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第一章
秋穂の真実 1
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「お前ら‥‥‥」
妹と居候が体調が悪いと言い続け、なかなか降りてこないなと心配して食事もって部屋を訪れた時。
樹乃の兄の遠矢は唖然とした。
「げっ!?」
「あ、見つかった‥‥‥」
七星と樹乃がしまったと悲鳴を上げる。
「なんだ、その顔、まるでパンダだなーまた喧嘩したのか? あんなダンベル上げるくらいなんだから、握力だって相当だろ。顔はやめとけよ、まじで。病院代だけでまた赤字だ‥‥‥」
遠矢はこの家の家計を全部、弟に任せているから詳細は知らないが負担にはなるとは思った。
「あーまあ、ね? 少しだけあれば、治るから。樹乃がキレてななせをボコボコに‥‥‥」
おい、お前が先だろ?
樹乃がそんな目で七星を見る。
遠矢はなんとなく、発端は樹乃の口の悪さで七星が限界を超えて喧嘩になる。
そう思っていた。
「おい、樹乃。その男勝りな性格、何とかならないのか……バイクだって俺や友紀より乗りこなしてるし。俺たちもまた戻りたいよ。どうせ、お前が七星をキレさせたんだろ? 毎回だ。罰として、このパンは俺が貰う」
そう言い、買ってきた幾つかのパンの半分を持って行こうとする。
「ああ、待って遠矢様、お兄様。もうしないから、樹乃、反省するからーー」
「うん、そうそう。樹乃が悪い。ななせは被害者いつもそう」
隣で遠矢を応援する七星を睨みつけて黙らせる樹乃。
「嘘だよ。でもなあ……やりすぎだろ?」
遠矢は何気なく妹の顔に手をやり覗き込むが、樹乃にはそれは危険だ。
「お前なに顔赤くしてんの? 俺、兄貴だよ?そんなんだから、彼氏もできずにまだー‥‥‥」
ふと、七星に目が行く。
ブカブカのTシャツの中は下着をつけてなくて胸が丸見えだ。
さっと瞬間的に見えたからすぐ視線を上げる。
七星は気づいてない。
「ほえ?」
「七星もそろそろ彼氏作れよ?」
「うーん‥‥‥めんどくさいです。はい」
「ああ、そう‥‥‥」
再度、見降ろすような角度から、樹乃の顔を覗き込む遠矢。
「骨とか折れてないよな、大丈夫か、バカ妹よ」
「兄貴、ひどい。樹乃はバカだけど、七星よりはましだよ?」
「どっちもどっちだろ?」
樹乃もブカブカのTシャツだ。
胸元から中が丸見え。まあ、バレてはいないようだが。
そして、遠矢は七星の顔も同じようにして覗き込む。
「ちょっ、近いー」
「うるさい! 骨折れてないな? 目の周りとか大丈夫か。お前、右側見えないんだから。こうして誰かが見なきゃ眼球がなんかあってもわからんだろが」
そう理由をつけて、胸元を確認する。
ふうん‥‥‥。
まあ、そんな気はしてたけどな。
その髪型といい、メッシュといい、左右非対称のピアスの位置といい。
お前ら、それなりに学校で噂になってるの気づいてんのかな?
そう遠矢は兄として心配になる。
まあ、覗く趣味は無いのでやめた。
もう少し、ボリュームはあった方がいいと思うが。
やっぱり、秋穂の方が胸はあるな。背は低いけどスタイルもいいし。
俺の妻、か。
友紀との共有妻だからなあ。
「はあ……」
兄の重いため息を樹乃と七星は心配をかけ過ぎた。
そう勘違いした。
「ななせ、悪くないけど。ごめんなさい。樹乃が一番悪い。ななせ、被害者」
「あんたは一言多いの。兄さん、ごめんなさい‥‥‥」
いや、俺が心配なのはお前らの関係もそうだけど。
秋穂と友紀が二人で夜寝てる時。俺が夜勤の時にやっぱりしてるのか。
それも気になるんだよ‥‥‥。
そんな妹には絶対に言えない悩みが遠矢の頭の中に住んでいる。
まあ、俺も‥‥‥言えないけどな。友紀には。
一卵性双生児。
子供ができたらどっちのだろ?
「はあー‥‥‥。いいよ、お前らは仲良くやれよ、二階が騒がしい時は大体、そのダンベル上げで鍛えてるか殴り合いしてるって秋穂が心配してるからな?」
え? と二人の動きが止まる。
まさか、いろいろベッドでしてるのとかまでバレてないよね。
樹乃はそう心配した。
はあ? あんたなんかに心配されたくないよ。
七星は秋穂に敵意を抱く。
「まあ、いいや。あいつをあんまり心配させないでやってくれ。風呂も俺と友紀でなるべく介護するから。悪かったな」
妹とその友人の居候が、妻の介護だけでなくその存在を快く思ってないことを遠矢も友紀も気づいている。
気づかれていないと思ってるのは、七星と樹乃だけだ。
ここでも少しだけ世界線が狂っていた。
妹と居候が体調が悪いと言い続け、なかなか降りてこないなと心配して食事もって部屋を訪れた時。
樹乃の兄の遠矢は唖然とした。
「げっ!?」
「あ、見つかった‥‥‥」
七星と樹乃がしまったと悲鳴を上げる。
「なんだ、その顔、まるでパンダだなーまた喧嘩したのか? あんなダンベル上げるくらいなんだから、握力だって相当だろ。顔はやめとけよ、まじで。病院代だけでまた赤字だ‥‥‥」
遠矢はこの家の家計を全部、弟に任せているから詳細は知らないが負担にはなるとは思った。
「あーまあ、ね? 少しだけあれば、治るから。樹乃がキレてななせをボコボコに‥‥‥」
おい、お前が先だろ?
樹乃がそんな目で七星を見る。
遠矢はなんとなく、発端は樹乃の口の悪さで七星が限界を超えて喧嘩になる。
そう思っていた。
「おい、樹乃。その男勝りな性格、何とかならないのか……バイクだって俺や友紀より乗りこなしてるし。俺たちもまた戻りたいよ。どうせ、お前が七星をキレさせたんだろ? 毎回だ。罰として、このパンは俺が貰う」
そう言い、買ってきた幾つかのパンの半分を持って行こうとする。
「ああ、待って遠矢様、お兄様。もうしないから、樹乃、反省するからーー」
「うん、そうそう。樹乃が悪い。ななせは被害者いつもそう」
隣で遠矢を応援する七星を睨みつけて黙らせる樹乃。
「嘘だよ。でもなあ……やりすぎだろ?」
遠矢は何気なく妹の顔に手をやり覗き込むが、樹乃にはそれは危険だ。
「お前なに顔赤くしてんの? 俺、兄貴だよ?そんなんだから、彼氏もできずにまだー‥‥‥」
ふと、七星に目が行く。
ブカブカのTシャツの中は下着をつけてなくて胸が丸見えだ。
さっと瞬間的に見えたからすぐ視線を上げる。
七星は気づいてない。
「ほえ?」
「七星もそろそろ彼氏作れよ?」
「うーん‥‥‥めんどくさいです。はい」
「ああ、そう‥‥‥」
再度、見降ろすような角度から、樹乃の顔を覗き込む遠矢。
「骨とか折れてないよな、大丈夫か、バカ妹よ」
「兄貴、ひどい。樹乃はバカだけど、七星よりはましだよ?」
「どっちもどっちだろ?」
樹乃もブカブカのTシャツだ。
胸元から中が丸見え。まあ、バレてはいないようだが。
そして、遠矢は七星の顔も同じようにして覗き込む。
「ちょっ、近いー」
「うるさい! 骨折れてないな? 目の周りとか大丈夫か。お前、右側見えないんだから。こうして誰かが見なきゃ眼球がなんかあってもわからんだろが」
そう理由をつけて、胸元を確認する。
ふうん‥‥‥。
まあ、そんな気はしてたけどな。
その髪型といい、メッシュといい、左右非対称のピアスの位置といい。
お前ら、それなりに学校で噂になってるの気づいてんのかな?
そう遠矢は兄として心配になる。
まあ、覗く趣味は無いのでやめた。
もう少し、ボリュームはあった方がいいと思うが。
やっぱり、秋穂の方が胸はあるな。背は低いけどスタイルもいいし。
俺の妻、か。
友紀との共有妻だからなあ。
「はあ……」
兄の重いため息を樹乃と七星は心配をかけ過ぎた。
そう勘違いした。
「ななせ、悪くないけど。ごめんなさい。樹乃が一番悪い。ななせ、被害者」
「あんたは一言多いの。兄さん、ごめんなさい‥‥‥」
いや、俺が心配なのはお前らの関係もそうだけど。
秋穂と友紀が二人で夜寝てる時。俺が夜勤の時にやっぱりしてるのか。
それも気になるんだよ‥‥‥。
そんな妹には絶対に言えない悩みが遠矢の頭の中に住んでいる。
まあ、俺も‥‥‥言えないけどな。友紀には。
一卵性双生児。
子供ができたらどっちのだろ?
「はあー‥‥‥。いいよ、お前らは仲良くやれよ、二階が騒がしい時は大体、そのダンベル上げで鍛えてるか殴り合いしてるって秋穂が心配してるからな?」
え? と二人の動きが止まる。
まさか、いろいろベッドでしてるのとかまでバレてないよね。
樹乃はそう心配した。
はあ? あんたなんかに心配されたくないよ。
七星は秋穂に敵意を抱く。
「まあ、いいや。あいつをあんまり心配させないでやってくれ。風呂も俺と友紀でなるべく介護するから。悪かったな」
妹とその友人の居候が、妻の介護だけでなくその存在を快く思ってないことを遠矢も友紀も気づいている。
気づかれていないと思ってるのは、七星と樹乃だけだ。
ここでも少しだけ世界線が狂っていた。
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