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第一章
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家に帰るとお兄ちゃんはいなかった。いつ休みなのかは聞いていないから、いれば嬉しいし、いないと気分が落ち込んだ。試しに自分の部屋で机の上に今日の宿題を広げてみたけど、全然捗らないし。
あたしのやる気、何処に行っちゃったの?
もうお風呂入っちゃおうかな。それともお兄ちゃんのバイト先に遊びに行ってみるとか。
お店の名前なんだっけ。ううん、思いだせないや。お兄ちゃんが帰ってきたら聞いてみよう。となると、お風呂に入るのもまだ早い気がするしどうしようかな。
悩むこと数分。
よし、ちょっとだけお昼寝しよう。一時間、いや三十分だけ。
あたしはベットに横になると、秒で意識を持っていかれた。
夢をみた。
あたしが坂上さんと小長井さんと一緒にいて、鹿児島さんも教室にいるんだけど、鹿児島さんは一人ぼっちで椅子に座っていて、お弁当を食べようとしていて、あたしがそのお弁当をごみ箱に捨てる夢。
坂上さんと小長井さんはみてるだけ。笑ってるだけ。あたしが率先して鹿児島さんに酷いことばかりしてるの。あたしはそんなことしないのに、夢の中のあたしは意地悪だ。
鞄の中身を床に全部ぶち撒けたり、上履きを脱がせて遠くに投げたり。
だけど教科書を破ったり落書きしたりはしないの。そういう、先生がみたらすぐにわかりそうなことは。
だから蹴ったり殴ったりもしないし、机に落書きもしない。物を壊したり隠したりもしない。
だけど。
鹿児島さんのたわわな胸を、揉んだりシャツを引っ張ってボタンが弾け飛んだり。
とにかく夢の中のあたしは酷かった。夢なのに心が苦しくなった。
目を覚ましたあたしはすぐに身体を起こせなくて、ずっと心が痛かった。これは夢だってわかってるのに、どうしようもなく胸が苦しかった。
ごめんなさい、ごめんなさい。夢の中で鹿児島さんを虐めて辱めてごめんなさい。
水が飲みたくてリビングに行くと、お兄ちゃんが帰ってきてた。
「あ、お兄ちゃん」
「ただいま、愛莉。もしかして寝てたの?」
「うん。おかえりお兄ちゃん」
あんな夢をみたからか、お兄ちゃんの顔をみたら凄く落ち着いた。嫌な夢はどんどん吐きだした方がいいって言うけど、思いだすのも嫌なくらい胸糞悪い夢だったな。
「あ、そうだ。お兄ちゃんのバイト先ってなんてとこ?」
「どうして?」
「今日遊びに行こうかと思ったんだけど、バイト先の名前知らないなって」
「フルールだよ。駅前の喫茶店」
「おっけ。今度遊びに行っていい?」
「なにか一杯、頼んでくれるなら」
「了解」
水を一杯飲んでからリビングのソファに腰を下ろすと、あたしはスマホでお兄ちゃんのバイト先を調べた。
「フルール、フルール……あった」
ほんとに駅から近いんだ。これなら迷わずに行けそう。
喫茶店の場所を確認すると、あたしは漫画を読み始めた。
お兄ちゃんのいるこの空間が好き。会話がなくても安心するし、此処にいてもいいんだって思えるから。
「お兄ちゃん、今日のご飯、なに?」
「今日はシチューだよ」
「やったぁ」
毎日が平和であれ。
柚留ちゃんの部屋にはお兄ちゃんがご飯を持っていった。あれからあたしは、柚留ちゃんの部屋の前には行ってない。
あたしのやる気、何処に行っちゃったの?
もうお風呂入っちゃおうかな。それともお兄ちゃんのバイト先に遊びに行ってみるとか。
お店の名前なんだっけ。ううん、思いだせないや。お兄ちゃんが帰ってきたら聞いてみよう。となると、お風呂に入るのもまだ早い気がするしどうしようかな。
悩むこと数分。
よし、ちょっとだけお昼寝しよう。一時間、いや三十分だけ。
あたしはベットに横になると、秒で意識を持っていかれた。
夢をみた。
あたしが坂上さんと小長井さんと一緒にいて、鹿児島さんも教室にいるんだけど、鹿児島さんは一人ぼっちで椅子に座っていて、お弁当を食べようとしていて、あたしがそのお弁当をごみ箱に捨てる夢。
坂上さんと小長井さんはみてるだけ。笑ってるだけ。あたしが率先して鹿児島さんに酷いことばかりしてるの。あたしはそんなことしないのに、夢の中のあたしは意地悪だ。
鞄の中身を床に全部ぶち撒けたり、上履きを脱がせて遠くに投げたり。
だけど教科書を破ったり落書きしたりはしないの。そういう、先生がみたらすぐにわかりそうなことは。
だから蹴ったり殴ったりもしないし、机に落書きもしない。物を壊したり隠したりもしない。
だけど。
鹿児島さんのたわわな胸を、揉んだりシャツを引っ張ってボタンが弾け飛んだり。
とにかく夢の中のあたしは酷かった。夢なのに心が苦しくなった。
目を覚ましたあたしはすぐに身体を起こせなくて、ずっと心が痛かった。これは夢だってわかってるのに、どうしようもなく胸が苦しかった。
ごめんなさい、ごめんなさい。夢の中で鹿児島さんを虐めて辱めてごめんなさい。
水が飲みたくてリビングに行くと、お兄ちゃんが帰ってきてた。
「あ、お兄ちゃん」
「ただいま、愛莉。もしかして寝てたの?」
「うん。おかえりお兄ちゃん」
あんな夢をみたからか、お兄ちゃんの顔をみたら凄く落ち着いた。嫌な夢はどんどん吐きだした方がいいって言うけど、思いだすのも嫌なくらい胸糞悪い夢だったな。
「あ、そうだ。お兄ちゃんのバイト先ってなんてとこ?」
「どうして?」
「今日遊びに行こうかと思ったんだけど、バイト先の名前知らないなって」
「フルールだよ。駅前の喫茶店」
「おっけ。今度遊びに行っていい?」
「なにか一杯、頼んでくれるなら」
「了解」
水を一杯飲んでからリビングのソファに腰を下ろすと、あたしはスマホでお兄ちゃんのバイト先を調べた。
「フルール、フルール……あった」
ほんとに駅から近いんだ。これなら迷わずに行けそう。
喫茶店の場所を確認すると、あたしは漫画を読み始めた。
お兄ちゃんのいるこの空間が好き。会話がなくても安心するし、此処にいてもいいんだって思えるから。
「お兄ちゃん、今日のご飯、なに?」
「今日はシチューだよ」
「やったぁ」
毎日が平和であれ。
柚留ちゃんの部屋にはお兄ちゃんがご飯を持っていった。あれからあたしは、柚留ちゃんの部屋の前には行ってない。
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