13 / 28
13
しおりを挟む
「た、大変ですぅぅ! オーナー! 店が包囲されましたぁ!」
平和な午後の『黒字屋』に、ミシェルの悲鳴が響き渡った。
私が帳簿から顔を上げると、店の窓の外が銀色に埋め尽くされていた。
鎧だ。
武装した騎士たちが、店を完全に取り囲んでいる。
その数、およそ五十名。
「……何の騒ぎかしら。タイムセールはまだ先よ?」
私が眉をひそめて店を出ると、騎士たちの中心から一人の男が進み出てきた。
第三騎士団の団長だ。
彼は剣の柄に手をかけ、厳めしい顔で私を睨みつけた。
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ! ロベルト殿下の命により、貴殿の身柄を確保する!」
「……身柄確保? 容疑は何です?」
「容疑ではない! 『救出』だ!」
「は?」
団長は背後の馬車を指差した。
その窓から、作業着姿のロベルトが顔を出し、涙ながらに叫んだ。
「アイーダ! 今助けるぞ! あんな悪魔のような宰相の下で、無理やり働かされているんだろう!? 僕が騎士団を率いて助けに来たぞ!」
「…………」
私は天を仰いだ。
どうやらこのバカ王子は、私がクラウスの下で働いている(そして稼ぎまくっている)のを、「借金のかたに監禁されて強制労働させられている」と脳内変換したらしい。
「さあ、アイーダ嬢! こちらへ! 悪徳宰相の手から逃れるのです!」
団長が正義感に燃えた瞳で手を差し伸べてくる。
彼ら第三騎士団は、別名「筋肉騎士団」。
腕っぷしは強いが、頭の中まで筋肉でできているため、ロベルトの言葉を鵜呑みにしたのだろう。
店の中ではミシェルが「ひぃぃ、戦争ですぅ!」と震え、客たちが逃げ惑っている。
これは、営業妨害だ。
明確な、損害である。
私は懐から愛用の電卓を取り出し、カチャリと音を立てて構えた。
「……団長さん。一つ確認させてください」
「なんだ?」
「今回の出動は、国王陛下の勅命ですか? それとも騎士団本部の正規の任務ですか?」
「いや、ロベルト殿下からの『個人的な頼み』だ! 『愛する元婚約者が危機に瀕している』と聞き、義侠心から駆けつけた!」
「なるほど。『個人的な頼み』で、『義侠心』ですか」
私はニヤリと笑った。
その瞬間、団長の背筋に悪寒が走ったのが見えた。
「つまり、これは『公務』ではない。殿下の『私用』であり、貴方たちの『サークル活動』ということですね?」
「サ、サークル活動……? 何を言う! 我々は正義のために――」
「では、請求させていただきます」
私は電卓を高速で叩き始めた。
タタタタタッ! という音が、剣を抜く音よりも鋭く響く。
「まず、騎士五十名の拘束費用。公務外での稼働ですので、正規の給与は出ません。よって、派遣労働者としての時給が発生します。危険手当込みで、一人あたり一時間銀貨五枚」
「は? じ、時給?」
「次に、装備の減価償却費。その鎧と剣、国の持ち物ですよね? 私的な喧嘩に持ち出して傷がついたら誰が払うのですか? レンタル料として、一式につき金貨一枚」
「れ、レンタル……!?」
「さらに、馬の飼育費と道路占有使用料。これだけの馬が道を塞げば、近隣店舗への営業補償も必要です。その額、概算で金貨百枚」
「ひゃ、百枚!?」
団長の顔から血の気が引いていく。
「そして何より……私の店の『営業妨害による逸失利益』。この騒ぎで逃げた客の数と、私の貴重な時間を奪った慰謝料。これらを合計しますと――」
私は弾き出された数字を、団長の目の前に突きつけた。
「今回の『救出劇(ごっこ遊び)』にかかる総経費は、金貨五百枚となります。……で、誰が払うのですか?」
「だ、誰がって……そ、それは……」
団長は慌てて馬車のロベルトを振り返った。
「で、殿下! こ、この費用は……?」
ロベルトが顔を引きつらせて首を振った。
「は、払えるわけないだろう! 僕の今の全財産は、さっきアイーダからもらった印税(金貨三十枚)だけだぞ!」
「ええっ!? 殿下、話が違います! 『経費は国持ちだ』と仰ったではないですか!」
「アイーダが『公務じゃない』って言っちゃったから……!」
団長は再び私に向き直った。
「そ、そんな馬鹿な! 我々は正義のために来たんだ! 金なんて関係ない!」
「関係あります。ここは法治国家です」
私は一歩踏み出し、冷徹に言い放った。
「正規の手続きを経ない軍事行動は、ただの『暴動』です。もし費用を払わないなら、今すぐこの見積書を持って憲兵団と財務省に行きます。『第三騎士団が王子の私怨で武装蜂起した』と通報しますが、よろしいですか?」
「ぶ、武装蜂起……!? そ、それはクーデター扱いになってしまう!」
「ええ。全員、懲戒免職。下手をすれば反逆罪で処刑ですね。……あ、処刑費用の請求先も決めておかないといけませんね」
「ひぃぃぃっ!!」
騎士たちが一斉に悲鳴を上げた。
「だ、団長! まずいです! 俺、家のローンがあるんです!」
「来月結婚するのに、無職は困ります!」
「殿下! どうにかしてくださいよ!」
騎士たちの怨嗟の声が、馬車のロベルトに集中する。
ロベルトは「ひぃっ、こっちを見るな!」と窓を閉めようとするが、部下たちに引きずり出された。
「……さて、団長さん。どうしますか? このまま『救出』を続行して、反逆罪と金貨五百枚の借金を背負いますか? それとも……」
私は優雅に、帰り道を指差した。
「今すぐ解散して、『散歩をしていただけ』ということにしますか? 今なら、私の『見積作成手数料(金貨十枚)』だけで見逃してあげますが」
「か、帰ります!!」
団長は即答した。
「全軍、撤退! 撤退だぁぁ! これはただの遠足だ! 何も見ていない! 何もしていない!」
「ええっ!? 待ってよ、僕を置いていかないで!」
ロベルトが叫ぶが、騎士たちは我先にと逃げ出した。
「殿下のせいで処刑されたらたまりません!」
「もう二度と個人的な相談には乗りませんからね!」
砂煙を上げて去っていく騎士団。
後に残されたのは、私への「見積作成手数料」の支払いを義務付けられた団長(の借用書)と、道端に放置されたロベルト王子だけだった。
「……ぐすん」
ロベルトが鼻をすすりながら立ち上がる。
「ど、どうしてこうなるんだ……。僕はただ、君を助けたかっただけなのに……」
「殿下。助けるどころか、私の店の売上を下げるところでしたよ」
私は腕を組み、呆れ顔で見下ろした。
「いいですか。人を動かすには金がかかるのです。愛や正義だけで、五十人の大人が動くと思ったら大間違いです」
「で、でも……物語の中では……」
「現実を見てください。……はぁ」
私はため息をつき、ロベルトの肩をポンと叩いた。
「まあ、今回の騒動も『ネタ』にはなりますね」
「え?」
「次回のポエム集の特別付録。『王子、騎士団に捨てられる ~勘違いの代償~』。実録ドキュメンタリーとして書き下ろしてください」
「そ、そんな恥ずかしいこと書けるか!」
「書けば印税で、騎士団への詫び料くらいは払えるようになりますよ?」
「……書きます」
ロベルトはがっくりと項垂れた。
その背中は、来た時よりも一回り小さく見えた。
「さすがオーナー! 騎士団を電卓一つで追い返すなんて!」
店の中からミシェルが飛び出してきて、私の手を取った。
「感動しました! 私、やっぱり一生ついていきます!」
「おだてても時給は上がりませんよ。さあ、営業再開です。客足が戻る前に呼び込みをして」
「はーい♡」
騒動は収束した。
遠くの物陰から、その一部始終を見ていた銀髪の男――クラウス公爵が、肩を震わせて笑っているのには気づかないふりをした。
「……くくっ。私の出る幕などなかったな。彼女にかかれば、軍事力さえも『経費』の一言で無力化されるとは」
彼は満足げに頷き、王城へと戻っていった。
「最強の国家防衛システムを手に入れた気分だ」
そんな独り言を残して。
平和な午後の『黒字屋』に、ミシェルの悲鳴が響き渡った。
私が帳簿から顔を上げると、店の窓の外が銀色に埋め尽くされていた。
鎧だ。
武装した騎士たちが、店を完全に取り囲んでいる。
その数、およそ五十名。
「……何の騒ぎかしら。タイムセールはまだ先よ?」
私が眉をひそめて店を出ると、騎士たちの中心から一人の男が進み出てきた。
第三騎士団の団長だ。
彼は剣の柄に手をかけ、厳めしい顔で私を睨みつけた。
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ! ロベルト殿下の命により、貴殿の身柄を確保する!」
「……身柄確保? 容疑は何です?」
「容疑ではない! 『救出』だ!」
「は?」
団長は背後の馬車を指差した。
その窓から、作業着姿のロベルトが顔を出し、涙ながらに叫んだ。
「アイーダ! 今助けるぞ! あんな悪魔のような宰相の下で、無理やり働かされているんだろう!? 僕が騎士団を率いて助けに来たぞ!」
「…………」
私は天を仰いだ。
どうやらこのバカ王子は、私がクラウスの下で働いている(そして稼ぎまくっている)のを、「借金のかたに監禁されて強制労働させられている」と脳内変換したらしい。
「さあ、アイーダ嬢! こちらへ! 悪徳宰相の手から逃れるのです!」
団長が正義感に燃えた瞳で手を差し伸べてくる。
彼ら第三騎士団は、別名「筋肉騎士団」。
腕っぷしは強いが、頭の中まで筋肉でできているため、ロベルトの言葉を鵜呑みにしたのだろう。
店の中ではミシェルが「ひぃぃ、戦争ですぅ!」と震え、客たちが逃げ惑っている。
これは、営業妨害だ。
明確な、損害である。
私は懐から愛用の電卓を取り出し、カチャリと音を立てて構えた。
「……団長さん。一つ確認させてください」
「なんだ?」
「今回の出動は、国王陛下の勅命ですか? それとも騎士団本部の正規の任務ですか?」
「いや、ロベルト殿下からの『個人的な頼み』だ! 『愛する元婚約者が危機に瀕している』と聞き、義侠心から駆けつけた!」
「なるほど。『個人的な頼み』で、『義侠心』ですか」
私はニヤリと笑った。
その瞬間、団長の背筋に悪寒が走ったのが見えた。
「つまり、これは『公務』ではない。殿下の『私用』であり、貴方たちの『サークル活動』ということですね?」
「サ、サークル活動……? 何を言う! 我々は正義のために――」
「では、請求させていただきます」
私は電卓を高速で叩き始めた。
タタタタタッ! という音が、剣を抜く音よりも鋭く響く。
「まず、騎士五十名の拘束費用。公務外での稼働ですので、正規の給与は出ません。よって、派遣労働者としての時給が発生します。危険手当込みで、一人あたり一時間銀貨五枚」
「は? じ、時給?」
「次に、装備の減価償却費。その鎧と剣、国の持ち物ですよね? 私的な喧嘩に持ち出して傷がついたら誰が払うのですか? レンタル料として、一式につき金貨一枚」
「れ、レンタル……!?」
「さらに、馬の飼育費と道路占有使用料。これだけの馬が道を塞げば、近隣店舗への営業補償も必要です。その額、概算で金貨百枚」
「ひゃ、百枚!?」
団長の顔から血の気が引いていく。
「そして何より……私の店の『営業妨害による逸失利益』。この騒ぎで逃げた客の数と、私の貴重な時間を奪った慰謝料。これらを合計しますと――」
私は弾き出された数字を、団長の目の前に突きつけた。
「今回の『救出劇(ごっこ遊び)』にかかる総経費は、金貨五百枚となります。……で、誰が払うのですか?」
「だ、誰がって……そ、それは……」
団長は慌てて馬車のロベルトを振り返った。
「で、殿下! こ、この費用は……?」
ロベルトが顔を引きつらせて首を振った。
「は、払えるわけないだろう! 僕の今の全財産は、さっきアイーダからもらった印税(金貨三十枚)だけだぞ!」
「ええっ!? 殿下、話が違います! 『経費は国持ちだ』と仰ったではないですか!」
「アイーダが『公務じゃない』って言っちゃったから……!」
団長は再び私に向き直った。
「そ、そんな馬鹿な! 我々は正義のために来たんだ! 金なんて関係ない!」
「関係あります。ここは法治国家です」
私は一歩踏み出し、冷徹に言い放った。
「正規の手続きを経ない軍事行動は、ただの『暴動』です。もし費用を払わないなら、今すぐこの見積書を持って憲兵団と財務省に行きます。『第三騎士団が王子の私怨で武装蜂起した』と通報しますが、よろしいですか?」
「ぶ、武装蜂起……!? そ、それはクーデター扱いになってしまう!」
「ええ。全員、懲戒免職。下手をすれば反逆罪で処刑ですね。……あ、処刑費用の請求先も決めておかないといけませんね」
「ひぃぃぃっ!!」
騎士たちが一斉に悲鳴を上げた。
「だ、団長! まずいです! 俺、家のローンがあるんです!」
「来月結婚するのに、無職は困ります!」
「殿下! どうにかしてくださいよ!」
騎士たちの怨嗟の声が、馬車のロベルトに集中する。
ロベルトは「ひぃっ、こっちを見るな!」と窓を閉めようとするが、部下たちに引きずり出された。
「……さて、団長さん。どうしますか? このまま『救出』を続行して、反逆罪と金貨五百枚の借金を背負いますか? それとも……」
私は優雅に、帰り道を指差した。
「今すぐ解散して、『散歩をしていただけ』ということにしますか? 今なら、私の『見積作成手数料(金貨十枚)』だけで見逃してあげますが」
「か、帰ります!!」
団長は即答した。
「全軍、撤退! 撤退だぁぁ! これはただの遠足だ! 何も見ていない! 何もしていない!」
「ええっ!? 待ってよ、僕を置いていかないで!」
ロベルトが叫ぶが、騎士たちは我先にと逃げ出した。
「殿下のせいで処刑されたらたまりません!」
「もう二度と個人的な相談には乗りませんからね!」
砂煙を上げて去っていく騎士団。
後に残されたのは、私への「見積作成手数料」の支払いを義務付けられた団長(の借用書)と、道端に放置されたロベルト王子だけだった。
「……ぐすん」
ロベルトが鼻をすすりながら立ち上がる。
「ど、どうしてこうなるんだ……。僕はただ、君を助けたかっただけなのに……」
「殿下。助けるどころか、私の店の売上を下げるところでしたよ」
私は腕を組み、呆れ顔で見下ろした。
「いいですか。人を動かすには金がかかるのです。愛や正義だけで、五十人の大人が動くと思ったら大間違いです」
「で、でも……物語の中では……」
「現実を見てください。……はぁ」
私はため息をつき、ロベルトの肩をポンと叩いた。
「まあ、今回の騒動も『ネタ』にはなりますね」
「え?」
「次回のポエム集の特別付録。『王子、騎士団に捨てられる ~勘違いの代償~』。実録ドキュメンタリーとして書き下ろしてください」
「そ、そんな恥ずかしいこと書けるか!」
「書けば印税で、騎士団への詫び料くらいは払えるようになりますよ?」
「……書きます」
ロベルトはがっくりと項垂れた。
その背中は、来た時よりも一回り小さく見えた。
「さすがオーナー! 騎士団を電卓一つで追い返すなんて!」
店の中からミシェルが飛び出してきて、私の手を取った。
「感動しました! 私、やっぱり一生ついていきます!」
「おだてても時給は上がりませんよ。さあ、営業再開です。客足が戻る前に呼び込みをして」
「はーい♡」
騒動は収束した。
遠くの物陰から、その一部始終を見ていた銀髪の男――クラウス公爵が、肩を震わせて笑っているのには気づかないふりをした。
「……くくっ。私の出る幕などなかったな。彼女にかかれば、軍事力さえも『経費』の一言で無力化されるとは」
彼は満足げに頷き、王城へと戻っていった。
「最強の国家防衛システムを手に入れた気分だ」
そんな独り言を残して。
10
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
ヤンキー、悪役令嬢になる
山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」
一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
山猿の皇妃
夏菜しの
恋愛
ライヘンベルガー王国の第三王女レティーツィアは、成人する十六歳の誕生日と共に、隣国イスターツ帝国へ和平条約の品として贈られた。
祖国に聞こえてくるイスターツ帝国の噂は、〝山猿〟と言った悪いモノばかり。それでもレティーツィアは自らに課せられた役目だからと山を越えて隣国へ向かった。
嫁いできたレティーツィアを見た皇帝にして夫のヘクトールは、子供に興味は無いと一蹴する。これはライヘンベルガー王国とイスターツ帝国の成人とみなす年の違いの問題だから、レティーツィアにはどうすることも出来ない。
子供だと言われてヘクトールに相手にされないレティーツィアは、妻の責務を果たしていないと言われて次第に冷遇されていく。
一方、レティーツィアには祖国から、将来的に帝国を傀儡とする策が授けられていた。そのためには皇帝ヘクトールの子を産む必要があるのだが……
それが出来たらこんな待遇になってないわ! と彼女は憤慨する。
帝国で居場所をなくし、祖国にも帰ることも出来ない。
行き場を失ったレティーツィアの孤独な戦いが静かに始まる。
※恋愛成分は低め、内容はややダークです
没落令嬢は僻地で王子の従者と出会う
ねーさん
恋愛
運命が狂った瞬間は…あの舞踏会での王太子殿下の婚約破棄宣言。
罪を犯し、家を取り潰され、王都から追放された元侯爵令嬢オリビアは、辺境の親類の子爵家の養女となった。
嫌々参加した辺境伯主催の夜会で大商家の息子に絡まれてしまったオリビアを助けてくれたダグラスは言った。
「お会いしたかった。元侯爵令嬢殿」
ダグラスは、オリビアの犯した罪を知っていて、更に頼みたい事があると言うが…
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる