突然ですが、侯爵令息から婚約破棄された私は、皇太子殿下の求婚を受けることにしました!

 エルムド帝国とルゲール王国。
 両国は長い間、絶え間ない戦争をしておりました。
 百年にも続く長い年月をえて、両国は和平への道筋を模索します。
 わたし、エシャーナ伯爵令嬢ユニスと、フレゲード侯爵令息シルドの婚約もまたその為に用意された政略結婚‥‥‥の予定でした。
 しかし、帝国領ハーベスト大公家の晩餐会で、その目論見はあっさりと潰れてしまいます。
 なんと、シルドはあろうことか我が妹エイシャに浮気。
 我が義父、ハーベスト大公の目の前で、
「ユニス、すまないが僕は運命の出会いをしてしまった。ここで婚約は破棄させてもらう」
 と宣言したのです。
「シルド様、なぜそのような!?」
「すまない、 ユニス。君よりも‥‥‥エイシャが美しい!」
 そう宣言し彼はなんとエイシャを同僚の王国侯爵家の養女にする、と公言。
 さらに、
「いかがかな、大公殿! この婚約、エイシャ殿を王国侯爵家養女に迎えるなら、侯爵家同士のもの。妹君を我が家に迎えても何ら問題はあるまい!?」
 と恥も外聞もなく高らかに宣言したのです。
 一人残されたわたしは悔しさに震えそうでした。
 でも、そんなわたしの肩を優しく抱いてくれる方がいたのです。
 其の御方こそ、エルムド帝国の次期帝位継承者、皇太子グレン殿下でした!


 他の投稿サイトにも、掲載しています。
 
 ※ 新章 魔導士シルドの成り上がり ~復縁を許された苦労する大公の領地経営~
   を4月24日より連載始めました。
  (不定期連載となります)
 ※ 表紙イラストは、
   ayuzukko様(twitter @zOZo3AZeN1AsqrP)
   に描いていただきました。
   よろしくお願いいたします。

 ※ 別タイトルで連載中の「王太子殿下はモブさえいればいい」、はこの世界の千年程あとの話になります。シルド大公や、グレン大帝、なんて単語も飛び出てきたりしますので併せて読んでみて下さい。
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