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真夜中の海の底
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駅までの道を、今日もさゆは自転車でえっちらおっちら漕いでゆく。マスクで自転車に乗るのも慣れた。六月もあっという間に終わろうとしている。
世界が変わってしまってから、始めての夏が来ようとしていた。
オンラインで話した楠木に、タキとの物語を一万字程度の中編に纏めたいと話したら、出来によっては文芸誌に載せると言ってくれた。他の仕事や絵画製作の合間に、少しづつ暇を見つけて原稿を書いていた。
なんだかずっと、自分がここにいないような、変に浮ついた日々を過ごしている。それは、世の中の緊張感のせいでもあるかも知れないし、人生を共にする様な約束をしながら、急にタキやルークと離れてしまったせいでもあった。なんだか身体が重いし、生理もずっと来ていない。
(なんか、色んなことに、疲れちゃったな)
夜中に、白黒の、顔の無い女の絵をずっと描いている。黒いワンピースを着た痩せた女が、ブラックホールの様な、真っ黒な深淵へ呑み込まれてゆく絵だ。
自分ひとりだったら、さゆはきっと、まだ、暮してゆける。
希望を見失っても。あらゆる事に怯えて崩れそうな心を、ひとり抱えて。
タキの設定は、迷った末に元AV男優ではなく、炎上の末に引退した元チャイルドモデルにした。
「僕は朝霧さんに、私小説を書いて欲しいと思います。朝霧さんは、人生そのものを小説や絵画に昇華出来る方だと思うので。ただ、設定やエピソードは朝霧さん本人や登場人物のプライバシーを侵害しないように改変する方が良いかなと。『石に泳ぐ魚事件』などもあるし、創造とプライバシーのラインは難しいですけどね」
グーグルマップを開くと、そこかしこでのタキとの思い出が溢れて来る。さゆは泣きながらプロットを組み立てた。最初のエピソードは、あの銀座の画廊での出会いだ。
『その百億の鴉は、銀座の小さな画廊の片隅で、音も無く羽ばたいていた』
具合が悪くなっては休み、また回復しては書いてを繰り返して、さゆはタキとの出会い、二人の距離が近づいて、キスをして身体を重ね、やがて別れてゆくその一連のストーリーを、あるがままに、時々感傷的に書き連ねた。形になるか、物語として成立するかなんて分からなかった。ただ、書かずにはいられなかった。
どこかに、自分とタキの物語が、この世のどこかに、ずっと残っていて欲しかった。
自分はもう恋愛はしないんだろうなという確信が、さゆの中にはあった。
エピソードを削っては入れ、表現を削っては入れを何度も繰り返し、夏の始まりになんとか、さゆの物語は文芸誌への掲載が決まった。
タイトルは「朝凪の海」。シンプル過ぎるかもと思ったけれど、タキをモデルにした登場人物の描写が、凪いだ海の様だから、結局このタイトルに落ち着いた。
(登場人物は仮名だけど、読む人が読んだら、私とタキだってすぐ分かるよね)
小説を発表する事は、誰にも言っていない。湊から時々LINEが来るけれど、結局、中国には渡れていないようだ。湊も日雇いのバイトで食いつなぎ、炊き出しに並んだりしてなんとか生活している。さゆも一度、米を送った。
(私も画材を買うお金が苦しいけど、これはどうしても欲しかったんだよね)
さゆは文芸誌の発売日当日、自転車で昭島の本屋まで遠出して、ドキドキしながら買った。ペンネームは、本名とは全く違う名前にしている。親の事も織り込んでいるので、その方が良いとの楠木の判断だった。本当なら少しばかり名前が世に出ている「朝霧紗雪」で発表したいだろうに、あえてそれをしなかった楠木にも感謝している。
それでも自分のペンネームが小さく表紙に出ているのを見ると、何かとんでもない事をしでかしてしまった気がして、動悸が止まらなかった。
(ふわわわわわわ)
家に帰ってもう一度読むと、行間から思い出が溢れて来て、またさゆは涙が止まらなくなった。
(ああ、優しかった頃のタキとルークに会いたいなあ)
それはもう、どこにもいない人を想うような気持ちだった。その文芸誌を宝物の様に枕元に置いて、その日は眠った。
七月は、何事もないように過ぎていった。こんなに空白ばかりの夏は初めてだ。外出する人も一時期より増えたけれど、さゆはどうしてもそんな気になれなかった。そんな折、女性向けwebメディアから、楠木を通して取材の依頼が来た。写真なしで構わないと言うので、迷った末に受けた。
「この物語は、刺さる人にはひたすら刺さる物語なんですよね。『ああ、自分の苦しみを書いてくれている』って」
インタビュアーにそう言われて、前に絵でも似た様な事を言われたな、とさゆはぼんやり思い出した。生い立ちや現在の生活なども詳しく話せない中で、インタビュアーは「これからの活動」に焦点を当てて掘り下げてくれた、と思う。
(なんか、自分の気持ちを整理出来て、良かったな)
その日やっと、「朝凪」が自分から離れた一つの物語に感じられた。
少しづつ、全てが過去に出来てゆける。そんな気がした。
(あ、そうだタキのLINE)
何も言わずにタキを小説に書いた後ろめたさで、タキへの苦い気持ちは薄くなっていた。今なら最後に、何度か来ているタキのLINEを見て、ブロックして終わりに出来そうだった。さゆはアパートの布団に横たわり、スマフォのロックを何気なく解除した。
「え・・・・なにこれ・・・・」
そこにタキから送られて来ている文面に、さゆは息を呑んだ。
『さゆ。朝霧さんて呼んだ方が良いかな?先月は何度か連絡してごめんね。実は、立川の商店街の理事長と俺昔電話番号を交換したんだけど、連絡があってね。さゆのご両親がさゆのYOUTUBEを発見して、何度かさゆの事を窺いに商店街に電話を掛けているらしい。理事長はさゆの昔の事は知らないけど、そのご両親の様子を不審に思って、さゆ本人じゃなくて俺に連絡して来たんだ』
ああ、迂闊な事をしたな、とさゆはほぞを噛んだ。今まで地方の雑誌や新聞に小さく自分の記事が載ってもトラブルになった事はなかったので、油断していた。ネットに顔や店の場所を晒す危険性を、もっと考えておくべきだった。そう言えば、この前会った画廊の主人も、「なんだかこの頃非通知の無言電話が増えてね」とぼやいていた。
自分はなんの気兼ねもなく、日なたにいられる人間ではないのに、それを忘れていた。
(インタビューも、載ると不味いかも知れないな)
両親が自分の居場所を特定して、いつか連れ戻しに来るかも知れないとは、ずっと感じていた。きっと、金に困っているんだろう。中学を卒業したら風俗で働け、と何度か義父に言われた事がある。
(でももう戸締りをちゃんとする位しか、手がないや)
自分の人生に対する諦めが、さゆを支配していた。もうどうなっても良いと思う一方で、惨めさに涙が止まらない。
(なんでこんな人生しか、私には無かったんだろうな)
涙にぼやけた視界の向こうで、タキのLINEが光っていた。
『大丈夫?何か変わった事ない?俺はすごく、さゆの事が心配だよ。どこか人気のある場所で良いから、会って話したい。出来る事はなんでもしたいから、いつでも連絡して欲しい』
どうしようもなく、冬の真夜中の海の底の様な冷たい孤独に苛まれたさゆは、その言葉に縋り付くしか、あてが無かった。
世界が変わってしまってから、始めての夏が来ようとしていた。
オンラインで話した楠木に、タキとの物語を一万字程度の中編に纏めたいと話したら、出来によっては文芸誌に載せると言ってくれた。他の仕事や絵画製作の合間に、少しづつ暇を見つけて原稿を書いていた。
なんだかずっと、自分がここにいないような、変に浮ついた日々を過ごしている。それは、世の中の緊張感のせいでもあるかも知れないし、人生を共にする様な約束をしながら、急にタキやルークと離れてしまったせいでもあった。なんだか身体が重いし、生理もずっと来ていない。
(なんか、色んなことに、疲れちゃったな)
夜中に、白黒の、顔の無い女の絵をずっと描いている。黒いワンピースを着た痩せた女が、ブラックホールの様な、真っ黒な深淵へ呑み込まれてゆく絵だ。
自分ひとりだったら、さゆはきっと、まだ、暮してゆける。
希望を見失っても。あらゆる事に怯えて崩れそうな心を、ひとり抱えて。
タキの設定は、迷った末に元AV男優ではなく、炎上の末に引退した元チャイルドモデルにした。
「僕は朝霧さんに、私小説を書いて欲しいと思います。朝霧さんは、人生そのものを小説や絵画に昇華出来る方だと思うので。ただ、設定やエピソードは朝霧さん本人や登場人物のプライバシーを侵害しないように改変する方が良いかなと。『石に泳ぐ魚事件』などもあるし、創造とプライバシーのラインは難しいですけどね」
グーグルマップを開くと、そこかしこでのタキとの思い出が溢れて来る。さゆは泣きながらプロットを組み立てた。最初のエピソードは、あの銀座の画廊での出会いだ。
『その百億の鴉は、銀座の小さな画廊の片隅で、音も無く羽ばたいていた』
具合が悪くなっては休み、また回復しては書いてを繰り返して、さゆはタキとの出会い、二人の距離が近づいて、キスをして身体を重ね、やがて別れてゆくその一連のストーリーを、あるがままに、時々感傷的に書き連ねた。形になるか、物語として成立するかなんて分からなかった。ただ、書かずにはいられなかった。
どこかに、自分とタキの物語が、この世のどこかに、ずっと残っていて欲しかった。
自分はもう恋愛はしないんだろうなという確信が、さゆの中にはあった。
エピソードを削っては入れ、表現を削っては入れを何度も繰り返し、夏の始まりになんとか、さゆの物語は文芸誌への掲載が決まった。
タイトルは「朝凪の海」。シンプル過ぎるかもと思ったけれど、タキをモデルにした登場人物の描写が、凪いだ海の様だから、結局このタイトルに落ち着いた。
(登場人物は仮名だけど、読む人が読んだら、私とタキだってすぐ分かるよね)
小説を発表する事は、誰にも言っていない。湊から時々LINEが来るけれど、結局、中国には渡れていないようだ。湊も日雇いのバイトで食いつなぎ、炊き出しに並んだりしてなんとか生活している。さゆも一度、米を送った。
(私も画材を買うお金が苦しいけど、これはどうしても欲しかったんだよね)
さゆは文芸誌の発売日当日、自転車で昭島の本屋まで遠出して、ドキドキしながら買った。ペンネームは、本名とは全く違う名前にしている。親の事も織り込んでいるので、その方が良いとの楠木の判断だった。本当なら少しばかり名前が世に出ている「朝霧紗雪」で発表したいだろうに、あえてそれをしなかった楠木にも感謝している。
それでも自分のペンネームが小さく表紙に出ているのを見ると、何かとんでもない事をしでかしてしまった気がして、動悸が止まらなかった。
(ふわわわわわわ)
家に帰ってもう一度読むと、行間から思い出が溢れて来て、またさゆは涙が止まらなくなった。
(ああ、優しかった頃のタキとルークに会いたいなあ)
それはもう、どこにもいない人を想うような気持ちだった。その文芸誌を宝物の様に枕元に置いて、その日は眠った。
七月は、何事もないように過ぎていった。こんなに空白ばかりの夏は初めてだ。外出する人も一時期より増えたけれど、さゆはどうしてもそんな気になれなかった。そんな折、女性向けwebメディアから、楠木を通して取材の依頼が来た。写真なしで構わないと言うので、迷った末に受けた。
「この物語は、刺さる人にはひたすら刺さる物語なんですよね。『ああ、自分の苦しみを書いてくれている』って」
インタビュアーにそう言われて、前に絵でも似た様な事を言われたな、とさゆはぼんやり思い出した。生い立ちや現在の生活なども詳しく話せない中で、インタビュアーは「これからの活動」に焦点を当てて掘り下げてくれた、と思う。
(なんか、自分の気持ちを整理出来て、良かったな)
その日やっと、「朝凪」が自分から離れた一つの物語に感じられた。
少しづつ、全てが過去に出来てゆける。そんな気がした。
(あ、そうだタキのLINE)
何も言わずにタキを小説に書いた後ろめたさで、タキへの苦い気持ちは薄くなっていた。今なら最後に、何度か来ているタキのLINEを見て、ブロックして終わりに出来そうだった。さゆはアパートの布団に横たわり、スマフォのロックを何気なく解除した。
「え・・・・なにこれ・・・・」
そこにタキから送られて来ている文面に、さゆは息を呑んだ。
『さゆ。朝霧さんて呼んだ方が良いかな?先月は何度か連絡してごめんね。実は、立川の商店街の理事長と俺昔電話番号を交換したんだけど、連絡があってね。さゆのご両親がさゆのYOUTUBEを発見して、何度かさゆの事を窺いに商店街に電話を掛けているらしい。理事長はさゆの昔の事は知らないけど、そのご両親の様子を不審に思って、さゆ本人じゃなくて俺に連絡して来たんだ』
ああ、迂闊な事をしたな、とさゆはほぞを噛んだ。今まで地方の雑誌や新聞に小さく自分の記事が載ってもトラブルになった事はなかったので、油断していた。ネットに顔や店の場所を晒す危険性を、もっと考えておくべきだった。そう言えば、この前会った画廊の主人も、「なんだかこの頃非通知の無言電話が増えてね」とぼやいていた。
自分はなんの気兼ねもなく、日なたにいられる人間ではないのに、それを忘れていた。
(インタビューも、載ると不味いかも知れないな)
両親が自分の居場所を特定して、いつか連れ戻しに来るかも知れないとは、ずっと感じていた。きっと、金に困っているんだろう。中学を卒業したら風俗で働け、と何度か義父に言われた事がある。
(でももう戸締りをちゃんとする位しか、手がないや)
自分の人生に対する諦めが、さゆを支配していた。もうどうなっても良いと思う一方で、惨めさに涙が止まらない。
(なんでこんな人生しか、私には無かったんだろうな)
涙にぼやけた視界の向こうで、タキのLINEが光っていた。
『大丈夫?何か変わった事ない?俺はすごく、さゆの事が心配だよ。どこか人気のある場所で良いから、会って話したい。出来る事はなんでもしたいから、いつでも連絡して欲しい』
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