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4 触れれない神殿
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なんとなくだけど、ガヤガヤなんて形容が相応しい人の声が大勢聞こえる。
なんでこんなに人の声がするんだろう。
それも、日本語じゃないなあ。
発音がよくわかんないけど、なんか吃音とかそんなのが多い。
チェッ、とかテェッとか。
なんだろ、こんな方言あったっけ?
わたしあのクジラにーー
そこまで朦朧とした意識の中にいて、いきなり目が覚めた。
「クジラ!?」
ガバって起きたら、部屋の中に数人。
人がいて座り込んでご飯食べたりなんか飲んだりして話してる。
休憩時間?
「あれ、あのーーちょっとーーー!!???」
あん?
なんでななせを無視するのよ!?
なんど話しかけても誰もこっちを見てくれない。
部屋の隅にいるから暗すぎてわからないのかな?
わたしには明るいけど。
会話の声が大きくて聞き取れない?
「ねえー、すいませーん!!!」
起き上がり、部屋の薄暗い片隅から這い出てテーブルまで近寄る前に‥‥‥。
わたしのレーダーが教えてくれた。
誰もそこにはいないよ、と。
「え、だって、いるよほら。
こんなに大勢。7人も‥‥‥???」
彼らはどこから入って来たんだろ?
入り口にはあの棒を縄でくくった、自家製の柵がちゃんとある。
「うそ。
なんですり抜けてんの????」
何人かが窓から顔出したり会話をしながらもたれかかったり。
何人もがその出入り口の柵がないようにすり抜けていく。
試しにイスに座り、彼らの一人に触ろうしてーーできない。
そこに置かれてある食器の料理。
臭いも何もしない。
見た感じなにかの肉と野菜の煮込み料理。
そっと手を器に伸ばしてみる。
触れない。
彼らはそこにいて、わたしには声も聞こえるし、視えているのに。
「あーらら。
ななせ、ユーレイ見ちゃったよ‥‥‥」
我ながらなんておバカなセリフ。
でもそうなんだよね。
そして時計を見ると朝8時。
地球時間で9時間寝たことになる。
あの窪地の入り口からはまだ太陽が‥‥‥見えない。
「あーあ。
1日が何時間か測り忘れたーーどーしよー」
うーん、待ってななせ。違う、わたし!!
昨日の朝8時が日の出だった。
その前の23時には深夜だった。
今は太陽がない。多分。
ということは、仮に半分と仮定して深夜の3地。
だから19-20時間周期でこの惑星は朝と夜を迎えることになる。
よし。
まずは収穫一つ。
アラームをセットしよう。
えっと、とりあえず15時間後。
だから、何時だ?
23時か。
これで朝が来るはず。
それまでどうしよう。
と、いうかなんでわたしは幽霊? たちと食卓を共にしながらチョコを1つ食べてるんだろ。
あ、そうだ。
あの木の実。
まだもってるかなあ?
痛んでない?
臭い的には大丈夫。
味は?
まあ、ちょっと酸味が強い。痺れは感じない。
一応、肌につけてみても。
うん、大丈夫。
なら、食べてみよう。
お腹が空いてたまらない。
そうなんだよね。
やっぱり、あれはドーピングというか。
脳内物質? 名前わかんないけど。
あれが過剰に出てて疲れとか忘れてた結果、たまたま出来ただけかもしれない。
まあ、試してはみるけど。
とりあえず全部食べて、持ってた携帯用のウェットティッシュで容器拭いて。
ゴミは‥‥‥持ち帰ろうか。
地球人は失礼なやつだとか、思われたくないし。
そう、あのクジラ。
アイツみたいに目が合って、ニヤリなんて意地悪く笑った、かなあ?
どんどん記憶の中でのイメージ図が悪くなってるから覚えてないや。
まあ、後ろ指さされないようにだけはしとこ。
わたしの人生そのものが、もうそんな感じだけどね。
「じゃあ、どうしよーかなー。
体力が落ちてたらいやだしなあ。
もし5倍のまんまなら、うーんまた痛くない?」
今度は掛け声なしで、岩肌を殴りつけてみた。
うん、痛くない。
指も普通に動く。
で、壁には手がめり込んでる。
うん、凄い。スポンジの堅いのを殴りつけてる感覚。
さて、そうなると後ろの大勢の人たち。
幽霊ではないような気がしてるんだよね。
だって、普通の日常生活というか。
この目の前にある神殿?
それとも誰かエラい王様の墓所?
秦の始皇帝の墓所がこんな感じだったような気もするけど、写真でしか見たことないからわからない。
石板で指示書とか渡してるみたい。
漢字ではないなあ。
ローマ字でもない。
うーん、これはパス。
ちなみにスマホを起動して、それを撮影したよ。
フラッシュ撮影でさ。でも、誰も気にしてない。
これはよくある、チートイベント開始中なのか。
それとも神聖な力?
そんな感じで行われてるのか。
うーん‥‥‥。
「夢だな。うん、夢だ。
でもみんなよく働くよねー。
これってそんなに大事な何かなのかな?
近付いても悪いことしないから、お願いだから襲わないでね、お願い!!!」
なんて、神頼みしてみて荷物をまとめて背負うと、彼らの作業風景を見て回ってみた。
レンガじゃない材質。
でも、石そのものから切り出してるわけじゃない。
均等な長方形のそれを、これはセメント?
そんな接着剤みたいを塗っては重ね、塗っては重ね。
乾いたら今度は外壁を何回も何回も塗り重ねて行く。
足場もちゃんと組まれてて、レンガ? でいいのかな??
それを放り投げる役、受け取る役、上で別の職人さんに渡して同じような作業が繰り返されていく。
ただーー
「なんで、そこには現実の壁がないんでしょうか!!???」
そう。
外観からしたら、なんだろ?
ギリシャの神殿と沖縄の首里城を合わせたような。
石と材木で綺麗に彩られてる、うん、これはお墓じゃない。
神殿だ。4つの色、あのお月様たちと同じ色に別れてる。
紫が一番大きい幅がある。やっぱり、あれはオレンジより大きいみたい。
配色と距離が正確なら、月の位置もオレンジが最後。
紫が三番目。あと、天空はそうだ。
昼間の空の色は青じゃなかった。薄い紅色。なんでだろ?
あ、そうか夕焼けと同じだ。
太陽が通過する大気との距離が近いから、赤くなる。
だからこの神殿の天井も薄紅色。
とても綺麗な色。
「わーほんと綺麗。
ななせ、今度はあんな色にメッシュいれようかなー‥‥‥」
メッシュ、美容院‥‥‥。
ま、それは戻ってから考えよう‥‥‥
で、と。いまが14時。
まだ日が昇るには早いね。あともう少し、見とこうかな。
この神殿の綺麗な姿。
あ、イラストとか無理かな?
タブレットとペンあるし。絵は下手だけど‥‥‥」
スマホともう一台。
画面の小さなタブレットがある。タッチペン式で書けるやつ。
衝撃とかで壊れてなきゃいいけど。
あ、動くわ。
「うん、ごめんね、皆さん。
この光景、描かせて下さい。
ななせの思い出に」
帰れるよね。そう思いながらスケッチの美術の授業を思い出して描いていく。
うん、本当にへただ、わたし。
でも、帰るんだ。
日本へーー
夜明けまで後、予定では9時間。
待とう。世界が変わるまで。
なんでこんなに人の声がするんだろう。
それも、日本語じゃないなあ。
発音がよくわかんないけど、なんか吃音とかそんなのが多い。
チェッ、とかテェッとか。
なんだろ、こんな方言あったっけ?
わたしあのクジラにーー
そこまで朦朧とした意識の中にいて、いきなり目が覚めた。
「クジラ!?」
ガバって起きたら、部屋の中に数人。
人がいて座り込んでご飯食べたりなんか飲んだりして話してる。
休憩時間?
「あれ、あのーーちょっとーーー!!???」
あん?
なんでななせを無視するのよ!?
なんど話しかけても誰もこっちを見てくれない。
部屋の隅にいるから暗すぎてわからないのかな?
わたしには明るいけど。
会話の声が大きくて聞き取れない?
「ねえー、すいませーん!!!」
起き上がり、部屋の薄暗い片隅から這い出てテーブルまで近寄る前に‥‥‥。
わたしのレーダーが教えてくれた。
誰もそこにはいないよ、と。
「え、だって、いるよほら。
こんなに大勢。7人も‥‥‥???」
彼らはどこから入って来たんだろ?
入り口にはあの棒を縄でくくった、自家製の柵がちゃんとある。
「うそ。
なんですり抜けてんの????」
何人かが窓から顔出したり会話をしながらもたれかかったり。
何人もがその出入り口の柵がないようにすり抜けていく。
試しにイスに座り、彼らの一人に触ろうしてーーできない。
そこに置かれてある食器の料理。
臭いも何もしない。
見た感じなにかの肉と野菜の煮込み料理。
そっと手を器に伸ばしてみる。
触れない。
彼らはそこにいて、わたしには声も聞こえるし、視えているのに。
「あーらら。
ななせ、ユーレイ見ちゃったよ‥‥‥」
我ながらなんておバカなセリフ。
でもそうなんだよね。
そして時計を見ると朝8時。
地球時間で9時間寝たことになる。
あの窪地の入り口からはまだ太陽が‥‥‥見えない。
「あーあ。
1日が何時間か測り忘れたーーどーしよー」
うーん、待ってななせ。違う、わたし!!
昨日の朝8時が日の出だった。
その前の23時には深夜だった。
今は太陽がない。多分。
ということは、仮に半分と仮定して深夜の3地。
だから19-20時間周期でこの惑星は朝と夜を迎えることになる。
よし。
まずは収穫一つ。
アラームをセットしよう。
えっと、とりあえず15時間後。
だから、何時だ?
23時か。
これで朝が来るはず。
それまでどうしよう。
と、いうかなんでわたしは幽霊? たちと食卓を共にしながらチョコを1つ食べてるんだろ。
あ、そうだ。
あの木の実。
まだもってるかなあ?
痛んでない?
臭い的には大丈夫。
味は?
まあ、ちょっと酸味が強い。痺れは感じない。
一応、肌につけてみても。
うん、大丈夫。
なら、食べてみよう。
お腹が空いてたまらない。
そうなんだよね。
やっぱり、あれはドーピングというか。
脳内物質? 名前わかんないけど。
あれが過剰に出てて疲れとか忘れてた結果、たまたま出来ただけかもしれない。
まあ、試してはみるけど。
とりあえず全部食べて、持ってた携帯用のウェットティッシュで容器拭いて。
ゴミは‥‥‥持ち帰ろうか。
地球人は失礼なやつだとか、思われたくないし。
そう、あのクジラ。
アイツみたいに目が合って、ニヤリなんて意地悪く笑った、かなあ?
どんどん記憶の中でのイメージ図が悪くなってるから覚えてないや。
まあ、後ろ指さされないようにだけはしとこ。
わたしの人生そのものが、もうそんな感じだけどね。
「じゃあ、どうしよーかなー。
体力が落ちてたらいやだしなあ。
もし5倍のまんまなら、うーんまた痛くない?」
今度は掛け声なしで、岩肌を殴りつけてみた。
うん、痛くない。
指も普通に動く。
で、壁には手がめり込んでる。
うん、凄い。スポンジの堅いのを殴りつけてる感覚。
さて、そうなると後ろの大勢の人たち。
幽霊ではないような気がしてるんだよね。
だって、普通の日常生活というか。
この目の前にある神殿?
それとも誰かエラい王様の墓所?
秦の始皇帝の墓所がこんな感じだったような気もするけど、写真でしか見たことないからわからない。
石板で指示書とか渡してるみたい。
漢字ではないなあ。
ローマ字でもない。
うーん、これはパス。
ちなみにスマホを起動して、それを撮影したよ。
フラッシュ撮影でさ。でも、誰も気にしてない。
これはよくある、チートイベント開始中なのか。
それとも神聖な力?
そんな感じで行われてるのか。
うーん‥‥‥。
「夢だな。うん、夢だ。
でもみんなよく働くよねー。
これってそんなに大事な何かなのかな?
近付いても悪いことしないから、お願いだから襲わないでね、お願い!!!」
なんて、神頼みしてみて荷物をまとめて背負うと、彼らの作業風景を見て回ってみた。
レンガじゃない材質。
でも、石そのものから切り出してるわけじゃない。
均等な長方形のそれを、これはセメント?
そんな接着剤みたいを塗っては重ね、塗っては重ね。
乾いたら今度は外壁を何回も何回も塗り重ねて行く。
足場もちゃんと組まれてて、レンガ? でいいのかな??
それを放り投げる役、受け取る役、上で別の職人さんに渡して同じような作業が繰り返されていく。
ただーー
「なんで、そこには現実の壁がないんでしょうか!!???」
そう。
外観からしたら、なんだろ?
ギリシャの神殿と沖縄の首里城を合わせたような。
石と材木で綺麗に彩られてる、うん、これはお墓じゃない。
神殿だ。4つの色、あのお月様たちと同じ色に別れてる。
紫が一番大きい幅がある。やっぱり、あれはオレンジより大きいみたい。
配色と距離が正確なら、月の位置もオレンジが最後。
紫が三番目。あと、天空はそうだ。
昼間の空の色は青じゃなかった。薄い紅色。なんでだろ?
あ、そうか夕焼けと同じだ。
太陽が通過する大気との距離が近いから、赤くなる。
だからこの神殿の天井も薄紅色。
とても綺麗な色。
「わーほんと綺麗。
ななせ、今度はあんな色にメッシュいれようかなー‥‥‥」
メッシュ、美容院‥‥‥。
ま、それは戻ってから考えよう‥‥‥
で、と。いまが14時。
まだ日が昇るには早いね。あともう少し、見とこうかな。
この神殿の綺麗な姿。
あ、イラストとか無理かな?
タブレットとペンあるし。絵は下手だけど‥‥‥」
スマホともう一台。
画面の小さなタブレットがある。タッチペン式で書けるやつ。
衝撃とかで壊れてなきゃいいけど。
あ、動くわ。
「うん、ごめんね、皆さん。
この光景、描かせて下さい。
ななせの思い出に」
帰れるよね。そう思いながらスケッチの美術の授業を思い出して描いていく。
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