39 / 60
第三十九話 「お前なんか、家族じゃない。私の娘はリンダだけだ」
しおりを挟む
グランデ公爵家に連れて行かれた私は、その翌日にブライト様との結婚式を挙げた。
私の本名「ジェンナ』は、この国の貴族名鑑に記載されていない。父の正妻が頑として受け入れなかったのだ。そのため、私は『リンダ』として侯爵家に嫁いだ。
本物のリンダは名前を変えて、隣国のパル男爵家の長男に嫁ぐらしい。爵位こそ低いが領内に金鉱を持ち、グランデ侯爵家と太い取引があるため羽振りが良い。父達も喜んでその話を受け入れたという。
式の当日、私は無表情のまま、シルク製の肌触りが良い純白のドレスに身を包まれていた。
持たされた白い薔薇のブーケからも、被せられたベールに添えられた生花の薔薇からも、棘が完全に取り除かれている。
出席者は私と新郎のブライト様、そして侯爵様のみだ。
侯爵家の息のかかった教会で、誓約書に嘘の名前を書き入れる。
隣には不貞腐れたブライト様が、殴り書きした文字があった。
誓いのキスは、顔を近付けて振りをするだけだ。
これは式の直前に、侯爵様が直々に息子に指示を出していた。
「触れるな」と。
偽物尽くしの結婚式を終え、私達は屋敷に戻った。
メイドに手伝われて、ウェディングドレスから普段着に着替える。
家から持ってきた衣類はすぐに捨てられてしまい、侯爵様が自ら選んだという、高級で清楚なデザインのドレスに取り替えられた。それらはいずれも布地が柔らかく、着心地が良い。
身支度が済んだところでメイド長がやって来た。
「リンダ様。本日よりこの屋敷での過ごし方について、御主人様より指示がありました。
こちらをお守りくださいませ」
そう言って、一枚の紙を渡される。
________________
◎外出は一切禁止。
◎食事は自室で摂る。出された食事は必ず残さず食べること。
◎1日に四千歩から五千歩、屋敷内を歩くこと。これより多くても少なくてもいけない。
◎毎日指定した運動を行うこと。
◎仕事や社交には関わらない。
◎入浴は毎日。皮膚と髪の手入れは欠かさないこと。
◎毎日必ず八時間寝ること。
◎刃物、尖った物を持たない。火を扱わない。
◎階段を上り下りしない。
◎怪我や病気、体調の不良があれば、ごく僅かでも申告する。
◎閨は一切禁止。ブライトと顔を合わせる必要はなし。
◎週に一回、侯爵とお茶の時間を取り、その際必ず計測に協力すること。
________________
強い違和感を感じた。
正直なところ、社交や閨の義務がないのは、むしろ安心したが、全体に妙な束縛がある。
単に健康を気遣ったというだけでは済まされない、何か。
夫と顔を会わせなくていいのに、侯爵様とは週一度、会わなければいけない?
計測? 何だろう。
だけど逆らう訳にはいかなかった。
翌朝から、指示書通りの生活が始まった。
私の部屋に運ばれてくる食事は、最高級と思われる素材で、バランスが取れたものだ。
しかしそのほとんどが生か、ただ加熱され、最低限の塩分が加えられただけの、料理とは呼べないものだった。刺激のある調味料などは一切使われず、焦げ目なども付いていない。
だが出された分は、必ず食べきらねばならない。
生でも差し障りのない果物が、とてもありがたかった。
食後はメイドに付き添われて、屋敷内を散歩する。
メイドは歩数を数えているので話しかけることができず、無言だ。
所定の歩数を歩き終わると、部屋に戻って、体操をする。
「今週は膝から上を重点的に鍛えるようにとのことです」
メイドに言われて、両手を頭の後ろで組んで、膝を曲げたり伸ばしたりを繰り返した。
この生活は健康にはすこぶる良かったようで、ガリガリだった私の身体にも少しずつメリハリがつき、肌がツヤツヤしてきたと思う。
子爵家にいた頃と比べて、言葉にも身体にも暴力はほとんど振るわれない。
だけど、喜びもない。ひたすら無機質な生活。
しかし、たまに私の部屋に、ブライトが怒鳴り込んでくることがある。
最初の頃は徹底的に無視されていたが、私の姿が変化するにつれ、彼の私を見る目も変化していた。
「お前、何を考えてるんだ。お前は俺の妻だろう。
何でいつまでも寝室が別々なんだ」
「それは、お義父様がそうしろと……」
「お前の夫は親父か? いい加減にしろ!」
そんな時は、メイドが真っ先に部屋から走り出し、すぐに警備の者を連れてくる。
一度だけ間に合わず、彼に頬を打たれたことがあったが、次に会った時、ブライトは頭に包帯を巻き、片腕を三角巾で吊っていた。
それ以来、彼が部屋に押しかけて来たことは無い。
***
「リンダ様、本日この後、お茶の時間です。
アトリエへ、どうぞお越しくださいませ」
淡々とメイドが告げる。
この変化のない茫洋とした生活が、一気に灰色に染まる時間が訪れた。
侯爵領を治め、人形作りの大家でもある義父のアトリエには、まるで生きているかのような蝋人形が何体も立ち並んでいる。
その片隅に置かれたテーブルと、ダイニング用の椅子が二脚。
そのうちの一脚に御主人様は座り、私に向かいの椅子を勧めた。
「よく来たね、そこに掛けなさい」
会話はない。
義父の話を私が聞いて、ひたすら相槌を打つだけのティータイムだ。
「子爵やブライトは向こうのリンダの方が美人だと思っているが、そなたの方が遥かに美しい。彼奴等は化粧と男あしらいの巧みさに誤魔化される愚か者だ。
美と芸術、純粋な形の美しさが何たるかを、まるで理解していない」
「そうでしょうか」
「そなたがいれば、私は至高の傑作をこの世に残すことができる」
「そうですか……」
「手を見せなさい」
私が黙って差し出した手を、義父が上下から挟むように己の両手を重ね、私の手の甲をさする。
「うむ、いい肌理だ。手荒れもほとんど消えたな。
では服を脱ぎなさい」
まただ。
内心では嫌々だが顔には出さず、着ているものを全て脱ぎ、腕などで前の方を隠すようにして立つ。
侯爵は私の腕をどけると、胸周り、胴回り、腰回りと言わず、腕や脚の太さなど、五センチごとに巻き尺をずらして詳細にサイズを測り、それぞれの数値は彼のノートに逐一記録されていく。
「均整が取れてきたな。前は枯れ枝のようだったが。
だがもう少し肉が必要だ。オーツ麦を毎食20g追加するように言っておく」
……計測以上のことは何もされないが、私はこの時間が厭わしくてたまらない。
本当だったら、すぐにでも逃げ出したい。
だけど逃げる場所はどこにもない。
この屋敷に来る直前の、子爵邸での最後の別れを思い出す。
「お、お父様、私……怖い……です」
グランデ侯爵家の馬車に乗る直前、私は母を亡くしてから初めて、父を父と呼んだ。
「私を父と呼ぶな。ジェンナ、お前なんか、家族じゃない。私の娘はリンダだけだ。
戻って来ようなどと考えるな。お前がひとり生贄になれば、全て丸く収まるんだ」
険しい表情の子爵から返ってきたその言葉に、ただ打ちのめされ、大人しく馬車に乗るしかなかったのだ。
私の本名「ジェンナ』は、この国の貴族名鑑に記載されていない。父の正妻が頑として受け入れなかったのだ。そのため、私は『リンダ』として侯爵家に嫁いだ。
本物のリンダは名前を変えて、隣国のパル男爵家の長男に嫁ぐらしい。爵位こそ低いが領内に金鉱を持ち、グランデ侯爵家と太い取引があるため羽振りが良い。父達も喜んでその話を受け入れたという。
式の当日、私は無表情のまま、シルク製の肌触りが良い純白のドレスに身を包まれていた。
持たされた白い薔薇のブーケからも、被せられたベールに添えられた生花の薔薇からも、棘が完全に取り除かれている。
出席者は私と新郎のブライト様、そして侯爵様のみだ。
侯爵家の息のかかった教会で、誓約書に嘘の名前を書き入れる。
隣には不貞腐れたブライト様が、殴り書きした文字があった。
誓いのキスは、顔を近付けて振りをするだけだ。
これは式の直前に、侯爵様が直々に息子に指示を出していた。
「触れるな」と。
偽物尽くしの結婚式を終え、私達は屋敷に戻った。
メイドに手伝われて、ウェディングドレスから普段着に着替える。
家から持ってきた衣類はすぐに捨てられてしまい、侯爵様が自ら選んだという、高級で清楚なデザインのドレスに取り替えられた。それらはいずれも布地が柔らかく、着心地が良い。
身支度が済んだところでメイド長がやって来た。
「リンダ様。本日よりこの屋敷での過ごし方について、御主人様より指示がありました。
こちらをお守りくださいませ」
そう言って、一枚の紙を渡される。
________________
◎外出は一切禁止。
◎食事は自室で摂る。出された食事は必ず残さず食べること。
◎1日に四千歩から五千歩、屋敷内を歩くこと。これより多くても少なくてもいけない。
◎毎日指定した運動を行うこと。
◎仕事や社交には関わらない。
◎入浴は毎日。皮膚と髪の手入れは欠かさないこと。
◎毎日必ず八時間寝ること。
◎刃物、尖った物を持たない。火を扱わない。
◎階段を上り下りしない。
◎怪我や病気、体調の不良があれば、ごく僅かでも申告する。
◎閨は一切禁止。ブライトと顔を合わせる必要はなし。
◎週に一回、侯爵とお茶の時間を取り、その際必ず計測に協力すること。
________________
強い違和感を感じた。
正直なところ、社交や閨の義務がないのは、むしろ安心したが、全体に妙な束縛がある。
単に健康を気遣ったというだけでは済まされない、何か。
夫と顔を会わせなくていいのに、侯爵様とは週一度、会わなければいけない?
計測? 何だろう。
だけど逆らう訳にはいかなかった。
翌朝から、指示書通りの生活が始まった。
私の部屋に運ばれてくる食事は、最高級と思われる素材で、バランスが取れたものだ。
しかしそのほとんどが生か、ただ加熱され、最低限の塩分が加えられただけの、料理とは呼べないものだった。刺激のある調味料などは一切使われず、焦げ目なども付いていない。
だが出された分は、必ず食べきらねばならない。
生でも差し障りのない果物が、とてもありがたかった。
食後はメイドに付き添われて、屋敷内を散歩する。
メイドは歩数を数えているので話しかけることができず、無言だ。
所定の歩数を歩き終わると、部屋に戻って、体操をする。
「今週は膝から上を重点的に鍛えるようにとのことです」
メイドに言われて、両手を頭の後ろで組んで、膝を曲げたり伸ばしたりを繰り返した。
この生活は健康にはすこぶる良かったようで、ガリガリだった私の身体にも少しずつメリハリがつき、肌がツヤツヤしてきたと思う。
子爵家にいた頃と比べて、言葉にも身体にも暴力はほとんど振るわれない。
だけど、喜びもない。ひたすら無機質な生活。
しかし、たまに私の部屋に、ブライトが怒鳴り込んでくることがある。
最初の頃は徹底的に無視されていたが、私の姿が変化するにつれ、彼の私を見る目も変化していた。
「お前、何を考えてるんだ。お前は俺の妻だろう。
何でいつまでも寝室が別々なんだ」
「それは、お義父様がそうしろと……」
「お前の夫は親父か? いい加減にしろ!」
そんな時は、メイドが真っ先に部屋から走り出し、すぐに警備の者を連れてくる。
一度だけ間に合わず、彼に頬を打たれたことがあったが、次に会った時、ブライトは頭に包帯を巻き、片腕を三角巾で吊っていた。
それ以来、彼が部屋に押しかけて来たことは無い。
***
「リンダ様、本日この後、お茶の時間です。
アトリエへ、どうぞお越しくださいませ」
淡々とメイドが告げる。
この変化のない茫洋とした生活が、一気に灰色に染まる時間が訪れた。
侯爵領を治め、人形作りの大家でもある義父のアトリエには、まるで生きているかのような蝋人形が何体も立ち並んでいる。
その片隅に置かれたテーブルと、ダイニング用の椅子が二脚。
そのうちの一脚に御主人様は座り、私に向かいの椅子を勧めた。
「よく来たね、そこに掛けなさい」
会話はない。
義父の話を私が聞いて、ひたすら相槌を打つだけのティータイムだ。
「子爵やブライトは向こうのリンダの方が美人だと思っているが、そなたの方が遥かに美しい。彼奴等は化粧と男あしらいの巧みさに誤魔化される愚か者だ。
美と芸術、純粋な形の美しさが何たるかを、まるで理解していない」
「そうでしょうか」
「そなたがいれば、私は至高の傑作をこの世に残すことができる」
「そうですか……」
「手を見せなさい」
私が黙って差し出した手を、義父が上下から挟むように己の両手を重ね、私の手の甲をさする。
「うむ、いい肌理だ。手荒れもほとんど消えたな。
では服を脱ぎなさい」
まただ。
内心では嫌々だが顔には出さず、着ているものを全て脱ぎ、腕などで前の方を隠すようにして立つ。
侯爵は私の腕をどけると、胸周り、胴回り、腰回りと言わず、腕や脚の太さなど、五センチごとに巻き尺をずらして詳細にサイズを測り、それぞれの数値は彼のノートに逐一記録されていく。
「均整が取れてきたな。前は枯れ枝のようだったが。
だがもう少し肉が必要だ。オーツ麦を毎食20g追加するように言っておく」
……計測以上のことは何もされないが、私はこの時間が厭わしくてたまらない。
本当だったら、すぐにでも逃げ出したい。
だけど逃げる場所はどこにもない。
この屋敷に来る直前の、子爵邸での最後の別れを思い出す。
「お、お父様、私……怖い……です」
グランデ侯爵家の馬車に乗る直前、私は母を亡くしてから初めて、父を父と呼んだ。
「私を父と呼ぶな。ジェンナ、お前なんか、家族じゃない。私の娘はリンダだけだ。
戻って来ようなどと考えるな。お前がひとり生贄になれば、全て丸く収まるんだ」
険しい表情の子爵から返ってきたその言葉に、ただ打ちのめされ、大人しく馬車に乗るしかなかったのだ。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
公爵令息様を治療したらいつの間にか溺愛されていました
Karamimi
恋愛
マーケッヒ王国は魔法大国。そんなマーケッヒ王国の伯爵令嬢セリーナは、14歳という若さで、治癒師として働いている。それもこれも莫大な借金を返済し、幼い弟妹に十分な教育を受けさせるためだ。
そんなセリーナの元を訪ねて来たのはなんと、貴族界でも3本の指に入る程の大貴族、ファーレソン公爵だ。話を聞けば、15歳になる息子、ルークがずっと難病に苦しんでおり、どんなに優秀な治癒師に診てもらっても、一向に良くならないらしい。
それどころか、どんどん悪化していくとの事。そんな中、セリーナの評判を聞きつけ、藁をもすがる思いでセリーナの元にやって来たとの事。
必死に頼み込む公爵を見て、出来る事はやってみよう、そう思ったセリーナは、早速公爵家で治療を始めるのだが…
正義感が強く努力家のセリーナと、病気のせいで心が歪んでしまった公爵令息ルークの恋のお話です。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
編み物好き地味令嬢はお荷物として幼女化されましたが、えっ?これ魔法陣なんですか?
灯息めてら
恋愛
編み物しか芸がないと言われた地味令嬢ニニィアネは、家族から冷遇された挙句、幼女化されて魔族の公爵に売り飛ばされてしまう。
しかし、彼女の編み物が複雑な魔法陣だと発見した公爵によって、ニニィアネの生活は一変する。しかもなんだか……溺愛されてる!?
ヒロイン気質がゼロなので攻略はお断りします! ~塩対応しているのに何で好感度が上がるんですか?!~
浅海 景
恋愛
幼い頃に誘拐されたことがきっかけで、サーシャは自分の前世を思い出す。その知識によりこの世界が乙女ゲームの舞台で、自分がヒロイン役である可能性に思い至ってしまう。貴族のしきたりなんて面倒くさいし、侍女として働くほうがよっぽど楽しいと思うサーシャは平穏な未来を手にいれるため、攻略対象たちと距離を取ろうとするのだが、彼らは何故かサーシャに興味を持ち関わろうとしてくるのだ。
「これってゲームの強制力?!」
周囲の人間関係をハッピーエンドに収めつつ、普通の生活を手に入れようとするヒロイン気質ゼロのサーシャが奮闘する物語。
※2024.8.4 おまけ②とおまけ③を追加しました。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる