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第一章 春を買いませんか?
使い魔は登校したい?→していた!?
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いや、勝手に変えてなんかないけど。
ただ呼び名が変わっただけじゃない。
悪いことをしたように言われて内心嬉しくない私はそうむくれて見せた。
言ってみれば、地球のアメリカや日本みたいなものなのだ。
あちらは地球がエル・オルビスで、国の名前がイルベル。
ただそれだけなのに、酷い言われようだった。
「変えてなんかないわ。
ただ国名か、地方の名称が変わっただけじゃない‥‥‥」
「あっそう?
でもイルベルなんて地名、知らないけどねボクは」
「二千年もいながら知らないなんて、モグリじゃないの‥‥‥」
「ひどいなあ、モグりじゃないよ。
第一、二千年ずっとあの世界にいたわけじゃないんだから。
正確には、イルベルって呼ばれる土地は知らない。
帝国はまだあるんだろ?」
「帝国ってどこの帝国‥‥‥」
だからさー、とエレノアは呆れたように肩をすくめた。
背中に銀色のなにかが見えたかと思うと、それを一閃し、彼女の全身がにぶい銀光に包まれた。
こういうとこ、便利なのよねえ。
粒子?
それを固定化したのかどうかわからないけど。
エレノアは綺麗な紺色のブレザーを身にまとっていた。
正確には、私が通う高校の制服に‥‥‥。
「行くつもりなの?
常盤高校に!?」
「当たり前でしょ?
もう八か月も通ってる。
綾香みたいに家庭の事情だの、なんだの理由つけて休んでないよ、ボクは?」
「ああ‥‥‥。
本当に頭が痛くなりそう。
八か月も!?
どうやって??」
「綾香の目につかないように、そっと行き来してたの。
綾香は常盤本校でしょ?
ボクは真島分校。
そりゃ知らなくても仕方ないよねー」
そういい、彼女の髪色と瞳の色、肌の色がすべて日本人使用に‥‥‥。
真っ黒の髪に、日焼けの後ののこる褐色の肌、吸血鬼らしくない。
瞳の色だけは鳶色で、少しばかり金色のようにも見える。
名前はどうなってるの?
最低の朝だわ‥‥‥、私は、そう呻いていた。
「名前?
幸田エレノアだよ?
いい名前でしょう?」
「なんて安直な名前なの!?
漢字はどう書くのよ、学年は?」
「そのまんま、カタカナ。
学年って綾香と同じ二年に決まってるじゃない?
今日は会えるねー??」
「‥‥‥どういうこと??」
「何言ってるの、綾香。
合同進路相談会じゃない‥‥‥」
「知らないー‥‥‥」
本当に?
プリントだって、教室のSNSだって配信してたじゃない。
そう、エレノアはどこからか取り出したのかスマホ、それも、この夏に出たばかりの最新式のやつだ!
それをいじってほら、と見せてくれた画面には確かに、そんなお知らせが届いていた。
「もう二年の冬なんだから。
大学に行くか、就職するか決めなきゃ。
まあ、第三、第四の選択肢もあるけどね?」
「第三、第四?
進学、就職、留年‥‥‥あとは何?」
「え?
綾香には縁がないよねー。
あっちにもこっちにも跡が残らないようにしなきゃいけないんだから。
あー可哀想な綾香ちゃん」
「それってまさか‥‥‥」
「そう、結婚。
綾香には縁が無いね。彼氏君もいない。
なんでそう、世界と世界から自分を遠ざけようとするのさ。
ねえ、綾香?」
「だって、あなた。
学校なんか、それにエレノアって名前のままでどうやって?
戸籍は?」
「質問には答えないんだから、つまんないな。
戸籍はハービィ。
ああ、こっちだと昌枝だよね。平凡な名前に落ち着いたけど。
綾香のおばあ様がまんま、外国人じゃない?
その孫になれば、クォーターでも通るでしょう?」
呆れた。本当に冗談じゃない。
この吸血鬼、完全に合法的に身分を作ってる‥‥‥財布から取り出した住基カードには写真入りで『幸田エレノア』って刻印されてる。
こんなことがDPに知られたら、身分詐称どころじゃない。
まず間違いなく、抹殺対象だ。
しかも、異世界からの珍客なんてこの世界の裏の住人たちが黙ってないのに。
その上、吸血鬼まで。
勘弁してよ‥‥‥、私はそう言うしかなかった。
「ねえ、エレノアさん?
DPはどう誤魔化すの?
この世界にだって吸血鬼がいるんだけど‥‥‥??」
「綾香‥‥‥この世界の吸血鬼の半分は、エル・オルビスからの移民だって知らないの?
もちろん、この極東方面にその多くは住んでいて、裏側にはいないけどね」
「知らないことにしとくわ‥‥‥」
「ひどいなあ、ボクたちはもう数世紀前から日本にいるんだよ?
北の端の目立たない土地に、誰の血も吸わないでおとなしく住んでいるんだから」
「北海道?」
「もっと北。
結界で誰も入れないよ。
魔王様もまだ健在だしー」
「待って!?
魔王?
そこまで聞いてない!」
「知らなくていいよ。
エル・オルビスの世界に三連の月が出来た、あの世界で一万年前。
この世界にたどり着いたのは、時間をいろいろとすっとばして四百年前だけど。
まだ、無くならないんだねーあの三連の月は‥‥‥」
話が飛躍しすぎよ、エレノア。
そんな過去の話なんて興味が無いの、私はただ静かに過ごしたいだけ。
おしゃべりな吸血姫は本当に、困りものなんだから。
「いい、その話は知りたくない。
私はどちらの世界にも深く関わりたくないの。
ただ、静かに静かに好きな雑貨を売って暮らしたいの。
ダメかな!?」
「ダメーじゃないよ?
そんなの、綾香の好きにすればいいじゃない。
誰も綾香の人生に関与なんて出来ないんだから。
そうじゃないかな?」
「そうでもあるのよ‥‥‥特に、この世界のDPなんて連中がね。
あと――」
「四大魔家?
その一つに幸田家は数えられてるよ?
跡取りはもう綾香しかいないじゃない。
少なくとも、そう。
幸田の血を引いている中で強いのは綾香くらい」
「おじい様の代で薄れた血が、おばあ様によって更に濃くなっただけじゃない!
もう、魔法だの一族の名誉だのそんなのはたくさん‥‥‥。
あなただっておばあ様について来たんでしょ?
なのに、この世界に四百年とか意味が分かんない!」
「叫ぶことないじゃん。
耳が痛い」
私の気も知らないで、銀翼の吸血姫はやれやれと頭を振っていた。
どこまでも人間くさいその振る舞いが、なにか私の気に障る。面白くない。楽しくない。
「あのね、綾香。
嫌だからって背を向けていたら何も変わらないよ?
変わらないし、悪くなることだってある。
逃げたら全部は追いかけてくるんだよ? 昌枝‥‥‥あっちじゃハービィっていうけど。
あの子は、死んだことになった後もあの世界では安息が無かった。
わかる?
ボクの仲間がこっちに来てるのを教えたのは、ボクだよ。
あの子が行き場を無くして死を望んでいるのを見るのが悲しかったからね、でも。その多くを知る必要はないけど、君には。
自分の魔力を受け継いだ君には、あの世界もこの世界も。
どちらでも生きていける選択肢をもって欲しいって思ったから、世界を渡る方法だって伝えたのに。
その綾香本人が逃げ回ってるなんて、話にならないね?」
「あのね、エレノア。
使い魔の契約はしてるんだから、そろそろ黙りなさい」
「あ、おうぼー!」
「横暴じゃない!!!
選ぶのは私なの。私が決めるの。口出ししないで。ついでに、どうするのよ?」
「何を?」
「だから、その第四の選択肢って‥‥‥何?」
あー結婚ね?
それは言えないなあ、まだ、お子様の綾香ちゃんには。
そう言い、エレノアはにんまりと笑って微笑んでいた。
本当にひどい従者だ。
私の苦悩なんて、理解せずにいるんだから。
「彼氏くらいつくりなよ、綾香。
ボクは青春を謳歌してるよ?
吸血姫が仮初めの姿で、本当は現代のJKで、恋人が同級生なんて。
初々しさがたまんないね、本当に」
「まさか、食べてないでしょうね?
いろんな意味で‥‥‥」
「さあ?
でも、綾香よりは少しばかり発展してるかもね?」
イラっとしたからその眼前に、私は大量のシナモンパウダーをぶっかけてやった。
銀翼の吸血姫様は涙を鼻水をまき散らしながら、盛大にくしゃみをしたまま叫んだのは、言うまでもない‥‥‥。
ふん、ざまあみろ。
私はちょっぴり罪悪感を感じながら、そう心で呟いたのだった。
ただ呼び名が変わっただけじゃない。
悪いことをしたように言われて内心嬉しくない私はそうむくれて見せた。
言ってみれば、地球のアメリカや日本みたいなものなのだ。
あちらは地球がエル・オルビスで、国の名前がイルベル。
ただそれだけなのに、酷い言われようだった。
「変えてなんかないわ。
ただ国名か、地方の名称が変わっただけじゃない‥‥‥」
「あっそう?
でもイルベルなんて地名、知らないけどねボクは」
「二千年もいながら知らないなんて、モグリじゃないの‥‥‥」
「ひどいなあ、モグりじゃないよ。
第一、二千年ずっとあの世界にいたわけじゃないんだから。
正確には、イルベルって呼ばれる土地は知らない。
帝国はまだあるんだろ?」
「帝国ってどこの帝国‥‥‥」
だからさー、とエレノアは呆れたように肩をすくめた。
背中に銀色のなにかが見えたかと思うと、それを一閃し、彼女の全身がにぶい銀光に包まれた。
こういうとこ、便利なのよねえ。
粒子?
それを固定化したのかどうかわからないけど。
エレノアは綺麗な紺色のブレザーを身にまとっていた。
正確には、私が通う高校の制服に‥‥‥。
「行くつもりなの?
常盤高校に!?」
「当たり前でしょ?
もう八か月も通ってる。
綾香みたいに家庭の事情だの、なんだの理由つけて休んでないよ、ボクは?」
「ああ‥‥‥。
本当に頭が痛くなりそう。
八か月も!?
どうやって??」
「綾香の目につかないように、そっと行き来してたの。
綾香は常盤本校でしょ?
ボクは真島分校。
そりゃ知らなくても仕方ないよねー」
そういい、彼女の髪色と瞳の色、肌の色がすべて日本人使用に‥‥‥。
真っ黒の髪に、日焼けの後ののこる褐色の肌、吸血鬼らしくない。
瞳の色だけは鳶色で、少しばかり金色のようにも見える。
名前はどうなってるの?
最低の朝だわ‥‥‥、私は、そう呻いていた。
「名前?
幸田エレノアだよ?
いい名前でしょう?」
「なんて安直な名前なの!?
漢字はどう書くのよ、学年は?」
「そのまんま、カタカナ。
学年って綾香と同じ二年に決まってるじゃない?
今日は会えるねー??」
「‥‥‥どういうこと??」
「何言ってるの、綾香。
合同進路相談会じゃない‥‥‥」
「知らないー‥‥‥」
本当に?
プリントだって、教室のSNSだって配信してたじゃない。
そう、エレノアはどこからか取り出したのかスマホ、それも、この夏に出たばかりの最新式のやつだ!
それをいじってほら、と見せてくれた画面には確かに、そんなお知らせが届いていた。
「もう二年の冬なんだから。
大学に行くか、就職するか決めなきゃ。
まあ、第三、第四の選択肢もあるけどね?」
「第三、第四?
進学、就職、留年‥‥‥あとは何?」
「え?
綾香には縁がないよねー。
あっちにもこっちにも跡が残らないようにしなきゃいけないんだから。
あー可哀想な綾香ちゃん」
「それってまさか‥‥‥」
「そう、結婚。
綾香には縁が無いね。彼氏君もいない。
なんでそう、世界と世界から自分を遠ざけようとするのさ。
ねえ、綾香?」
「だって、あなた。
学校なんか、それにエレノアって名前のままでどうやって?
戸籍は?」
「質問には答えないんだから、つまんないな。
戸籍はハービィ。
ああ、こっちだと昌枝だよね。平凡な名前に落ち着いたけど。
綾香のおばあ様がまんま、外国人じゃない?
その孫になれば、クォーターでも通るでしょう?」
呆れた。本当に冗談じゃない。
この吸血鬼、完全に合法的に身分を作ってる‥‥‥財布から取り出した住基カードには写真入りで『幸田エレノア』って刻印されてる。
こんなことがDPに知られたら、身分詐称どころじゃない。
まず間違いなく、抹殺対象だ。
しかも、異世界からの珍客なんてこの世界の裏の住人たちが黙ってないのに。
その上、吸血鬼まで。
勘弁してよ‥‥‥、私はそう言うしかなかった。
「ねえ、エレノアさん?
DPはどう誤魔化すの?
この世界にだって吸血鬼がいるんだけど‥‥‥??」
「綾香‥‥‥この世界の吸血鬼の半分は、エル・オルビスからの移民だって知らないの?
もちろん、この極東方面にその多くは住んでいて、裏側にはいないけどね」
「知らないことにしとくわ‥‥‥」
「ひどいなあ、ボクたちはもう数世紀前から日本にいるんだよ?
北の端の目立たない土地に、誰の血も吸わないでおとなしく住んでいるんだから」
「北海道?」
「もっと北。
結界で誰も入れないよ。
魔王様もまだ健在だしー」
「待って!?
魔王?
そこまで聞いてない!」
「知らなくていいよ。
エル・オルビスの世界に三連の月が出来た、あの世界で一万年前。
この世界にたどり着いたのは、時間をいろいろとすっとばして四百年前だけど。
まだ、無くならないんだねーあの三連の月は‥‥‥」
話が飛躍しすぎよ、エレノア。
そんな過去の話なんて興味が無いの、私はただ静かに過ごしたいだけ。
おしゃべりな吸血姫は本当に、困りものなんだから。
「いい、その話は知りたくない。
私はどちらの世界にも深く関わりたくないの。
ただ、静かに静かに好きな雑貨を売って暮らしたいの。
ダメかな!?」
「ダメーじゃないよ?
そんなの、綾香の好きにすればいいじゃない。
誰も綾香の人生に関与なんて出来ないんだから。
そうじゃないかな?」
「そうでもあるのよ‥‥‥特に、この世界のDPなんて連中がね。
あと――」
「四大魔家?
その一つに幸田家は数えられてるよ?
跡取りはもう綾香しかいないじゃない。
少なくとも、そう。
幸田の血を引いている中で強いのは綾香くらい」
「おじい様の代で薄れた血が、おばあ様によって更に濃くなっただけじゃない!
もう、魔法だの一族の名誉だのそんなのはたくさん‥‥‥。
あなただっておばあ様について来たんでしょ?
なのに、この世界に四百年とか意味が分かんない!」
「叫ぶことないじゃん。
耳が痛い」
私の気も知らないで、銀翼の吸血姫はやれやれと頭を振っていた。
どこまでも人間くさいその振る舞いが、なにか私の気に障る。面白くない。楽しくない。
「あのね、綾香。
嫌だからって背を向けていたら何も変わらないよ?
変わらないし、悪くなることだってある。
逃げたら全部は追いかけてくるんだよ? 昌枝‥‥‥あっちじゃハービィっていうけど。
あの子は、死んだことになった後もあの世界では安息が無かった。
わかる?
ボクの仲間がこっちに来てるのを教えたのは、ボクだよ。
あの子が行き場を無くして死を望んでいるのを見るのが悲しかったからね、でも。その多くを知る必要はないけど、君には。
自分の魔力を受け継いだ君には、あの世界もこの世界も。
どちらでも生きていける選択肢をもって欲しいって思ったから、世界を渡る方法だって伝えたのに。
その綾香本人が逃げ回ってるなんて、話にならないね?」
「あのね、エレノア。
使い魔の契約はしてるんだから、そろそろ黙りなさい」
「あ、おうぼー!」
「横暴じゃない!!!
選ぶのは私なの。私が決めるの。口出ししないで。ついでに、どうするのよ?」
「何を?」
「だから、その第四の選択肢って‥‥‥何?」
あー結婚ね?
それは言えないなあ、まだ、お子様の綾香ちゃんには。
そう言い、エレノアはにんまりと笑って微笑んでいた。
本当にひどい従者だ。
私の苦悩なんて、理解せずにいるんだから。
「彼氏くらいつくりなよ、綾香。
ボクは青春を謳歌してるよ?
吸血姫が仮初めの姿で、本当は現代のJKで、恋人が同級生なんて。
初々しさがたまんないね、本当に」
「まさか、食べてないでしょうね?
いろんな意味で‥‥‥」
「さあ?
でも、綾香よりは少しばかり発展してるかもね?」
イラっとしたからその眼前に、私は大量のシナモンパウダーをぶっかけてやった。
銀翼の吸血姫様は涙を鼻水をまき散らしながら、盛大にくしゃみをしたまま叫んだのは、言うまでもない‥‥‥。
ふん、ざまあみろ。
私はちょっぴり罪悪感を感じながら、そう心で呟いたのだった。
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