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7 悪魔とクジラと古代遺跡
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「はい、ななせです。
太陽が昇る‥‥‥ハズ???」
少し時間差があるのかもしれない。
なんておバカのなことを言いながら、誰に向かって解説してたんだろ?
まあ、いいや。
わたしは待ってたの。
あれだけの広さの密林があるなら、そしてそれは山の中腹辺りまであったから。
そして水場も発見した。
ただ、レーダーには生命反応はほんの少しだけ。
昆虫ぽいのと、コウモリみたいなのと。
大型の動物はいないっぽい。
当然、鳥はいるけど範囲内にはいるほど低くは飛ばない。
湿度は低いけど、それでも昼間の陽光を溜め込んで岩肌はまだ暖かい。
なら‥‥‥。
ここは標高千メートル以下だけど、もやや霧がもしあの湖から上がるなら。
雲はでるはず。
あの夢が正夢かどうかはどうでもいい。
ただ、知りたいし、確認したかった。
彼らはまだ、この惑星に生きているのか。
彼はまだ、あちらに。
地球にいるのか。
もし、二十回目の紫の夜が鍵なら、あの銀色のクジラはまだ地球にいるはず。
空飛ぶクジラなんて珍しいからすぐに話題になるだろう。
あのわたしに目掛けてきた垂直落下で死んでいないか。
他の人間を襲ったりして、自衛隊とかに撃ち落されていないか。
そんな可能性が頭を過ぎって仕方がない。
あの赤いクジラは神殿にいたやつだ。
壁画に描かれていたやつ。
でも、もしそうだとしたら‥‥‥彼は既に捕まってたはず。
あの壁画通りなら。
なら、あの夢は幻とかクジラの魂とか。
そんなものと共鳴して夢に出てきたのかもしれない。
もしそうなら、雲がでても彼らは出てこないことになる。
何よりーーー
「この岩山の裏側には溶岩の被害が少なかったのかな?
もしそうだとして、密林はななせのいるとこより、少し上で終わってる。
あの高台みたいな平たく見えるけど。上すぎてわかんないけど。
なんで、白い色が見えるんだろ?」
大きい白い何かが大量にそこにはある。
この角度からはその一部しか見えないけど、でも肉眼ではその程度しかわからない。
「あ、スマホのカメラ。
ズームにしてみたら‥‥‥???」
一キロもない距離だもの。
何か鮮明にわかるかもしれない。
もし、あの銀色のクジラの巣とかなら‥‥‥。
「ぶん殴らないと気が済まないよねーー絶対!!!」
そう、そうだよね、わたし。
あの夢みたいに空飛べたらいいのになあ。
あの壁画の人たちはどうやって飛んでたんだろう?
魔法? 重力操作? 引力を相殺してる?
それとも、ホバークラフトみたいに何かのエンジンで、あの光を排気? しながら飛ぶのかなあ?
「お腹空いたなあ。
あれからどれくらい?
覚えてないなあ。もう二十時間以上なにも食べてない気がする。
ポテチ十枚でそんなにもつもんなの???
まあ、いっか。
あと十枚食べよ。あ、お茶はもう無理かなあ?
腐ってたりして?」
唾液が入ってるし、そう思うと少し怖かった。
試しに臭ってみる。うーん、普通。
指先につけてかるく味見。あんま変わんない。
口に少し含んで吐き出す。
三十分待ってみて、異常なし。
「なんで劣化しないの?
もしかして、経年劣化だっけか???
難しい言葉わかんないな。
あれが物凄く遅くなってたりする?」
理解できないことだらけ。
目は夜中に少し光があれば、昼間と同じように見える。
見えない色はない。
五感は発達して、変なセンサーみたいな半径五メートル内のものなら見てるみたいに。
手に取るように分かる。
握力も脚力も五倍になってるけど、睡眠時間がとても長くなる時もあれば短い時もある。
この世界に来て百時間近くは地球時間で経過してるはずだけど、朝と夜の交代劇がよくわからない。
何よりあれだもの。
空腹と排泄感。
これがあまりにも時間が長く持ちすぎる。
トイレなんてまだ一度も行ってない。
食事は固形のチョコレート十数個とポテチ二十枚だけでこれだけ動けて走り回れる。
これはどうにもおかしい。
「まあ、おかしいって言えば。
服も靴も、スマホもノートもだけど。
全部、五倍の力で普通に触っても破れないし、壊れない。
SFの転送であるみたいに粒子を量子レベルで時間を固定とかできたらこうなる?
でもそれだったら汗がでる意味が分からない。
うーん‥‥‥汗臭い。
お風呂入りたい。
あそこにいるのなんだろな、ななせは少し興味があるのです」
どうしようかな?
入り口の柵を解体して、まとめて武器代わりに背負ってあそこまで行けるかな?
このブーツでこの岩山、登り切れる?
登山用じゃないし。滑って、もし下にあのトゲトゲロードがあったら即死案件だし。
そんなこと思いながら、スマホカメラでズームアップ。
うーん、よくわからない。
あ、タブレットの方がカメラの性能良くなかった?
思い出して、起動のスイッチ長く押してみる。
「ふむ。
なんで電源入るんだろう?
まあ、使えないと困るんだけど。
映るかなー‥‥‥、え、なにあれーー」
一枚、写メで撮影。
あのスケッチしてたアプリ呼び出して、補正を最大にしてみた。
「えー‥‥‥。
骨? 恐竜の化石みたいな。
あ、もしかして‥‥‥」
あ、だめだ。
気づいたら涙があふれて止まらない。
さっきまで夢で見てたあのたくさんのクジラさんたちの‥‥‥残骸、だ。
「ひどい。
食べたら、ちゃんと埋めるとかしなかったの?
なんであんなとこに放置、ひどいよーー」
でも泣きながらおかしなことにも気が付いた。
あの壁画では、地上に落とそうとしていたはず。
なんでこんな岩山の中腹に骨があるの?
何より、道なんて見えないのにどうやって運んだの?
捨てるなら、もっと下のあの平原とかのはず。
「それに、噴火したなら。
あの骨も埋まってないとおかしい。
あの天井の緑の惑星からも道は続いてた。けど、あれ?
地球とあの緑の惑星、繋がってた?
緑から、この星、それで地球じゃなかった‥‥‥?
待ってよ、ななせ考えてます。
もし、この星の二十日周期であの紫の月が一番手前に来て地球と繋がる。
あの赤いクジラさん、夢でそう言ったよね?
でも、クジラさんたちが抜ける大きな穴と。
扉は四枚って言ってなかった?
なら、残る三枚はどこに繋がるの?
月‥‥‥いまはバラバラ。ここに来た夜は一直線だった。
え、待って待って。
ななせがこの惑星にきてから‥‥‥何回目の夜が終わった?
寝ていた間を数えても四回の朝のハズ?
あ、太陽登ってきた。十六時間周期かなあ?
あ、でも季節と月の配置にも拠るのかも。
二十日して開く。で、今夜が四回目?
それとも、昨夜から、あ、違うか。
今夜から二十回目の夜だ。なら中途半端。二十三回?
扉は四枚。この世界の時間では二十日から二十三日に一回は扉が空くことになるよね?
それか、二十三日から二十六日の間に一枚ずつ。
もしかして今日の夜にどれかの扉が空く?
もしそうなら、あの神殿の人たちもその四日間だけ目覚めるのかも。
今夜‥‥‥ななせ、大丈夫?」
喋ってる間にも太陽は世界を照らし出していき‥‥‥
「わーお。
凄い。写メ写メ。
自撮り、イェイ!」
湖面に反射した陽光を背景に自撮りをした写メを見て。
「ひぇ!?
なに、これ‥‥‥」
わたしは悲鳴を上げた。
もちろんわたしの背後とか、そんな距離じゃない。
もっと奥の、湖と密林の切れ間。
そこに写る、巨大な翼の…‥あれだ。
天井に描かれてたあいつ。
そして、併走して飛んでるあの女の人たち。
「え、まじで!?
ヤバっ。隠れよう。カメラの反射とかバレてないよね‥‥‥???」
そーっと、全部の荷物をリュックサックにしまって、反射するもの。
ベルトのバックルとか、耳のピアスとか。全部外した。
帽子もしまって。で、観察する。
遠すぎるからスマホのカメラで向こうに光が反射しないように気を付けてズームアップ。
「こっちには来ないね、なんでだろ?
でも、あの鍵があるって遺跡には行ってるみたい。
ななせ、思うに今夜が彼らの扉が空くんじゃないかな?」
周囲を見渡して、ここはあっちからは隠れるような感じの窪地になってるのを確認。
その更に奥に、なんとなくだけど。
あの逃げ出してきた神殿の入り口によく似たのを見つけた。
「うーん‥‥‥。
入るのは危なすぎる。
ただ、あれだよね。空気穴とかの可能性もある。
あれ、でも位置的にあの壊そうかどうか迷ってた岩肌の奥ぽくない、ここ」
確かに、ぐるっと回りこんだ感じはする。
そーっと覗き込んだら、あ、いるいる。
やっぱり、採光用か空気穴なんだろな、これ。
だから、高い位置に作られたんだ。
「ふーん。
ある程度、岩山のなかをくり抜いてた感じだね、これ。
アラームの音消しとこ。
で、もう今日はここから動かない。
お風呂入りたいけど。
怖すぎる」
そうだね、わたし。
あれを見た瞬間の。
そう思いスマホの画像を再度確認する。
うん、あれだ。それに付き従ってるのは同じ黒髪に青いメッシュ。
銀色のクジラの革着てるし。足元金色に輝いてるし。
魔法かなあ。いいなあ。
そう思った時だった。
密林の奥から大きな音がしたのは。
ズズズゥン、みたいな。
大きな扉が開く音。
あれーー???
「雲がある‥‥‥」
そう、空には白い雲がたくさんあった。
まさかのーー
穴からそっと這い出てあの遺跡を見たらたくさんの色とりどりのクジラたちが奥の遺跡から出てくる。
「あれだ、言ってたやつだよ。
自分たちが通れる穴がある。
別の世界から呼び寄せたんだ。
ななせ、理解した。
あの雲をエサにして、あの悪魔。
クジラさんたちを食べる気だ…‥なんてひどい。
あ、でも日本人も捕鯨してるし。言えないか‥‥‥」
いまは動けない。
この光景をただ静かに見守るしかできない。
それに、神殿の中を覗いたらやっぱりこっちと、あの現実に生きてる女性や悪魔たちは違うみたい。
この関連性がなにもわからない。
クジラさんが捕まるとこは見たくない。
異世界生活この惑星時間で四回目の朝。
わたしは、卑怯な傍観者。
自分を守ることで精一杯な、逃げることしかできないそんな存在だった。
太陽が昇る‥‥‥ハズ???」
少し時間差があるのかもしれない。
なんておバカのなことを言いながら、誰に向かって解説してたんだろ?
まあ、いいや。
わたしは待ってたの。
あれだけの広さの密林があるなら、そしてそれは山の中腹辺りまであったから。
そして水場も発見した。
ただ、レーダーには生命反応はほんの少しだけ。
昆虫ぽいのと、コウモリみたいなのと。
大型の動物はいないっぽい。
当然、鳥はいるけど範囲内にはいるほど低くは飛ばない。
湿度は低いけど、それでも昼間の陽光を溜め込んで岩肌はまだ暖かい。
なら‥‥‥。
ここは標高千メートル以下だけど、もやや霧がもしあの湖から上がるなら。
雲はでるはず。
あの夢が正夢かどうかはどうでもいい。
ただ、知りたいし、確認したかった。
彼らはまだ、この惑星に生きているのか。
彼はまだ、あちらに。
地球にいるのか。
もし、二十回目の紫の夜が鍵なら、あの銀色のクジラはまだ地球にいるはず。
空飛ぶクジラなんて珍しいからすぐに話題になるだろう。
あのわたしに目掛けてきた垂直落下で死んでいないか。
他の人間を襲ったりして、自衛隊とかに撃ち落されていないか。
そんな可能性が頭を過ぎって仕方がない。
あの赤いクジラは神殿にいたやつだ。
壁画に描かれていたやつ。
でも、もしそうだとしたら‥‥‥彼は既に捕まってたはず。
あの壁画通りなら。
なら、あの夢は幻とかクジラの魂とか。
そんなものと共鳴して夢に出てきたのかもしれない。
もしそうなら、雲がでても彼らは出てこないことになる。
何よりーーー
「この岩山の裏側には溶岩の被害が少なかったのかな?
もしそうだとして、密林はななせのいるとこより、少し上で終わってる。
あの高台みたいな平たく見えるけど。上すぎてわかんないけど。
なんで、白い色が見えるんだろ?」
大きい白い何かが大量にそこにはある。
この角度からはその一部しか見えないけど、でも肉眼ではその程度しかわからない。
「あ、スマホのカメラ。
ズームにしてみたら‥‥‥???」
一キロもない距離だもの。
何か鮮明にわかるかもしれない。
もし、あの銀色のクジラの巣とかなら‥‥‥。
「ぶん殴らないと気が済まないよねーー絶対!!!」
そう、そうだよね、わたし。
あの夢みたいに空飛べたらいいのになあ。
あの壁画の人たちはどうやって飛んでたんだろう?
魔法? 重力操作? 引力を相殺してる?
それとも、ホバークラフトみたいに何かのエンジンで、あの光を排気? しながら飛ぶのかなあ?
「お腹空いたなあ。
あれからどれくらい?
覚えてないなあ。もう二十時間以上なにも食べてない気がする。
ポテチ十枚でそんなにもつもんなの???
まあ、いっか。
あと十枚食べよ。あ、お茶はもう無理かなあ?
腐ってたりして?」
唾液が入ってるし、そう思うと少し怖かった。
試しに臭ってみる。うーん、普通。
指先につけてかるく味見。あんま変わんない。
口に少し含んで吐き出す。
三十分待ってみて、異常なし。
「なんで劣化しないの?
もしかして、経年劣化だっけか???
難しい言葉わかんないな。
あれが物凄く遅くなってたりする?」
理解できないことだらけ。
目は夜中に少し光があれば、昼間と同じように見える。
見えない色はない。
五感は発達して、変なセンサーみたいな半径五メートル内のものなら見てるみたいに。
手に取るように分かる。
握力も脚力も五倍になってるけど、睡眠時間がとても長くなる時もあれば短い時もある。
この世界に来て百時間近くは地球時間で経過してるはずだけど、朝と夜の交代劇がよくわからない。
何よりあれだもの。
空腹と排泄感。
これがあまりにも時間が長く持ちすぎる。
トイレなんてまだ一度も行ってない。
食事は固形のチョコレート十数個とポテチ二十枚だけでこれだけ動けて走り回れる。
これはどうにもおかしい。
「まあ、おかしいって言えば。
服も靴も、スマホもノートもだけど。
全部、五倍の力で普通に触っても破れないし、壊れない。
SFの転送であるみたいに粒子を量子レベルで時間を固定とかできたらこうなる?
でもそれだったら汗がでる意味が分からない。
うーん‥‥‥汗臭い。
お風呂入りたい。
あそこにいるのなんだろな、ななせは少し興味があるのです」
どうしようかな?
入り口の柵を解体して、まとめて武器代わりに背負ってあそこまで行けるかな?
このブーツでこの岩山、登り切れる?
登山用じゃないし。滑って、もし下にあのトゲトゲロードがあったら即死案件だし。
そんなこと思いながら、スマホカメラでズームアップ。
うーん、よくわからない。
あ、タブレットの方がカメラの性能良くなかった?
思い出して、起動のスイッチ長く押してみる。
「ふむ。
なんで電源入るんだろう?
まあ、使えないと困るんだけど。
映るかなー‥‥‥、え、なにあれーー」
一枚、写メで撮影。
あのスケッチしてたアプリ呼び出して、補正を最大にしてみた。
「えー‥‥‥。
骨? 恐竜の化石みたいな。
あ、もしかして‥‥‥」
あ、だめだ。
気づいたら涙があふれて止まらない。
さっきまで夢で見てたあのたくさんのクジラさんたちの‥‥‥残骸、だ。
「ひどい。
食べたら、ちゃんと埋めるとかしなかったの?
なんであんなとこに放置、ひどいよーー」
でも泣きながらおかしなことにも気が付いた。
あの壁画では、地上に落とそうとしていたはず。
なんでこんな岩山の中腹に骨があるの?
何より、道なんて見えないのにどうやって運んだの?
捨てるなら、もっと下のあの平原とかのはず。
「それに、噴火したなら。
あの骨も埋まってないとおかしい。
あの天井の緑の惑星からも道は続いてた。けど、あれ?
地球とあの緑の惑星、繋がってた?
緑から、この星、それで地球じゃなかった‥‥‥?
待ってよ、ななせ考えてます。
もし、この星の二十日周期であの紫の月が一番手前に来て地球と繋がる。
あの赤いクジラさん、夢でそう言ったよね?
でも、クジラさんたちが抜ける大きな穴と。
扉は四枚って言ってなかった?
なら、残る三枚はどこに繋がるの?
月‥‥‥いまはバラバラ。ここに来た夜は一直線だった。
え、待って待って。
ななせがこの惑星にきてから‥‥‥何回目の夜が終わった?
寝ていた間を数えても四回の朝のハズ?
あ、太陽登ってきた。十六時間周期かなあ?
あ、でも季節と月の配置にも拠るのかも。
二十日して開く。で、今夜が四回目?
それとも、昨夜から、あ、違うか。
今夜から二十回目の夜だ。なら中途半端。二十三回?
扉は四枚。この世界の時間では二十日から二十三日に一回は扉が空くことになるよね?
それか、二十三日から二十六日の間に一枚ずつ。
もしかして今日の夜にどれかの扉が空く?
もしそうなら、あの神殿の人たちもその四日間だけ目覚めるのかも。
今夜‥‥‥ななせ、大丈夫?」
喋ってる間にも太陽は世界を照らし出していき‥‥‥
「わーお。
凄い。写メ写メ。
自撮り、イェイ!」
湖面に反射した陽光を背景に自撮りをした写メを見て。
「ひぇ!?
なに、これ‥‥‥」
わたしは悲鳴を上げた。
もちろんわたしの背後とか、そんな距離じゃない。
もっと奥の、湖と密林の切れ間。
そこに写る、巨大な翼の…‥あれだ。
天井に描かれてたあいつ。
そして、併走して飛んでるあの女の人たち。
「え、まじで!?
ヤバっ。隠れよう。カメラの反射とかバレてないよね‥‥‥???」
そーっと、全部の荷物をリュックサックにしまって、反射するもの。
ベルトのバックルとか、耳のピアスとか。全部外した。
帽子もしまって。で、観察する。
遠すぎるからスマホのカメラで向こうに光が反射しないように気を付けてズームアップ。
「こっちには来ないね、なんでだろ?
でも、あの鍵があるって遺跡には行ってるみたい。
ななせ、思うに今夜が彼らの扉が空くんじゃないかな?」
周囲を見渡して、ここはあっちからは隠れるような感じの窪地になってるのを確認。
その更に奥に、なんとなくだけど。
あの逃げ出してきた神殿の入り口によく似たのを見つけた。
「うーん‥‥‥。
入るのは危なすぎる。
ただ、あれだよね。空気穴とかの可能性もある。
あれ、でも位置的にあの壊そうかどうか迷ってた岩肌の奥ぽくない、ここ」
確かに、ぐるっと回りこんだ感じはする。
そーっと覗き込んだら、あ、いるいる。
やっぱり、採光用か空気穴なんだろな、これ。
だから、高い位置に作られたんだ。
「ふーん。
ある程度、岩山のなかをくり抜いてた感じだね、これ。
アラームの音消しとこ。
で、もう今日はここから動かない。
お風呂入りたいけど。
怖すぎる」
そうだね、わたし。
あれを見た瞬間の。
そう思いスマホの画像を再度確認する。
うん、あれだ。それに付き従ってるのは同じ黒髪に青いメッシュ。
銀色のクジラの革着てるし。足元金色に輝いてるし。
魔法かなあ。いいなあ。
そう思った時だった。
密林の奥から大きな音がしたのは。
ズズズゥン、みたいな。
大きな扉が開く音。
あれーー???
「雲がある‥‥‥」
そう、空には白い雲がたくさんあった。
まさかのーー
穴からそっと這い出てあの遺跡を見たらたくさんの色とりどりのクジラたちが奥の遺跡から出てくる。
「あれだ、言ってたやつだよ。
自分たちが通れる穴がある。
別の世界から呼び寄せたんだ。
ななせ、理解した。
あの雲をエサにして、あの悪魔。
クジラさんたちを食べる気だ…‥なんてひどい。
あ、でも日本人も捕鯨してるし。言えないか‥‥‥」
いまは動けない。
この光景をただ静かに見守るしかできない。
それに、神殿の中を覗いたらやっぱりこっちと、あの現実に生きてる女性や悪魔たちは違うみたい。
この関連性がなにもわからない。
クジラさんが捕まるとこは見たくない。
異世界生活この惑星時間で四回目の朝。
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自分を守ることで精一杯な、逃げることしかできないそんな存在だった。
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