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「ぬるい!」
公爵邸の客間。
コタツに入ってわずか三分後、私の父、ローゼン公爵が叫んだ。
「こんな温室育ちの道具に頼っていては、筋肉が腐る! 男なら、極寒の中で己の熱量(カロリー)を燃やして暖を取らんか!」
「おっしゃる意味が分かりません、父様」
私は冷静に返した。
父はタンクトップ一枚で、額から湯気を出している。
自家発電しすぎだ。
「おい、婿殿!」
父が矛先をアレクセイに向けた。
「貴様の覚悟を見せてもらおう! 今から外へ出て『雪中サウナ対決』をするぞ!」
「……サウナ? 雪中で、ですか?」
アレクセイが引きつった笑顔で聞き返す。
「そうだ! 雪の中に掘った穴に入り、どちらが長く耐えられるか勝負だ! もちろん全裸でな!」
「却下です」
「お断りします」
私とアレクセイの声が綺麗に重なった。
「なんだと!? 逃げるのか!?」
「逃げるも何も、生命維持に関わります。アレクセイは人間です。ゴリラと一緒にしないでください」
私が庇うと、アレクセイも静かに頷いた。
「お義父様(予定)。無意味な我慢大会は非生産的です。……ですが、勝負というなら受けましょう」
「ほう?」
「ただし、ルールはこちらで決めさせていただきます。我々は知性ある人間らしく、『雪合戦』で勝敗を決しませんか?」
「雪合戦だと?」
父がニヤリと笑った。
「いいだろう! 子供の遊びと侮るなよ? 俺の剛速球は城壁をも砕く!」
「望むところです」
アレクセイが不敵に微笑む。
だが、私は見逃さなかった。
彼が後ろ手で私に合図を送り、『……ミーナ、頼むぞ』と目配せしたのを。
(……なるほど。物理で勝てないなら、科学で勝てということですね)
私は小さく頷き、懐から「特殊雪球製造機(スノー・メーカー)」を取り出した。
*
決戦の地は、公爵邸の中庭。
ルールは簡単。
相手に雪玉を当てた回数が多い方の勝ち。
チーム分けは、父と母の「ローゼン筋肉軍」対、私とアレクセイの「ガレリア知性軍」だ。
「行くぞぉぉぉ! 必殺、マッスル・ブリザードォォ!!」
開始早々、父が両手で雪をすくい上げ、マシンガンのような速度で投げつけてきた。
ドスッ! バシュッ! ドゴォォン!
雪玉が着弾するたびに、地面がえぐれ、庭木がへし折れる。
これ、雪合戦ですか?
砲撃戦の間違いでは?
「きゃはは! ミーナちゃん、避けて避けてぇ♡」
母も負けじと、優雅なフォームでカーブのかかった雪玉を投げてくる。
変化球(魔球)だ。
「くっ……! 防壁(シールド)展開!」
アレクセイが氷の壁を作り出し、猛攻を防ぐ。
だが、父の豪腕の前には、氷の壁など薄紙も同然だ。
バリバリと音を立ててヒビが入っていく。
「ミーナ! 反撃の準備は!?」
「完了しました! ……装填、特殊弾『カチカチ君』!」
私は雪の要塞(即席で作った塹壕)の陰から身を乗り出した。
手にしたバズーカ型の発射装置に、圧縮した雪玉を込める。
この雪玉は、中心核に「衝撃吸収ゲル」ではなく「スーパーボールの素材」を混ぜ込み、さらに表面を「摩擦係数ゼロ」のコーティングで覆った特別製だ。
「計算通りなら、この雪玉は物理法則を無視して跳弾します! いけっ!」
バスンッ!!
発射された雪玉は、父の目の前の地面に着弾。
本来ならそこで砕けるはずが、ピンボールのように跳ね返り、横の木に当たり、さらに屋根に当たり――。
「ぬおっ!?」
予測不能な軌道を描いて、父の後頭部に直撃した。
「よし! 命中!」
「な、なんだ今の動きは!?」
父が目を白黒させている隙に、アレクセイが追撃する。
「氷結魔法――『多重散弾(ショットガン)』!」
彼が生み出した無数の小さな氷の粒が、父の足元を襲う。
ダメージを与えるのではない。
地面をツルツルに凍らせたのだ。
「うおっ、滑る!」
バランスを崩した父。
そこへ、私の第二射が放たれる。
「次はこれです! 『トリモチ弾』!」
バシュッ!
父の胸元で雪玉が炸裂し、中からネバネバした粘着液(魔獣の唾液を加工したもの)が飛び散った。
「ぬあぁぁ! 腕が! 腕がくっついたぁぁ!」
父の両腕が胴体に張り付き、拘束される。
すかさず母が助けに入ろうとするが、
「お義母様にはこちらを! 『最新作コスメの引換券』入り雪玉です!」
私が投げた雪玉を、母は反射的にキャッチしてしまった。
「あら? 限定コフレ? ……まあ♡」
母が引換券に見入って戦線離脱。
残るは身動きの取れない父のみ。
「今だ、アレクセイ!」
「承知!」
アレクセイが最大出力の魔力を練り上げる。
巨大な雪玉が頭上に生成された。
「これで終わりだ! ……お義父様!」
「待て! タイム! それは雪合戦のサイズじゃ……!」
ドゴォォォォン!!
中庭に、小さな雪山が誕生した。
その中心で、父だけが顔を出して埋まっている。
シーン……。
静まり返る中庭。
やがて、雪山の中から「ぶはっ!」と息を吐き出し、父が笑い出した。
「ガハハハハ! やるではないか! 力で勝てぬなら知恵を使う……それもまた、戦場の理!」
父は粘着液まみれの体で、無理やり雪を割り、這い出してきた。
不死身か。
「認めてやろう! 貴様は軟弱者ではない! ミーナを任せるに足る男だ!」
父が濡れた手でアレクセイの肩をバンと叩く。
アレクセイはよろめきながらも、清々しい顔で笑った。
「光栄です。……ですが、二度とやりたくありません」
「ガハハ! 正直でいい!」
こうして、雪合戦は私たちの勝利で幕を閉じた。
庭の修復費用がどれくらいになるかは、今は考えないことにした。
* * *
夕刻。
嵐のような両親は、「じゃあな! 国境で魔獣狩りをしてから帰る!」と言い残し、再びワイバーンに乗って飛び去っていった。
もはや災害である。
「……行ったか」
エントランスの前で、アレクセイが深々とため息をついた。
その顔には疲労の色が濃いが、どこか憑き物が落ちたような爽やかさもある。
「お疲れ様でした、閣下。怪我はありませんか?」
「ああ。筋肉痛になりそうだがな。……君があんな環境で育ったとは、同情を禁じ得ない」
「慣れればどうということはありません。回避スキルと計算能力が鍛えられますから」
私が言うと、彼はふっと笑い、私の手を握った。
「ミーナ」
「はい」
「君のご両親は強烈だったが……一つだけ、感謝していることがある」
「感謝?」
「ああ。君を産み、育ててくれたことだ。……おかげで私は、君という最高のパートナーに出会えた」
夕焼けに染まる雪原を背景に、彼が真っ直ぐに私を見つめる。
その瞳の色は、先ほどの戦闘モードとは違う、甘く、熱い色を帯びていた。
「……アレクセイ」
私は言葉に詰まった。
こういう時、気の利いたロマンチックな返しができればいいのだが、私の辞書には実用的な言葉しか載っていない。
「……非効率ですね」
「ん?」
「そんなことを言われては、私の心拍数が上がって、体温上昇によるエネルギー消費が増えてしまいます。……責任を取って、今夜の夕食はデザートを多めにしてください」
精一杯の照れ隠し。
それを察したのか、彼は優しく目を細め、私の手甲に口づけを落とした。
「承知した。特大のケーキを用意させよう。……愛しているよ、ミーナ」
「……計算外の出費(ご褒美)ですね」
私は赤くなる顔を隠すように、彼に背を向けた。
けれど、握られた手は振りほどかなかった。
公爵邸に、再び静寂が戻る。
しかし、それは以前のような冷たい静寂ではない。
騒がしい嵐が過ぎ去った後の、温かく、満ち足りた静けさだった。
こうして、実家の公認も得た私たちは、名実ともに「最強のカップル(物理・知能両面で)」への道を歩み始めたのである。
……まあ、その数日後に、元婚約者たちが懲りずにまた何か企んでいるという情報が入ってくるのだが、今の私たちにとっては、それこそ「雪合戦以下の遊び」に過ぎないのだった。
公爵邸の客間。
コタツに入ってわずか三分後、私の父、ローゼン公爵が叫んだ。
「こんな温室育ちの道具に頼っていては、筋肉が腐る! 男なら、極寒の中で己の熱量(カロリー)を燃やして暖を取らんか!」
「おっしゃる意味が分かりません、父様」
私は冷静に返した。
父はタンクトップ一枚で、額から湯気を出している。
自家発電しすぎだ。
「おい、婿殿!」
父が矛先をアレクセイに向けた。
「貴様の覚悟を見せてもらおう! 今から外へ出て『雪中サウナ対決』をするぞ!」
「……サウナ? 雪中で、ですか?」
アレクセイが引きつった笑顔で聞き返す。
「そうだ! 雪の中に掘った穴に入り、どちらが長く耐えられるか勝負だ! もちろん全裸でな!」
「却下です」
「お断りします」
私とアレクセイの声が綺麗に重なった。
「なんだと!? 逃げるのか!?」
「逃げるも何も、生命維持に関わります。アレクセイは人間です。ゴリラと一緒にしないでください」
私が庇うと、アレクセイも静かに頷いた。
「お義父様(予定)。無意味な我慢大会は非生産的です。……ですが、勝負というなら受けましょう」
「ほう?」
「ただし、ルールはこちらで決めさせていただきます。我々は知性ある人間らしく、『雪合戦』で勝敗を決しませんか?」
「雪合戦だと?」
父がニヤリと笑った。
「いいだろう! 子供の遊びと侮るなよ? 俺の剛速球は城壁をも砕く!」
「望むところです」
アレクセイが不敵に微笑む。
だが、私は見逃さなかった。
彼が後ろ手で私に合図を送り、『……ミーナ、頼むぞ』と目配せしたのを。
(……なるほど。物理で勝てないなら、科学で勝てということですね)
私は小さく頷き、懐から「特殊雪球製造機(スノー・メーカー)」を取り出した。
*
決戦の地は、公爵邸の中庭。
ルールは簡単。
相手に雪玉を当てた回数が多い方の勝ち。
チーム分けは、父と母の「ローゼン筋肉軍」対、私とアレクセイの「ガレリア知性軍」だ。
「行くぞぉぉぉ! 必殺、マッスル・ブリザードォォ!!」
開始早々、父が両手で雪をすくい上げ、マシンガンのような速度で投げつけてきた。
ドスッ! バシュッ! ドゴォォン!
雪玉が着弾するたびに、地面がえぐれ、庭木がへし折れる。
これ、雪合戦ですか?
砲撃戦の間違いでは?
「きゃはは! ミーナちゃん、避けて避けてぇ♡」
母も負けじと、優雅なフォームでカーブのかかった雪玉を投げてくる。
変化球(魔球)だ。
「くっ……! 防壁(シールド)展開!」
アレクセイが氷の壁を作り出し、猛攻を防ぐ。
だが、父の豪腕の前には、氷の壁など薄紙も同然だ。
バリバリと音を立ててヒビが入っていく。
「ミーナ! 反撃の準備は!?」
「完了しました! ……装填、特殊弾『カチカチ君』!」
私は雪の要塞(即席で作った塹壕)の陰から身を乗り出した。
手にしたバズーカ型の発射装置に、圧縮した雪玉を込める。
この雪玉は、中心核に「衝撃吸収ゲル」ではなく「スーパーボールの素材」を混ぜ込み、さらに表面を「摩擦係数ゼロ」のコーティングで覆った特別製だ。
「計算通りなら、この雪玉は物理法則を無視して跳弾します! いけっ!」
バスンッ!!
発射された雪玉は、父の目の前の地面に着弾。
本来ならそこで砕けるはずが、ピンボールのように跳ね返り、横の木に当たり、さらに屋根に当たり――。
「ぬおっ!?」
予測不能な軌道を描いて、父の後頭部に直撃した。
「よし! 命中!」
「な、なんだ今の動きは!?」
父が目を白黒させている隙に、アレクセイが追撃する。
「氷結魔法――『多重散弾(ショットガン)』!」
彼が生み出した無数の小さな氷の粒が、父の足元を襲う。
ダメージを与えるのではない。
地面をツルツルに凍らせたのだ。
「うおっ、滑る!」
バランスを崩した父。
そこへ、私の第二射が放たれる。
「次はこれです! 『トリモチ弾』!」
バシュッ!
父の胸元で雪玉が炸裂し、中からネバネバした粘着液(魔獣の唾液を加工したもの)が飛び散った。
「ぬあぁぁ! 腕が! 腕がくっついたぁぁ!」
父の両腕が胴体に張り付き、拘束される。
すかさず母が助けに入ろうとするが、
「お義母様にはこちらを! 『最新作コスメの引換券』入り雪玉です!」
私が投げた雪玉を、母は反射的にキャッチしてしまった。
「あら? 限定コフレ? ……まあ♡」
母が引換券に見入って戦線離脱。
残るは身動きの取れない父のみ。
「今だ、アレクセイ!」
「承知!」
アレクセイが最大出力の魔力を練り上げる。
巨大な雪玉が頭上に生成された。
「これで終わりだ! ……お義父様!」
「待て! タイム! それは雪合戦のサイズじゃ……!」
ドゴォォォォン!!
中庭に、小さな雪山が誕生した。
その中心で、父だけが顔を出して埋まっている。
シーン……。
静まり返る中庭。
やがて、雪山の中から「ぶはっ!」と息を吐き出し、父が笑い出した。
「ガハハハハ! やるではないか! 力で勝てぬなら知恵を使う……それもまた、戦場の理!」
父は粘着液まみれの体で、無理やり雪を割り、這い出してきた。
不死身か。
「認めてやろう! 貴様は軟弱者ではない! ミーナを任せるに足る男だ!」
父が濡れた手でアレクセイの肩をバンと叩く。
アレクセイはよろめきながらも、清々しい顔で笑った。
「光栄です。……ですが、二度とやりたくありません」
「ガハハ! 正直でいい!」
こうして、雪合戦は私たちの勝利で幕を閉じた。
庭の修復費用がどれくらいになるかは、今は考えないことにした。
* * *
夕刻。
嵐のような両親は、「じゃあな! 国境で魔獣狩りをしてから帰る!」と言い残し、再びワイバーンに乗って飛び去っていった。
もはや災害である。
「……行ったか」
エントランスの前で、アレクセイが深々とため息をついた。
その顔には疲労の色が濃いが、どこか憑き物が落ちたような爽やかさもある。
「お疲れ様でした、閣下。怪我はありませんか?」
「ああ。筋肉痛になりそうだがな。……君があんな環境で育ったとは、同情を禁じ得ない」
「慣れればどうということはありません。回避スキルと計算能力が鍛えられますから」
私が言うと、彼はふっと笑い、私の手を握った。
「ミーナ」
「はい」
「君のご両親は強烈だったが……一つだけ、感謝していることがある」
「感謝?」
「ああ。君を産み、育ててくれたことだ。……おかげで私は、君という最高のパートナーに出会えた」
夕焼けに染まる雪原を背景に、彼が真っ直ぐに私を見つめる。
その瞳の色は、先ほどの戦闘モードとは違う、甘く、熱い色を帯びていた。
「……アレクセイ」
私は言葉に詰まった。
こういう時、気の利いたロマンチックな返しができればいいのだが、私の辞書には実用的な言葉しか載っていない。
「……非効率ですね」
「ん?」
「そんなことを言われては、私の心拍数が上がって、体温上昇によるエネルギー消費が増えてしまいます。……責任を取って、今夜の夕食はデザートを多めにしてください」
精一杯の照れ隠し。
それを察したのか、彼は優しく目を細め、私の手甲に口づけを落とした。
「承知した。特大のケーキを用意させよう。……愛しているよ、ミーナ」
「……計算外の出費(ご褒美)ですね」
私は赤くなる顔を隠すように、彼に背を向けた。
けれど、握られた手は振りほどかなかった。
公爵邸に、再び静寂が戻る。
しかし、それは以前のような冷たい静寂ではない。
騒がしい嵐が過ぎ去った後の、温かく、満ち足りた静けさだった。
こうして、実家の公認も得た私たちは、名実ともに「最強のカップル(物理・知能両面で)」への道を歩み始めたのである。
……まあ、その数日後に、元婚約者たちが懲りずにまた何か企んでいるという情報が入ってくるのだが、今の私たちにとっては、それこそ「雪合戦以下の遊び」に過ぎないのだった。
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