47 / 150
第二章 王国の闇と真の悪
第四十六話 毒を吐くミレイア
しおりを挟む
「エイシャはもうおりません。
捨てられた身、あなたの策謀によって‥‥‥あの魔女の名を与えられたミレイアです!!!」
ミレイアが我慢も限界だと、シルドの頬を手で張った。
シルドはそれを受け入れて反撃はしなかった。
「そうだな、なら、ミレイア。
僕の見たところ、君は権力が大好きだ。上流階級に憧れて、それになろうと野望をひた隠しにしていた。
僕がそれを利用したことは謝ろう。
君は思うだろう、あのまま放っておいてくれたら。
王子殿下と婚約できた、と」
ミレイアはそうでなければなんなの、というようにシルドを見る。
そこに黙って聞いていたエルムンド侯が彼女に情報を与えた。
「奥方殿。
我が王国の王子殿下はまた、多くの爵位を持たれ、その爵位ごとに妻がいる。
あなたのルケーア子爵の領土は狭く、税金も多くは取れない。
王子は子爵程度の娘には興味を持たない。利用する駒にならないからな。
生活は農民程度のものになるだろう。
それになーー」
エルムンド侯はそれ以上を語れなかった。
自分の主の恥を、言いたくなかったのだ。
「それに、なんですか。
元義父上様!?」
ミレイアは精一杯の嫌味を込めて彼に毒を吐きかける。
さも、魔女のように。恨みをこめて。
変わって答えたのはシルドだった。
「殿下は、君の舌を斬り落としたようにーー
飽きた女性たちを拷問にかけ、死ねば病死と実家には届けている。
もうこの何年もの間に、数人が死んでいるんだ、ミレイア‥‥‥」
そんなーー
一国の王子とはいえ、そんな蛮行が許されるはずが‥‥‥
そうミレイアは叫ぼうとした。
だが、シルドとエルムンド侯の主をいさめれない部下としての悲しみに満ちた顔はーー
‥‥‥真実を告げていた
「では、わたしを助けるために、あの婚約破棄と求婚をしたと!?
そんな都合の良い話が!!!
それを大公様に告げるなり、密告するなり。
なにか手があったはずでしょう!??」
あんな拷問に合わせておいてーー
ミレイアの怒りはおさまらない。
どこまでも毒を吐きつけようとしていた。
「仕方がなかったんだ!!!」
シルドが思わず叫んでいた。
顔を上げ、ミレイアを見つめて彼は語る。
「あの時、君の姉上に婚約破棄を申し出る前に!!!
僕はあの二回での王族と皇族の取り決めを知っていた!!
王子殿下が、君を望んで婚約したいと言い出し、それを皇太子殿下は何も知らずに承諾された。
時間がなかったんだ、なによりーー」
ああ、いや。
失言だった、忘れてくれ。
シルドはそう言うと、窓の外へと顔を背けてしまう。
姉譲りの頑固な性格のミレイアにはこれが気に入らなかった。
捨てられた身、あなたの策謀によって‥‥‥あの魔女の名を与えられたミレイアです!!!」
ミレイアが我慢も限界だと、シルドの頬を手で張った。
シルドはそれを受け入れて反撃はしなかった。
「そうだな、なら、ミレイア。
僕の見たところ、君は権力が大好きだ。上流階級に憧れて、それになろうと野望をひた隠しにしていた。
僕がそれを利用したことは謝ろう。
君は思うだろう、あのまま放っておいてくれたら。
王子殿下と婚約できた、と」
ミレイアはそうでなければなんなの、というようにシルドを見る。
そこに黙って聞いていたエルムンド侯が彼女に情報を与えた。
「奥方殿。
我が王国の王子殿下はまた、多くの爵位を持たれ、その爵位ごとに妻がいる。
あなたのルケーア子爵の領土は狭く、税金も多くは取れない。
王子は子爵程度の娘には興味を持たない。利用する駒にならないからな。
生活は農民程度のものになるだろう。
それになーー」
エルムンド侯はそれ以上を語れなかった。
自分の主の恥を、言いたくなかったのだ。
「それに、なんですか。
元義父上様!?」
ミレイアは精一杯の嫌味を込めて彼に毒を吐きかける。
さも、魔女のように。恨みをこめて。
変わって答えたのはシルドだった。
「殿下は、君の舌を斬り落としたようにーー
飽きた女性たちを拷問にかけ、死ねば病死と実家には届けている。
もうこの何年もの間に、数人が死んでいるんだ、ミレイア‥‥‥」
そんなーー
一国の王子とはいえ、そんな蛮行が許されるはずが‥‥‥
そうミレイアは叫ぼうとした。
だが、シルドとエルムンド侯の主をいさめれない部下としての悲しみに満ちた顔はーー
‥‥‥真実を告げていた
「では、わたしを助けるために、あの婚約破棄と求婚をしたと!?
そんな都合の良い話が!!!
それを大公様に告げるなり、密告するなり。
なにか手があったはずでしょう!??」
あんな拷問に合わせておいてーー
ミレイアの怒りはおさまらない。
どこまでも毒を吐きつけようとしていた。
「仕方がなかったんだ!!!」
シルドが思わず叫んでいた。
顔を上げ、ミレイアを見つめて彼は語る。
「あの時、君の姉上に婚約破棄を申し出る前に!!!
僕はあの二回での王族と皇族の取り決めを知っていた!!
王子殿下が、君を望んで婚約したいと言い出し、それを皇太子殿下は何も知らずに承諾された。
時間がなかったんだ、なによりーー」
ああ、いや。
失言だった、忘れてくれ。
シルドはそう言うと、窓の外へと顔を背けてしまう。
姉譲りの頑固な性格のミレイアにはこれが気に入らなかった。
0
あなたにおすすめの小説
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で“価値の高い女性”だった
佐藤 美奈
恋愛
セリーヌ・エレガント公爵令嬢とフレッド・ユーステルム王太子殿下は婚約成立を祝した。
その数週間後、ヴァレンティノ王立学園50周年の創立記念パーティー会場で、信じられない事態が起こった。
フレッド殿下がセリーヌ令嬢に婚約破棄を宣言した。様々な分野で活躍する著名な招待客たちは、激しい動揺と衝撃を受けてざわつき始めて、人々の目が一斉に注がれる。
フレッドの横にはステファニー男爵令嬢がいた。二人は恋人のような雰囲気を醸し出す。ステファニーは少し前に正式に聖女に選ばれた女性であった。
ステファニーの策略でセリーヌは罪を被せられてしまう。信じていた幼馴染のアランからも冷たい視線を向けられる。
セリーヌはいわれのない無実の罪で国を追放された。悔しくてたまりませんでした。だが彼女には秘められた能力があって、それは聖女の力をはるかに上回るものであった。
彼女はヴァレンティノ王国にとって絶対的に必要で貴重な女性でした。セリーヌがいなくなるとステファニーは聖女の力を失って、国は急速に衰退へと向かう事となる……。
あっ、追放されちゃった…。
satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。
母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。
ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。
そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。
精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる