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第一章 春を買いませんか?
異世界は泳げても、流れる水はダメらしい?
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「はっ!
放してっ‥‥‥!!」
「放すわけないでしょ――!!!」
「ダメ――!!」
何がダメなんだか。
普段のエラそうなボクっ子口調はどこに行ったのやら。
水に濡れた途端、エレノアはこの世の終わりのように水から抜け出そうと必死に抗いだした。
大きな銀色のコウモリに変身し、片足を引っ張って水の中に放り込まれた私がそれを思いっきり引きずり込んで‥‥‥。
二人、もとい、一人と一匹は暗くて底の見えない深海に‥‥‥しょっぱくはないから海ではない?
でも、少し辛いような??
足元、駄目だー足がつかないー。
そうなると、ここは普段から自慢しているこの駄吸血姫様に頑張ってもらうしかない。
と、思いきや――
「ダメなのー水は――、流れる水は‥‥‥吸血姫はだめなの‥‥‥」
「わざわざ、姫、なんてつけなくていいからー」
だらしがないなあ。
そう思いながら、立ち泳ぎでどうにか態勢を整えると、うん。
泳げない水流の激しさじゃない。
緩やかな感じで、どこかの小さい河か、それともゆったりと流れる大河か。
まあ、アーハンルド周辺には大きな河しかないから、日本で言うとことの川が充てられるような小さなものは存在しない。
市内の内堀に流れる河ですら、二級河川並みのひろさがあるから。
「ほらー、抱き上げてあげるから。
頑張って飛びなさいよ!!」
「いや、だって、そんな!!?
やめて、吸血姫殺し――!!!!」
あ、逆に普段の恨みを込めて川底に押し込もうとしてた。
だめだだめだ。
恨みはまた、後から晴らすことにしよう。
「あはは、ごめんごめん。
てかさーあんた、プールでも海でも、お風呂にだって温泉にだって浸かってるじゃない。
川だって、田舎にいった時に‥‥‥下着姿で泳いでたでしょうが‥‥‥?」
よいしょっと、浮力につられて重たいエレノア。
そのコウモリの肉体を翼の根元をひっつかんで、引き揚げてやる。
「いだい、いだいっ!!」
「破れたってすぐに元に戻るでしょ!?
ほらっ!!
ごちゃごちゃ言わずにさっさと浮かべ!!」
「なんて人でなし、ああ、吸血姫虐めだ。
こんな心の冷たい人間に育つなんてー」
「何言ってるのよ。
地球では泳げて、エル・オルビスではダメなんてそんな話ないでしょ?
呆れた。なんでそんなに慌ててるのよ?」
「世界が変われば、あれだよ!」
銀色の大コウモリは私の両肩と頭の上でぜえっ、ぜえっ、なんて大袈裟に息をつきながら頭上高くにあがる三連の月を指? 翼の先で示して見せた。
「何よあれ、月?」
「そう、月!
あの向こう側に、本物の銀色の月があるの!!
三連の月が、ボクたちの魔力を奪うんだよ!!」
「へえ‥‥‥」
「まったく、意地悪な面だけ成長して、肝心なとこはまったく‥‥‥」
なんだか、イラっとしたから、またコウモリの頭を両手で掴んで水の中に沈めてやる。
あーなんか、ゴボゴボって言ってるわー。
拷問ってこうやるんだ? SMってのもこんな感じ?
エレノアがM嬢ならさぞ快楽なんだろうなあ、私も楽しいし。
十数秒、そんな感じで彼女を浮き輪代わりにしていたら、
「ゴバ‥‥‥」
「あれ?
断末魔?」
そんな音と大きな水泡が出て来て‥‥‥ぐったりとした我が銀色のコウモリ。 もとい、吸血姫?
もとい、ダメなエレノア様。
誰よ、私がまだ半人前で魔法の姿勢制御をエレノアがしなきゃまともに異世界転移できないなんて言ったのは。
「コレ、確か不死身だったっけ?
しばらくこうしとけば‥‥‥従順に?
あ、そっか!」
これはチャンスだ。
いまが、下剋上のチャンス。
うん、間違いない。
「よいしょっと、どうかなー?
エレノア様ー??」
先ほどと同じように翼を根本でまとめて引き上げてみる。
うん、人間形態より、こっちの方が軽い。
十数キロしかないわ。
そして周囲を見渡すと‥‥‥。
「あれ?
ここってあの河べり?
ってことは、あじーろ‥‥‥!?」
そうだ。
ここは例の異世界ワニの生息地なのだ。
異世界ワニとはいえども、デカさはクロコダイルとかと何も変わりがない。
そして、ラーズは言っていた。
河が東の大門付近、その地下に流れ込む辺りで‥‥‥。
バシャン、バシャン‥‥‥。
と、数度の水面をはねる音が背後でしたかと思うと、
「へ?
いや、待ちなさいよ!?」
待てと言われても待つハンターはいないもので。
アジーロではないそれは、まるでサメのようにせびれを水面に立てて数頭がゆるりと流れに逆らいやって来る。そして、私の進行方向にある、そう。
あれだ、橋がかかったその下には深ーい、暗闇の入り口が口を開けて待っていた。
「ひえええっ!?
これって、あの場所!?
ラーズが退治に使ったっていう??!」
これはまずい。
ええい、起きろ駄吸血姫!!
頬をはたくがまったく反応なし! 使えない使い魔なんて、本当に役立たず!!!
素晴らしく気絶されていらっしゃる。あ、させたのは私か。
まあ、仕方ない。
こうなれば、魔女の汚名返上。
とりあえず、元の部屋に戻ろう。
そう思い、普段使っている結界を召喚‥‥‥発動するじゃん。
脳内で必要な演算を行って、そのまま魔法を構成する魔素を必要な要素に変換し――
「何よ、これ。
誰が異世界転移一人じゃできないって?
エレノアー、えれのあー?
ばか吸血姫ー???」
「うーん‥‥‥」
よし、気づいてない。
なんの問題もなく、元の部屋に移動していた私と無能の吸血姫、と金色の‥‥‥?
金色?
はて。
転移の魔法陣に何か巻き込んだ??
ズルっと何やら重たそうな、しかし、それは子犬程度の小さな気配がしていて??
よくよく見たら、目を回しているエレノアのお尻の辺りに、頑張って食らいついている一匹のワニ。
「金色、なんだ‥‥‥。
お前、それは食べ物じゃないからだめだよ?
お腹壊すからね?」
まあ、そう言ってきくようなモンスターはいないのだ。
これも絶好の機会!
さて、作動させるのは使い魔契約の魔法陣。
エレノアを、逃げれないように魔法を封じる縄でぐるぐる巻きにしてその陣の中に放り込む。
アジーロの方も、同じく。
口元を縛り上げて、もう一つの小さな魔法陣に。
さて、アジーロの方でお試しお試し。
「血を使うのは痛いから嫌いなんだけど‥‥‥」
小さな短剣を指先に突き刺して、一滴の血をアジーロの方の魔法陣にしたたらせる。
これで呪文を詠唱して、アジーロの魂に私の名を刻みこめばOK。
「ふん、まあ‥‥‥これはいいかな?
名前‥‥‥お前はなんだろ?
陸の生物だから、リク?
にでもしておくか」
そう言うと、アジーロは理解したのか、グア、とまあ可愛げがないような声で鳴いてみせた。
さて、問題はエレノアだ。
仮にも純粋な魔族。
おばあ様との契約があるなら、二重契約になるから二つに魂が引き裂かれても可哀想だし‥‥‥。
「まあ、まずはおばあ様との契約を解除してーあれ?」
契約の紋様がどこにもない。
身につけているモノといえば、エレノアは耳にピアスが一つあるけど。
それすらも、何やら違う感じで‥‥‥あ、そうか。
思いついて引き出したのは、舌。
口をあんぐりと開けているから、まあ見つけやすかった。
「口腔内の上顎にしてるんだ?
へえーさすがおばあ様。
生け捕りにされてもこれならわからない」
あいにくと、幸田式の呪術はそのすべてをマスターしている。
それは解呪の方法も同じで‥‥‥まあ、バレるだろうなあ。
後からおばあ様から連絡が来ることを覚悟して、解呪解呪。
さて、成功したようですね。
そうなると、どこに――新たな服従の呪文を描いてやるか。
見えなくて自分で溶けそうにないとこがいい。
「となると、胎内。
ふむ。埋め込むか‥‥‥」
エレノアも腐っても女子。
女性の身体をしているので、あるものは私と同じ。
魂だけでなく、その身体も支配してやろう。そうすれば、永遠に若さも保てる。
我ながら悪いことを考えて、魔法陣を空中に描く。その中心点に血を滴らせ‥‥‥下腹部に消えて行くそれは綺麗に消えて収まった。
「ふふん、これで私が永遠にこの子の主、よね」
そこまで言って、私は室内に存在するもう一つの視線に向き直る。
付いて来た?
いや、移動の魔法陣に飛び込んできた彼女は、ラーズから聞いた通りの恰好をしていた。
「さて、あなたはどなた?」
「これはどうも。
気づいていたのか。
わたしはリーゼと言うが‥‥‥しかし、魔女殿におかれましては、なかなかに非道ぶりだな?」
「私は綾香。
非道なんて言わないでいただきたいわ?
猫耳族の女騎士様?」
そう言うと、リーゼと名乗った女騎士は不敵に微笑んだのだった。
放してっ‥‥‥!!」
「放すわけないでしょ――!!!」
「ダメ――!!」
何がダメなんだか。
普段のエラそうなボクっ子口調はどこに行ったのやら。
水に濡れた途端、エレノアはこの世の終わりのように水から抜け出そうと必死に抗いだした。
大きな銀色のコウモリに変身し、片足を引っ張って水の中に放り込まれた私がそれを思いっきり引きずり込んで‥‥‥。
二人、もとい、一人と一匹は暗くて底の見えない深海に‥‥‥しょっぱくはないから海ではない?
でも、少し辛いような??
足元、駄目だー足がつかないー。
そうなると、ここは普段から自慢しているこの駄吸血姫様に頑張ってもらうしかない。
と、思いきや――
「ダメなのー水は――、流れる水は‥‥‥吸血姫はだめなの‥‥‥」
「わざわざ、姫、なんてつけなくていいからー」
だらしがないなあ。
そう思いながら、立ち泳ぎでどうにか態勢を整えると、うん。
泳げない水流の激しさじゃない。
緩やかな感じで、どこかの小さい河か、それともゆったりと流れる大河か。
まあ、アーハンルド周辺には大きな河しかないから、日本で言うとことの川が充てられるような小さなものは存在しない。
市内の内堀に流れる河ですら、二級河川並みのひろさがあるから。
「ほらー、抱き上げてあげるから。
頑張って飛びなさいよ!!」
「いや、だって、そんな!!?
やめて、吸血姫殺し――!!!!」
あ、逆に普段の恨みを込めて川底に押し込もうとしてた。
だめだだめだ。
恨みはまた、後から晴らすことにしよう。
「あはは、ごめんごめん。
てかさーあんた、プールでも海でも、お風呂にだって温泉にだって浸かってるじゃない。
川だって、田舎にいった時に‥‥‥下着姿で泳いでたでしょうが‥‥‥?」
よいしょっと、浮力につられて重たいエレノア。
そのコウモリの肉体を翼の根元をひっつかんで、引き揚げてやる。
「いだい、いだいっ!!」
「破れたってすぐに元に戻るでしょ!?
ほらっ!!
ごちゃごちゃ言わずにさっさと浮かべ!!」
「なんて人でなし、ああ、吸血姫虐めだ。
こんな心の冷たい人間に育つなんてー」
「何言ってるのよ。
地球では泳げて、エル・オルビスではダメなんてそんな話ないでしょ?
呆れた。なんでそんなに慌ててるのよ?」
「世界が変われば、あれだよ!」
銀色の大コウモリは私の両肩と頭の上でぜえっ、ぜえっ、なんて大袈裟に息をつきながら頭上高くにあがる三連の月を指? 翼の先で示して見せた。
「何よあれ、月?」
「そう、月!
あの向こう側に、本物の銀色の月があるの!!
三連の月が、ボクたちの魔力を奪うんだよ!!」
「へえ‥‥‥」
「まったく、意地悪な面だけ成長して、肝心なとこはまったく‥‥‥」
なんだか、イラっとしたから、またコウモリの頭を両手で掴んで水の中に沈めてやる。
あーなんか、ゴボゴボって言ってるわー。
拷問ってこうやるんだ? SMってのもこんな感じ?
エレノアがM嬢ならさぞ快楽なんだろうなあ、私も楽しいし。
十数秒、そんな感じで彼女を浮き輪代わりにしていたら、
「ゴバ‥‥‥」
「あれ?
断末魔?」
そんな音と大きな水泡が出て来て‥‥‥ぐったりとした我が銀色のコウモリ。 もとい、吸血姫?
もとい、ダメなエレノア様。
誰よ、私がまだ半人前で魔法の姿勢制御をエレノアがしなきゃまともに異世界転移できないなんて言ったのは。
「コレ、確か不死身だったっけ?
しばらくこうしとけば‥‥‥従順に?
あ、そっか!」
これはチャンスだ。
いまが、下剋上のチャンス。
うん、間違いない。
「よいしょっと、どうかなー?
エレノア様ー??」
先ほどと同じように翼を根本でまとめて引き上げてみる。
うん、人間形態より、こっちの方が軽い。
十数キロしかないわ。
そして周囲を見渡すと‥‥‥。
「あれ?
ここってあの河べり?
ってことは、あじーろ‥‥‥!?」
そうだ。
ここは例の異世界ワニの生息地なのだ。
異世界ワニとはいえども、デカさはクロコダイルとかと何も変わりがない。
そして、ラーズは言っていた。
河が東の大門付近、その地下に流れ込む辺りで‥‥‥。
バシャン、バシャン‥‥‥。
と、数度の水面をはねる音が背後でしたかと思うと、
「へ?
いや、待ちなさいよ!?」
待てと言われても待つハンターはいないもので。
アジーロではないそれは、まるでサメのようにせびれを水面に立てて数頭がゆるりと流れに逆らいやって来る。そして、私の進行方向にある、そう。
あれだ、橋がかかったその下には深ーい、暗闇の入り口が口を開けて待っていた。
「ひえええっ!?
これって、あの場所!?
ラーズが退治に使ったっていう??!」
これはまずい。
ええい、起きろ駄吸血姫!!
頬をはたくがまったく反応なし! 使えない使い魔なんて、本当に役立たず!!!
素晴らしく気絶されていらっしゃる。あ、させたのは私か。
まあ、仕方ない。
こうなれば、魔女の汚名返上。
とりあえず、元の部屋に戻ろう。
そう思い、普段使っている結界を召喚‥‥‥発動するじゃん。
脳内で必要な演算を行って、そのまま魔法を構成する魔素を必要な要素に変換し――
「何よ、これ。
誰が異世界転移一人じゃできないって?
エレノアー、えれのあー?
ばか吸血姫ー???」
「うーん‥‥‥」
よし、気づいてない。
なんの問題もなく、元の部屋に移動していた私と無能の吸血姫、と金色の‥‥‥?
金色?
はて。
転移の魔法陣に何か巻き込んだ??
ズルっと何やら重たそうな、しかし、それは子犬程度の小さな気配がしていて??
よくよく見たら、目を回しているエレノアのお尻の辺りに、頑張って食らいついている一匹のワニ。
「金色、なんだ‥‥‥。
お前、それは食べ物じゃないからだめだよ?
お腹壊すからね?」
まあ、そう言ってきくようなモンスターはいないのだ。
これも絶好の機会!
さて、作動させるのは使い魔契約の魔法陣。
エレノアを、逃げれないように魔法を封じる縄でぐるぐる巻きにしてその陣の中に放り込む。
アジーロの方も、同じく。
口元を縛り上げて、もう一つの小さな魔法陣に。
さて、アジーロの方でお試しお試し。
「血を使うのは痛いから嫌いなんだけど‥‥‥」
小さな短剣を指先に突き刺して、一滴の血をアジーロの方の魔法陣にしたたらせる。
これで呪文を詠唱して、アジーロの魂に私の名を刻みこめばOK。
「ふん、まあ‥‥‥これはいいかな?
名前‥‥‥お前はなんだろ?
陸の生物だから、リク?
にでもしておくか」
そう言うと、アジーロは理解したのか、グア、とまあ可愛げがないような声で鳴いてみせた。
さて、問題はエレノアだ。
仮にも純粋な魔族。
おばあ様との契約があるなら、二重契約になるから二つに魂が引き裂かれても可哀想だし‥‥‥。
「まあ、まずはおばあ様との契約を解除してーあれ?」
契約の紋様がどこにもない。
身につけているモノといえば、エレノアは耳にピアスが一つあるけど。
それすらも、何やら違う感じで‥‥‥あ、そうか。
思いついて引き出したのは、舌。
口をあんぐりと開けているから、まあ見つけやすかった。
「口腔内の上顎にしてるんだ?
へえーさすがおばあ様。
生け捕りにされてもこれならわからない」
あいにくと、幸田式の呪術はそのすべてをマスターしている。
それは解呪の方法も同じで‥‥‥まあ、バレるだろうなあ。
後からおばあ様から連絡が来ることを覚悟して、解呪解呪。
さて、成功したようですね。
そうなると、どこに――新たな服従の呪文を描いてやるか。
見えなくて自分で溶けそうにないとこがいい。
「となると、胎内。
ふむ。埋め込むか‥‥‥」
エレノアも腐っても女子。
女性の身体をしているので、あるものは私と同じ。
魂だけでなく、その身体も支配してやろう。そうすれば、永遠に若さも保てる。
我ながら悪いことを考えて、魔法陣を空中に描く。その中心点に血を滴らせ‥‥‥下腹部に消えて行くそれは綺麗に消えて収まった。
「ふふん、これで私が永遠にこの子の主、よね」
そこまで言って、私は室内に存在するもう一つの視線に向き直る。
付いて来た?
いや、移動の魔法陣に飛び込んできた彼女は、ラーズから聞いた通りの恰好をしていた。
「さて、あなたはどなた?」
「これはどうも。
気づいていたのか。
わたしはリーゼと言うが‥‥‥しかし、魔女殿におかれましては、なかなかに非道ぶりだな?」
「私は綾香。
非道なんて言わないでいただきたいわ?
猫耳族の女騎士様?」
そう言うと、リーゼと名乗った女騎士は不敵に微笑んだのだった。
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