貧乏メイド、官能作家に身体を資料として提供することになりました~資料のために抱かれ続けた私、いつの間にか彼の最愛に~

蜜井蜂

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第一部

☆情報収集Ⅲ―風呂場環境下における奉仕行為の比較分析―

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 一日の終わり。
お風呂に入る支度をしていると、背後から影が覆いかぶさった。

「フェイ様!?」
振り向く間もなく、耳元に低い声が落ちる。
「今日は主に口での接触を試させてほしい」
「……く、口で……っ!?」

あまりに唐突な一言に、思わず手に持った上着を取り落としかけた。
「行為の中で口を使った接触は多い。手との違いや感覚の差異を記録したいんだ」

一拍置いて、言葉を噛み締めるように続けた。
「――今回の場面は主人公の風呂場での奉仕、だ」
「風呂場での、奉仕……」

フェイ様の説明によると――主人公のメイドが彼女の仕える貴族の青年の背中を流す場面で、お互いに身体を洗い合った後、そのまま興奮が抑えられなくなった二人。
とはいえ皆がいる屋敷の風呂場で体を重ねるわけにもいかない。
そこで主人公はご主人様への奉仕として隆起したソレを口で鎮める、というシーンらしい。

「わ、分かりました……」
頬が熱くなるのを必死に隠しながら、シャツのボタンに手をかける。
仕事と割り切っているはいえ、異性を前にして脱衣に抵抗を覚えなくなっている自分がなんだかちょっと、怖い。

「――私が脱がそう」
「えっ」
私が反応するより早くフェイ様の腕がするりと伸び、器用にシャツのボタンをはずしていく。
思わず顔を見上げると、そこにあったのは真剣なまなざし。
きっと恐らくまた頭の中では「あそこの文章はこっちの表現の方が読者が想像しやすい」とか考えているんだろう。
そんなことをぼんやり考えている間にも、フェイ様は手際よく私が身にまとっていた服を一枚、また一枚と脱がせていく。

――パサリ。
床に布が落ちる音が耳に届くたびに恥ずかしくって下を向いてしまう。



「……さて、先に入っていてくれ」
「か、かしこまりました」

すべて脱がされ一糸まとわぬ姿になった私は、促されるまま風呂場へと足を踏み入れた。
ドアを開けた瞬間、湿った熱気が全身を包み込んで汗と石鹸の匂いが鼻腔をくすぐる。


先に体を洗ってしまおうと石鹸を手に取ったその時――
ドアがガチャっと音を立てて開いた。

「……ッ」
初めて見るフェイ様の裸身。
なんだか気まずくて、つい目をそらしてしまう。

「せっかくだ。体を洗ってやろう」
せっかく、とは。

フェイ様は私の手から石鹸をかっさらうと、もこもこと泡立て始めた。
最初は肩、そして背中、それから腕――とスルスルと手のひらを滑らせていく。
「……ひゃっ」
思わず声が出ると、フェイ様は少しだけ目を細める。

二の腕が持ち上げられ、脇から胸の側面に掛けて手のひらが滑っていく。
そのまま胸の輪郭をなぞるように指が掠めて行き――

「もう硬くなっているな」
すでに敏感になっている先端を泡で優しく包まれる。
「……っんぅ」
身体が大きく跳ねた。
すでに敏感になっている尖りを弄ばれ、無意識に腰が動いてしまう。

フェイ様の手はそのまま何事もなかったかのように腹筋をなぞり、下腹部へと移動していく。

「うっ………くぅ」
快楽の波の連続に、思わずフェイ様の腕にしがみついてしまう。
「フェイさ、ま……そこは……っ」
手のひらが内ももをなでるたび腹筋がひくりと痙攣する。


そして――指先がするりと割れ目を撫で上げられた瞬間、身体の中がじゅわりと熱く広がる。
「んんっ……ああ……っ……」
私は、たったひと撫でで絶頂を迎えてしまったのだった。




「――今度は僕の背中を流してくれるかい?」
「……は、はい!もちろんです!」
私はまだ痙攣が止まらない身体で息を整えながら、フェイ様の後ろに回って石鹸を泡立てる。
そして、フェイ様にしてもらったのと同じように肩、背中、腕、と手のひらを滑らせていく。

濡れた皮膚は硬くて、指に力強い筋肉の隆起が伝わってくる。
フェイ様は時折くすぐったそうに体を揺らしてたけど、口ぶりは通常運転で。
「僕の身体に触れた時に感じたことを教えてほしい」とか「触れた感覚は?自分の身体との違いを感じる?」などなど……矢継ぎ早に質問が投げかけられる。



「――じゃあ、ここに座って」
「はい。……失礼します」
怒涛の質問攻めタイムも終わり、今度は向かい合わせに。

――視線を下に落とした瞬間、フェイ様の逞しいものが目に入った。
「……っ!」
目が泳ぐ。
どうしても直視できない。

「大丈夫だ。君はただ、感じたことを伝えてくれればいい」
震える声。
フェイ様もまた抑えているのが分かった。


「さて、まずは身体を洗う続きをお願いできるかい?」
「はい……」
両手で泡をたっぷりまとわせ、その熱を包み込む。
掌の上で脈打つ硬さはまるで生き物のようで、びりびりと鼓動が指先まで伝わってきた。

ぬるりと泡の膜がすべり、熱い芯を覆うたびずっしりとした重みが掌にのしかかる。
「……どうだい?」

「お、重くて……熱いです。手に、脈を打つ感覚が伝わって……」
フェイ様は大きく息を吐いてから何度も小さく頷く。


「――そのまま、上下に動かしてみて」

言われるまま、両手で根元から先端へと泡ごと滑らせる。
硬い質感に手のひらが押し返され、きゅっと握るとさらに鼓動が強まった。
指の間からぬるりとすべり落ちる感触に思わず身をすくめる。

「……ふ、ぅ……」
低い吐息が頭上から落ちてきた。
声の端に、微かな震えが混じっている。



「……次は胸で挟んでみてくれるかい?」
「む、胸ですか?」

無言で促され、胸を寄せてその熱を挟み込む。
柔らかい肉がぐっと押し潰され、硬い芯が谷間の中央にずしりと収まった。
上下に動かすたび石鹸と汗とで湿ったヌチュヌチュという音が浴室に響き渡る。

「っ……視覚的にも、これは……っ……」
フェイ様の端正な顔がわずかに歪み、眉間に深い皺が刻まれる。

谷間を擦り合わせる角度を変えると、硬さが胸の内側をぐいと押し広げ、柔肉が押し負けて形を変えた。
「んっ……当たって……熱い……」
自分の吐息すらも熱を帯び、胸の奥がじんじんと痺れていく。

「……もっと、強く上下させて……」

言葉に従って胸をすり合わせる速度を速める。
肉が潰れるたびに硬さが強調され、弾むように谷間を出入りする。
その摩擦に泡がはじけ、時折ぬるりと滑る生々しい感触が直接伝わってきた。

「……っは……くっ……」
押し殺した声。
震える腹筋。
フェイ様は必死に息を整えようとしながら、しかし視線は一度も逸らさず、食い入るように私の胸元を見つめていた。

胸を押し付けるたびに、熱い芯が私の肌を焼くように擦り、柔らかい部分がきしむように反発する。
そのたびに浴室の湿気の中で水音が跳ね、二人の吐息が混じり合っていった。




「……では、口で……頼む」

「っ……はい」

私はフェイ様の身体を水で洗い流し、おずおずと舌先を這わせる。
先端に触れた瞬間、熱と塩気、ぬるりとした質感が舌の裏にまとわりついて、口内いっぱいに生々しい味が広がった。
「じゅるっ……ちゅぷ……くちゅ……」
吸い上げるたび、蒸気に水音がいやに大きく反響する。

「……っ……ふぅ……」
吐息が頭上に降りかかり、低い唸り声が混じる。
腿がびくりと震え、私の頭に添えられた手に強さが増した。

フェイ様の手に促されるまま、さらに深く咥え込む。
舌の上を滑る硬さが喉奥を直に押し広げ、息が詰まる。

「んぐっ……じゅるるっ……っ」
狭い喉をこじ開けられるたび、えずくように涙が滲み、鼻先に熱い脈動が打ちつけてきた。
胸の奥まで鼓動が響き、体の芯が支配される感覚に全身が震える。

「……っ……そ、そのまま……」
震える声に、必死に堪えているのが伝わる。

次の瞬間、腰が大きく跳ね上がり、喉奥に灼けるような熱が奔った。

「んん゛っ……!」
喉の奥まで一気に押し流され、口内は粘りつく液体で満たされる。
塩気と鉄のような苦味が鼻腔に逆流し、生々しい匂いが頭の奥を支配した。
唇の端から白濁がつっと垂れる。

「……すまない」
反射的に顔をそらすと、掠れた声が落ちてきた。






「……助かったよ。これで……筆が進みそうだ」

そう言いながらフェイ様はわずかに肩を上下させ、呼吸を整えている。
その瞳には、今まで見たことのない熱のようなものが宿っていた。

一方の私はというと――床にへたり込み、喉を押さえながらただただ放心することしかできない。


私の頭に添えられていた手がゆっくりと頬へと落ち、肌に張り付いた髪の毛をそっと掬った。
その手のやさしさに、思わず身を預けてしまう。




しばらく二人の荒い呼吸だけが風呂場に響いた後、フェイ様が不意に私の頭をポンッと撫でて、
「リズはゆっくり温まってから出ると良い」と言い残し、風呂場を後にする。



気を遣ってくれてるんだかそうじゃないんだか……。

私は、身体のいたるところに残るフェイ様の熱を感じながら、彼が出て行ったドアの方をしばらく静かに眺めていた。



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