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「……話がある」
その日、財務省の宰相執務室に呼ばれた私は、クラウス公爵のあまりにも真剣な表情に、少し身構えた。
部屋には私たち二人きり。
扉には厳重に鍵がかけられ、防音の結界まで張られている。
(……何かしら? 国家予算の重大な欠損? それとも隣国との戦争勃発?)
私の脳裏に、様々なリスクシナリオが浮かぶ。
クラウスは無言のまま、重厚な革張りの椅子から立ち上がり、私の前に立った。
そして、懐から一つの小さな箱と、分厚い書類の束を取り出した。
「アイーダ。これを、君に渡したい」
「……これは?」
私はまず、書類の方に目をやった。
表紙には『ベルンシュタイン公爵家・全資産目録および管理権限譲渡誓約書』と書かれている。
「……!?」
私は息を呑んだ。
「か、閣下。これは……どういう意味ですか?」
「文字通りの意味だ」
クラウスは静かに告げた。
「私の持つ全ての資産――領地、屋敷、鉱山、国内外の預金、株式、美術品……その全ての管理・運用権限を、君に譲渡する」
「ぜ、全部……ですか?」
「ああ。私の個人資産も含めてだ。君の好きなように動かしていい。投資に使おうが、貯め込もうが、君の自由だ」
私は震える手で目録をめくった。
そこに羅列された数字は、国家予算を軽く超える桁数だった。
これは、一人の人間に託していい権限ではない。
国一つを買えるほどの力を、私という「強欲な女」に渡すというのか。
「……正気ですか? 私がこれを持ち逃げしたら、ベルンシュタイン家は破産ですよ?」
「君はそんな非効率なことはしない」
クラウスは迷いのない瞳で私を見た。
「君は『金の亡者』だが、同時に『育てのプロ』だ。君に預ければ、私の資産は最も効率よく増え、守られる。……違うか?」
「……否定はしません。私なら、年利二〇パーセントで運用してみせます」
「だろうな。だから、これはビジネスとしても最善手だ」
クラウスはふっと笑い、次に小さな箱を開けた。
パカッ。
そこに入っていたのは、指輪だった。
ただし、普通の指輪ではない。
中央に巨大なブルーダイヤモンドが鎮座し、その周囲にはベルンシュタイン家の家紋が刻印されている。
「そして、これが『鍵』だ」
「鍵?」
「我が家のメイン金庫、および当主代行の印章(シグネット)を兼ねた指輪だ。これを身につける者は、ベルンシュタイン家の全てを動かす権利を持つ」
クラウスは指輪を取り出し、私の左手を取った。
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ。……私の全財産と、私のこれからの人生(時間資産)。その全てを、君に委ねたい」
彼は私の薬指に、指輪をゆっくりと滑らせた。
ひやりとした金属の感触。
ずしりとした、物理的にも、意味的にも重い質量。
「つまり……結婚してくれ」
シンプルな言葉だった。
今まで散々、まわりくどい経済用語で口説いてきた男が、最後は飾らない言葉を選んだ。
私は自分の左手を見つめた。
青い宝石が、彼の瞳と同じ色で輝いている。
電卓を取り出そうとした手が、止まった。
計算する必要がない。
これは「取引」ではないからだ。
彼が私に渡そうとしているのは、金や権力以上のもの――「絶対的な信頼」だ。
私のような悪評まみれの悪役令嬢に、自分の全てを預けるという覚悟。
その価値は……。
「……馬鹿な人」
私は小さく呟いた。
「え?」
「リスクヘッジが甘すぎます。こんな強力な権限を他人に渡すなんて、経営者としては失格ですよ」
私は顔を上げ、涙がこぼれないように彼を睨みつけた。
「私が貴方を裏切ったらどうするんですか? 私が貴方を無一文にして捨てたら、どうするつもりですか?」
「その時は……」
クラウスは穏やかに微笑んだ。
「君に騙されたのなら、本望だ。……それに、君はそんなつまらない『損』はしないだろう?」
「……っ」
どこまでも私を信じている。
その愚直なまでの信頼が、何よりも私の心を揺さぶった。
私は大きく息を吸い、ニヤリと笑ってみせた。
精一杯の、悪役令嬢の顔で。
「……いいでしょう。その案件、お受けします」
「アイーダ……!」
「ただし!」
私は指を突きつけた。
「一度握った財布の紐は、死んでも離しませんよ? 貴方の無駄遣いは一切許しません。お小遣い制です。文句は言わせませんからね!」
「ああ。望むところだ。私の財布は、君のものだ」
クラウスは嬉しそうに私を抱き寄せた。
「契約成立(ディール)だね」
「ええ。……利益率測定不能の、大赤字覚悟の契約ですけどね」
私は彼の背中に腕を回し、そっと目を閉じた。
私の左手の薬指には、国一番の資産家の証が光っている。
でも、今一番価値があると感じているのは、この温かい体温だった。
「……愛していますよ、私のスポンサー様」
「私もだ、私の管財人殿」
私たちは執務室の中心で、契約のキスを交わした。
窓の外では、今日も王都が経済活動を続けている。
だが、この部屋の中にある「資産」だけは、どんな市場でも値がつかない、私たちだけの特別なものだった。
***
数日後。
『黒字屋』にて。
「きゃーっ! アイーダ様、その指輪!」
ミシェルが私の左手を見て絶叫した。
「すごーい! 大きい! 高い! 家が建つ!」
「家どころか、城が買えるわね」
私は紅茶を飲みながら、指輪を光にかざした。
「で、結婚式はいつなんですか? 私、ウェディングケーキ係やりますよ!」
「これから見積もりよ。式場、衣装、料理……。ふふふ、腕が鳴るわ」
私は電卓を取り出した。
「結婚式産業はボッタクリの温床だからね。徹底的にコストカットして、かつ最高益が出る式にしてみせるわ」
「ひぇぇ……花嫁修行じゃなくて、価格交渉から始まるんですね」
「当たり前よ。愛はプライスレスだけど、ケーキ入刀料は有料なんだから」
私の戦いはまだ終わらない。
次は「結婚式」という名の巨大ビジネスとの戦争だ。
「さあ、ミシェル。ロベルトも呼んでらっしゃい。結婚式の招待状の宛名書き、彼にやらせるから。一枚につき銅貨一枚で」
「はーい! ロベルト様ー! 新しいバイトですよー!」
幸せな騒がしさの中で、私は未来の旦那様(クラウス)との家計簿を思い描き、悪役令嬢らしく高笑いをしたのだった。
その日、財務省の宰相執務室に呼ばれた私は、クラウス公爵のあまりにも真剣な表情に、少し身構えた。
部屋には私たち二人きり。
扉には厳重に鍵がかけられ、防音の結界まで張られている。
(……何かしら? 国家予算の重大な欠損? それとも隣国との戦争勃発?)
私の脳裏に、様々なリスクシナリオが浮かぶ。
クラウスは無言のまま、重厚な革張りの椅子から立ち上がり、私の前に立った。
そして、懐から一つの小さな箱と、分厚い書類の束を取り出した。
「アイーダ。これを、君に渡したい」
「……これは?」
私はまず、書類の方に目をやった。
表紙には『ベルンシュタイン公爵家・全資産目録および管理権限譲渡誓約書』と書かれている。
「……!?」
私は息を呑んだ。
「か、閣下。これは……どういう意味ですか?」
「文字通りの意味だ」
クラウスは静かに告げた。
「私の持つ全ての資産――領地、屋敷、鉱山、国内外の預金、株式、美術品……その全ての管理・運用権限を、君に譲渡する」
「ぜ、全部……ですか?」
「ああ。私の個人資産も含めてだ。君の好きなように動かしていい。投資に使おうが、貯め込もうが、君の自由だ」
私は震える手で目録をめくった。
そこに羅列された数字は、国家予算を軽く超える桁数だった。
これは、一人の人間に託していい権限ではない。
国一つを買えるほどの力を、私という「強欲な女」に渡すというのか。
「……正気ですか? 私がこれを持ち逃げしたら、ベルンシュタイン家は破産ですよ?」
「君はそんな非効率なことはしない」
クラウスは迷いのない瞳で私を見た。
「君は『金の亡者』だが、同時に『育てのプロ』だ。君に預ければ、私の資産は最も効率よく増え、守られる。……違うか?」
「……否定はしません。私なら、年利二〇パーセントで運用してみせます」
「だろうな。だから、これはビジネスとしても最善手だ」
クラウスはふっと笑い、次に小さな箱を開けた。
パカッ。
そこに入っていたのは、指輪だった。
ただし、普通の指輪ではない。
中央に巨大なブルーダイヤモンドが鎮座し、その周囲にはベルンシュタイン家の家紋が刻印されている。
「そして、これが『鍵』だ」
「鍵?」
「我が家のメイン金庫、および当主代行の印章(シグネット)を兼ねた指輪だ。これを身につける者は、ベルンシュタイン家の全てを動かす権利を持つ」
クラウスは指輪を取り出し、私の左手を取った。
「アイーダ・フォン・ローゼンバーグ。……私の全財産と、私のこれからの人生(時間資産)。その全てを、君に委ねたい」
彼は私の薬指に、指輪をゆっくりと滑らせた。
ひやりとした金属の感触。
ずしりとした、物理的にも、意味的にも重い質量。
「つまり……結婚してくれ」
シンプルな言葉だった。
今まで散々、まわりくどい経済用語で口説いてきた男が、最後は飾らない言葉を選んだ。
私は自分の左手を見つめた。
青い宝石が、彼の瞳と同じ色で輝いている。
電卓を取り出そうとした手が、止まった。
計算する必要がない。
これは「取引」ではないからだ。
彼が私に渡そうとしているのは、金や権力以上のもの――「絶対的な信頼」だ。
私のような悪評まみれの悪役令嬢に、自分の全てを預けるという覚悟。
その価値は……。
「……馬鹿な人」
私は小さく呟いた。
「え?」
「リスクヘッジが甘すぎます。こんな強力な権限を他人に渡すなんて、経営者としては失格ですよ」
私は顔を上げ、涙がこぼれないように彼を睨みつけた。
「私が貴方を裏切ったらどうするんですか? 私が貴方を無一文にして捨てたら、どうするつもりですか?」
「その時は……」
クラウスは穏やかに微笑んだ。
「君に騙されたのなら、本望だ。……それに、君はそんなつまらない『損』はしないだろう?」
「……っ」
どこまでも私を信じている。
その愚直なまでの信頼が、何よりも私の心を揺さぶった。
私は大きく息を吸い、ニヤリと笑ってみせた。
精一杯の、悪役令嬢の顔で。
「……いいでしょう。その案件、お受けします」
「アイーダ……!」
「ただし!」
私は指を突きつけた。
「一度握った財布の紐は、死んでも離しませんよ? 貴方の無駄遣いは一切許しません。お小遣い制です。文句は言わせませんからね!」
「ああ。望むところだ。私の財布は、君のものだ」
クラウスは嬉しそうに私を抱き寄せた。
「契約成立(ディール)だね」
「ええ。……利益率測定不能の、大赤字覚悟の契約ですけどね」
私は彼の背中に腕を回し、そっと目を閉じた。
私の左手の薬指には、国一番の資産家の証が光っている。
でも、今一番価値があると感じているのは、この温かい体温だった。
「……愛していますよ、私のスポンサー様」
「私もだ、私の管財人殿」
私たちは執務室の中心で、契約のキスを交わした。
窓の外では、今日も王都が経済活動を続けている。
だが、この部屋の中にある「資産」だけは、どんな市場でも値がつかない、私たちだけの特別なものだった。
***
数日後。
『黒字屋』にて。
「きゃーっ! アイーダ様、その指輪!」
ミシェルが私の左手を見て絶叫した。
「すごーい! 大きい! 高い! 家が建つ!」
「家どころか、城が買えるわね」
私は紅茶を飲みながら、指輪を光にかざした。
「で、結婚式はいつなんですか? 私、ウェディングケーキ係やりますよ!」
「これから見積もりよ。式場、衣装、料理……。ふふふ、腕が鳴るわ」
私は電卓を取り出した。
「結婚式産業はボッタクリの温床だからね。徹底的にコストカットして、かつ最高益が出る式にしてみせるわ」
「ひぇぇ……花嫁修行じゃなくて、価格交渉から始まるんですね」
「当たり前よ。愛はプライスレスだけど、ケーキ入刀料は有料なんだから」
私の戦いはまだ終わらない。
次は「結婚式」という名の巨大ビジネスとの戦争だ。
「さあ、ミシェル。ロベルトも呼んでらっしゃい。結婚式の招待状の宛名書き、彼にやらせるから。一枚につき銅貨一枚で」
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