20 / 28
20
しおりを挟む
「――ロベルト。前へ」
王城、謁見の間。
かつては豪華な絨毯が敷かれ、シャンデリアが煌めいていたこの場所も、今は私の『大断捨離キャンペーン』によって石畳がむき出しになり、がらんとした空間になっていた。
その中央で、質素な椅子(玉座は売却済みで、今は木製の椅子)に座る国王陛下が、低い声で告げた。
呼び出されたのは、私、クラウス公爵、そしてロベルト殿下の三名だ。
ロベルト殿下は、先日古着屋で買った少しサイズの合わないスーツを着て、震えながら跪いている。
「は、はい……父上……」
「父と呼ぶな。余は今、国王として貴様に判決を下す」
国王の声が、何もない空間によく響く。
「ロベルトよ。貴様の長年にわたる浪費、公務の放棄、そして今回の騎士団私的流用騒動……。もはや、看過できぬレベルに達した」
「うっ……」
「余も甘かった。貴様がいつか改心し、立派な王になることを夢見ていた。だが……アイーダ嬢の爪の垢を煎じて飲ませても、貴様は貴様だった」
国王は深く溜息をつき、私の方をチラリと見た。
「アイーダ嬢。此度の城内整理、大義であった。おかげで目が覚めたよ。『物』に固執するあまり、肝心の『跡継ぎ教育』という投資を怠っていたことにな」
「恐縮です、陛下。損切りは早ければ早いほど傷は浅く済みます」
「うむ。……というわけで、ロベルト」
国王は立ち上がり、高らかに宣言した。
「本日をもって、貴様を『廃嫡』とする!」
「は、廃嫡……!?」
ロベルトが顔を上げた。
「王位継承権の剥奪、および王族からの除籍だ。貴様は今日から、ただの平民ロベルトとなる」
「そ、そんな……! じゃあ僕は、国外追放ですか? それとも修道院へ幽閉ですか?」
ロベルトが涙目で尋ねる。
通常、廃嫡された王族の末路といえばその二択だ。
しかし、国王は首を横に振った。
「いいや。追放しても他国で借金を作るだけだし、修道院に入れたら神父が過労死するだろう」
「えっ」
「貴様には、もっと過酷で、かつ国益になる場所へ行ってもらう」
国王はビシッと指差した。
その指の先には――私がいた。
「へ?」
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ!」
「はい」
「この愚息の身柄を、貴嬢に預ける! 貴嬢の店『黒字屋』にて、住み込みの従業員としてこき使い、完済するまで死ぬ気で働かせよ!」
「……はあ」
私は電卓を取り出し、計算を始めた。
「王族としての身分保障がなくなるということは、警備コストが下がりますね。その代わり、教育コストと食費がかかります。……まあ、労働力として使い潰すなら、トントンでしょうか」
「許可する! 給金は最低賃金で構わん! 衣食住さえあれば十分だ!」
「分かりました。では、『無期限労働契約』を結ばせていただきます」
「うむ。頼んだぞ」
国王と私の間で、ロベルトの身柄に関する商談(譲渡契約)が成立した。
ロベルトはあんぐりと口を開けている。
「ちょ、ちょっと待ってください! 僕の意見は!?」
「ない」
「ない」
私と国王の声が重なった。
「ロベルト、感謝せよ。アイーダ嬢の下なら、少なくとも飢え死にはせん。それに、彼女は数字には厳しいが、理不尽なことはせん。貴様を『人間』にしてくれる唯一の場所だ」
国王の言葉には、厳しさの中にわずかな親心が滲んでいた。
「行け、ロベルト。そして、一人前の男になるまでは、二度と城の敷居を跨ぐな」
「父上……」
ロベルトは唇を噛み締め、そして深く頭を下げた。
「……謹んで、お受けいたします」
涙声だったが、拒絶の言葉はなかった。
彼も薄々、こうなることを予感していたのかもしれない。
***
一時間後。
『黒字屋』のバックヤード。
「――はい、これが今日からの貴方の制服と、ネームプレートです」
私はロベルトに、新しい服を支給した。
店のロゴが入ったエプロンと、胸につける名札だ。
名札には、『新人 ロベルト(借金返済中)』と書かれている。
「うう……本当に平民になっちゃったんだ……」
ロベルトはエプロンをつけながら、鏡を見て項垂れている。
「元気出してくださいよぉ、ロベルト君!」
先輩従業員となったミシェルが、背中をバンと叩いた。
「私なんて最初から平民(男爵家除籍済み)ですよ? 慣れれば楽しいですよぉ。お客様に『ありがとう』って言われると、ポエム書くよりドーパミン出ますから!」
「ミシェル……。君は逞しいな……」
「愛よりお金、ですから!」
ニカッと笑うミシェル。
その笑顔は眩しい。
「さて、ロベルト。最初の仕事よ」
私は指示棒で壁の当番表を叩いた。
「トイレ掃除、皿洗い、買い出し、そしてポエム集第三弾の執筆。……ああ、それと」
私は外を指差した。
「店の前の溝掃除もお願いね。最近、雨で詰まり気味だから」
「み、溝掃除……」
「嫌なら辞めてもいいけど、行く場所ある?」
「……やります。やらせてください」
ロベルトはエプロンの紐をキツく締め直した。
その目には、以前のような甘えは消え、代わりに「社畜」特有の悲壮な覚悟が宿っていた。
「いらっしゃいませー!!」
数分後。
店頭に立つロベルトの、やけに大きな声が商店街に響いた。
「えっ、あれ王子様じゃない?」
「なんか『新人』って書いてあるぞ」
「廃嫡されたって噂、本当だったんだ!」
街の人々がざわつくが、ロベルトは顔を真っ赤にしながらも、頭を下げ続けた。
「よ、よろしくお願いしまーす! おすすめは『ミシェル特製クッキー』でーす!」
その姿を見て、カウンターで紅茶を飲んでいたクラウスが、小さく笑った。
「……変われば変わるものだな。あのプライドの塊だった男が」
「環境が人を変えるのです。……いえ、彼の場合、借金が人を変えたと言うべきでしょうか」
「どちらにせよ、君の育成手腕は見事だ。……我が国の教育機関の長も兼任してもらうか?」
「お断りします。子供は金になりませんから」
私は即答し、ロベルトの働きぶりを帳簿につけた。
『ロベルト:接客態度B+。声の大きさA。……生産性、向上中』
元王子の、平民としての第二の人生。
それは私の店の「黒字」を支える、重要な労働力としてスタートしたのだった。
「さあ、ロベルト! サボってると時給引くわよ!」
「は、はいぃぃ! すぐ行きます、オーナー!」
彼の返事は、城にいた頃よりもずっと生き生きとして聞こえた。
王城、謁見の間。
かつては豪華な絨毯が敷かれ、シャンデリアが煌めいていたこの場所も、今は私の『大断捨離キャンペーン』によって石畳がむき出しになり、がらんとした空間になっていた。
その中央で、質素な椅子(玉座は売却済みで、今は木製の椅子)に座る国王陛下が、低い声で告げた。
呼び出されたのは、私、クラウス公爵、そしてロベルト殿下の三名だ。
ロベルト殿下は、先日古着屋で買った少しサイズの合わないスーツを着て、震えながら跪いている。
「は、はい……父上……」
「父と呼ぶな。余は今、国王として貴様に判決を下す」
国王の声が、何もない空間によく響く。
「ロベルトよ。貴様の長年にわたる浪費、公務の放棄、そして今回の騎士団私的流用騒動……。もはや、看過できぬレベルに達した」
「うっ……」
「余も甘かった。貴様がいつか改心し、立派な王になることを夢見ていた。だが……アイーダ嬢の爪の垢を煎じて飲ませても、貴様は貴様だった」
国王は深く溜息をつき、私の方をチラリと見た。
「アイーダ嬢。此度の城内整理、大義であった。おかげで目が覚めたよ。『物』に固執するあまり、肝心の『跡継ぎ教育』という投資を怠っていたことにな」
「恐縮です、陛下。損切りは早ければ早いほど傷は浅く済みます」
「うむ。……というわけで、ロベルト」
国王は立ち上がり、高らかに宣言した。
「本日をもって、貴様を『廃嫡』とする!」
「は、廃嫡……!?」
ロベルトが顔を上げた。
「王位継承権の剥奪、および王族からの除籍だ。貴様は今日から、ただの平民ロベルトとなる」
「そ、そんな……! じゃあ僕は、国外追放ですか? それとも修道院へ幽閉ですか?」
ロベルトが涙目で尋ねる。
通常、廃嫡された王族の末路といえばその二択だ。
しかし、国王は首を横に振った。
「いいや。追放しても他国で借金を作るだけだし、修道院に入れたら神父が過労死するだろう」
「えっ」
「貴様には、もっと過酷で、かつ国益になる場所へ行ってもらう」
国王はビシッと指差した。
その指の先には――私がいた。
「へ?」
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ!」
「はい」
「この愚息の身柄を、貴嬢に預ける! 貴嬢の店『黒字屋』にて、住み込みの従業員としてこき使い、完済するまで死ぬ気で働かせよ!」
「……はあ」
私は電卓を取り出し、計算を始めた。
「王族としての身分保障がなくなるということは、警備コストが下がりますね。その代わり、教育コストと食費がかかります。……まあ、労働力として使い潰すなら、トントンでしょうか」
「許可する! 給金は最低賃金で構わん! 衣食住さえあれば十分だ!」
「分かりました。では、『無期限労働契約』を結ばせていただきます」
「うむ。頼んだぞ」
国王と私の間で、ロベルトの身柄に関する商談(譲渡契約)が成立した。
ロベルトはあんぐりと口を開けている。
「ちょ、ちょっと待ってください! 僕の意見は!?」
「ない」
「ない」
私と国王の声が重なった。
「ロベルト、感謝せよ。アイーダ嬢の下なら、少なくとも飢え死にはせん。それに、彼女は数字には厳しいが、理不尽なことはせん。貴様を『人間』にしてくれる唯一の場所だ」
国王の言葉には、厳しさの中にわずかな親心が滲んでいた。
「行け、ロベルト。そして、一人前の男になるまでは、二度と城の敷居を跨ぐな」
「父上……」
ロベルトは唇を噛み締め、そして深く頭を下げた。
「……謹んで、お受けいたします」
涙声だったが、拒絶の言葉はなかった。
彼も薄々、こうなることを予感していたのかもしれない。
***
一時間後。
『黒字屋』のバックヤード。
「――はい、これが今日からの貴方の制服と、ネームプレートです」
私はロベルトに、新しい服を支給した。
店のロゴが入ったエプロンと、胸につける名札だ。
名札には、『新人 ロベルト(借金返済中)』と書かれている。
「うう……本当に平民になっちゃったんだ……」
ロベルトはエプロンをつけながら、鏡を見て項垂れている。
「元気出してくださいよぉ、ロベルト君!」
先輩従業員となったミシェルが、背中をバンと叩いた。
「私なんて最初から平民(男爵家除籍済み)ですよ? 慣れれば楽しいですよぉ。お客様に『ありがとう』って言われると、ポエム書くよりドーパミン出ますから!」
「ミシェル……。君は逞しいな……」
「愛よりお金、ですから!」
ニカッと笑うミシェル。
その笑顔は眩しい。
「さて、ロベルト。最初の仕事よ」
私は指示棒で壁の当番表を叩いた。
「トイレ掃除、皿洗い、買い出し、そしてポエム集第三弾の執筆。……ああ、それと」
私は外を指差した。
「店の前の溝掃除もお願いね。最近、雨で詰まり気味だから」
「み、溝掃除……」
「嫌なら辞めてもいいけど、行く場所ある?」
「……やります。やらせてください」
ロベルトはエプロンの紐をキツく締め直した。
その目には、以前のような甘えは消え、代わりに「社畜」特有の悲壮な覚悟が宿っていた。
「いらっしゃいませー!!」
数分後。
店頭に立つロベルトの、やけに大きな声が商店街に響いた。
「えっ、あれ王子様じゃない?」
「なんか『新人』って書いてあるぞ」
「廃嫡されたって噂、本当だったんだ!」
街の人々がざわつくが、ロベルトは顔を真っ赤にしながらも、頭を下げ続けた。
「よ、よろしくお願いしまーす! おすすめは『ミシェル特製クッキー』でーす!」
その姿を見て、カウンターで紅茶を飲んでいたクラウスが、小さく笑った。
「……変われば変わるものだな。あのプライドの塊だった男が」
「環境が人を変えるのです。……いえ、彼の場合、借金が人を変えたと言うべきでしょうか」
「どちらにせよ、君の育成手腕は見事だ。……我が国の教育機関の長も兼任してもらうか?」
「お断りします。子供は金になりませんから」
私は即答し、ロベルトの働きぶりを帳簿につけた。
『ロベルト:接客態度B+。声の大きさA。……生産性、向上中』
元王子の、平民としての第二の人生。
それは私の店の「黒字」を支える、重要な労働力としてスタートしたのだった。
「さあ、ロベルト! サボってると時給引くわよ!」
「は、はいぃぃ! すぐ行きます、オーナー!」
彼の返事は、城にいた頃よりもずっと生き生きとして聞こえた。
10
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
ヤンキー、悪役令嬢になる
山口三
恋愛
岸田和華(きしだわか)は異世界に飛ばされた。自分が読んでいた小説の悪役令嬢ジュリエットに憑依してしまったのだ。だが和華は短気でガサツで、中学高校と番を張ってたヤンキーだ。高貴な身分の貴族令嬢なんてガラじゃない。「舞踏会でダンス? 踊りなんて盆踊りしか知らないからっ」
一方、リアル世界に残された和華の中にはジュリエットが入っていて・・。
結婚結婚煩いので、愛人持ちの幼馴染と偽装結婚してみた
夏菜しの
恋愛
幼馴染のルーカスの態度は、年頃になっても相変わらず気安い。
彼のその変わらぬ態度のお陰で、周りから男女の仲だと勘違いされて、公爵令嬢エーデルトラウトの相手はなかなか決まらない。
そんな現状をヤキモキしているというのに、ルーカスの方は素知らぬ顔。
彼は思いのままに平民の娘と恋人関係を持っていた。
いっそそのまま結婚してくれれば、噂は間違いだったと知れるのに、あちらもやっぱり公爵家で、平民との結婚など許さんと反対されていた。
のらりくらりと躱すがもう限界。
いよいよ親が煩くなってきたころ、ルーカスがやってきて『偽装結婚しないか?』と提案された。
彼の愛人を黙認する代わりに、贅沢と自由が得られる。
これで煩く言われないとすると、悪くない提案じゃない?
エーデルトラウトは軽い気持ちでその提案に乗った。
【完結】元お飾り聖女はなぜか腹黒宰相様に溺愛されています!?
雨宮羽那
恋愛
元社畜聖女×笑顔の腹黒宰相のラブストーリー。
◇◇◇◇
名も無きお飾り聖女だった私は、過労で倒れたその日、思い出した。
自分が前世、疲れきった新卒社会人・花菱桔梗(はなびし ききょう)という日本人女性だったことに。
運良く婚約者の王子から婚約破棄を告げられたので、前世の教訓を活かし私は逃げることに決めました!
なのに、宰相閣下から求婚されて!? 何故か甘やかされているんですけど、何か裏があったりしますか!?
◇◇◇◇
お気に入り登録、エールありがとうございます♡
※ざまぁはゆっくりじわじわと進行します。
※「小説家になろう」「エブリスタ」様にも掲載しております(アルファポリス先行)。
※この作品はフィクションです。特定の政治思想を肯定または否定するものではありません(_ _*))
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
山猿の皇妃
夏菜しの
恋愛
ライヘンベルガー王国の第三王女レティーツィアは、成人する十六歳の誕生日と共に、隣国イスターツ帝国へ和平条約の品として贈られた。
祖国に聞こえてくるイスターツ帝国の噂は、〝山猿〟と言った悪いモノばかり。それでもレティーツィアは自らに課せられた役目だからと山を越えて隣国へ向かった。
嫁いできたレティーツィアを見た皇帝にして夫のヘクトールは、子供に興味は無いと一蹴する。これはライヘンベルガー王国とイスターツ帝国の成人とみなす年の違いの問題だから、レティーツィアにはどうすることも出来ない。
子供だと言われてヘクトールに相手にされないレティーツィアは、妻の責務を果たしていないと言われて次第に冷遇されていく。
一方、レティーツィアには祖国から、将来的に帝国を傀儡とする策が授けられていた。そのためには皇帝ヘクトールの子を産む必要があるのだが……
それが出来たらこんな待遇になってないわ! と彼女は憤慨する。
帝国で居場所をなくし、祖国にも帰ることも出来ない。
行き場を失ったレティーツィアの孤独な戦いが静かに始まる。
※恋愛成分は低め、内容はややダークです
没落令嬢は僻地で王子の従者と出会う
ねーさん
恋愛
運命が狂った瞬間は…あの舞踏会での王太子殿下の婚約破棄宣言。
罪を犯し、家を取り潰され、王都から追放された元侯爵令嬢オリビアは、辺境の親類の子爵家の養女となった。
嫌々参加した辺境伯主催の夜会で大商家の息子に絡まれてしまったオリビアを助けてくれたダグラスは言った。
「お会いしたかった。元侯爵令嬢殿」
ダグラスは、オリビアの犯した罪を知っていて、更に頼みたい事があると言うが…
貧乏人とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の英雄と結婚しました
ゆっこ
恋愛
――あの日、私は確かに笑われた。
「貧乏人とでも結婚すれば? 君にはそれくらいがお似合いだ」
王太子であるエドワード殿下の冷たい言葉が、まるで氷の刃のように胸に突き刺さった。
その場には取り巻きの貴族令嬢たちがいて、皆そろって私を見下ろし、くすくすと笑っていた。
――婚約破棄。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる