 いろいろと跳ねっ帰りはお仕置きをしときゃ、次来た頃にはおとなしくなるだろ?」
 そういうことか、とフーシェがいやらしい顔をする。
「まあ、いい。
 凍え死なんように出来るだけの厚物(防寒具)は与えて放り込んでおく。
 お主、次に来たときに寝首を掻かれんようにしろよ?」
 そう笑ってフーシェは行ってしまった。
「まあ、これでくたばってくれるなら厄介事に巻き込まれる心配も減るかもしれんしな……」
 そう言い残してアスランは所長室へと向かうべく監視塔に足を運んだ。



 ◇


 あの二人、何を話していたんだろう?
 わたしは動きづらい手かせ足かせを恨めしく思いながら、イエニやシェスカたちとともに多分、これからどこに行くか差配するであろう庁舎へと入っていく。
「よし、ここで待て」
 さっきのアスランと会話していた男が号令をかけた。
「これから検査を行う。
 四人づつ前に出ろ」
 言われて男の囚人たちが数人、前に引き出された。
 枷の鍵を外され、全裸にされて看守たちに全身を調べられていく。
「ちょっと……」
「まさか、わたしたちまで……」
 シェスカとサティナが悲鳴に似た声を上げた。
 アイニはこうなるかもしれないと覚悟していたのだろう。
 何も言わず黙って順番を待っていた。
 列の中央ぐらいに位置していたわたしたちを看守が前に引き出そうとする。
「ちょっと!」
「やぁあ、いやだぁあ」
 シェスカとサティナが悲鳴を上げて抵抗する。
「ああ、待て。
 その四人はいいんだ。
 俺が見る、こっちに連れてこい」
 制止の声はアスランのものだった。
 看守たちはまたお前が好きにするのかよ、などど笑いながらわたしたちの髪や首に繋がる鎖を引っ張ってアスランの方へと放り出す。
「アスラン、あまり好きにするなよ?」
 さっき、建物に入る前に話していた看守の一人が声を上げた。
 みんな、楽しみたいんだ。
 それはそう言っているようにわたしには聞こえた。
「あー、うん。そうだな……。ならー」
 と、アスランはわたしたちに視線をやる。
「これならいいだろ?」
 髪を乱暴につかまれて看守たちも前に放り出されたのはシェスカだった。
「や、嫌だあ……あの場所で着替えたらって……」
 シェスカの顔色は真っ青になっていた。
 寒さもあるだろうが、羞恥心が全身を覆っていた。
「脱げよ。
 それがみんなの望みだとさ」
 アスランはゆっくりとシェスカに近寄る。
 なにかをそっと耳打ちしたようにも見えた。
 サティナは自分でなかったことに安堵したような顔をしているし、アイニは黙ってそれを見ていた。
 ここでシェスカを酷い目に合わせるくらいならー……。
「待って! わたしがー」
「いいの!」
 え?
 わたしは耳を疑った。
 アスランに何事か言われてシェスカは態度を変えていた。
 シェスカ、何を言われたの……。
 わたしはわけがわからなかった。
 なんで否定したの、わたしが代わりになるのに。
 そう言おうとしたが、彼女の青い瞳に宿った強い意志に遮られた。
 シェスカ……なんで。
「私がやります」
 そこにいたのは、わたしの知る、飛空艇で守られたいた弱弱しい貴族の娘ではなかった。
 自分で何か守らなければならないという。そんな意思に付き動かされた人間の姿だった。
 だめだ。
 わたしはそう思う。
 彼女は決めたのだ。
 この場で四人を守るための犠牲になると。
 
 全てを脱ぎ去り、看守の言い難い検査行為に耐えてシェスカは戻ってきた。
 泣きそうだが、涙を溜めていなかった。
「シェスカ……」
 わたしにはかける言葉が無かった。
「大丈夫。
 マイラム」
 そう言ってシェスカは私に微笑み返してくる。
 わたしは、その目を見ることができなかった。
(マイラム、きちんと見るんだ)
(え……?)
 そう、セッカが話しかけてきた。
(あの子は強い。
 お前に借りた恩をこの場で返したんだ。
 アスランに何を言われたかは知らんが、俺たちを守った。
 シェスカを見ろ)
(だって……わたし、守れなかった)
(お前ができることばかりじゃない。見るんだ)
 このバカ狼。
 言いたいことだけ言って黙ってしまった。
「シェスカ」
「シェスカさん……」
 他の二人にもシェスカは気丈な顔をして微笑んでいた。
「アイニさん、サティナさん。
 大丈夫だから……」
 ごめん、そう言いたかったが声を出せなかった。
 泣きたいだろう彼女よりも先にわたしが泣いているのが情けなかった。
「ありがとう、マイラム。
 大丈夫だから」
 シェスカはわたしをそっと抱きしめてくれた。
 ああ、情けない……。
 悪役令嬢として後ろ指をさされてもいいと恰好をつけた昨夜の自分はどこにいったのだろう。
 こんな、仲間に恥ずかしい思いをさせてまで守らせてしまうなんて。
「もう、泣かないから……泣かせないから」
 わたしはそうシェスカの胸元で誓った。
「うん、ありがとうねマイラム」
 見上げたシェスカの顔はここに来た時とは違う、強い何かに支えられたように成長していた。
 わたしも強くならなきゃ。
 そう思った時、ふとアイニとサティナが目に入った。
 アイニは済まないという何かをかみしめたような顔をしている。
 サティナの……。
 彼女のシェスカに対する視線にどこか蔑んだような、侮蔑の視線を一瞬感じたのは気のせいだろうか?
 わたしはサティナをこの時からどこか怪しむようになっていた。


 □



「さあ、そろそろいいだろ?」
 フーシェは今回やってきた四人の女囚に向かって言った。
 アスランはそのうちの一番若くて見た目がいい少女を何やら言い含めて、観衆の前で全裸にさせた。
 これで部下たちの不満も多少は減っただろう。
 フーシェは最近、アスランが所長の親族ということで出過ぎた真似をしているのを、部下たちが快く思っていないのを知っていた。
 これで部下たちの溜飲も多少は下がるだろう。
 そう思い、そろそろ潮時だと声をかけた。
「ああ、じゃあ任せた」
 アスランはそういうと奥まった場所に見える階段へと足を向けた。
「お前たちはあっちだ。
 行き先が決まるまで待つんだな」
 お前はー、とライラムに近寄ると首に繋がった鎖を引き上げる。
 少女はううっと声を上げた。
「お前はこっちだ」
 え?っという驚きの顔を他の女たちがする。
 なんだ、アスランと取引済みだったのかとフーシェは理解した。
「こいつは刑務兵殿の命令に異論を挟んだからな。
 独房で反省するがいい。連れていけ、七房だ」
 部下に指示をしてマイラムはまるで野良犬の首に縄をつけて引きずるようにしてその場から連れていかれる。
 緑の髪の、先ほど一人で犠牲になった少女が声を上げようとしたが、グレイエルフの女に止められていた。
「次はこっちだ」
 フーシェが部下に指示を出す。
 三人の女たちは階段に消えたアスランに余程、怒りがあるのだろう。
 しばしにらんでからその場から消えて行った。
「やれやれ……。
 アスランもほどほどせんと命がなくなるぞ、まったく」
 彼が賄賂を請け負う度に自分たちの仕事が増えるのだ。
 まあ、その分、毎月の給金には所長からの賄賂の配分が含まれているから旨味があるといえばあるのだが。
 そろそろ、女だけか、男だけか。
 どちらかに分けて欲しいとは思っていた。
「どちらにしても、ここじゃ三年ももたないがな……」
 北壁行きは死を意味する。
 それほどまでに、ここの労役は過酷だった。



 ◇


「はは……。何よこれ……」
 わたしは訳がわからないまま、二人の看守に引きずられていた。
 自分で歩こうとしても足かせがあってうまく歩けない。
 首に指先を入れてどうにか窒息しないようにしながら歩いて十数分。
 ようやく、地上の監視塔の端にある小屋のような場所で看守たちは足を止めた。
「お前も可哀想になあ。
 ここの寒さは並大抵じゃない、同情するよ……」
 若い方の看守がわたしを見て言った。
「おい、そんな声をかけるんじゃない。
 所長に聞こえたらまたうるさいぞ」
「はい、すいません……」
 まだこの任務について間もないのだろう。
 わたしより少しだけ年上の彼はうなだれてしまう。
 ああ、誰かに似ている。
 アスバルだ。
 年上なのに頼りなくて、でも熱い抱擁をくれたあの人に似ている。
 あの強い意志の瞳の輝きはなぜわたしじゃなく、シスアの傍にいたエミスティにいってしまったのだろう。
 わたしの一年半は、あの日々はどこに消えたのだろう。
「先輩」
「どうした?」
「この子、泣いてますよ」
 え?
 言われて初めて気が付いた。
 頬を熱いものが流れている。
 なんで泣いてるんだろ、わたし。
 こんなにも情けない状況なのに……。
「君、大丈夫か?」
 若い方の看守がわざわざハンカチを取り出して、涙を拭ってくれる。
 ああ、温かい。
 これが、人の優しさなんだ。
 わたしはそれを感じた瞬間、忘れていた何かを思い出した気になった。
 生きて帰るんだ。
 必ず。
 例えもう無理だとしても、もう一度あの人に会いたい。
「はい……大丈夫、です」
 わたしは立ち上がる。
 自分の意思で。
 シェスカがみんなのためにしてくれたことを無駄にしちゃいけない。
「すいませんでした。
 お願い……します」
 わざとしおらしさを装って建物の中にある細長い房に入れられた。
「不自由かもしれんがな。
 これは我慢しろよ」
 片足にだけ太い枷がつけられ、それは壁にしつらえてある金具の輪に錠で止められた。
 独房の天井は高く、多分、首つりを警戒してだろう。
 梁のようなものは何もなかった。
 壁の上には首を出せるかどうかの四角い天窓があり、しっかりと鉄の格子が嵌められていた。
「はい、ありがとうございました」
 わたしがそう言うと、年上の看守が鉄の扉を閉め、中をのぞき見する窓を開けて何かを言った。
「食事は朝晩の二回だ。
 後で厚物の支給をするから待っていろ。
 トイレは奥にある。寒いからな……気を付けろよ」
 若い看守が心配そうにこちらをのぞき込んで去っていった。
 薄暗い独房に目が慣れると、最奥にトイレとその横にベッドが。
 手前に食事用のテーブルとイスがあった。
「紙とペンまであるじゃない……」
 死にたいなら勝手にしろ。
 そういうことなのだろう。
 こんな場所なら、死体の処理にまでどうこう言われることもないのかもしれない。
 看守たちは、わたしのような独房に入れられた囚人には勿体ないくらいの毛布や肌着を与えてくれた。
 アスランの指示なのか今のわたしには何も分からなかった。
「待つのよ……。
 それしかない」
 自分に自分で言い聞かせた。
 唯一の救いと言えば、わたしにはセッカがいることだろう。
 彼がいてくれなければ、わたしはここで死を選んだかもしれない。



「ねえ、セッカ」
 夜になり、周囲が一際静かになった。
 呼ぶと彼は影から出てきて、ここ数日見ていなかった雄々しい全貌をわたしにみせた。
 立派な黒狼の成体に成長した彼は四肢を地につけたままでわたしより少し低いほど。
 大型の猟犬の倍はある体躯は、立てば大人の男性を軽く凌ぐ。
 こんな彼をわたしに受け止めろというのだ。
 痛いのも変ではないと思ってしまう。
 アスバルを迎える前に、彼を受け入れた時はもうすこし背丈も体格も小さかったのに。
 わたしの身長は、祖母のマキナが残した異世界の丈を測る縮尺で165センチ程度だ。
 それより少し低い狼と交わるわたしのことをアスバルが知ったとしればなんて言うだろう。
 獣姦を楽しむ狂気の女と蔑むだろうか?
 でも、仕方ないじゃない。
 これは祖母から伝わるマキナの血筋の女の宿命なのだから。
(なんだ、マイラム)
「ねえ、周りを探って来てくれない?」
(待っていろ)
 それだけいうと、彼は闇夜に消えた。
 しばらくして戻ってくると、私の頬を舐めながら案じてくれた。
「どうだった?」
(この建物には誰もいない)
「本当に?」
(ああ、最初の建物に看守たちが集まっているようだな。
 定期的に見回りはあるかもしれんが……)
「そう……」
 なにを考えている?
 そうセッカはわたしに問いかける。
「ねえ、セッカはどう思う?
 アスバルに捨てられ、学園から追われたこんな女……、ねえ、どう思う?」
 セッカは不思議そうにわたしを眺めていた。
 そして言う。
(どうも思わない。
 お前はできることをしようとした。
 計略にかかったなら……あんな男にもう身を奉じる必要はあるまい)
「どういうこと?」
(俺はお前だけの黒狼だ)
「そう……」
 言ってわたしはセッカの首元に手を回す。
「ねえ、いまならしてあげれるよ?
 声はだせないけど……」
 ウルルルと黒狼は喉を鳴らす。
「どうしたの?
 こんな女はいや?」
 自分でもどうしていいかわからない。
 ただ、この心を誰かに埋めて欲しかった。
(マイラム。
 俺の惚れた女はそんな安くはない。
 もう寝ろ……)
 なによそれー。
 セッカは言い残すと影に消えてしまった。
「なんでよ。
 誰も救えないわたしなのに。
 なんで抱いてくれないの!」
 影が仕方がないやつだというようにうごめいた。
(お前は強い女だ。
 誰も救えてないのではない。誰にもすべては叶えられない。
 マキナもそうだった)
「え?」
 おばあちゃんが、あの何もかも万能だと言われた賢識の覇者が。
 そんなことは聞いたことはなかった。
(また話そう。
 今は眠るんだ。
 俺は自分を捨てた女を抱く趣味はない)
 少し笑ってしまった。
「何言ってるのよ。
 わたしだけとしかできないくせに」
 セッカが無言になる。
「ちょっと、なによその間は?」
 こいつ、どこかの狼と浮気でもしてるんだろうか?
(何でもない。寝るぞ)
 そういうとセッカがベッドにもぐりこんできた。
 暖かい。
 彼の毛皮に包まれていれば寒さにも耐えれそうだった。
「お前、もし浮気したらわかってるよね?」
 黒狼の雄たる部分を強く握りしめてやる。
「これ切り取ってやるんだから」
(やめろ……。お前は恐ろしい)
 人間なら冷や汗を流しているのだろう。
 耳を伏せ、降参したかのように縮こまってしまった。
「ほんきだからね」
 黒狼は何も言わない。
 代わりに尻尾を丸め込んでしまった。
「嘘だよ。大好きだからね」
 彼は返事をしない。
 魔物と人間の愛など、誰も受け入れないことはわかっている。
 それでも、わたしは彼が好きだった。
 ヒャン。
 セッカが小さく悲鳴を上げる。
 わたしが悪戯半分に、さっき握ったところに軽くキスをしたからだった。




 
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